『ゾーン』とは、極度に集中した精神の状態のことです。『フロー状態』とも言います。
極度に集中した状態では、時間の流れが遅くなり、作業は、なめらかに転がるように、よどみなく進んでいきます。
私はプログラマーですが、『ゾーン』に入ってバリバリ書きまくれるときもあれば、躓いてばかりでちっともコーディングが進まない時もあります。
今日は私が実践している『ゾーン』に入るための方法を説明します。
あらかじめ断っておきますが、私がこの方法で『ゾーン』に入れるのは、10回に3回です。
気温の変化、体調の変化、途中で割り込みがないか、前日よく眠れたか、合コンで意中の相手に無視されたか、などなど、
それでも知りたい、という方は続きをお読みください。
人の脳のうち、自覚して使われていない部分を「無意識」の領域と呼びます。
「無意識」には、「意識」下にあるリソースとは比べ物にならないほどの莫大なリソースがあります。
ふだん「無意識」下には、”生活するためのプログラム”、”危機を回避するためのプログラム”などが常駐プログラムとして走っています。
「無意識」の空きリソースを確保するために、それらを一旦終了する必要があります。
まず、作業の前に食事をとってください。食事は胃もたれする脂っこいものや、体内で性質を変えるもの――カフェイン・アルコール、などを避けてください。
そして、作業の途中でお腹が空いた時のために、おやつを用意しておきます。
食べかすが溢れるクッキーなどは避けてください。手が汚れる羊羹などもいけません。できれば手づかみで食べれる、まんじゅうなどがよいでしょう。
包装されているものは、あらかじめ皮をむいておきましょう。
”生活するためのプログラム”に、”必要なタイミングでトイレに立つ”というものがあります。
作業開始の前に用を足しておきましょう。
また食生活を習慣化すると、発動のif条件が時間のチェックだけで十分になるので、ある程度このプログラムの要求するリソースを減らすことができます。
とちゅうで誰かから電話がかかってきたり、メールが来たり、アラームが鳴ったり、上司から呼び出されたりすると、『ゾーン』から強制的に離脱させられます。
携帯の電池を抜いたり、割り込まないように上司を説得しておく、などの対策を取りましょう。
誰かが訪ねて来ないようにするために、できれば作業はブースや自室で行うのが好ましいです。
あなたの脳の実行ループには、"予定されていた行動のために準備する"というタイマーがセットアップされています。
たとえば夜に意中の女の子と初デートの約束があるようなとき、その日の日中に『ゾーン』に入ることはできません。
女の子とのデートを諦める、などすれば確実なのですが、そうもいかない方々も多いでしょう。
私は彼女と話をつけて、デートは彼女の方から誘ってもらうようにしています。
(脱線しますが、一番危険なのは、”予定された致命的な割り込み”です。上司から「ちょっと話があるから、明日の午前、俺のところに来てくれる?」などと言われた時、プログラマーたるあなたの今日は、人生から消え去ります。作業は上の空で、全く手につかないでしょう。)
プログラミングの途中で、APIの仕様を調べたり、バグレポートを分析したり、他部門に問い合わせたりすると、そこで『ゾーン』からはじき出されてしまいます。
APIに習熟するために十分に練習をしておきましょう。
問い合わせが必要なら、それも済ませておきましょう。
分析はあらかじめ済ませておき、プログラミングを残すのみ、としておきましょう。
なお、これは人とプロジェクトによるかと思いますが、クラス設計まで事前にしておく必要はありません。
深い『ゾーン』に入った時は、正しいUMLが頭のなかに勝手に浮かんできます。
以上が事前準備です。すべての項目を念入りにチェックしてください。
一つでもおろそかにしていると、そこがあなたの集中の限界になります。
準備は出来ましたか?それでははじめましょう。
私は音楽に詳しくありませんが、知り合いのすすめでトランス系の音楽を聴くようにしています。
これをヘッドホンで聴きます。iTunesにホットキーを設定して、簡単に音量を落とせるようにしてください。
『ゾーン』使いの中には、作業前に深い瞑想を行って、一気に突入する、という人もいますが、
一気に入ると、うまく入れるときには良いのですが、入れなかった場合、次回に『ゾーン』に入るとき、”すごく面倒くさく”なってしまうのです。
(これはおそらく、精神へのダメージを防ぐための防御プログラムの働き、のようなものだと思いますが、詳しくはわかりません。)
作業に集中できてきたら、次の文句を頭のなかで唱えましょう。
「集中するのを面倒臭がっている自分がいる。一方で、深い集中に入っていく自分がいる」
人は普段、自分がやろうとしていることを”言葉”にして、明示的に考えます。
「無意識」の領域で思考を行うために、”言葉”にするのをやめます。
鉄 ___________ | | 鉄| (磁石) |鉄 | | ---------- 鉄
鉄に囲まれた部屋に、丸い磁石のたまが浮かんでいる、という状態です。
これは登大遊氏が考案したテクニックです。(彼はこのイメージを伴った方法を「論理的思考の放棄」とよんでいました)
磁石は集中がブレると、鉄に引き寄せられてぶれてしまいますが、
このようなイメージを頭のなかに維持し、磁石を真ん中に維持するようにしながら、プログラミングの作業を続けてください。
この方法に慣れるまでには時間がかかりますが、うまくできるようになると、『ゾーン』への突入確率が劇的に上がります。
作業に躓いたり、なんとなく飽きてきた、やる気がなくなってきたら、即座に作業をやめましょう。
「無意識」下でなんらかの常駐プログラムが働いて、思考をだんだん”濁らせて”いるのです。
『ゾーン』に入っているあなたは、このプロセスの進行が手に取るように分かります。
ここで無理に戻そうとすると、「無意識」下の思考のコントロールを失い、次回に『ゾーン』に入りにくくなってしまいます。
潔く諦め、集中をほどいて、作業を終わりにしましょう。
以上です。。
なんだ トリックネタじゃないのか
これって作業要素が多い仕事じゃないと効果ないよね。自分は企画担当だから音楽聞くなんて以ての外。
瞑想とは違うのか?
時間の感覚を失わせてるだけじゃないのか。 作業に集中してたら時間がすっ飛んでることなんてよくある。
「無意識」には、「意識」下にあるリソースとは比べ物にならないほどの莫大なリソースがあります。 『ゾーン』に入ると、そこにあるリソースを有効活用できます。 これ軽々しく...
私はプログラマーですが、『ゾーン』に入ってバリバリ書きまくれるときもあれば、躓いてばかりでちっともコーディングが進まない時もあります。 だめじゃん。仕事人なら常時8割以...
これ、だいたいはいいんだけど、音楽が終わったり、曲の変わり目になると 集中も途切れちゃうんだよね。
人工テトリス・ハイといったところか
似たような趣味を持つものとしてぜひ頑張って欲しい。 ちなみに年明け後に確認したところ、2014年の1000超えはたった22本。 3本入れたなら14%だから相当すごいよ。 1991ブコメ 部下がく...
ありがとう。齧りついちゃって時間飛ぶから最近はあんまりだよ。 総数は250個くらい? 狙ったのは30個くらいかな。渾身のがガン無視される度泣いてる ;-)