昼食後の事であった。過食嘔吐を抑えていると、久々に殺人衝動が湧き上がる。安定剤の経口により治まりを見せたが、いつにも増してそわそわしていた。気を紛らすため、同室の中原さんと談笑していた。名前は失念したが、昨日話し掛けてきた叔父さんも会話に加わる。叔父さんと中原さんは二人で入院病棟の昔話に花を咲かせていた。しかし、互いの距離を測りかね、間も無く解散する。夕食後、移動売店で購入したカップヌードルを詰め込もうと思ったが、ココアを飲むことで落ち着かせようと知恵を働かせる。ココアを飲み干し、すぐに歯を磨く。が、一度何かを摂取してしまうと、抑えが聞かなくなり、本日二度目の安定剤を服用する。イライラは収まらない。夕食前、読書、WEBでの学習を90分ほど行っていたので、再び手を付けようとするも、読字障害を引き起こし、文字を読むことができない。どうしようもなくなったので、僕はThe Comes「No Side」を子守唄代わりに聞きながら、窓辺にて佇んでいる。大病院の5階から見下ろす冬景色は、僕をより一層苛立たせた。
その後、カップヌードルを食らい、ミルクココアの粉末をスプーン山盛りで掻き込んでいた。自責の念はあったものの、嘔吐をすることはなかった。しかし、精神科病棟というのは、どうなっているのだろうか。過食嘔吐の経験は前以って知らせたはずであるが、どういうわけか、「おやつ規制」の対象となっていない。問診の際、精神医学准教授の診察を受けた。准教授はそこで、「リストカットと過食は若者のストレス解消の手段だからねぇ」と述べていたが、薬によって治療すべきでないということか。私の症状は錯綜を呈しており、診断も付かない状況である。不安ばかり募る。いっそ、死んでしまいたいとさえ思う。