2013-09-29

奈良ラッセン論争について

奈良美智 「自分の作品のファンがラッセンも好きなら発表をやめる」 - Togetter

ムサビの受講生アンケートにおける「嫌いなアーティスト」に村上隆草間彌生会田誠カオスラウンジが挙がるも,奈良美智が挙がらなかったらしい。

それについて,武田氏(誰?)が「奈良美智好きな人ラッセンが好きなんだろう」という発言をしたらしい。

それについて,奈良氏が「武田さんの発言は、なんだか心外だなぁと思います。僕の作品が好きな人統計をとってみてほしいですね~。ほんとにそうだったら、発表を辞めます。本気で。」とtweetした。

ラッセンは「美術」として扱われておらず,他方で奈良は「美術」として扱われている。これは,ラッセン美術館に展示されない(あるいは美術館を発表手段としていない)が,奈良美術館に展示されていることに端的に表れている。村上隆美術館に入り鳴子ハナハル美術館に入らないのと同じである

もっとも,そのような,業界での位置づけ(奈良=内部者,ラッセン=部外者)という視点は,両者のファン層が重複するか否かと関係しない。

ファンになるか否かは,業界での位置づけではなく個々人の好みの問題であるから,作品あるいは商品自体の性質から導かれるはずだ。

 

ラッセンの絵は,海とイルカという具体的なモチーフを扱いながら何らの意味を持たない。

奈良の絵もまた,何らの意味を持たない。(それ故に,殊更に「嫌いなアーティスト」として認識する必要に迫られない。)

少女という具体的モチーフを扱っているかのように見えるが,実際にそこで行われているのは,キャンバスに直線を数本引いて「この線の緊張感が」と云々する古式ゆかしい現代アートのものである

作品のスタイルからして,ラッセンは中身の無い美しい物好きに,奈良は中身の無い顕学主義者に好まれるであろうから,両者のファン層は異なると予想される。

したがって武田氏の発言は失当であり,奈良が怒るのも尤もなのである

 

(などと書いてみたけど,何らの意味を持たないという点では草間彌生も同じなのに彼女ムサビ生に嫌われているらしいので,間違ってる気がする。)

  • そんなのは奈良かラッセンを好きだという奴が論争してればいいんであって 好きでもないのに口出しする奴は蝿以下の害虫だな

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