五才になる子供を寝かしつけるために本を読むことがあるのだが、今日はためしに宮沢賢治の「北守将軍と三人兄弟の医者」を読み聞かせた。
すべての文章が五七調になっているでリズムがよいことと、文章が古くてわかりづらいことのダブルパンチで、睡眠導入に最適かと思いきや、なかなか寝ない。
と聞くと、
「感動した」
という言葉が返ってきた。馬鹿だけど正直なうちの子供は、わからなかったらわからないと言う。そこを踏まえると、それなりに内容を理解していたらしい。
宮沢賢治の童話は名作が多いが、いかんせん言葉が古いので、今の子供が聞いても意味が分からない表現が多いはずだ。
それでも感動したと子供に言わせるのは、宮沢賢治のすごいところだと思う。
特に童話というジャンルで、言葉遣いがかなり変わってしまっている未来の子供の心を的確にわしづかみにする力が、彼の童話にはある。
本当にすごいわ。
そういう人に、私もなりたい。