2012-06-26

結婚前になって気づいたこと

私は父を嫌悪している。

私は女だが、よくある思春期の親父キモイとか、洗濯物を一緒にしないでとか、そういった意味での嫌悪ではない。と思いたい。

子供の頃から父は恐怖の対象だった。家に帰れば職場愚痴。同僚の失態への憤りを引きずったまま食卓につき、母や私たち姉妹がなにか気に入らないことをすれば、ここぞとばかりに怒鳴ってストレスを発散していた。父の機嫌を損なわないように日々顔色を伺って生活するような子供に育っていった。

高校生大学生になっても授業が終ればすぐに帰宅し夕食の用意を手伝い、休日は家のことをするのが当たり前。気がつけば私には放課後休日に遊ぶ友人など一人もいなくなっていた。父に逆らうことは恐ろしく、こんな毎日が一生続くのだろうと諦めていた。

しかし、予想もしない出来事が起きて、私は父に反抗し、家を出ることになった。それから毎日は今まで経験することがなかった楽しいことに満ち溢れていた。もちろん失敗や挫折もあったが、すべて自分で決めて生活していく毎日にとても満足していた。そして今の彼に出会った。父とは正反対の人。機嫌が悪くても八つ当たりやいきなり怒鳴ったりするこのない、一緒に居ると心穏やかに過ごせる、私の理想の人だった。長い交際期間を経て結婚する事になり、ほぼ連絡を絶っていた父に嫌々ながら電話した。

もしもし、○○か?」その声を聞いて愕然とした。

ずっと嫌悪していた父と正反対だと思っていた婚約者の声があまりにも似ていたからだ。娘は無意識に父を理想男性に当てはめるとか、そんな心理学か何かの言葉を思い出した。

結局、どんなに嫌悪していても、どこからしら投影してしまうのかと。結局、完全に離れられないのかと。

運命というのは大袈裟だが、結局私は逆らえなかったんだな。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん