2012-05-17

不忍池近くの映画館へ行ってきた。

これだけで、知っている人はピンとくると思うが、そこはゲイが集まるハッテン場だ。

自販機に500円玉を入れ券を買い、スリへの注意を喚起されつつオバちゃんに券を渡す。

労務者風のオヤジからセーラー服姿の女装まで、色とりどりの見本市状態。

常連さんが多いのか、談笑している集団が目につく。

リラックスした雰囲気からドアを開け、超満員の館内に一歩入ると、雰囲気は一変。

異様なオーラがみなぎっていた。

座席では、近くでガン見しているギャラリーを従え、至る所で行為が同時進行中。

周囲の通路では、そんな行為を横目に、物色中の人々。

知的好奇心のみでその場に辿り着いた俺は、

好奇心の充足のためならば、股間や尻を触られる位は覚悟の上のつもりだった。

案の定、しばらくすると、後ろから尻を触る男が現れた。

ノーマルな俺は、尻の魅力とは、その丸みを帯びたフォルムだと思っていた。

しかし、俺の尻に対する認識は、その場の常識とは微妙に違っていたらしい。

後ろにいた男は、ピンポイントで肛門の付近をまさぐってきた。

彼らにとっての尻とは、つまり肛門。

具体的な行為イメージが浮かび、少し脚が震えた。

人混みを押しのけながら、早足で館外へと向かう。

外に出ると、そこにはごく普通休日風景が広がっていた。

遊具で遊ぶ子供子供を見守る両親、デート中のカップル

先程の場所での出来事は、現実で無かった様な気がしてくる。

時折目に入る女装がいなければ。

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