TPPの導入で色々と議論があるが、メリットの1つとして日本の農業の競争力強化がある。
外国産の農作物に対抗するために、日本の農家が企業努力をするというのだ。
友人が農家をやっているのだが、今の農業というのは農協からの補助金で生活している人がほとんどだという。
作った野菜をキロ数百円という重量で(品質ではない!)生活できない値段で買い叩かれて、農協からくれる、あるいは農協からの借金で生活している。
友人が作っているものは付加価値のある果物なので、農協を通さなければそれなりの市場価格で売れるのだが、農協を通さないとなると地域の目もあるし、なによりなにか起きたときに農協の手助けを得られない、農協に金をもらったほうがラク、農協に潰されるなど政治的な問題で農協依存から抜け出せないのが現状とのことだ。
このように付加価値のあるものを生産している努力している生産者さえこれが現状である。いわんや、コモディティ化した野菜を生産している業者にとって、農協がなければ農業は存続出来ないことは明白だろう。
考えてみて欲しい、八百屋で得られている一個100円のキャベツ。この値段に疑問を抱かないだろうか?
これ、たとえ1万個作っても100万円にしかならない。毎月1万個作れるなら年商1200万円として事業としては継続できそうな気もするが、農作物はそのような工業製品とは違う。
そう。そもそも、日本の野菜や果物は税金ですでにとっても安く手に入るようになっているのだ。
補助金で農業を延命させている手前、今後TPPが発足したところで、さらなる税金が投入されて市場に出回るのは日本の作物だろう。
どうせ大量の税金を投入してすでに安価な値段にしているのだから、100円を50円にしたところでたいして変わらない。
補助金をなくして農家を潰してしまえばいいという意見もあるが、そうなったら大量の失業者はどうなる?
現状で全仕事に対して、10%も人が余っている状態で、別の仕事をさがすことはかなり困難である。
そうなると生活保護となるが、それが幸せな判断だろうか?それより産地直送のおいしい野菜を作ってもらったほうが良くないだろうか?
また、一度安い外国の野菜や米を手に入れた消費者は、それを買い続けるだろう。カルフォルニア米は食べたことあるが、安い無洗米と比べてほとんど味は変わらない。そうなると、わざわざ高い国産を(しかも放射能に怯えて)買う必要があるだろうか?
TPPは所得中間層が手痛い思いをするため、高級国産野菜を買える層は少数になる。例え農家が努力しても、すべての農家を食わせるだけの市場は日本国内だけでは成立しないと思われる。
やるならまず中国に国産野菜が輸出出来るほどの技術をつけさすのが先である。
それには農家への補助金制度を見直して、減らすべき。そして市場競争力をつけさせることに農協は力を入れる。農協の中の人がわからないのなら、コンサルタントでも雇えばいい。
そのような努力をして中国に野菜や米を売って国内の供給が減って値段が高くなって庶民が買えない!となったときに初めてTPPに参加すればいい。
そういや、実家が農家の知り合いが「すべての農家は農協に搾取されてる」と言ってたわ。 農協って潰していいんじゃね?