2011-10-02

大学栄養学科について語りたくなったので語る。

から見て分かるとおり、http://anond.hatelabo.jp/20110929232831パクリです(書き終えてみれば、パクったのは題名だけですが)。

栄養学科です。それほどメジャー学科ではないと思う。管理栄養士になりたい人が行くところと捉えて頂ければ十分です

そもそも、栄養士という職(資格)を知っていても、具体的にどんなことをするのか分からない方も多くいらっしゃると思います

悲しいけれど、「給食のオバちゃんのボス」という言葉がしっくり来る現状です

仕事は多岐に渡るのだけど、後にさらりと触れるので、ここでは省きます

 

筆者は栄養学科に行きはしたが、結局は別の道を選んだ脱落者です

これから書く内容は、現状には即していないかもしれませんが、恐らくそう外れたことでもないでしょう。

筆者がなぜ栄養士として働かなかったのか、ということについても後程述べます

 

栄養士を夢見る女学生の方や、栄養系の学科ってどんなことやるの?と思う方、その他お暇な方向けです

長い序文となりました。本文も長くなりますが、お付き合い頂ければ幸いです

大学というよりは、4年制の専門学校という方が正しいか

他の学部学科ならば、大学生活は割りと時間に余裕があるのではないでしょうか。人生夏休みとも言われるほどですし。

空きコマがあるのは当たり前、丸々休みの日もある、というのが私のイメージです(他の学科について正直よく分かりませんが)。

栄養学科場合、たまに空きコマがあっても、休みの日なんてありません。時間割がみっちり詰まっています月曜日の朝から金曜日の夕方まで何かしらあります

取りたい資格が少なければ、少しは余裕が生まれますが、逆にひとつでも多く資格を取りたい!となると遊ぶ時間が消えます

衛生の資格に加え、栄養教諭資格も取得した友人は、1年生から4年生の間まで、ずっと忙しそうでした。死にそうな顔していました。

また、実験や実習も多くあるので、それらがある日は時間割通りに行かないことも少なくはなく。

管理栄養士になるために必要な科目が必修科目になり、その量が膨大……とまでは行かなくとも(膨大なんて言ったら医師看護師に失礼だわな)、

かなり多い部類には入るので、他の学科のように単位選択に困るわー、取得に困るわー、なんてことはありません。ここは利点かな……?

1,2年生まではみっちり勉強そして実習、3年生になると時間割の上では余裕が出来ますが、臨地実習に行かなくてはなりません。

給食施設実習(ここでの給食施設とは、保育所学校、及び老人福祉施設などを指す)、臨床栄養実習(病院)、公衆栄養実習(保健所)の3箇所全て。

準備、臨地実習本番、報告書作成、報告会準備などに追われ、ひとつ終わったと思ったら次の実習が始まるので、3年生は結構忙しい。夏休みは半分くらい潰れました。

4年生になれば、授業ほっとんどねーや解放されたぜイヤッホゥゥ!!だが世の中そんなに甘くない。就職活動卒業論文実験)が待っている。

授業もそこそこそれなりにあって、臨地実習もある3年生が恐らく一番忙しい学年です。そんなだからまともな就職活動が出来るのは2月くらいからかな。

ちなみに栄養教諭を目指す人は、そのための実習があるので、さらに遅れます

管理栄養士になりたくない、って人は実習等も適当に乗り切って、時間が出来る12月くらいから始めます。それでも遅いんだろうけどさ。

結構色んなことをやります

さて、栄養学科文系に属するのでしょうか、理系なのでしょうか。

理系の知識がなければまずやっていけませんが(化学生物特に化学については高校でしっかり学んでおく必要がある)、

まるっきり理系というわけでもなく、文系のような?こともやります

管理栄養士は、食事を作ることだけが仕事ではなく、人の相談に乗ったり(カウンセリング)、教育したりなどもします。そのための技術も必要です

保育所学校栄養士場合最近児童生徒等に対し、食の知識について教えることが多くなりました(いわゆる食育、何度か出てきている栄養教諭食育専門の教諭)。

自治体栄養士になれば、管轄地域の住民全体の健康について考えなければなりません。収集したデータをどのように統計し、解釈し、どんな計画を立てるか。

また、給食を作ると言ったって、タダで出来るわけじゃないから、経営についての知識も必要となる。あとは福祉についても少しだけやったかなあ。

在学中は、色んなことをやるんだなあ、と思ったものです

前述のとおり、実験や実習も多くあります実験理系学科であれば大抵やっていると思うので省きます

食品栄養について学ぶ学科なので、調理実習はたくさんあります。1年次はただ指定されたものを作るだけ(それはそれで楽しいしラク)ですが、

2年次から自分献立を考えて作らなくてはならなかったり(たとえば、腎臓病の方向けの食事の場合、低蛋白カロリー献立を実際に考えて作らなくてはならない)、

実際の給食施設のように大量調理し、客(に見立て学生)に配膳、アンケートを取る実習があったり、一筋縄では行かないものばかりです

調理ではない実習もあります。たとえば低学年の児童を対象にした栄養教育を計画書から作って(児童見立て学生に)実演してみたりとか、カウンセリングの実習であるとか。

リーフレット作ったり、商品開発の実習をしたり、パソコンの実習もありました。

 

前の項と合わせて、必修の課目が多いし、分野も広い。期末はレポートの山に囲まれ、レポート作成と並行してテスト対策もしなければならないので、大混乱です

レポートの期日が重なるなんて当たり前。テストは持ち込み不可のことが多い。劣等生は追試の山……。

ちなみに、実習の際はグループ行動が多く、グループ分けも大概教授が指示するので、ひとりぼっちになることはありません。

そういう機会に知り合いや友人が出来るので、他県から一人だけで入学したという場合も、孤立することはまずないかと。

結構キツいことも言われます

栄養士になった人がキツくなるのか、それともキツい人が栄養士になるのかは分かりませんが、授業中にキツいことを言われることもしばしば。厳しい方が多い。

あなたたちは即戦力となるために~」なんてのは耳にタコが出来るほど言われます

実際、管理栄養士として就職したならば、初めての社会人経験であっても管理職として扱われます

その時にまったく戦力にならないのでは困る、ということ。

調理員のオバちゃんをこらしめる方法を教わったときはどうしようかと思いました。

献立ダメ出しくらうの当たり前、授業中の雑談が思いの外キツいことだったりすることも当たり前(患者さんが亡くなってしまった話とか、派閥の話とか)。

むしろ、こういうことを耳にして、覚悟完了できるかできないかが、栄養士として働くか働かないかの分かれ目である

筆者は覚悟完了出来ませんでした。これから下記に書く実情もあり。

で、管理栄養士の実際は

ここまで栄養学科の話を書いてきましたが、どのように感じたでしょうか。

大学生にしてはずいぶん忙しそうだな、とか、こんなヌルい内容でキツいだなんて笑わせてくれるなど、様々な意見があるかと思います

私も当時の思い出を振り返りながら書いているので、昔の自分であればキツいと感じたことも、今であれば当たり前と感じるのかもしれません。

それはそれで置いておいて、管理栄養士が実際に管理栄養士として働くと、

  • 朝早く(AM7:00より前)から夜遅く(PM7:00以降)までの勤務は当たり前、ほとんど全ての時間立ちっ放しということもある
  • 食事は毎日ものなので、基本的に休めない
  • 業務は多岐に渡るが、基本的に全て一人でこなさなければならない(献立作成、発注、検品、調理、清掃、その他事務)
    • 同じ職の仲間はいない、いても1,2人
  • 調理員との人間関係微妙、年上の人でも管理職なので注意しなければならない
  • 管理職なので、手当ては出るが残業代は出ない、

他の医療資格よろしく(管理栄養士コメディカルと見ない人もいるが)、常に求人はあり、その意味では困らず、食っていくに困りません。

だけど、食っていくことしか出来ません。自分時間が取れない。食べて寝て仕事して寝て食べての繰り返し、というのが管理栄養士として就職した友人の生活。

ただ、管理栄養士やりがいがあります。そして責任があります。誰かがやらなければならない、いのちの基本、食事に関わる職業です

そのことにやりがいを感じ、そのために生きていける人ならば、きっとやっていけるでしょう。

それか、何でも要領よくこなせる人とか、切り替えが早い人とか。

私はそのいずれにも該当しなかったし、あとは早い段階で(ただ入学した後の話でしたが)2ch等を見て、栄養士は基本的にブラック職業だと判断し、事務職に就きました。

やりがいだけで生きてはいけないよ。

その他もろもろのお話

 

何が言いたかたかというと、栄養士を夢見るお嬢さん高校生以下)、理想現実はかなり違うから、考え直すならば今のうちだぜ、ということです

それから栄養士労働環境を知ってほしかった。他の方も様々な場所で腐るほど語っています

テレビに出る栄養士なんて雲上の人、1000人に1人いるかいないかの超好待遇の人なので、管理栄養士が全員そうだとは間違っても思わないでくださいませ。

それではここまで読んでくださってありがとうございました。

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