2011-06-13

1本の黒えんぴつ

ここに1本の黒えんぴつと、1枚の白い画用紙がある。

ある人は言う。

「こんな道具じゃまともな絵なんて描けやしない。赤や青や緑や黄色、その他様々の色の絵の具や絵筆が必要だ。最低でも12色の色鉛筆セットがないと何もできないよ。」

別な人は言う。

「私が持っているのはこの1本の黒えんぴつだけだ。これは確かに完璧な道具ではない。しかし私は今私が持っているこの道具を使って、私に出来る限りの絵を描いてみようと思う。」

ところで、あなたはどんな道具を持っていますか?

その持ち物は、あなた人生を生きるのに不十分ですか?

いずれにせよ、あなたは生きて、死ぬでしょう。

何らかの絵を遺して。

あなたが持っている道具のセットは、宇宙あなただけに特有のものです

あなたとまったく同じ道具のセットを持っている存在は、あなた以外にどこにも居ません。

その道具を使ってどんな絵が描けるかを試せるのは、世界あなただけです

私はあなたに何も要求しません。

あなたは完全に自由です

やがてあなたが死ぬときに、私はあなたと一緒にあなたが描いた絵を見るでしょう。

そして私はこう言います


「 これはなんて素晴らしい絵なのだろう 」

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