2011-06-07

http://anond.hatelabo.jp/20110606225328

地方ってのは、川や海や山で仕切られていて、そこへ行くにもそこから出るにも時間コストがかかったんだ。

一日の生活時間の中で、買い物にかける時間として合理的な範囲が商圏として成立していた。この障壁がある意味地方の繁栄の源だったのかもしれない。

君たちはカレー粉を買いに一時間電車にゆられたり、車を飛ばすこともないだろう。

この一般の人にとって有効な時間で買い物ができる商圏って概念は、便利な生活道路高速道路新幹線空港ができて、大きく変わってしまったんだ。

商圏の外からモノを持ち込みやすくなったんだ。言い換えるならば、物流に大きな風穴が開いてしまったってことなんだ。自由に使える車の数が増えたことも商圏を広げてしまった。

それと並行して土地改良区農地宅地商業地への転換を許可し始めた。

商業地が希少な存在であったからこそ、商店街価値があった。商業地が増えるなんて思ってもいなかった。

郊外農地を埋立てて、ロードサイド店やショッピングセンター造成されていった。

複雑な権利関係が存在する間口の狭い細長い土地再開発しにくいよね。時代に合わせて駐車場も作れない。アメリカで成功したビジネスモデルを取り入れるなんてどだい無理な話だ。

行政の立場からすれば、商店街と新興のお店が重複して出店されている瞬間は、お店の数的にも売り上げ的にも街が発展したと見誤ったのかもしれない。税収が増えているからね。

大規模店舗規制法というショックを和らげる緩衝期間が設けられたけど、圧倒的な物量、合理的な発注、的確な接客ノウハウを持った大手資本を相手にパパママストアから発展できなかったお店は、撤退を余儀なくされたんだ。

結果、無事に廃業できたところは、中途半端住宅として残り、無事に廃業できなかったお店は、銀行土地を取り上げられて、更地になったり、良くて駐車場になって、街の空洞化を進めてしまった。道路の拡幅工事バイパス道路建設も混雑や渋滞による賑わいを失わせた。

無論、これはみんなが望んだ選択と自由競争の結果だろう。

より便利なものを選択した消費者商業地の稀少性を失わせた行政商店街パブリック性に気がつけなかった商店主たち。この3者それぞれの思惑から、外から資本の流入を許してしまったんだ。

実はもっと困ったことが起こっている。日本高齢化を先取りしている地域を見るといい。

外の資本ロードサイド店やショッピングセンターでは撤退が始まった地域がある。これは10年後の君たちの国の姿かもしれない。

今は便利だと思って使っているお店がある日突然、消えてしまうかもしれない。

未来永劫、巨艦型ショッピングセンターの時代が続くわけでもないと思うんだ。彼らは君たちよりもはるかに合理的な選択をするのだから

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