2011-06-05

みずほ銀行システム障害調査報告書が、涙あり笑いありで面白かった

2011年3月、大震災の後に発生したみずほ銀行システム障害。

その障害に関する調査報告書がみずほ銀行ホームページ一角に配置されています。

システム障害特別調査委員会の特別調査報告書

http://www.mizuhobank.co.jp/oshirase.html

この調査報告書、最近読んだ文書では特におもしろいものした

ただの報告書かと思っていたら、涙あり・笑いありの波乱万丈な内容だったかです


・笑いどころ

えっ、そんな障害対応してるの?www 信じられないwww

素人さんが管理監督してるんですか?wwwwww

という箇所がいくつかありまして。

手動対応してさらに障害が拡大するところとか、かなり笑えます

そんなのが複数個所にあるんですよね~


・泣きどころ

みず○ほのえらい人「おい、早く障害対応しろ!オンラインが遅れるだろうが!」

み○ほのえらい人「営業開始が遅れたらお前、責任取れるのか!」

○ずほのえらい人「いつまでかかるんだ、この○○(←侮蔑的な言葉)が!」

みず○のえらい人「時間までに復旧しなかったらどうしてくれるんだ!」

とまあ、これは妄想ですが。

相当な修羅場であったことは容易に想像できます

しかもえらい人は口で早くやれとしか言わないんだろうな・・・

言われる側である現場のみなさんの辛さを考えると、自然と涙が出てきます


笑いと涙を交えながら、いろいろと考えさせられる点もありました


1つは障害対応について。

上席者がシステムについてほとんど理解していなかったことが報告書からわかります

  ・リミット値とは何なのか?

  ・リミット値を増加することによる影響は?

  ・データの復旧はどのようにして行うのか?

  ・通常の運用と異なる手順を行う場合留意点は?

これらの疑問を理解している人がどれだけいたのか。

いたとしてもどれだけの時間がかかるのか。

報告書では訓練不足を指摘していましたが、その前提となるシステムへの理解が

圧倒的に足りなかったのではないか?と自分は考えています。


もう1つは組織としての問題点

組織としての体制の悪さ、丸投げ体質による上席者のシステムに対する知識・理解不足

という弱点が浮かび上がったと思います。

奇しくも東京電力福島原発事故と同時期ということもあり、

両者を比較して考えることができました

どちらも管理側が技術的な基盤を持っていなければいけません。

また、危機管理という企業としての重大な責任を果たせない、

ということを自ら露呈することとなりました

今後、組織としてどのようにカバー・回復していくのか。

多大な費用時間が必要で、しか利益は出ない対応となります

しか問題点が明らかになった以上、対応しないわけにはいきません。

企業として大変重い課題です


最後に、この報告書の偉大なところは。

大規模なコンピュータシステムを所有するすべての企業に対して、

警告する内容となっているところです

コンピュータシステムに関わっている人には、ぜひ読んで欲しい文書です

そして、大いに笑って欲しいです

「ばかな、こんなこと、ウチの会社では起こるはずがないwww」

って。

この報告書を読んで、

「ヤバい、ウチでも起こりそうだ…」

と恐怖したならば。

早急に対応して欲しいです


自分はこの報告書を読み、幸いにも笑うことができました

読み手によっては相当なホラーものとなるでしょう。

誰か読後感想アンケート調査してくれないかなあw

  • 全文版をひととおり読んだ。 リミット値を再設定して実行→異常終了を繰り返していたり、障害箇所は違うようだが、義捐金、リミット値越えという意味では同じ障害(「B社」)が続い...

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