年の離れた兄貴がいるんだ。
パチンコ屋に入り浸って、上野のパチンコ屋で自衛隊に勧誘されて入隊した。
そんで10年くらい働いてたけど、これ以上、出世したくないとか言って辞めちゃった。
自衛隊に居たころ、たまに実家に連れてくる友達も、兄貴みたいなだらしない奴ばっかで、自衛隊も兄貴も大嫌いだった。
後半は外部公開の演習に毎年出てて、そのチケットを家に持ってきてた。
でも俺は兄貴と自衛隊が大嫌いだったから、母親が俺を連れて行こうとしても断固として拒否してた。
そのあと、警備会社に勤めたけど、やっぱりだらしないのは治って無くてさ。
休みの日はパチンコ屋に入り浸って、消費者金融からも金借りて、実家にも督促状とかくるのよ。
危ないんじゃないかとか心配する母親に、兄貴はいつものようにだらしない口調で
『いやー当然行くよー。呼ばれなくても行くつもりだったから、もう準備してある。』
って、何事も無かったかのように答えてた。
俺はこの大災害に何もできない。