2011-01-06

まともな飲食店グルーポンなんか手を出さない

今更感もあるけれどグルーポンお話し。

実家がフレンチレストラン経営しているが、グルーポン系の会社からの営業電話が、このところ頻繁にかかってきている。

ご存じのようにグルーポン系のサービスは各社雨後の筍状態で増えている。そのほとんどが食べログぐるなびに掲載している飲食店電話営業の絨毯爆撃を行っている状況なのだろう。

 

内容もみんな似たり寄ったりで、とにかく半額クーポンを出せと言う。

その度に、電話に出た父か母が「そんなんじゃ原価割れになりますので無理」と返し、「余っている在庫をうまく売ってくれればいいんです」と、これまた判に押したような答えが返ってくると言う。

 

さて、バードカフェの件で様々な人がすでに語っているように、飲食店の原価率は3割程度だ。どこもここはそう変わらないと思うが、例えば3500円のプリフィックスコースの原価は大体1000円強。1980円のハウスワインボトルは650円が仕入れ値だ。

 

これだけ見れば、たとえばプリフィックスのコース二人分にハウスワインボトルをつけて4000円以下のクーポン作れると思うのも無理はないかもしれない。

しかし、グルーポン企業手数料は最低でも2割。

結果、粗利は500円程しか出ないわけよ。

例えば一日40組の客が来たとしても、粗利は2万。

元の値段で4組来てくれた方が、利益は出る。

しかも40組も来れば、厨房ホールも大荒れ。

普通にいらっしゃったお客さんを満足させられる対応なんか出来ない。

 

こう反論をすると、グルーポン企業はこれまた判で押したようにこう言う。

「その40組のお客さんがリピータになると考えればペイしますよ」

客単価2000円の客が、4000円出しても来るとでも思うのだろうか?

もし40組中1組がリピータになったとしても、荒れた状況に嫌気がさした常連さんが1組は逃げるだろう。

 

というわけで、まともな飲食店であればグルーポンなんか手を出さない。

手を出す店があるとしたら、次のどちらかに限られる。

 

1.最初から割り引き前の値段で嘘をつくつもりの店。

2.グルーポン企業の優秀な営業に騙されるバカな店。

 

1.にわざわざ行く必要はない。バカはまともな料理を出せないので、2.に行く必要もない。

おせちはこの両方が当てはまるケースだろう。500食作ることの意味が分からなかったバカだからこそ、グルーポンなんてサービス使えたわけです

 

つらつら書いてきたが、飲食店以外のグルーポンクーポンを否定する気はない。

例えば美容室エステたいに、原価がほとんど無いサービスならアリだと思う。

また、アマゾンギフト券のようにマーケティング的にばらまくのがアリというケースもあるだろう。

しかし、飲食店のようにキャパが限られ仕入が必要な業種では成立し得ないサービスだ。

くれぐれも騙されず、グルーポン系のクーポンなんかに手を出さないまともな店で、楽しいお食事を。

飲食業界はずっと冬が続いていますが、たまには奮発しておいしいもの食べるのも、楽しいものですよ。

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