2010-07-21

増田で学ぶ言語学 第一講 げんごってなあに

言語学ってみなさん聞いたことありますか?おそらく、「言語学を学ぶために大学を選んだ」人は極小数だと思います。

言語学は、言語本質を解明する学問のことです。個別言語の解明にはそれぞれ担当する言語名前がついた学問があります(ex.日本語学英語学)が、言語学は、そういう個別ごとの解明ではなく、言語全体に流れる本質を見出す学問と言えるでしょう。だから、日本語学英語学のような学問言語学は相互に助け合って成り立っていると考えてもらってさしつかえありません。

じゃあ言語学がけんきゅーする言語ってなんだよ、という話ですが、当然のことながら定義曖昧です。コミュニケーションを取る記号体系の総称、と言えば聞こえはいいですが、納得しない人もいるかもしれませんね。

例えば感謝の気持ちを表すのに「ありがとう」やら「thx」やらことばを使いますが、それだけじゃありません。感謝の気持ちをめいいっぱいの笑顔表現したり、ハグしたりと、相手に感謝の意を伝えるには様々な手段を使います。

そして言語学はそのあらゆる手段、環境、が考察対象、とも言えます。コミュ学、と言えばウケがいいでしょうか。

手段というのは、要するに日本語のように体系的なものから、それに付随する顔文字や記号の集まり、身振り手振りやデザインなどです。

体系的、というのは要するに正確に意思伝達するにはルールを守る必要がある、ということです。日本語のような自然言語に限らず、手話点字などは体系化されたコミュニケーション手段です。そして意思伝達を図るには体系化されたルールを双方が理解する必要があります。

環境というのはたとえば手紙であったり、たとえば日常の会話だったり。競馬の実況や野球の解説だったり、所信表明演説だったりします。プラットフォームと言えばウケがいいでしょうか。こういうのはどちらかというと日本語学の方が進んでいたりします。言語学でするならば、各国の総理大臣大統領の演説を比較するなどのことが考えられるでしょう。

もちろんそれらの変化も考察するので、歴史的な捉え方もできます。例えば古く日本語では「母」を「パパ」と呼んでいた、なんてのは小話でされますが、これは[papa]のp音が[haha]のh音へとゆっくり変化していったことを意味します。これは「唇音退化(しんいんたいか)」と呼ばれる現象です。「ぱ→ふぁ→は」と発音してみれば簡潔にどういう状態なのか分かるとおもいます。こういったものは音声学や音韻学、国語学などが詳しいでしょう。

次回第二講は「げんごがくってどんなことをまなぶの」です。今回は第二講の導入も兼ねています。


なお、更新は不定期です。

  • 腰を折って悪いが、このエントリーに興味があるような人は、 講談社新書の「はじめての言語学」あたりを読んでしまってるよーな。

  • 旧帝大の言語学科の出だが、コミュ学だったとは初めて聞いたぞ。 忘れたのではなく、全くの初耳だ。 何と興味深い。 むろん唇音退化は知っている。 つまりぼくは言語学とは何かを...

  • 「意思伝達を図るには体系化されたルールを双方が理解する必要があります。」 んー、これだとラングの側しかないから 「言語学」だと片手落ちじゃね?それは言語学の中でも一つの...

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