北朝鮮が海上検査逃れ、自国船籍に戻す?
【ニューヨーク=吉形祐司】国連安全保障理事会が設置した北朝鮮制裁委員会を補佐する専門家グループの浅田正彦委員(京大教授)は12日、北朝鮮が公海上での船舶検査を逃れるため、コストの安い国で登録した「便宜置籍船」を自国船籍に戻しているとの見方を明らかにした。
ニューヨークで開かれた民間団体の会合で語った。
昨年採択の安保理決議は、禁輸の対象となる武器などを積む疑いがある船舶の貨物検査について、公海上の場合は、船籍国の同意を得ることを条件としている。自国船籍の船舶なら、貨物検査を拒否することが可能だ。浅田氏は「安保理決議を受けて便宜置籍から北朝鮮籍に変更している可能性がある」と指摘した。
また浅田氏は、タイのバンコクで昨年12月、貨物機から北朝鮮製の兵器が大量に見つかったことから、北朝鮮が武器輸出の手口を「船から空へと、やや移行しつつある」とも語った。