2010-03-07

娘はひとりっ子のまま終わる可能性が高いらしい

夫(私)37歳、妻35歳、長女5歳。

2人目の子供希望して2年以上前から試行錯誤している。

排卵誘発剤の投与と基礎体温の測定を基にしたタイミング療法を続けてきたが全く効果が出ず、先日ついに体外受精専門の産科を紹介されることになった。

タイミング療法を続け、生理が来るたびに落胆を繰り返した2年間は、妻にとって実に辛い期間だったそうだ。

不妊の原因について妻が自虐的な言葉を吐くことも多かったが、私はむしろ自分に原因があるのではないかとも考えていて、自分検査(精液検査など)もやらせて欲しいとたびたび伝えていたが、今までにそれがかなうことはなかった。だから今回の体外受精への挑戦は、不妊の原因を夫婦双方の視点から探るいい機会でもあった。

今日が、私たち二人の検査結果を聞く日だった。

私はある程度覚悟を決めて、医師言葉を待った。

―まずご主人ですが、精子の量は正常です。精子運動性も十分ですから、通常の体外受精法で問題ないと思います。

明るい光が差した気がした。何とかなりそうじゃないか。

―続いて奥様ですが。

―あくまで数値上の話ですが、卵巣の機能がかなり弱っています。これは、ちょっと苦労するかもしれません。

―奥様は35歳ですが、これは40歳くらいの数値です。(事前に見せられた資料では、たとえ体外受精でも40歳を過ぎた時点で妊娠率は35歳時の3分の1以下に下がるとのことだった)

言葉を失った。女性相手にここまではっきり言うものなのか。

そもそも、5年前にはちゃんと産めてるではないか。なぜそんなことに。

妻がおずおずと尋ねた。卵巣の機能は、直したりできないんでしょうか…。

やはりはっきりとした答えが返ってきた。現代の医学では、それはどうしようもありません―。

とはいえ可能性はゼロではないという補足説明を得て、ともかく体外受精に挑戦することにした私たちは今後の予定を確認し、産院をあとにした。

帰りの車の中で、妻は泣いたり取り乱したりはしなかった。

―結局私の卵巣がダメなんだよね。

乾いた笑いとともにこぼれた言葉のあと、車内にはただただ重い空気が流れていた。

ダメとは言ってないじゃないか。とにかくやるだけやってみようよ…

私にはそう言うのが精一杯だった。それ以上の言葉を継ぐことができない自分が、どうしようもなく無能な人間に思えて仕方がない。

不妊という問題について、私たち夫婦よりも遥かに辛い状況にある人はたくさんいる。なんといっても、私たちにはすでに1人の子がいるのだ。

しかしそうだとしても「今後あなたは子供を産めない可能性が極めて高い」と宣告された妻の気持ちは、男の私には察するに余りある

体外受精には、1回あたり総額で最低でも50万円程度の費用がかかる。「だめもと」で気前よく支払えるような額ではない。どうせダメなんだ、という気持ちで取り組むべきではないだろうと思う。しかし、少ない可能性を一途に信じて挑戦し、その結果が失敗に終わったとき、妻と私の気持ちはどうなってしまうのか。残念だったね、で終われるのだろうか。

妻は今も、言葉少なに夜なべ仕事をしている。彼女にどう向き合っていけばいいのか。そして、不妊治療に挑戦する意味

自分の中では結論がまだ出そうにない。苦しくて仕方がない。

  • ばかやろー。 何のために夫婦は二人いるんだよ。 セックスするためだけじゃねえぞ。 黙っててもそれだけで十分だ。 時間がすべて解決する。

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