2009-11-23

なぜ「引きこもり」から抜け出せないのだろう?

私は現在27歳の会社員ですが、大学生時代の約5年間、一人暮らしひきこもりをしていました。当時私は新聞配達をして学費も生活費自分で稼いでいたので、両親はもちろん、新聞屋さんの人もまさか私が新聞屋と自分アパートの往復以外にほとんど外に出ず、他人との接触を最小限に抑えて暮らしているとは思ってもいなかったようです。そして自分もそのことを危険な状態であることは気づいていながら、実際には生きていけていることに甘えきっていたように思います。

今は立ち直って何とか5年分の遅れを取り戻そうと努力していますが、私が立ち直ったきっかけは、ひきこもるという状態が「甘え」であること、自分に厳しくできるのは世界でたった一人、自分しかいないということに気づいたことが大きかったと思います。だから家族の人は、ひきこもっている本人に「他人は(家族も含めて)当てにならない。頼れるのは自分だけ」ということをうまく気づかせてあげて欲しいひきこもり人間が心から求めているのは「自立できる」きっかけなのです。具体的にどうすればいいのかは分かりませんが、私の場合は大学卒業して新聞配達を止めてからは両親から経済的な援助を完全に断ち切られ、どんな仕事であれ働かなければ生きていけなくなったことがきっかけだったと思います。

 それともうひとつ、同じぐらい大事なのは、ひきこもっている自分を認めてくれる人の存在が大きいと思う。立ち直らせようと励ましたり優しくしたりすることもなく、ありのまま自分普通に接してくれる人。自分ひきこもりかどうかをその人が知っているかどうかは関係なくて、ただ同じ目線でくだらない話や趣味の話ができたり、ほんの少しでも同じ気持ちや価値観を共有しあったりできる人間がいたら、ひきこもりの人のほとんどが感じている孤独感を和らげることができると思う。そんな人間の「一緒にがんばろう」という一言が何よりもひきこもりから立ち直る勇気を与えることができると思う。しかしその役を家族が演じることはとても難しいと思う。大抵の場合、親の世代とは価値観が合わないし、兄弟はそんな家族がいることを忌み嫌うことが多い。私の場合は同じような境遇の全くの第3者との出逢いがあって、その人のおかげで何とか立ち直れたけれど、仕事などもせずに「完全な」ひきこもりの方にはそのような出逢いがあるわけもなく、多くの場合はその辺はやはりカウンセリング等の専門家の出番になるのかもしれない。

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