たとえば合コンの席で。
そう、一人が唐揚げにレモンをかけてしまったがゆえに起こった悲劇・・・
友人A
『はあ?お前何キレてんだよ。たかが唐揚げにレモンかけただけじゃねーか。
これが最高に美味いんだよなーwこの美味さがわかんないなんて、人生半分損してるよねーw
あのな、よく考えてみ?なんでレモンが添えてあるんだよ。最高に相性が良いからだろうが』
友人B
『唐揚げ+レモンが正解なら最初からかけられてるかレモン味付けられてるだろバカが。
何のためにレモンが別に添えられているのか考える頭もないんだな。
その食感と香りが食欲をそそり、柔らかく揚がった鶏肉を噛んだ瞬間ふわっと肉汁が滴り落ち口の中で広がる。
ところが、レモンてやつはそいつを全部ぶち壊してしまう。
ああそうさ、お前は名プロデューサーだよ。
脇役だったレモンが、お前の手にかかった途端にスポットライトが当たって一瞬にしてスターだ。
だがな、唐揚げとレモンのハーモニーが最高だとか間違っても思うなよ。
お前がやったことは単に唐揚げの本当の美味さを殺しているだけにすぎない。
おまえ、レモンのチカラ見くびんなよ!』
友人A
『そこまで言うなら、じゃあ教えてくれよ。
唐揚げにレモンをかけなかったら、何にレモンをかけたらいい?』
友人B
『俺は、なにも唐揚げを酸っぱくされたからって怒ってるわけじゃないんだよ。
大勢で取り分けて食べるものに、さも当たり前のようにレモンをかける神経が許せないんだよ。
全員の確認も取れないのに、勝手に料理の味変えてんじゃねえよ、図々しい。
その神経が許せない。俺はその神経に対して怒ってる。
お前は昔からそうだよな。高校の体育祭でお揃いのTシャツ作ろうって言い出したのもお前だよな。
ウキウキしてそれはそれは楽しそうに。そんなの着たくもない人がいるなんて頭の片隅にも思い浮かばずにさ』
友人A
『…お前はいつだってそうだ。遅いんだ。いつも一歩遅いんだよ。わかるか?
あの時だってそうさ。体育祭でTシャツを作るのを決めた地味な学級委員長は本当はお前のことが好きだったんだ。
お前と一緒に想い出をつくりたかったんだよ!ずっと彼女は俺に相談していたんだ!
だがお前は彼女の気持ちに気付かなかった!両想いになれるはずだったのにもかかわらずだ!
俺が彼女と付き合い始めた後お前は散々文句言ってきたけど、お前が先に彼女に手を伸ばしてやればよかったんだ!
今だってそうさ!唐揚げの皿がテーブルについた瞬間、戦いは始まっていたんだ。
お前は俺より先に手を伸ばしさえすればレモンもから揚げも守れたんだ!
それなのに後から愚痴グチ言いやがって・・・ もうレモンはかかってんだよ!
いつまで過去向いて生きてんだよ!いい加減空気も、先の人生も読めよ!』
友人B
『…これは言わないでおこうと思ったんだが・・・。
この間飲んだ女の子覚えてるか?ほら、お前が一番可愛いって言ってた子だよ。
みんなで連絡先交換した後俺も電話してさ、冗談混じりに唐揚げのこと聞いてみたら、あの子なんて言ったと思う?
嬉々として唐揚げにレモンをかけながら「これがウマいんだよねーw」って言うお前の顔を見たら何も言えなかった、って。
お前は、「やっぱりから揚げにはレモンだよねー!」って満面の笑顔になって全力で空気を読んでしまう、
協調性の塊みたいな女の子がいるってことを考えもしなかったのか?
本当に空気を読んでなかったのはお前なんだよ!いい加減気付けよ!!」
俺「よしわかった。もう一皿頼もう」
友人A&B
『それじゃ揚げ物が多すぎて他の料理とのバランスが崩れるだろうが!!』
『アタシは別にどっちでもいいし。まあレモンかかってないほうが好きだけど。
それ言うことが面白いと思って言ってるやつが大半なんだよね。
かといって「レモンかけてもいいですかー」って確認とるやつもうざい。
そんなのいちいち聞くなっつーの。
アタシはレモンがかかったら黙ってあまりかかってないのを食べるよ』
友人A&B&俺
『・・・』
「っていうのココリコミラクルタイプに応募しようと思うんだけど、どう?」と俺がmixiで書いたら
「長いから3行でまとめて」ってコメントされて泣いた。
ココリコミラクルタイプがどうとか触れてもくれなかった。
それがmixi。長く付き合ってる友達とはそんなもんです。
あんたとは初対面だけど 「長いから3行にまとめて」以外の感想がない。 友達だからとかじゃなくてあんたのネタは独り善がりで長くてつまんないよ。 しょっちゅうやってるなら友達...
長いから3行にまとめて。
い や だ
AとBはお互い捲くし立てた喋り方で脳内再生してみた。 俺、こういうの嫌いじゃないぜ
訳わからん議論は大好きだ。 しかし、 「タバコがなかったら~」 から、 「体育祭云々」 までは削ってもネタ的に変わらないし、テンポ良いんじゃね?とおもた