2009-07-08

実験レポートの評価

10年前の話になる.

大学学部1回のときに受講した「物理学実験」なる実習講義は,実験レポートの提出が義務付けられており,そのレポートに対する評価は大変厳しいという噂だった.ならばこそ逆に完璧レポートを提出してやろうと意気込んだ私は,レポート物理的な内容に関することを完璧に仕上げるのはもちろんのこと,理系の文書は TeX なる組版システムで清書するのだと情報の授業で聞きかじっていたこともあり,その TeX とやらで非の打ち所なく美しく清書されたレポートを提出してやろうと心に誓った.情報の授業では周囲の同回生たちが TeXコンパイルにすら四苦八苦している有様だった中,私は一人いそいそと TeX に関する分厚い書籍を購入して,つたないながらも TeX で美しく清書したレポートを提出したのだ.

周囲の同回生のほとんどが手書きで仕上げたレポートを提出するのを,浅薄な優越感とともに一瞥していた.私のレポートを見咎め,そのレポートは何だ,どうやって書いたのだ, TeX とやらで書いたのか,すごいな,と述べる同回生も居た.

最高の評価がもらえる自信があった.

返却されたレポートには「こういうときは TeX のこのコマンドを使ったほうが良い」という類の指摘が赤字でたくさん書き込まれていた.レポートに対する評価が厳しいという噂は本当だったのだ.

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