うつ病は「心の風邪」と言われるが、この言い方がかえって、「うつ病」に対する誤解を招いてしまっているように思う。そこで、提案する。
うつ病を「心の風邪」と呼ぶのはやめて、「心の癌」と呼ぶことにしよう。「風邪」よりも「癌」の方が、遥かに「うつ病」の実体に合っているからだ。
提案理由:以下の4点において、うつ病は、「風邪」よりも「癌」に近いと思われるため。
1・回復までの期間
「風邪」といわれたら、数日かどんなに長くても一週間あれば治ると思われている。
一方、「うつ病」は、治るまでに数ヶ月~数年かかる。まず、風邪よりずっと長期にわたる病気だと思わなければならない。「癌」の方が、むしろ適切な治療法さえあれば、回復までの期間が短いぐらいだと思う。
2・頻度(珍しさ)
うつ病が「心の風邪」と呼ばれている理由の一つが、この、発生頻度。珍しい病気ではないことを強調するために、「風邪」と呼んだのだろう。
だが、うつ病の生涯有病率(一生の間に一回はかかる確率)は10%程度。つまり、9割の人は、「うつ病」とは無縁で生きていけるということだ。一方、風邪と無縁な人というのは、まずいないことから、常識的に考えて、風邪の生涯有病率は90%を越えているのではなかろうか。
一方の「癌」は、風邪と比べたら、明らかに「誰でもかかる病気」ではない。つまり、明らかに風邪ほどには生涯有病率が高くない。「癌」の生涯有病率の値は、良性腫瘍・悪性腫瘍の区別や体の部位などによって、かなり値が変動すると思うが、風邪よりは「うつ病」のそれに近い値になるはずである。
3・働けるかどうか
多少病気があろうが、普通に働くことができれば生活への影響は小さいし、給料を払う側の企業としても安心していられる。
「うつ病」は、基本的に、半年~数年、働くことができないと考えてよい。
「風邪」は、よっぽどのことがない限り、生産性は落ちるものの病気になりながらでも働くことが可能である。また、仮に肺炎などを引き起こして入院するとしても、最大でも数ヶ月程度のものだろう。
「癌」は、軽度の場合を除き、病気になりながらでも働くことが可能ではないと考えられる。
以上より、生活への影響を考えた場合、「うつ病」は「風邪」よりも「癌」の方が近い。
4・死亡する可能性
「風邪」で死亡する可能性は、ほとんどないと言ってよい。
「癌」は、明らかに「風邪」よりは死亡する可能性が高い。
「心の風邪」ってのは、誰にでも起こりうるものですよという認識を広めるための宣伝フレーズだろ。 風邪という喩えは宣伝効果が高い。正確にどちらに近いかが重要なのではないと思...
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