NHKの「A級戦犯は何を語ったのか」を見て、初めて知って大変興味深いと思ったことが二つ。
・南京大虐殺に対する責任が、A級戦犯が判決を受ける主因として問われた。
これは大変重要なこと。つまり、南京大虐殺がちゃんとあったことが東京裁判で認められて、A級戦犯がこれを理由に判決を受けているということだ。他にも細かく見ていけば日本軍の戦争犯罪はたくさんあったはずなのに、南京大虐殺があえて選ばれたのは、南京に外国人がたくさん住んでいて、証言や証拠が集めやすかったからだろう。
・インドのパール判事など一部の判事が異なる意見を表明した話は有名だが、結局、こういうことらしい。英米法には、共同謀議(Conspiracy)という独特の概念があって、要するに相談するだけで罪になるというもの。これが、A級戦犯の戦争犯罪を追求するために使われた。ただ、この概念は英米法に特有のものなので、それ以外の国の判事にとってはなじみがなく、異なる意見を表明するに至った、ということらしい。