2009-01-11

外資系希望就活生のみなさま

外資系企業数社を渡り歩いたサラリーマンです。

就活当時はわかっていなかったけれど、外資系企業に入社するにあたり知っておいてほしいことについて書きますので、参考にしていただければ幸いです。

外国籍の同僚もいますし、ビジターも来ます。社内のドキュメントの多くは英語ですし、ビデオカンファレンス海外オフィスとのミーティングもあります。どのフロアにいっても、東京時間以外に主要オフィスタイムゾーンにあわせた時計が複数個あります。しかしそれでも残念なことに、学生さん想像するグローバル企業で働く、というイメージとはかけ離れていることが多いのです。海外でのトレーニングカンファレンスは、グローバルに展開する日本企業と同程度あるかとは思いますが、例えば海外オフィスで働く、といった機会は多くありません。また海外の取引先とビジネスを行うこともあまりありません。

もしあなたが世界中を飛び回って仕事がしたい、というなら、有名メーカー海外営業や商社への就職を考えた方がいいと思います。さらにチャンスが大きい場所、という意味では、ニッチグローバルシェアの高い中小企業に入ることをお勧めします。

なぜかきらびやかイメージのある外資系企業ですが、中身はそんなことありません。特にアメリカ企業ROI Focus が半端じゃないので、お金に関することは (言葉が悪いですが) かなりしみったれています。バブリーなのがお好みなら業界関係にいきましょう。さらに仕事面でも、入社数年は外資系企業の方が裁量権もあり、大きな仕事ができるように感じます。ただし 10 年後、同業界にいった同期と比較してみると、逆に仕事のスケールで大差をつけられていることがほとんどです。外資系企業で、属する業界でトップシェアを獲得しているところがどれくらいあるでしょう?主たる産業ではほとんどありません。つまり、使えるお金もその他のリソースも、日系のトップ企業の方が大きいのです。

実際に私がいた会社では、評価の透明性も高く、若手の抜擢人事も少なくありませんでした。ただし、日本ほど階層構造になっていないため、多くの場合マネジャーになるまでに多大な時間を要します。(新卒の場合、マネジャーになる前に転職するケースがほとんどです)

このようにポジションに空きがないことと、空きが出ても下からマネジャーディレクターに昇進するより他社のマネジャーMBA ホルダーがおさまることが多いという事実は、私も入社するまで知りませんでした。

オファーレターを見ると、特に新卒の場合はほかの日系企業との差にびっくりしてしまうことも少なくありません。ただし退職金制度住宅補助、その他福利厚生を含めると、大差ないことがわかってきます。しかも上述したように、タイトルをひとつ上げることも難しい状況です。日系企業の場合、年次が上がれば給料自動的に上がりますが、外資系の場合、タイトルが上がらないと給料はほとんど上昇しません。(年次で多少はあがりますが、スズメの涙程度です)

給料はどちらかというと、外資、日系というくくりではなく、業界で見ることが適切です。同じ能力で、同じだけ働いていても、業界によって全く給与水準が異なります。同様の能力と働きぶりでも、例えば IT と金融では入社3 年で数倍の差が出ることもあります。基本的に外資系企業給与は、同業界のトップ水準の企業と比較して決まります。業界平均の1xx% をターゲット、というのが決まり文句です。

さて、いかがでしたでしょうか?私は今の職場(アメリカ企業)のカルチャーや業務内容、給与について十分に満足していますが、新卒で入社してくる方々の中には、期待とのギャップを感じる人も多いようです。みなさまにとっての初めての職場が、希望マッチしたものになりますように。

  • これって結局「だから目を覚ましなさい」「この話を聞いて外資系を選ぶメリットがクリアなら頑張れ」ということだよね。

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