2009-01-07

女性子宮で物を考えると言うけど、男女とも女性脳の良い面が見えてない

よく女性感情的感覚的であるさまを「子宮で物を考える」と侮蔑的に言うことがある。

子宮と言えば性的なものなので、この言葉女性が性欲に流されるさまを指しているように聞こえる。

それから、食欲とも関係している。性欲を司る脳部位と食欲のそれとは隣接しているから。

性欲や食欲に支配される自分に嫌気がさしたことは誰にでもあるはず。

だから、性欲や食欲に支配される馬鹿だと言われると頭に来る。

というわけで、この言葉侮蔑的に機能する。

知らない人も多いようだが、本来は「子宮で考える」というのは女性の神秘的な第六感を褒めて言われていた言葉である。

子宮→性欲

という連想ではなくて

子宮生命の神秘、子宮→第六感

という連想をするのが、この言葉の正しい解釈なのである。

ところが、世間ではこの言葉は悪い意味で使われる。

その結果、あたかも女性的思考が悪いことであるかのような認識が生じてしまう。

これに類似した例を考えてみよう。

痩せた男を「ヒョロ男」と言うことがある。

痩せてるのには良い面と悪い面があるが、ヒョロ男というのはむろん、悪い面を指している。

だから、この言葉を使うことで「痩せてる男は良くない」という認識が生じてしまう。

なるほど、明らかに痩せすぎな男をヒョロ男と呼ぶのは妥当なのかもしれない。

しかしながら、程よく痩せてる男にもヒョロ男と使われることがあるのが問題なのである。

例えば、フィットネストレーニングをしている友人達がいるが、彼らは「60kgの男なんてダサい」といった世間一般からはズレた価値観を持っている。

彼らの輪の中にいて60kg近くの男性がヒョロ男と呼ばれるのを繰り返し聞いているうちに、いつのまにかあたかも

60kgの男性はかっこ悪いと価値観が生じてしまう。

このように悪い面だけを強調していると、いつのまにか対象を悪く判断するようになってしまうという現象がある。

こんな例もある。

オナニーばっかりして」。別にオナニーは悪いことではない。

悪いことではないのに、オナニーばっかりしてる男はダサいという認識が多くの人に共有されているという現実がある。

彼女いるいないに関わらずオナニーというのは多くの男性が多かれ少なかれするものである。

それにオナニーの悪い面がよく指摘されるが、それも医学的には不確かなものが多い。

逆に良い面もある。

オナニー中の脳の活動が非常に活発だったという研究結果があるし、性機能が高まったりセックスの擬似訓練ができたりする。

それなのに悪い面だけが強調されて「オナニー」という言葉が使われることが多々ある。

こんな書き込みが2chにあった。

「>>26 俺が一番、他の人は糞メソッドですね分かります。オナニー乙」

良い面もあるものが、こんなふうに悪い意味で使われるのは残念なことである。

これと同じ現象が「子宮でものを考える」の件でも起きている。

感覚的・感情的に考えるのは悪いことではない。

抽象的で理性的に考えるのが一番とは限らない。

学問のような理性的とも言える知能活動ですら、時には論理をすっ飛ばして物事を直観するからこそ偉大な業績につながる。

また、「机上の空論」という言葉があるように、優れて理性的抽象的な思考であっても現実に即していなければ役に立たない。

現実に即した行動をとるためには、「具象的思考=感覚的思考」を合わせることが不可欠なのである。

このように感覚的・感情的に考えることには良い面もある。

なのに、「子宮(ry」という言葉によって価値が貶められるのは暗澹たる思いがする。

ところで、「ダブルバインド」をご存じだろうか?

これは心理学用語であり、暴力を与える側と暴力を受ける側の相互の依存関係を指す。

例えば、暴力夫を妻が黙認するどころか、暴力をついふるってしまう夫に対する同情をしてしまうと、

互いに抜け出せないDVの泥沼にハマってしまう。

こういうのをダブルバインドと呼ぶ。和訳すれば「二重拘束」。

夫が暴力で妻を拘束するのと同時に、妻も「夫の暴力を黙認し止められなくしている」という意味で拘束しているというわけだ。

これと同じことが「子宮(ry」にも言える。

男性が「これだから女は」と言うのを女性が黙認してしまうと男性言葉暴力を止められなくなる。

それどころか、横柄な男を「男らしい」と思ってしまう女性さえいる。

そのような間違った男らしさがもてはやされることで、本当の男らしさが見えなくなってしまう危険性もある。

例えば、「ケンカの強い男がカッコいい」と思う女性存在することで、需要と供給関係じゃないが、

ケンカが強い男」や「ケンカが強いのをカッコいいと思う男」が生産されてしまう。

言うまでもなく現在少女漫画女性向け小説登場人物には、九州男児のような古き良き男らしい男性はあまり登場しない。

それどころか、今の少女漫画には「兄萌え」や「ご主人様萌え」もあるらしい。

そういうメディアの影響はきっと計り知れない。

総じて言えば、女性はM化の方向に動いているという面が間違いなくある。

SMを長くやっている友人も最近女性が増えてきたのは嬉しいが今までとは毛色が異なる、と言っていた。

曰く、「昔のM女性は内気な人が多かった。今はほんとにMかと思うような闊達な女性までもがM。それに自己中心的で娯楽気分なMが増えた」。

そう、娯楽気分で男らしさを求めているという表現がしっくりくる感じがする。

メディアに踊らされているという意味では、今の「男らしさ」は歪んでいると言わざるをえない。

そして、男性どもはモテるためにその歪んだ男らしさに合わせて歪んだSになろうと努力するというわけだ。困ったことである。

この男女の構図は明らかにダブルバインドと類似している。

女性男性暴力を許すのみならず、一部の女性がカッコいいとさえ思うことで、男性暴力を止められなくなる。

子宮でものを考えると侮蔑的に言うのも止められなくなる。

女性脳の良い面をきちんとアピールすれば、事態は少しは改善するはずである。

悪い側面だけ言われるのを許してはならないが、そのためには悪い面ばかり言ってるのを叩くだけでは、

図星を突かれて憤慨してるようにしか見えない。

なので、自らの良い面も主張する必要がある。

ところが、2ch男性論や女性論のスレをみる限りでは、女性は自らの良い面を主張するのにあまり成功していない。

女性脳の良い面を主張するよりは、男性の悪い面を叩くことで自己防衛してるふしがある。

そうすれば議論には打ち負けないで済むが、結局「女性脳に対する不当評価」を汚名返上出来ないままになる。

だから、議論が終わったあと、男性は「やっぱり女性子宮で物を考える」と思うことになる。

もっと良い面を女性達が自覚するようにメディアが働きかければだいぶ違ってくるだろう。

それから、難しいけど抜本的な策として、男らしさに関するメディアでの扱い方変えていけばよい。

女性一人一人が自発的に意識することも必要だろう。

男性暴力を褒めるような文化は男女双方にとってマイナスである。

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