2008-10-05

たぶん、忘れないよ。

仕事に向かう電車の中でiPodシャッフル再生にする。

そして、俺の記憶はよみがえるのだ。

1999RSRFESに行ったこと。

俺に、「絶対に忘れない」と言った年上の女性のこと。

1999年2月。高校男子校で、もちろん童貞だった。

大学受験関東に行った時に、渋谷タワレコCDを買った。

それは無罪モラトリアムの初回版だった。

黄色の丸いステッカーが付いて来たのを覚えている。

大学受験から帰る飛行機の中で聴いた「正しい街」の衝撃といったら、なんて表現しようか。本当に震えた。。

その後、大学受験に失敗した俺は、塾の講師のアルバイトをしながら自宅浪人をして、二度目の大学受験に挑んでいた。

その頃の椎名林檎は「本能」が発売になり、年が明け、「ギブス」が発売されたのは2000年の1月だった。

同時発売の「罪と罰」の方が好きだった。

ギブスの歌詞に出てくる、カートニルバーナだとかコートニーはセレブレティスキンだとかは知っていた。

でも、「ギブス」は好きになれなかった。

それは恋愛をしたことがない童貞にとっては必然だった。

あなたはすぐに絶対などと云う

あたしは何時も其れを厭がるの

だって冷めてしまっちゃえば

其れすら嘘になるじゃない


この意味が実感にできるようになったのはつい最近だし。

嘘になるわけじゃない。ということがわかったのもつい最近だ。

年上の女性は「絶対に忘れない」と俺に言った。

俺は「それは絶対に不可能だ」と言った。

でも、その女性

「そうかもしれない、でも、絶対に忘れない」と言った。

それが本当に嬉しくて、

俺は「そうか。それじゃあ、たぶん忘れないよ。俺も」と言った。

それから2年経過して、俺は今「ギブス」を聴いている。君を思い出している。

君の髪型がどんなだったか、どんな酒が好きだったか。きりがないけど、

黒い髪がよく似合っていたのは忘れないよ。たぶん。

そしてギブスの後に流れるのが、くるり「東京」で、

俺のiPodすげぇえって関心した。

電車から降りて、君に電話したくなったけど、俺は仕事に行くんだよ。

そう、行かなきゃ。

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