君に正面切って言える言葉なんて、もう持ち合わせていないけれど
ただただもう少し、一緒にいられる理由が欲しかったなと思うよ。
自分から積極的に話しかけたりするなんて、今の僕には恐れ多いな。
自信をもてないまま君に好かれようだなんて、虫がよすぎるしね。
あのときから今までいつまでもうじうじと悩んだり、希望を抱いてみてたけど
僕は変わらないまま。君だけずっと先へ行く。
友達の女の子がこう言ったんだ。「○○ちゃんもっとかわいくなったよね。
君もかっこよくならないと。」
頭の中でいつまでも過去の思い出に溺れてた僕にとっちゃ、鋭い一撃だった。
悔しかった、口惜しかった、またうじうじといじけた。
前に進むのに怖気づいて「変わらない」、いや「変われない」自分を演じてた。
そして浸ってた。これでいいのだ。これもいいのだと。
そしたらどうだろう。君はとっくのとうにかわいくなってる。ずっと。
今更だった。君は気持ちを刷新していた。未だに「そのまま」だと思ってたのにだ。
君に正面切って言える言葉なんて、もう持ち合わせていないはずなのに
あの時と変わらずに「好きだ」としか表せない気持ちが渦巻くんだ。
でもそれを全部信じたかった。夢の中で生きられると信じていた。
それはやっぱり、甘えだったのかな。
今になって幻想の君にすがっていたことに気づくんだものな。
挙句の果てに昔の君に恋焦がれるばかり。自分の気持ちも分からないくせにね。
もう一度君に、どうしても自分から話しかけたい。
しつこくてごめん。情けないけどごめん。僕はださくて小心で、やっぱり君は憧れだ。
何が何でも君に面と向かって言いたいんだ、
「話したいこと多いんだけどいいかな」
ただ話すことも出来ないくらいプライドの欠けた僕にできる悪あがきなんだ。
今度は君に悔しがらせてやる。君の口からあの言葉を言わせてやる。
なにがなんでもだ。