2008-03-16

恋人との縁が切れるまでを淡々と記録するよ、5日目

 タイトルが虚偽とのトラバ。仰る通りです。

 私には、この状況を、ディスプレイの端から涙が垂れるがごとく記すだけの、気力も文才もありません。

 つまりはお約束のネーミングです。御笑覧ください。

 大人向けのプレゼント包みをひとつ。子供向けのをふたつ。

 スーパーの籠にそれだけを入れて、レジ列に並ぶスーツ姿の男に出くわして、

 ゆっくりと息が詰まった。

 二歳下の知り合いに、学生時代、子供を授かった男がいる。

 迷う余裕すら、きっと男にはなかったのだろうか。

 選択肢を絞れない不自由と、選択肢のない自由。

 あのひとはぼくよりずっと年上だ。

 そして、例のくだらない悪戯があるまで、いつかこっこが欲しいね、そう漏らしていた。

 三十路負け犬なんて言葉あざ笑うように、あのひとは変化に跳んだ二十代を送った。

 そして三十を越えても、その目線をそらさないでいる。これからも、きっと。

 でも、その中ですこし、落ち着きが欲しいのかもしれない。

 それが分かっていて、期待を受けて、応えないでいる私がいる。

 私も好き勝手、泥と飴を、舐めてきた。

 現在フリーター。職歴なし。学歴ももう屑になった。

 季節は二度、移り変わった。

 この期に及んでも、それでもあのひとは期待をしていると知っている。

 ぶつけてくるものがどれだけ負に満ちていても、そこに望みがなければ、物はつぶやくまい。

 日常に流れる音楽。深く潜り込むための本。少ない親友人。そしてあのひと。

 欲しいものが、もっとあっただろうか。

 もう忘れてしまったような、胸奥に詰まって息を苦しくさせているような。

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