2007-09-26

日本語トリビア

小林さーん、もしもし、小林さーん?」

「作戦行動中は隊長、若しくはコードネームで呼べと言ったはずだ、キングオブヤックル!」

「えー嫌ですよ恥ずかしいもん。大体なんですか私のそのキングオブヤックルって」

「おまえにぴったりじゃないか」

「略すとKYじゃないですか」

「…その点も、おまえに、ぴったりだ。」

「で小林さんのコードネームなんでしたっけ? タイガーバーム?」

馬鹿!バーム、じゃない。何度言えばわかる。タイガーファングだ。意味が違いすぎる。大体、においで存在がバレバレになるだろ」

「ファング…? 意味わかんないし。隊長でいいや。」

「で、用件はなんだ。」

「あ、合流地点に着くのちょっと遅れます」

「また寝坊か」

「違いますって。ちょっと手傷を負ったんで薬局に寄ってからいきます」

「ななななに手傷!敵方と接触したのか!深いのか!医者に行かずとも平気なのか!」

「ははは大袈裟だなあ、こば…じゃなかった隊長。だから手傷ですって。ちょっと手をすりむいただけですって」

馬鹿者。手の傷だから手傷とは」

「違うんですか?」

「手傷というのは、手にできた傷の意味ではない。ここでの『手』とは手のひらの手ではない。手負い、とか、深手、という言葉があるだろう。あの『手』だ。つまり『手』自体で怪我の意味だ。」

「じゃあ、手傷は、傷傷ってことですか」

「そういうことだ。強調型の熟語だ。負傷全般、しかも、手傷といった場合、主に戦闘によって受けた負傷のことを言うのだ。」

「それで、敵がどうとか」

「そういうことだ。心配したではないか。で、大したことはないのだな」

バンドエイドで治ります」

キズパワーパッドが、治りが早いぞ」

「またそういうどうでもいい豆知識を」

「どうでもいい言うな。ともかく、できるだけ早く合流地点を目指せ。」

「ところで」

「なんだ」

「手傷が手の傷でないのだとしたら」

「うむ」

「手の傷のことはなんというのですか?」

「…!……!」

「流石のタイガーバームでもわからないことはある♪」

タイガーバームではないとあれほど! 大体、タイガーバームでは」

「においでばれる♪」

「おまえ本当はわかってて言ってるだろ」

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