ん?
ドアを閉めた時、妙に暗い事に気がついた。なん夜でだろう? そう思いながら鍵を閉める。そして、思い出した。
そうか、もう年が開けてるんだ。
そう、つい先日、旧正月を迎えたところだ。それは、つまり新月に近い事を意味する。月など、とっくの昔に沈んでいるんだ。
そう思って、ふと、空を見上げる。真っ暗な夜空に星が瞬いている。
3つの星が列ぶオリオン座、その右肩に輝く赤いベテルギウス。左下には青く輝くシリウスと、それを持つおおいぬ座、シリウス、ベテルギウスときて、左少し上にあるのがプロキオン。この3つが冬の大三角形。
そういえば今日は天気が良かったな。そんな事を思いながら、瞬く星々をしばらく見つめていた。
気がつくと、なんだか心が軽くなっている。いや、今まで心が重かった事に気が付いた、というほうがあっている。
残業して良かった、そう思えた夜だった。