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2021-12-26

増田文学 2021年

大賞 「実家の犬に 弔辞

ランクタイトルブクマ日付カテゴリ
1あえぎ声を書くバイト19802021/04/08 05:49おもしろ
2桃太郎なのに、とっても Apple16602021/04/26 10:18テクノロジー
35年くらいセルフネグレクトしてたこと13242021/05/22 00:29世の中
4精神障害者の俺、手切れ金としての年金、この世界への感謝12582021/04/23 20:18政治経済
5たまたま狂わずに生活している11942021/11/14 15:43世の中
6魂に一生消えない傷を残していった作品ってある?10822021/01/27 18:01暮らし
7弱者男性を救うのはお前だ中島10172021/04/06 14:04おもしろ
8Apple 風文体の力を、あなたにも。10052021/04/25 03:20学び
9恩師の下着に感謝9622021/05/21 02:27暮らし
10「問題解決を、セクシーに。」小泉進次郎 Powered by Apple9622021/04/27 22:09テクノロジー
11緊急事態宣言下のカツカレー9262021/01/27 20:51暮らし
12悪くない人生だった8882021/04/17 09:01暮らし
13父がやってた訳の分からない会社を継いで大失敗した8792021/01/19 11:25暮らし
14奇跡が起きるのは思っているより多いのかもしれないという話8632021/06/27 21:42暮らし
15実家の犬に 弔辞8402021/08/27 21:20暮らし
16冬眠するあなたへアドバイスを送りたい8372021/10/19 12:10おもしろ
17【完全版】増田文学2020 ランキング2008352021/01/14 17:36世の中
18市役所でべしゃり散らす女児を見ていて思った話8042021/03/09 20:38暮らし
19木屋町にあるキャバクラで黒服の仕事をしていた7802021/07/17 09:41暮らし
20体育で恥ばかりかいていた女が石田彰のために毎日虚空を殴って...7752021/01/13 07:25アニメゲーム
21彼氏に20年以上大事にしているぬいぐるみがバレた。7682021/12/13 21:45暮らし
22妻の長所7602021/05/24 02:08暮らし
23渡辺明の敗北7582021/07/04 01:02エンタメ
241年半ずっとATMとして働き続けたときの話7582021/02/18 17:40世の中
25しょうもないのに忘れられない言葉7472021/08/26 17:53暮らし
26いろいろ間違っています7212021/09/19 00:47学び
27中途採用社員が経歴詐称だった6832021/08/24 20:22世の中
28茶とコーヒーと俺ん家の話6682021/01/23 17:38暮らし
29あまりイキってないコンサルと一緒に仕事をしたときの話6652021/03/23 16:43政治経済
30シン・オリンピック劇場版6582021/05/11 23:50おもしろ
31戦う猫の話6562021/02/01 04:24暮らし
32喪女がプログラミングスクール行って彼女が出来た話など6482021/04/09 15:01政治経済
33姉 俺と7つ離れてる俺の姉、のんびりや。 俺が小さい時はよくわ...6432021/11/01 23:58おもしろ
34誕生日に彼女が元高級ソープ嬢だと泣きながらカミングアウトし...6322021/05/19 14:07暮らし
3525歳下の女と結婚した6252021/11/13 21:27暮らし
36風俗に落ちた女友達6222021/01/23 12:50暮らし
3723:50にヤマト運輸のドライバーが来た6082021/01/30 13:15おもしろ
38ねこが21歳になった(追記しました)5782021/06/06 20:47暮らし
39大学入試新共通テストの古典問題が凄かったので解説させてほしい5692021/02/19 14:42学び
40大学時代の友人に会った。 大学時代はお互い貧乏で、たまり場と...5612021/04/26 00:39暮らし
41木の球体5522021/01/30 00:56暮らし
42本好きなら高校生までに読破しておきたい古典1005522021/02/10 22:53学び
4338歳で読書をはじめた5482021/04/17 18:10学び
44電話口から三人殺したかもしれない話5472021/07/09 19:25暮らし
45風俗で号泣した5432021/11/21 20:25暮らし
46夫に隠れて寿司を食べている。(※追記)5372021/01/12 21:34暮らし
47ペアーズで会ったけどひどい理由で喧嘩別れした5342021/03/24 22:47おもしろ
48アラサー独身オタクの独り言5292021/11/20 21:49暮らし
49金沢駅のトイレで、e-maのど飴を握りしめたあの日のこと5242021/02/02 14:35暮らし
50「憎悪クリエイター」です。遊郭編タイトルの炎上はご迷惑おか...5182021/02/22 20:23世の中
51部長がセクシー新卒に騙されて困っている(中編)5162021/09/05 08:05政治経済
522021年1Q 個人的おすすめ増田文学9選5092021/04/24 12:29おもしろ
53中国韓国との競争に敗れ衰退が続く日本の造船業について4992021/05/18 07:54政治経済
54原宿駅4952021/06/15 19:21エンタメ
55同意のないセックス>同意のない人生4872021/05/30 09:41おもしろ

2021-04-24

2021年1Q 個人的おすすめ増田文学9選

# タイトル日付 ブクマ感想
1 茶とコーヒーと俺ん家の話 1/23 642 これぞ増田文学
2 小さな図書館の思い出を喋りたい 2/27 274 生々しく悲しい別れの話
3 コロナ失職したアラフォーおっさんが自作のWEBサービスを公開するまで 4/4 432努力の話。がんばれおっさん
4 はじめてラーメン二郎に行った 2/5 233 二郎デビューを思い出させるシズル感
5 同棲を解消したら同棲を解消しなかった未来が見えた 2/26 353 じんわりと、ずっしりと胸に来る
6 コロナで母が壊れた 2/6 183 最後まで読んで欲しい
7 金沢駅のトイレで、e-maのど飴を握りしめたあの日のこと 2/2 518 心温まる素敵な増田
8 緊急事態宣言下のカツカレー 1/27 922 日常を切り取るのが上手い
9 市役所でべしゃり散らす女児を見ていて思った話 3/9 796 SFチック。興味深い。

雑多に選んでみた。意図したわけではないけど、コロナ関連の話題が多くなった。

関係ないけど、10選にしようとしたらなぜか投稿できなくて1つ削った。なんで?

2021-02-02

金沢駅トイレで、e-maのど飴を握りしめたあの日のこと

 地に足がつかない、とはこのことかと思った。

 2月の終わり、寒い日のことであった。大学受験二次試験前期日程の試験を終えた私は、試験会場の大学からバスに乗り、金沢駅バスロータリーに降り立っていた。バスから降りた時、アスファルトがぐにゃんと歪んだような気がして、最初上手く歩けなかった。地に足がつかない、とはこのことかと思った。

 二次試験は、よく解けたという気もするし、ダメだったという気もした。要するに何も分からず、前者であったと自分に言い聞かせるしかなかった。金沢駅東口をとぼとぼと歩く。前期試験が終わった。そのことへの安堵と、もうこれで受験勉強をしなくていいかもしれないという期待は確かにあって、背中に羽が生えたような気分だった。

 しかし、まだ合否は出ていない。もう動かせない結果は、どちらに転ぶか分からないのである。まだ何者にもなれていない、宙ぶらりんの状態は何とも居心地が悪かった。

 バスから降りた他の受験生たちが、駅の横にあるスターバックスに流れていった。解放からか、その足取りはずいぶんと軽い。その気分も分からないことはなかったけど、やはり合否はまだ分からない。そう思うと、どうしても背中に生えた羽を伸ばす気にはならなかった。

 正直に告白すると、スタバは敷居が高かったということもある。何もない田舎からはるばる受験に来た自分にとって、スタバ最上級の憧れの場所であり、それゆえに敷居が高かった。どうやって注文するのだろうと考えたし、店員からドレスコードを求められるのではないかと本気で思っていた。勉強以外のことは、本当に何も知らなかった。

 大人しく帰ろうと思って駅で帰りの電車を待つ。次の電車までは、だいぶ時間があった。さすがに時間を持て余したので、駅の中にあるコンビニに入った。

  

 信じてもらえないかもしれないが、当時はコンビニに入って買い物をする事も一つの贅沢であった。受験勉強中はありとあらゆる誘惑を断ち切っていて、コンビニで買い物をすることは自分へのご褒美の意味があった。今考えると生活を締め付けすぎだと思うが、当時は「楽しいことをすると落ちてしまう」という謎の脅迫観念に追い詰められていた気がする。

 コンビニで、e-maのど飴グレープ味を一つだけ買った。電車の中でも食べられるものを、と思って選んだのだと思う。ここで買ったものが「e-maのど飴グレープ味」であったことは、この後の出来事もあって鮮明に覚えている。

 コンビニを出て、e-maのど飴を1つ頬張った。舌でひとなめしたら、「思ったより酸っぱいな」と思った。そして、そう思った次の瞬間、ぶわっと涙が溢れ出た。

 何だ、何の涙だこれは。予期していなかった思わぬ出来事狼狽した。こんな人混みの中で泣いたらかっこ悪い。そう思って、慌ててトイレを探した。トイレを探して、慌てて 個室に駆け込み、便座に座った。

 便座に座ったら、一安心でもしたのか、さらに涙が出た。それこそ、e-maのど飴みたいな大粒の涙だった。

 

 合格した嬉し涙でも、落ちた悔し涙でもなく、タイミングとしてはおかしなところだった。今になって思い返すと、ひとまず受験が終わったという安堵と、落ちているかもしれないという不安が混ざり合い、何とか保っていたもの決壊した瞬間だったのだろうか、と思う。そこまで追い詰められていた自分に、泣きながら驚いているもう一人の自分がいた。

 これ以上涙が出ないように、と思って、e-maのど飴の丸いケースを左手の五本指で強く握った。強く握りながら、涙が止まるのを待った。

 3月上旬、まだ寒い時だったけれど、長い冬は終わって、一足早い春がやってきた。

 年を重ねて、今ではスタバ普通に入れるし、大学受験記憶はだいぶ薄れてきている。それでも、金沢駅トイレe-maのど飴を握りしめたあの日のことは、たぶん一生忘れないのだと思う。

 どうして今、こんなことを書いたのかというと、今年の受験生過酷環境に置かれているニュースを見たからだ。毎年、受験の時期になるとe-maのど飴のあの甘酸っぱい味を思い出してしんみりとするけれど、今年はそんな生優しいものではない。

 「濃厚接触者になって受験ができない」とか、「直前になって試験が中止になった」とか、そんなニュースを見て、まさに胸が潰れそうになる。一体いま、どれほどの出来事が起こっているのか。こんなことはあっていいのか。当事者の苦しみは想像も及ばないけれど、想像しようとしただけで胸が潰れそうになる。

 自分エピソードなんて、とりとめのないものしかない。あの日e-maのど飴を握りしめていた自分以上に苦しんでいる受験生が全国中に山ほどいて、今も誰かがトイレの中で泣いているのかもしれない。

 緊急事態宣言が延長になって、本当に春はやって来るのかと、そんな気持ちになる。自分受験生に直接できることは思い浮かばないけれど、あるとしたら、「大人」でいることしかない。大人馬鹿なことをしてはいけない。無責任なことをしてはいけない。

 大人が、誰かに訪れるはずだった「春」を奪ってはいけない。

 大人しく、大人らしく過ごしながら、受験生に春を願いたいと思う。

 
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