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数ヶ月前に予約した小説『天官賜福』(墨香銅臭)が届いたし、Kindleでポイント50%還元セールがあったり竹書房の日があったりしたので、いつになく多くのBL作品を手にした7月末~8月冒頭だった。ほっこり。そんな訳で、読んだ本とその感想を少し。あ、『天官賜福』を発売月内に読んでレビューポイントを稼ごうと思って忘れてたなあ!
謝憐(シェ・リェン)は仙楽国の元王太子で、17歳の若さで天界に飛翔し武神となった天才神官であった。ところが数々のやらかしにより人間界に落とされ、今では貧乏神・ガラクタの神と蔑まれ、彼を信仰する人ももはやいない。
そんな謝憐だが、このたび三度目の飛翔を遂げ神官に返り咲いたものの、天界に着くなり飛翔の衝撃で他の神官の館等をぶっ壊してしまい、多額の負債を作ってしまうのだった。
そして彼は、返済のために功徳を稼ぎに人間界に降り、人々を苦しめる怪異事件の解決に乗り出した。
すごい厚みなのだが、まるで話上手な人による噂話を聴いているかのような軽快で臨場感のある文体と、面白いストーリーのため、ひと度読み始めるとページを捲る手がなかなか止まらなくなるやつ(といっても、私は歳のせいかすっかり集中力がなくなってしまい、しかも他の本と掛け持ちで読んでいるので、なかなか読み進まないのだがw)。
同作者の『魔道祖師』よりはストーリーが分かり易いと思う。人界の民草に信仰されることによって「功徳」ポイントを稼ぐという設定がゲームみたいで面白い。何年か前にアニメになった『霊剣山』(国王陛下)をちょっと思い出したんだが、こういう古代中国が舞台のゲームっぽい設定って、中国のWeb小説界隈で流行ってるのだろうか?
けっこう早い段階で攻めの花城(ホワチョン)が登場し、謝隣が彼に惹かれていく描写もなされるので、BLとしても『魔道祖師』より分かりやすく萌えが多いかもしれない。
問題は、第2巻以降の発売の目処が立っていなさげなことだろうか。読んだ内容を忘れないうちに発売してほしい……。
短編集。恋愛に対して臆病過ぎてすぐ行方をくらます男とストーカー行為を楽しむ男の話と、遠恋中の若者達の話と、体毛がすごいおっさんの話の三編。
『Canna』のBLはサブカル系で癖が強いって誰かがどこかに書き込んでいたけど、これもかなり癖の強い短編集。筋肉! 体毛! ムンワァァ……! な、におい立つような劇画調ラッコ鍋絵柄で描かれるのは、おじさん・お兄さん達の複雑な乙女心だった!!
表題作だけ『Canna』本誌で読んだことがあったんだけど、連載が飛び飛びだったせいかあまり面白いと感じなかったのだが、単行本にまとまったのを続けて読んでみたら、案外悪くない感じだった。
私は2話目の『恋しさ募って』がお気に入り。初々しくてかわいい。
ルームシェアをしている大学生のアキとハル。見た目がもろにワンコ系で実は心配性なのがアキ、クール系に見えるけれど食いしん坊で楽天家なのがハルだ。そんな二人の好きなのは、お料理する事食べること。今日も美味しい料理を作って食べて、無自覚0距離でたのしく暮らしています。
めちゃめちゃ腹減ったーー!! 『きのう何食べた?』(よしながふみ)に負けず劣らずな飯テロBL漫画だった。とにかくアキの作る料理が美味しそう。各話の末尾にレシピがついているから、後で作ってみようかな。ただ、若者向けのガッツリメニューが多いので、中年以降にはきついかもしれないが。
BLなんだけど、エロがないどころか恋愛描写もほぼない。アキがハルのことを好いているというのがちょっと描写されるくらいかな。ハルは女子との交際歴があるとか、脇役の女子二人組が登場してグループ交際っぽい絵面になったりとかもして、BL感はかなり薄い。
でもアキとハルが幸せそうにご飯を食べてかなり密着状態で楽しそうに過ごしている様の和み度・癒し度が高く、それだけで満足感がたっぷりある。
あと他に三冊買ったけどそれはまた後ほど。
※極力ネタバレしないようにがんばる。
ボーイズラブアンソロジー『Canna vol. 84』を読んだ。最終回ラッシュだったのだが、ある一つの作品が全てを持ってく勢いだったので、同時に最終回を迎えた作品がちょっと気の毒な気もするんだけど、でも雑誌の講読者もけっこう自分の好みの作品以外は目に入らないっぽいので、大丈夫だったりするのだろうか。
という訳で、全部読んだけど感想を書くのは一つだけ。
高校教師の佐田は、不審者対策の夜回り中、殺人鬼に襲われて死亡した。ところが、彼はマッドサイエンティストの間宮に拾われてゾンビとして蘇生され、被検体として飼われることとなる。
どんな傷でもたちどころに治癒する、ほぼ不死に近い体になってしまったのとひきかえに、ヒトの屍肉しか食べられなくなってしまった佐田。彼の食糧を得るために間宮は殺人を企てる。佐田は間宮を非難したものの、間宮の殺人を幇助するようになり、そして次第に罪悪感を麻痺させてゆく。
間宮邸での暮らしにすっかり慣れた頃、佐田の生存と居場所が彼の元同僚にバレてしまう。逃亡せざるを得なくなった佐田と間宮だが……。
追い詰められてゆく間宮の描写が凄かった。生来、口が悪くて言いたいこも言うつもりじゃなかったこともずけずけ言ってしまう性質の間宮が、佐田の前で絶望的未来予測を口走りそうになりながらも、佐田を案じて虚勢を張り、皮肉を言うのを堪えつつ、率直な言葉で愛を告白し、大丈夫だと佐田と自分自身に言い聞かせる。動揺しつつも気を奮い立たせてすべき事をするはずが、行動を起こすことそのものが現実逃避に繋がり、佐田の声を聴く耳を塞ごうとする。ともすれば自分の殻の中に逃げ込み閉じ籠ってしまいそうなのを、佐田への強い愛情が辛うじて引き止める。
間宮の行動原理はとっくの昔にすり変わっている。ゾンビ化研究で成果を出し名を上げて彼と彼の大伯母を馬鹿にした奴らの鼻をあかすことではなく、すべては佐田を生かすために。
だが当の佐田は間宮に研究に没頭しろと諭す。辛いことも悲しいことも忘れさせてくれるほど、熱中できることを持てるのはいいことだと。一人きりでも生きていくには。間宮にとって、何もかも忘れることが出来るほど熱中させてくれるものは、とっくのとうに研究ではなく佐田に置き換わっていたというのに。佐田の言葉は間宮にとってあまりにも残酷だ。
ラスト数ページの、佐田のために間宮が狂っていく場面は圧巻だった。
ここまで受けが攻めに対するクソデカ感情を持ち、それに狂わされて堕ちていくBLって珍しいんじゃないかなあ。どちらかといえば、そういうのは攻めの役割になりがちかと。
恋情と憧れ、劣等感、嫉妬、憎しみ、罪悪感そして献身……それらがごちゃごちゃに混ざって爆発寸前な感じ。むしろBLよりも百合の十八番のような……ずっとBLなのに百合百合しい作品だった。『さようならアルルカン』『少女革命ウテナ』『魔法少女まどか☆マギカ』『ルックバック』が好きでBLも読めるという人は是非どうぞ。
はぁ、むっちゃ泣いたわ。しばらく立ち直れそうにない。
舞台は江戸時代の下町、猫が一番威張っている長屋、通称「鯖猫長屋」。猫描き絵師の拾楽は、故あってオスの美三毛猫のサバとともに細々と暮らしていた。
ある日、鯖猫長屋に一人の若い女性が越してきた。彼女の名はお智。独り身の若い女の独居なんて胡散臭いと、長屋の女達はざわつく一方、男衆はお智の美貌にそわそわ。ところがやはり、お智は厄介な事情を抱えていたようで、ひと悶着起きるのだった!
江戸時代小説を読むのなんてたぶん人生初なので、知らない単語が沢山あって、ググりの手が止まらない。そんなに長い小説ではないのに、読了まですごく時間がかかってしまった。でも、ここまで調べたんだから、もう江戸時代小説どんと来いや! って感じだな。問題は、私の記憶力が物凄く悪いってことだけど。
長屋に表と裏があるなんて知らなかった。時代劇に出てくる貧乏長屋は「裏長屋」なんだな。なるほど。
江戸時代ハートフル人情物かと思って読み始めたら、なんか思ってたんと微妙に違った。猫のサバのいばりん坊具合が想像の斜め上を言っていた。飼い主の拾楽に対するあしらいが杜撰でどS。つよい。そして猫なのに何でも解りすぎぃ。リアル寄りかと思ったら幽霊は出てくるし、拾楽はただのうらなりかと思ったらなかなかのチートぶりだし、成田屋の旦那は存在自体の浮世離れ感がすごい。
ふつうに下町人情が挟まってきつつ、ハートフル人情物とは思えない少年漫画的な活劇シーンがあったり、まあ退屈はしなかった。
登場人物のかけ合いがメインで、情景描写はほぼ死んでるぶん、知らない単語が頻出するとはいえ、頭をパァにして楽しめた。
人気シリーズだったらしく、図書館に文庫本が10巻までずらりと並んでいたから、後で続刊を読んでみよう。
今回はたまたま急展開な作品が多かった。そして人気作のいくつかが連載再開されて豪華な感じだが、全部で11作品しか載っていない……。私がこの雑誌を買い始めてそんなに長く経っていないけれど、今までで一番掲載作品が少なくないか? 大丈夫なのかCanna……。
前々回から主人公のアポロもフィーもそれぞれ人知れず悶々と悩むばかりなので、ちょっとストーリーが中弛んでいる印象かも。その前の話(2巻収録分)がかなり盛り上がっていたので、落差が激しいというか。(単行本でまとめて読むぶんには気にならないほどの弛み感かもしれないが)
で、やっと二人が劇的って訳でもなくベタに再会したのだが……、おや、なんだか道を外し始めたぞ。それはやっちゃダメなんじゃなかろうかという事をフィーが思いつき、窮状に陥って元気のなかったアポロがずるずると引き込まれてしまった。
テンションダウンしたところからこの流れは、楽しんで読めるかどうか微妙だ。共感力とモラルガン無視力を試されつつあるのかもしれない。じつに不安だけど続きが気になる。
うーん、第一印象よりは悪くない。でもいいとも思えんなあ。雑誌で推し作品のついでに読むぶんにはいいが、前情報無しで単行本を買って読んだら、膝から崩れ落ちそう。バンドマンBLが好きなら他をあたった方がいいと思う。『ギヴン』とか。
グループ交際回。すっごい、王道の少女漫画だなぁ。毎回読んでそう思う気がするのだが、王道過ぎてさっぱり記憶に残らないので、第1話どんなんだったっけと思って読み返した。王道の第1話だった。王道から一歩たりとも道を外したくない少女漫画好きの人にはおすすめできる、たぶん。
前回までずっと、ドロドロな昼ドラみたいな鬱展開が続いていたので、主人公の悠生が可哀想過ぎて読むのが辛かったのだが……。
うひょーー!! ついに悠生がブチキレたwwwwww しかも、ぷっつんした時の心の中の第一声が、
「くっっ……さいな」
(※攻めの恭悟が他所のΩの匂いをぷんぷんさせて帰宅したので)
って最高wwwww
キレにキレて反撃に出たところで次回に続く。頑張れ悠生ちゃんwwwww
しかし、悠生のモノローグで、元々自分はこういうキャラじゃなかったなどとあり、えっそうだったっけ? と思って第1話を再読。すると、子供時代の悠生は確かに成績優秀スポーツ万能で自信に満ち溢れていたようなのだが、第1話冒頭、恭悟と婚約した時にはすでに、昔の面影など全く残っていないほど暗いしもべ的なキャラになっていた、とのこと。恭悟は自信満々時代の悠生に惚れ込んで、多額の結納金を積んでまで悠生を手入れたのだが?
あれれぇ、これってもしかして、ハッピーエンドの予感じゃない???
はぁ、ネコチャンは癒し……のはずなのだが、今回はピリピリ回。いまぢの元同級生女子がほづつみを陥れた性悪サイコ女だと判明し、温厚ないまぢがガチギレ。こわい。しかし、ネコのサンの正体が宇宙人であることが何ら関係ない感じの展開で盛り上がってしまうのか? それはなんか微妙だ。
あぁ……私の最推し作品……。どうやら次回が最終回の模様。学生時代回想回、温泉回、頑張ってほにゃらら回と、エモーショナルな話が続いていて、主人公の佐田がゾンビで間宮がマッドサイエンティストだということを危うく忘れかけそうになっていたところ、今回は冒頭からふつうにに二人で殺人を犯していた。
めっちゃ突き付けられてからの急展開きた。本当にこの漫画、次回で終わってしまうの……?
学生時代回想回の盛り上がりがあまりにも凄かったために、最終回が尻切れとんぼになったらやだなとビクビクものでもある。しかも今回のラスト、すごい引きが強いし。どんな最終回になるのかなあ。佐田と間宮が実にいいキャラをしているので、終わってしまうのは残念なんだけど。
思ってたんと違うー! 全然ハードボイルドじゃないー! と衝撃を受けてから、もう7話も過ぎてしまった。今回も絵柄がハードボイルドな恋愛漫画だった。すごくほのぼのとしていた。今回のCannaは全体的に不穏展開が多めの中、この漫画だけがほっこりしている。まさかこれに癒される日がくるとはね……。
これもまた衝撃の展開。手に汗握っちゃうな……。ネコ耳獣人達がただのネコ耳獣人ではなかったと、初めて知った。
かなり久しぶりの本誌再登場。ちなみに、『石橋防衛隊(個人)』の方はpixiv漫画で無料で読めるはず。
今回も某衛大ネタ盛りだくさんというか、もはや某大が舞台のBLというよりは某大漫画となっている気が。今回も国分寺榛名は頑張っていた!
私は至極興味がないのだが、このシリーズは商業BL漫画の中ではとても人気がある。何故そんなに人気なのか、読んでもいまいちわからないのだが、少女漫画の王道みたいなところがよいのだろうか。
今回も私にはわからないが、これが人気なのか……と思って読了。
あれ? なんか一つ足りないような? と思ったら硯遼先生の『MADK』が休載だった。次が最終回らしい。
次回は『コントラスト』のitz先生の新連載が始まるらしい。『コントラスト』もすごく人気のある作品だ。まあ好みではないがわからなくもない。確かpixiv漫画で無料で読めるはず。『スリーピングデッド』が終わって『MADK』も終わるとなれば、新連載が1、2本始まっただけでは間に合わないと思うが。誰か推し作家さんの連載が始まらないかなー。
『凛一シリーズ』(長野まゆみ)を月一冊ずつ細々と買い揃える事を最近の自分へのノルマにしており、しかも来月上旬に推し雑誌『Canna』が発売されるので、その他BL本に使えるお金が少なくなる……としょんぼりしていたところ、タイミングよくcannaコミックスがセールになっていたので、思いがけず二冊買うことが出来てしまった! ちなみに、今セール中のcannaコミックスのなかでは『兄の忠告』(朝田ねむい)を私はおすすめしたい。ちょっと変わった青年向け短編漫画が読みたい人にはいいと思う。エロは全くない訳じゃないが非常~に少ない。
では、今日買って読んだ本。
国分寺は某衛大学(略して某大)の一年生。だが彼には国への忠誠心なのはない。親友の石橋を守るためだけに彼は某大に入学したのだった。厳しい訓練に明け暮れるうちに日々は過ぎ、二年生に進級するまで残すところあと僅かとなった。すると、国分寺と石橋に、上級生が進級をかけてとあるミッションの遂行を二人に命じてきて……。
表紙絵のかっこよさに惹かれて購入。ギャグにほぼ全フリしたラブコメだった。国分寺の石橋愛がとてつもなく重いさまを楽しむ漫画。
ずっと一方的に国分寺が石橋に片想いしてるだけかと思いきや、石橋が段階を踏んで国分寺を好きになっていくのが微笑ましかった。ただ、ここぞというときの盛り上がりに欠けるような。思ったよりふっつーに告ったな……。もっとエクストリームなシチュエーションで告るのかと期待してたのに。まあでも、普通が一番か。分かりやすいし。
レビューによれば、意外と某衛大あるあるが盛り込まれているらしく、某大を知る人にはふふってなるやつらしいけど、私は某大とは無縁で生きてきたのでわからん。
濃い目のキスシーンあり、セックスシーンは不発にして、白抜きされるようなことは描かない鉄壁のガードっぷり。エロ本が読みたい人は他をあたるべし。
古代中国的な世界。この世界には鴆(ジェン)という怪鳥がいる。鴆は有毒な植物を糧とし、餌から得た毒素を羽色に変える、とても美しい鳥だ。だが、鴆は身体の隅々に毒を含み、しかも気性も獰猛である。人々は鴆の美しい羽色に惹かれ、鴆を所有することにより自らの権勢を誇示するのだった。
元鴆飼(ジェンスー)のフェイ将軍は、上司から一羽の鴆の世話を仰せつかった。鴆の名はツァイホン。それはフェイ将軍の兄を殺した鴆だった。
極めて獰猛で人を寄せ付けず、羽色も褪せてしまっていたツァイホンを、フェイ将軍は兄の仇と知りながら、甲斐甲斐しく世話を焼く。そのさまを人々は不思議に思えてならないのだが……。
『鴆――ジェン――』はシリーズもので、全部で三作ある。そのうち最新作にして最終作の『鴆――ジェン―― 天狼の眼』だけは『Canna』本誌で途中から読んで知っていた。わざわざ単行本を一から買ったからといって、このシリーズが熱烈に好きなのかというと、それほどでもないんだよなぁ。自分の琴線に触れるような作品ではない。ただ、絵がとても綺麗でしかも漫画が上手い。するすると読めてしまうので、自分のツボに嵌まりはしないが読みたい、という感じ。
変わった設定だけど、ストーリーは難解ではない。鴆の羽の描写スゲー! と感動するうちに読了。ストーリーやキャラの関係性とかにすごく感動することはなかった。へぇ、なるほどなるほど、くらい。たぶん、これが刺さりに刺さってたいへんだという人も、世の中にはいるんだろうなと思う。確かどっかのレビューサイトで「号泣した」って書いてるレビュワーがいたはずだ。
漫画としては極上の部類に入りそうと思う。
全くのBL初心者がおすすめを教えてくれといったら、『ワンルームエンジェル』(はらだ)、『百と卍』(紗久楽さわ)、『オールドファッションカップケーキ』(佐岸左岸)とともに本作をおすすめしたい。
エロはあるけど、大体ツァイホンの羽がふさふさもふもふしているため、何が起きているのかよくわからない仕上がり。白抜き部分あり。人間×人外というカップリングな点では特殊だが、エロ方面ではさして特殊ではない。BLによくある謎の表現規制「攻めの尻は描かない」が発動している。
元小学校教師の作家・詩人。詩集『花を見るように君を見る』が人気ドラマの中で使用されたり、BTSの誰だったかの愛読書として紹介されたとかで大ヒット。現代の若者に人気なので当人もお若いのかと思いきや、1945年生まれである。
普段、詩はあまり読まないのだが、何がきっかけか忘れたけど数年前に「韓国詩はいいぞ!」とネットで読んだことを思い出した、ちょうどその時にこの詩集が目に留まったので、読んでみた。
前半は初々しい恋愛の歌が多く、青春ですなあ! って感じだが、しだいにああ人生! って感じの愁いのある詩が増えていく。一人の少年が成長し大人になっていくのを見守った気分。一番最初の「草花」なんてピュアでほわほわしてるが、終盤の「冬の恋歌」なんてガッツリと大人の恋……だいぶ踏み込んでる感じの……。
「道を掃きながら」「新しい道」は道がキーワードになっているからか道教とか儒教みがあり……日本にも渡来し根付いている思想な訳だが、自分自身にはあまり馴染みがない。そのため、近くて遠い隣の国ではどのように受け止められてるんだろうなあ、と思いを馳せたりとか。詩以前に、韓国の文化全体を私は何も知らないんだよなあ。
日本の伝統的な詩である和歌のことだってよく知らないのに、韓国詩を読んで私はどこまで理解し共感出来ているのだろうか。これを機にも少し韓国の文化を知ろうと思った。
「韓国詩はいいぞ!」とネットで読んだ時に、試しにネット上に載ってるハングルで書かれた詩(尹東柱だったかなあ)をぐーぐる翻訳にかけて音声で聴いてみたところ、まるで花びらや木葉が螺旋を描いて舞い落ちるかのように韻を踏んでいたので、いいのかどうかは知らないがすごいなと思った。ナ・テジュの詩も韓国語で聴くと日本語で読むのとはまた違った趣があるのだろうか?
装幀も挿し絵も綺麗でかわいい。自然を詠んだ歌が多いので、挿し絵も自然の風景が多いのだが、時々街の風景画もある。韓国映画で見たことのある建物のあの感じ。飾り気がなくてちょっと陰と侘しさのある佇まいに異国を感じる。
予備校講師の川野は突然妻に三くだり半を突き付けられた。独り身となった川野は安い部屋をネットで探して仮契約し、前金も払い込んだ。ところが、荷物を持って新居に行ってみると、そこには先住者がいた。
先住者である学生によれば、その部屋は彼の祖父の持ち物で縁故者にしか貸さないのだという。明らかに詐欺に遭った川野をにべもなく締め出そうとする学生・真木敦。意地になった川野は粘り倒して真木の部屋にルームシェアという体で居座った。
しばらくしたら自分で新たに部屋を探して出て行く約束だったが、川野は意外と住み心地のいい真木の部屋に、ついずるずると長居をしてしまう。
同作者の短編集『鳩の栖』収録の『紺碧』『紺一点』の続編。『鳩の栖』を先月か先々月に読んだので手に取ってみたのだが、あれっ、こんな話だったっけ? 読んだ本の内容をすぐに忘れてしまう性分をまた発揮してしまったかと思ったが、主人公・川野の同居人・真木が『鳩の栖』ではまだ中学生だったのが、本作では高校を卒業して浪人生になっていたので、キャラとストーリーの雰囲気が違って見えて混乱しただけのようだ。
実際、今となっては『鳩の栖』の方はどんな話だったか忘れてしまったのだが……真木よりは真木の親友・浦里の方がメインだったような気がしたけど、違っただろうか。
物語は新キャラであり主人公である川野視点で進んでいくのだけど、内容は真木観察日記みたいな感じ。真木が親友の浦里に片恋慕している様を温かく見守る的な。川野個人にも過去のエピソードがあったりして一応個性があるのに、主人公にしては存在が空気に近い。少年漫画にたまにいる、語り手ではあるが主人公ではないキャラみたいな。たとえば『シャーマンキング』のまん太くらいの存在感。
途中から登場する真木の兄・真木寧のインパクトがすごい。真木寧イケメン描写がめちゃ詳細で納得感がありまくる。長野ワールドのイケメンは、顔貌の良さ以上に肉体美や立ち居振る舞いの優雅さや無駄のなさで表される。凄すぎて川野の存在感が一層霞んだ。そんな真木寧が、川野に大人の責任として弟・敦の相手をしてやれと迫る。現実にはないクレイジーな価値観だ。
普段は「外商御回し」と揶揄されるくそダサとっちゃん坊やスタイルを貫く真木が歳なりの服装をした途端、がっついてくる肉食系女子と川野の対話が、さもしくて印象に残った。耽美とさもしさの絶妙なバランスがいい。
同時収録の『五月の鯉』『此の花咲く哉』は真木と浦里の高校生時代の話なので川野の出番0。ほんとうに、主人公の癖に川野って一体なんだったんだ……。真木寧の恋人、行司文崇登場。真木寧のインパクトも凄かったけど行司文崇もだいぶパンチが利いたキャラだった。美味しいとこ総取りカップルおそるべし。
まあなんだかんだ、真木と浦里がハッピーエンドっぽくてよかったです。
『石橋防衛隊(個人)』(ウノハナ)をpixivで試し読み。表紙がカッコいいが、絵柄が二十年前っぽい雰囲気だなあ。商業BLにはこういう懐かしい画風がいまでも普通に残っている。ストーリーも面白そう。けど某大ネタならもっと筋肉盛った暑苦しい絵柄で見たい気もする。
でも買って読みたい候補に入れておこう。と思ったが、今月末には推し雑誌『Canna』が発売されるし、使えるお小遣いが限りあって新規開拓は無理そうなことに気づいた。かなしい!
偶数月の末日頃発売。電子版は基本的に翌月の10日前後に発売なのだが、今回は4日発売と、いつもより早かった。今回も私の推し作家・座裏屋蘭丸先生はお休みだ。ひぃん。しかし『Daria』で連載中の『コヨーテ』が佳境なので仕方ない……。再来月まで待てがんばる……。
そして今回は前号で最終回を迎えた、『 鴆(ジェン) 天狼の目』(文善やよひ)の記念特集が紙本版にはドドンと入っているはずなのだが、電子版には文善やよひ先生のコメントまでひっくるめて一切掲載されていない。悲しい。なんでそんなに電子派を冷遇するの……。Canna公式Twitterによれば、特集記事のほかに各鴆シリーズの第1話も一挙再掲載されているらしい。
鴆シリーズは獣人(鳥人)ものという、BLの中でも特殊なジャンルではあるけれども、とても漫画の上手な作家さんの描いた漫画で読みやすいので、BL初心者とジャンル不問で漫画好きの人におすすめ。個人的に好きかと問われると、微妙なのだが……(単純な好みの問題)。
ということで、 鴆特集は電子派の私には読めないので、それ以外の掲載作の感想をば。
新連載きた! バンドマンBL。主人公が性的なトラウマ持ちでしかも感性が周囲とズレていて浮きまくる系の人。ゆえにすっかりメンヘラに成長しており、おそらく攻めであろうバンド仲間(ベース担当)に面倒を見られてなんとか生きてる感じ。
1話目なのでなんとも言えないが、バンドマンBLというと『ギヴン』という超人気作品の存在がよぎるので、チャレンジャーだなと。
去年の暮れ辺りに完結した『ヤクヨメ♂』のスピンオフ作品。ヤクヨメ♂の攻め・いわおの子分的な人のツレが主人公。タイトルは主人公の職業が漫画家であるためにバクマンみたいになったようだが、かといって主人公がちゃんと漫画家稼業に励んでいる描写があるわけではない。カップリングが替わってもなお、作者の例のあの性癖をてんこ盛りに盛った内容である。まあ幸せそうでなにより♂♂♂
読み切り。パン屋×米屋の幼なじみBL。エロはない。ピュアラブ系。絵柄が『この世界の片隅に』のこうの史代先生的なふんわり系で、ストーリーにも尖ったところはない。最初から最後まで可愛くほわほわしていた。たぶん、二次創作でしかBLを知らない人の漠然と思う「BLってこんな感じ」に近いんじゃないかと。なごむ。
逃げる相手を追うのが好きな男×逃げ癖のある男。あ、攻め受けこれで合ってるかな?
前編から間が空いてしまったので、どんな話だったっけな……。出来れば短い話は毎回掲載されるといいんだけど、BL読みにおいては短気は損気だ。
絵柄がリアル寄りでがっつりと大人の男同士のゲイものって感じ。
フラッととんずらをこく方もこく方もだが、昔とった杵柄とコネで相手の居場所を特定してくる奴もだいぶヤベェ。もはや犯罪だし。でも追う方からはターゲットはびびりながらもちょっと嬉しそうに見えたらしい。うん、それって幻覚じゃないかな。
今となっては一般ジャンルでも大人気小説家でBL小説家でもある凪良ゆう先生の人気作品のコミカライズ版。世間知らずの坊っちゃん医者×詐欺師。
毎度思うけど、凪良ゆう先生の小説は大部分が心理描写に費やされているし、分かりやすくてノリのいい文体が魅力なので、それを絵で見せられてもなぁ……という感じ。いくら上手い絵でも。凪良ゆう先生の小説が好きだが『積み木の恋』は未読の私としては、ただ原作を読みたくなるだけ。凪良ゆう先生を全く知らない人が読んだらどう思うだろうな? 一読してスルーかな。
まあ、コミカライズ担当の漫画家が悪いんじゃなくて、いくら出版不況で小説が売れないからってこんな企画立てちゃう編集部がよくないんだ。
『 鴆(ジェン)』特集は冒頭に書いた通り電子版には載っていないので、省く。
ゲイカップル・いまぢとほづつみの家に猫に擬態した宇宙人のサンが転がり込んできて、地球侵略の為の情報を得るためにいまぢとほづつみの暮らしを観察しているという話。
痴話喧嘩回。今回はサンの出番が多くてよかった。自転車をこぐいまぢの後頭部に貼り付いているサンの後ろ足がとってもキュート。サンは中身が宇宙人なだけあって人の心を解さないかと思いきや、人間の夜の営みをガン見で観察した結果、恋愛アドバイスができるまでに成長してしまった。すごい猫だ。釈迦に説法感のあるアドバイスだったけれど。
ラストの引きが強い。これは続きが気になるぞ……。
旅人×猫耳獣人。旅人のオルは癖の強い城塞都市国に入国するなり引ったくりに遭い、無一文身元不明人になってしまう。なり行きで働くことになった、猫耳獣人ばかり売っている娼館で、美しい娼夫アコニと出逢う。
ハーレクインのような美麗な絵とストーリー。しかしBLである意味がもはやなくないか? というほどに娼夫達の見た目が女性的。
今回はあまりストーリーに進展がなかったな……。オルが重大な決断をしただけで(それが「進展」というやつなのでは?)
サイボーグ×人間。酸素濃度のやたら高い星に来た元軍用サイボーグが、植物の調査研究をしている人間の護衛だかお守りだかを担当する話。
もはやハードボイルドの可能性はすっかり消し飛んでしまった……。人の心を薄くしか持っていないサイボーグが、ワンコキャラな人間に恋してしまい、誰が見てもほわほわと浮わついているという話。これは温かく見守るしかない……。正直、もっと渋いのを期待してたのだが。山なしオチなし意味なし略して「やおい」まさにこれ。
オメガバース作品。政略結婚と人身売買の中間みたいなカップルなんだけど、買った方の攻めは受けの事を好きなわりに受けの愛を信頼してはおらず、買われた受けの方は実は真っ直ぐ攻めを愛している。猜疑心故に素直になれない攻めと、惚れた弱みで腹を割って話すことが出来ずに攻めの顔色をびくびく窺い続ける受けの、ディスコミュニケーションぶりが、読んでて非常に辛い。
現代的な人権意識と家庭内の前時代的な価値観による閉塞感のギャップがえげつない。ていうかこれ完全にDVじゃん。受けの人全力で逃げて!
……と思うんだけど、逃げねんだよなぁー。それでも攻めを愛してるからってよー。
そんな古風なストーリーなんだけど、今回は実在の最新型避妊薬「インプラノン」が登場する。えっこれもう認可されてたっけ? と思わずググってしまった。マッチ棒くらいの長さの筒の中にホルモン薬の仕込まれた避妊薬で、二の腕の皮下に埋める。三年くらい避妊効果が続く。飲み忘れリスクがないので、99%くらいの確率の避妊効果があるそうだ。
そんな文明の利器を受けの人は良かれと思って攻めの人と相談せずに独断で使用してしまう。そしてそれが新たな修羅場を生む。
あのさぁ、そんだけの行動力があるなら事前に攻めの人とよく話し合おうよ。とも思うけど、攻めは攻めで支配欲と嫉妬の塊で受けとの約束をあっさり覆してくるやつなので、話し合ったところで受けにとって良いような流れには、ならないんだなあ。
今時こういうストーリーはただ只管に辛いばかりなのだが、このギチギチに古風なDVカップルがどのように軟着陸するのか(Cannaだからバドエンではない、と信じたい)、興味はある。
『嘘つきな愛を買う』のDVカップルでがっつりテンションを落とされた後で、今度は陽気に? サバサバしたディスコミュニケーションカップルのやつですよ。ゾンビの佐田×マッドサイエンティスト間宮の日常BL。
前回、一泊温泉旅行(+一泊)にて、恋バナで盛り上がった佐田と間宮。佐田の独特な恋愛観……実は世間一般でいう所の恋愛というもののべたべたしているところが苦手で、それよりセックスの出来る友達くらいの距離感で人と付き合えるといいなと思ってる(間宮と付き合いたいとはミリも言っていない)……を聴いた間宮は、じゃあセックスしよう(もう友達だから)と提案(という名の強制)をしてきて、佐田大ピンチ。
『スリーピングデッド』上巻のレビューには「受けの間宮がだいぶ無理。これで萌えろと言われても」的なことが書かれていがちなのだが、主人公の佐田にとっても間宮はかなり無理だったというのには笑った。正直に「たぶん無理……」と言ってしまうBLの攻め様ってどうなのw
そんな佐田に好かれようと一生懸命な間宮がとても可愛かった。まだ3月なのに可愛い受けオブ・ザ・イヤーが来てしまったぞ大変だ。思いがけない佐田の行動にびびった時の間宮が、死ぬほど驚き怯えた時のハムスターみたいに両手を胸の前で縮こめて目を見開く姿が可愛くて可愛くて可愛くて可愛い。
一方、佐田はといえば間宮がツンツンしまくりながら無茶な要求・暴言・暴挙をぶつけてくるのに案外律儀に応える体でいて、最終的には首尾よく間宮を丸め込んでちゃっかり自分の身を守り切るところが、学校の先生って感じだった。お前そういうとこやぞ……。
もはやゾンビ物とは? って感じのストーリーで今回は特に息抜き回色が強かったが、次回からはどう話が転がって行くのだろうか。ずっと間宮の純愛ネタばかり描かれる訳じゃないだろうし。もうすでに単行本1冊ぶんくらいの分量は書かれたわけだし。既刊が「1巻」ではなく「上巻」なので、あと1、2話で完結して下巻が出るか、1回くらい休載して中巻が出るかかな。
男同士でがっつりド派手に致しているところが見たい人には物足りないんだろうけど、大人の恋愛漫画としてとても面白いので私は好きだな。
耽美SF少年愛BL小説家・長野まゆみ先生が十代の頃に心ふるわせた珠玉の小説、随筆、詩歌のなかから、耽美入門に相応しい全26作を精選。全作品に長野先生のコメント付き。巻末に解説もあり。
目次を見渡すと錚々たる顔ぶれに眩暈がするけど、幻想文学好きは必ず履修する作家ばかりだ。
が、私は現代の幻想小説はわりと好きなんだけど(長野まゆみ先生のほか、川上弘美先生や金子薫先生や今村夏子先生とか)、明治~昭和前期の幻想小説はあまり得意ではないんだよなあ。三島由紀夫は『潮騒』しか読んだ覚えがなかったし、泉鏡花は戯曲『海神別荘』しか読んでいないという体たらく。なお内田百閒は開始十行で寝落ちした。
そんな私が、いくら長野先生のファンだからって、本作品集を買っても最後まで読み切れるのか、甚だ疑問だ……。
では、頑張って読めたぶんだけ。
遊園地で二十七羽ものインド孔雀が殺される事件があって、その重要参考人・富岡の家に刑事が訪れる。富岡はただ前日に公園で孔雀達を長時間眺めていたというだけで犯人ではなさそう。だが富岡家の応接間の異様さと、壁にかけられた美少年の写真のことが、気になってしまう刑事だった。
冒頭を数行読んで、長野まゆみ先生と文体がよく似ていることに驚いた。もしも著者名を伏せられたまま読んでいたら、長野先生が書いたものかと容易く信じそう。文体が似るほど三島由紀夫に影響を受けていたとは。『潮騒』を読んだ時は、似てるとは思わなかったけどなぁ。
かつては美少年だったことを誰にも信じて貰えないほどに老いた男が、孔雀の羽の輝きに魅せられる。(孔雀の羽の色は色素で染まったものではなく、羽の構造が光を反射したものなので、永久に劣化しないのだ。)何者かの起こした事件により、孔雀の美を完成させるには死が不可欠だと気づいた男は、自分こそが事件の犯人ではないのかと妄想をし始める。
ラストシーンは男の美への執念が具現化したみたいでぞくりとした。
雑誌『象徴』の編集長・磯貝が出勤すると、先ほどまた蕗谷から電話があったという。蕗谷というのは筆書きの原稿を持ち込んだ美少年だ。日頃からどんな無名の作家の書いた作品でも必ず目を通すことにしている磯貝は、さっそく蕗谷の小説『蔵の中』を読み始めた。
冒頭は蕗谷の自伝風で、亡き姉との思い出を書き綴ったものであった。だが、姉の死後に蔵の中に独り引きこもるようになった主人公がとある楽しみを見出だした場面から、物語は思わぬ展開に……。
『偏愛耽美作品集』のどこら辺が「偏愛」なのかといえば、美少年が登場するものばかりをピックアップしているところで。さすが長野先生なだけあって。
無名作家の小説『蔵の中』と現実の出来事が交錯し、やがて殺人事件の真相を描いてゆく、と見せかけて……。という現実と虚構が入れ子状になっていてしかもその境界が曖昧な感じ。長野まゆみ先生の『左近の桜』に受け継がれているよなぁ。
蕗谷が女装にハマって鏡の前で表情を作るシーンがとくに印象に残った。
山の手に生まれ育った令嬢のとく子は、眼病の治療のために下町の病院へと入院する。その病院の近所には時春という下町っ子でぽっちゃりめの美少年が住んでいて、しばしばとく子を遊びに連れ出すのだった。
縁日の夕にも時春はとく子を呼び出し、つれ回した。あまりの美しさにどこへ行ってもモテモテで人気者の時春がわざわざとく子を連れ回す理由は見栄のためと、とく子は見抜いていた。とく子の令嬢然とした着物姿を見せびらかすために時春は彼女の手を引くのだと。そこに本心からの労りや思い遣りはない。
時春はとく子を火事現場の跡地に連れ込んだ。「君にほんとうのことを聴いて貰う」と時春は言うが……。
顔が美しいのが唯一の美点の少年。美しい顔はそのままで素顔ではなく見栄の一部となってしまい、その口から出てくる言葉の全てが人の気を惹くための嘘っぽくなる。美しい顔というのは実は醜い顔と同じく異形の一つなのだ。
時春の見栄っ張りを女の子の目敏さで見抜いてしまうとく子だが、時春の美貌の下に隠れた本当の孤独の寂しさには触れようとしない。そんな憐れな話。
ラストシーンで、時春の本心をちゃんととく子が見抜いていたというのが明かされるのが切ない。なんかこれじゃ、時春死んじゃってよかったみたいじゃん……。
はぁ、まだあと23作品もある……。これを私はあと何百年後に読み終わるんだろうか。しかも岡本かの子の次は泉鏡花だし。開始数行でうっ、苦手かも……と思い、もう数日放置している。
「アンソロジー」っていうけど同人誌ではなく、商業BL雑誌。雑誌の雰囲気は少年漫画・青年漫画風味でストーリー重視・エロ少なめ……らしい。BLにしては、ということかも。ちなみに出版社はフランス書院。だからといってハーレクイン的なラブロマンス色があるわけではないけど。
古代中国のような世界観。「鴆」という鳥の獣人みたいな生物を飼育するのが一種の金持ちの道楽となっている。鴆は食べ物によって羽根の色が変わる。鴆のオーナー達は鴆の羽根色を競わせるのだ。鴆を飼育する人のことを「鴆飼(ジェンスー)」と呼ぶ。
本作のカップリングは、ティェンラン(鴆であり鴆飼でもある)×リュイ(人間の若者で盗賊)。
私は途中から読んだので全体のストーリーをいまいちわかっていないんだけど、今回のお話は、なんかリュイが昔の盗賊仲間を売って逆襲されそうになってるとこらしい。
手練のプロ作家の作品! って感じですごく読みやすい。絵も綺麗。ストーリーはたぶん感動とか衝撃というよりは「無難な感じ」だ。アートだ。熱烈に惹かれるというよりはコレクション欲をかきたてられるというか。単行本出たら買おうかなぁー。
大人気BL小説家・凪良ゆう先生の同名小説が原作。主人公はゲイ男性を専門に狙う詐欺師。パパ活のようなことをしては男から金を巻き上げている。
そもそも凪良先生は物語で読ませる作家というよりは文体で読ませる作家。そういう作家さんの作品を原作としても、やっぱり最大の魅力「地の文」が消えてしまうので、なんだかなぁーと。
漫画を描いた人は人気のBL漫画家らしいけど、別に……うん。繊細な画面とかなんとか宣伝されているのを見たけど、私は画面が白いなとしか思わない。でも面白そうではある、原作小説が。まあ、小説のメディアミックスっていうのは、大体引き算だよなぁ。
高校生主人公の学園もの。特に秀でた所のない佑征が、幼なじみで何でも小器用にこなしてしまう天才肌の樹を好きだけど好きと言えずに悶々としたりツンツンしたりする。少女漫画風味隠れゲイの苦悩話。カプの左右不明。今回は子供時代の回想メイン。
よくある話だなと。でも月並少女漫画みたいな作風の漫画は意外と求められているもだろうか。去年は『コントラスト』(itz)がヒットしていたことだし。たぶん、好きな人は好きなんだろう。
獣医師が知り合いの親切なおばちゃんに頼まれて、町外れに蟄居している少年を診察しに行く。少年は全身の皮膚が鱗化して角まで生えるという奇病に罹っている。獣医師はなんとか少年を診察しようとするが、少年は人間不審を拗らせており、患部を見せることすらしたがらない。診察するのしないので揉めている最中。
自称宇宙からの侵略者で人語を操る猫が、穂堤(ほづつみ)と今市(いまぢ)と犬のチャヅケの住む家に転がり込んでくる。その日常。今回はほづつみといまぢが致している所を宇宙猫のサンが覗き見して、なんだかんだ揉める。なお、サンは宇宙猫だけれど、虚を衝かれたかのような顔つきをしている訳ではない。
ああ、オチはやっぱりそうなるんだ……w
オメガバース設定作品。αだったはずの主人公・悠生は何故かバース性がΩに転換してしまう。成績優秀で親の期待に添えていたはずが、一転して無能の産むだけが取り柄の人扱いに。そして悠生は彼を見初めた男・恭悟に金で買われてしまう。以来、悠生は恭悟に服従状態。恭悟は悠生の心からの笑顔が見たくて、有名進学高校への転入を勧めるが……。
ちょっと昔の男女格差をごりごりに風刺したような内容で、精神にかなりクる。『82年生まれ キム・ジヨン』みたいに、細かいところで心をポキポキ折ってくるような。そしてレディコミみたいにねちねちドロドロしてる。
攻めでαの恭悟が無自覚に強者の傲慢から悠生に復学を勧めておきつつ、嫉妬に駆られてあっさりと梯子を外す、その態度の豹変がとてもリアルだ。もうやめて、それはただのDVよ!
はぁ、つらい……。つい読んじゃったけど、私はこういう類の悲愴感をBLには求めていないかなとも思う。
もはや男女カップリングではここまで時代錯誤なネタは迂闊に描けないから、オメガバース設定が表現の駆け込み寺みたいな役を果たしているのかなという気もする。
戦闘用サイボーグのイーサンが生身の人間のミハイルに恋をしちゃう話。
普通に恋愛してるなぁ……。連載開始当初は、なんかもっとこうシビアでストーリー重視のハードボイルドが始まるのかなと思ったら全然。かわいいミハイルにイーサンが惚れてしまい油液が飛ぶ(←言葉通りの意味)BLだった。
一回ミハイルが死にそうになったくらいで、特別な事件が起こる訳でもない。もっぱらイーサンが「これが恋……?」と動揺しているだけである。だが正直、あまり萌えはないかな。そういえば、ミハイルってイーサンのこと好きなの?
サイコパス過ぎて人の世には居場所のないマコトちゃんが、悪魔Jを召喚して魔界に行き、悪魔に生まれ変わって無双する話?
悪魔は人に名前を忘れられると消えてしまうらしく、マコトはJが孤立するよう根回しをし、彼を弱体化させる。今回は久しぶりにマコトがJのもとを訪問するところ。
連載の半分も読んでいないせいでストーリーや登場人物の関係性をいまいち把握出来ていないという私の個人的事情を差っ引いても、何を言っているのかよくわからない台詞がいくつかあるような?
とにかく、マコトとJによる激しい心理戦が繰り広げられていることだけはわかった。愛憎が入り交じるというよりかは愛情表現がおかしい二人なのか。
旅人のオルは城塞都市ペルオテに着くやいなや荷物を盗まれ、無一文の身元不明人なってしまう。そんな彼は娼館の下働きとなり、娼夫・アコニとなんかあれな感じになる。
ストーリーがよく分からないので、1話の試し読み数ページを読んでやっとオルの境遇を理解した。この人が主人公だったのか……。てっきりアコニさんが主人公なのかと。今回もまあよく分からないけど、ねこみみ獣人達は娼館にいる方がマシみたいな設定なのだろうか?
主人公でアルバイトの子が勤め先のオーナーに惚れて、そのオーナーって人が胡散臭いレベルのスパダリなのだが、主人公と付き合っているのかいないのか微妙なセフレ関係っぽい付き合いをするから主人公が病んじゃって、でもスパダリはスパダリパワー全開で主人公をよしよしいい子いい子してくれるって話。
ありがとうベルガモット&サニーデイありがとう! タイトルだけはなんか好きだった!!
高校教師の佐田は見た目性格ともに非の打ち所のないイケメンで、同僚や生徒からの人気が高い。そんな彼はある夜、不慮の事故に遭う。次に目を覚ました時には手術台の上で、科学者の間宮が側についていた。間宮によれば、佐田は一度死んだところを間宮の手によって蘇生させられたが、ゾンビのようなものとして生まれ変わったのだという。
間宮家で始まる、ゾンビと猿のような人間とリアル猿の、二人と一匹暮らし。
思いがけず萌えとラブに全力投球な本作。第1話のシリアスでダークな雰囲気から行き着いたのがここなの? たのしい大人の修学旅行なの!? 唐突なようでいて自然な流れで旅行して、ちょっと揉めたり仲直りしたりお互いに理解を深め合ったり、でも片想いは片想いのままだったり、心理描写がすごい。リアル。
これまでの朝田ねむい先生の作品は恋愛色の薄い作品が多かったのだけれども、まさかゾンビ物で究極のラブストーリーを描いてしまうとは。
https://anond.hatelabo.jp/20220113151632
すまんけど、私は表紙見ただけで回れ右だな。エロ売り作家は基本読まない。いうてBLなんかエロばっかりじゃないかいと言われるかもしれないし、実際エロばっかりなのだが、表紙であからさまに「ある種のエロしかないです」と主張してるような作品は、読んでも気分悪くなるので読まないです。
Amazonで今年一年ぶんの電子書籍の購入履歴を見てみたら、思ってたよりもBL買ってないじゃん。そっか、そういえば去年は自分で自分に10000円を誕生日プレゼントしてBLを買うという苦行を課した(結局ツラくなって半分は一般書籍に遣ってたw)から、いやにBLばかり買ってたんだけど、今年は『魔道祖師』全四巻が自分への誕プレだったからなぁ。
しかも今年は隔月で『ボーイズラブアンソロジー Canna』(1045円くらいだったかな)を買っていたので、そのぶん単行本を買うお金は減っていたんだ。
そういう訳で今年買ったBLは少なかったけど、その中でもよかった作品を3つ、無理矢理ひねり出して挙げる。
かつて「魔道祖師(まどうそし)」「夷陵老祖(いりょうのろうそ)」などと呼ばれ、人々から畏れられた鬼道の使い手・魏無羨(ウェイ・ウーシェン)。彼は一度死んだが、13年後、強制的に転生させられた。復活した魏無羨の腕には呪いの傷が刻まれていた。傷は彼を生き返えらせた術者の望みを叶えれば消える。もし叶えられなければ、死が待っている。仕方なく魏無羨は、彼を自らの命と引き換えに生き返らせた男・莫玄羽(モー・シュエンユー)が何を望んだのかを探りに出るが……。
とにかく読み応えが凄かった。魏無羨の過去の謎にからむ大きな陰謀。謎の多いストーリーにページをめくる手が止まらない。複雑な人間関係と登場人物の感情がそれぞれリアルで共感でき、とてもエモいとこが特によかった。小説という表現方法をフルで活かした大作。小説っていいなと再確認した。
元サラリーマンのアポロは、とある事情で傷心中で、しかもまとまった金が入り用だった。そのため、離島の娼館『シャングリラ』にスタッフとして住み込みで働くことにした。
アポロに与えられた仕事は「試情夫」といって、娼夫達の心身をケアする仕事。彼は仕事を覚えるために、まずは娼夫の一人・フィーに専属の試情夫としてつくことになったが……。
ポリネシア風リゾート風景の、癒し力の高さ! ここは地上の楽園か!! 1巻は毎晩寝る前に読みたいくらい。いいなー、私も南の島に住みたい。ストーリーも、初期の頃はほのぼのしている。とある事件が起きてから、徐々に暗雲立ち込めてくるんだけれども。フィーの過去に「シャングリラ」存亡の危機が絡み、サスペンス要素も入って次回が気になる。
2巻の、フィーがアポロに必死の懇願をするシーンはほんとすごかった……。
高校教師の佐田(さだ)は、非の打ちどころのないイケメンで性格もよく、同僚や生徒達からの人望も高い。そんな彼はある夜、不審者に襲われ刺されてしまう。
そして目覚めた時、佐田は自らが手術台の上に拘束されていることに気づいた。彼の目の前いるのは科学者の間宮。間宮は、佐田が一度死に、間宮によってゾンビとして蘇生させられたことを告げる。
元の日常に戻ることが出来なくなった佐田は、間宮邸で間宮とサルのモン吉との、二人と一匹暮らしを始めるが……。
ストーリーが謎めいていて面白いだけでなく、この漫画の良さは細かいところにあって、説明し難いし説明しつくせない。萌えは細部に宿るというか……。
受けの間宮が豊臣秀吉像みたいな難のある見た目なんだけど、あれで悶絶レベルの可愛さ。萌え殺されるかと思った。
個人的に性癖ドストライクだったので、今年の三冊に入れようかどうしようか迷ったんだけどやっぱりやめた。でも、性癖にぶっ刺さるって大事だと思う。
KindleでBL作品のいくつかが期間限定価格になっていたので、いつもより多く買えてラッキー。しかも私の推し雑誌『Canna』のコミックスにちょうど安いのがあったので、二重にラッキー。
というわけで、先日買った『紅い椿と悪い虫』『坊主と蜘蛛』(https://anond.hatelabo.jp/20211228105004)につづいてまたCannaコミックスである。
廃品回収屋『ハレノヒ』の店主・晴仁(はるひと)は壊れたものでも何でも回収し、器用に直してしまう。だが、そんな彼にも直せないものがあった。一つは思い出の「時計のような何か」、もう一つは相棒の桜次郎(おうじろう)の心だという。
一方、晴仁から直せないと言われた桜次郎当人はといえば、晴仁に対する想いを抱えて悶々としていた。
そんなある日、店に一通のメールが届く。廃品回収の依頼。回収して欲しい品は「粗大ゴミ一個」とだけ。約束の日時に回収に赴いた晴仁と桜次郎。依頼者が持ってきた「粗大ゴミ」を目にした時、二人の脳裏には数年前の思い出がよぎるのだった。
すごく絵が綺麗! 表紙の美しさは見かけ倒しではなく、中身もとっても美麗な絵柄だった。登場人物だけではなく、背景の隅々まで上手いのだ。特に印象的なのは空の表現。真夏の深い青空をベタからの濃いグラデーションで表現しているのはすごいと思った。
ストーリーの方はというと、強引め。カップルありき・結果ありき・名台詞言わせたいだけ、という傾向が強い。ので、いやいやいや、そんなんで丸く収まるわけないだろ、と苦笑してしまうような場面がいくつかあった。
特に、桜次郎の父親が登場する回。あんな強烈なことを平然とやっちゃう父親が、ちょっと叱られただけで改心するわけないだろう。
そんな突っ込み処もあるけど、まあ、BL作品なので、男と男がイチャイチャしてる場面が描いてあればあとはどうでもいいのかもしれない。
地味に気になったんだけど、桜次郎が頭を下げるところ、なんかすごくONE PIECEっぽい。あれだ、サンジさんが海上レストランを出る時のような……。
ところで、先日、上田アキ先生の『恋に満ちたら』を買おうと思ったけどやっぱり止めたということを増田に書いた。その時にレビューに「ゴムを着ける時にパチンと音がするのがえっち」と書かれていたことが気になってしょうがなかったことも書いたんだけど、気になり過ぎて、真面目にコンドームの正しい着け方をググってしまった。やっぱり、ゴムはパチンと鳴らして着けるものではないんでないかな……と思った。
とかいいつつ、お給料が出てお小遣いを充填したので『Canna 10th anniversary 2/4』を買った。朝田ねむい先生と文善やよひ先生とハジ先生のSSが連続で載っていて次の次に座裏屋蘭丸先生が載っている! すごく嬉しい!
しかし座裏屋蘭丸先生の『シャングリラの鳥』番外編は一発ネタ1ページだった悲しい……。でも連載二本抱えた人気作家さんだから仕方ない……あるだけ有り難いんだ……。
朝田ねむい先生のSSは、連載中の『スリーピングデッド』ではなく、なんと伝説の『兄の忠告』だ。ハジメとツヅキの兄弟は、短編の登場人物ながらなんかすごく心に残るキャラクターだから、時々蒸し返すように再登場してくれると嬉しい。ちなみに、私は朝田先生のブログで無料公開されているSS漫画に書かれていたツヅキの設定「Tシャツのタグが出てる」の萌の瞬間最大風速の凄さが忘れられない。
ここの所、某BLレビューサイトのツイ垢から流れてくるBL新刊情報が、どうもパッとしない。どれもこれも表紙からやる気満々の素っ裸ツルツル絵。一時、裸絡み絵じゃない表紙が多かった気がするけど、急にまた元のエロ売りに戻ったような。気のせいかもしれないが。しかし、大概のBL漫画は多かれ少なかれエロありなので、裸絡み絵表紙はゾーニングの一環としてそれはそれで読者とリアル書店のお客さん達に対しては親切だったりするのだろうか。私は一目見て「面白くなさそう」と思ってしまうのだが。
新しいもので良さげなものが無いとなれば、先月より前に良さそうだが買うのは躊躇したものの中から選ぶかぁ。
以下、買うかどうか迷い本。
カップリングはタイトルとは逆に蜘蛛×坊主であるらしい。人外の蜘蛛のキャラデザがとてもいい。ただ、最近ハジ先生の漫画を連続で買っているので、ストーカーめいた自分の購買行動がちょっと嫌で買うのを躊躇している。
シーモア無料で1巻を読んだらよかったので。でもこれ全5巻なんだよなぁ(最終巻はクリスマスに発売予定とか)。長い上に1巻を無料で読んでしまったというのは、全巻コンプリートするのに長い年月を要するパターン。
苦労して全巻コンプリートしたぞと思ったら、なんと、2巻と3巻は0円の時に購入したものだった! Kindle本棚整理中、データを消したら2巻3巻だけ完全に消失した(購入記録まで……)。悲しい、とても悲しい! あの達成感は偽りのものだったなんて……。
心折れてしまったので、当分買う気が湧かないと思う。
兄弟もの……ゴクリ。私は謎に兄弟BLが好きなのだ。好きがあまり余って自分で書いてしまうほどに……。だが、これは試し読みを読んだら嫌な予感しかしなかった。兄弟ものだしネタも面白げなのに、趣味に合わないにおいがぷんぷんにする。こういう勘って大事にした方がいいと思うんだな。
1巻を買って読んだので面白いのは分かるんだけど、読むと気力体力を削がれる系なので、どうしようかと。一般の少年漫画でいえば『銀魂』とか『ボボボーボ・ボーボボ』とかみたいな、笑えるけど、読後にどっと疲れが押し寄せる感じ。
これこそ、一度集め始めたら途方もないな。しかも手許にある1、2巻はKindle0円なので、コンプリートしたと思った後で泣くやつだ。
とか考えているうちに、『日々、君』(小池定路)の存在を思い出した。これか、これかな? だがお小遣いは少ない。も少し悩もう。
今月は某BLレビューサイトのマンスリーくじが当たらなかったので、若干乏しいBLライフ。『ボーイズラブアンソロジー Canna』の十周年本(分冊版)が欲しいんだけど、百円ほどお小遣いが足りない……。ラッキーなことに、欲しい分冊の中に私の推し作家の朝田ねむい先生と座裏屋蘭丸とハジ先生と文善やよひ先生の作品が収録されているのだ。すごい、なんてお得……! 丸ごと買ったら2700円以上、分冊だと700円強。推し作家さんがバラけていたら分冊買うのは損だったのでよかった。
それにしても、BL用お小遣いが月2000円なのと3000円(←運良くくじが当たって千円加算された場合)なのとでは、BL満足度がかなり違うな。
主人公の新谷は、高校生の妹の面倒を見つつ、ヤクザが経営しているカジノでバーテンダーとして働いている。ある夜、新谷はディーラーの菊池がウエイトレスと組んで客からの上がりをガメている現場を見てしまい、菊池に盗みをやめる様に注意する。菊池とウエイトレスの様子から、二人が誰かの指示で盗みをしていたことを悟る新谷。首謀者で菊池の先輩である竹田に新谷は話をつけるが、竹田が菊池を売り、盗みがカジノの店長須藤の知る所となる。報復として須藤が要求してきたことは……。
まるで映画の冒頭の様に、状況説明が必要最小限。BL作品にしてはちょっと解りづらいスタートに驚き。
菊池の馬鹿っぽさがとてもリアル。社会の最底辺層を生きるチンピラの、無駄にイキリ散らしている感、その割には暴力に弱すぎるところ、根の純朴さ……というか、端的に言ってIQが常人の3分の2くらいしか無いんだろうなという。そして新谷のお人好しさ加減も、慈愛や博愛というよりは、発達障害的な何かで自制心が低いだけなんだろうなという感じ。すごい、はっきり言って馬鹿しか出てこない。でも嫌いになれないし無視できない。そんな感じの類の馬鹿さ。愛のある描写とも言うかもしれない。
同作者の別作品『秋山くん』もそうだけど、日本社会最底辺層の人々とその暮らしぶりを描くのが異様に上手い。なしてそんなに上手いのか。作者自身がけっこう修羅場を潜っている人なのか。それとも単に、裏社会を描いた映画ばかり観てるとか、『ウシジマくん』や『カイジ』をやたら読み込んでいるのか。ともかく、何でこの人こういうのを描くんだろう? と、作品の魅力もさることながら作者本人の来歴がつい気になってしまう。
本作、前から存在は知っていたんだけど、タイトルが『寄越す犬、めくる夜』なのか『めくる夜、寄越す犬』なのか最近までわからず……。今頃になってやっと、『寄越す犬、めくる夜』だと知り、おぼえた。略称が『よこいぬ』だから『寄越す犬』が先。もうわすれない、たぶん。物凄く「痛い」(アイタタタという意味ではなく)BL漫画として有名だけど、本当に痛いな。救いがあるとは思えんストーリーとキャラ設定。何話目かの表紙絵の須藤が異様に可愛いのだが、物語を1話から読んでいってそんな可愛い須藤を見せられると逆に気味が悪いというか、グロテスクというか。救いの無さが一層際立つ。
ところで、『寄越す犬、めくる夜』は少し前に完結していて、来月に最終巻が発売される。その関係で、今、シーモアで1巻が期間限定無料で読める。そんな訳で、今月はお小遣いの関係で乏しいBLライフを送る私にも読めたのだった。ちなみに、何故か知らんけど修正が白スラッシュが入るのみ。普段BLはKindleで電子を買って読むだけなので、こんなに修正の薄いBLを読むのは私は初めてだったのだけど、こんな可愛い絵柄でちんちんだけリアルに描かんでも……という感想。まあ、秋山くんの脇毛で、作者が変なところでリアル志向なのは知ってたけれども。
気になりすぎてググってみた。のばらあいこ先生はすごく漫画が上手なのに、商業BL作品がこの『寄越す犬、めくる夜』と『ぬるくなるまで待って』と『秋山くん』しかないっぽい。あとは女性向けで『にえるち』かな。興味深い作家さんなのに作家買いに手間取らなさそうなのは、良いのかなんなのか。
『ONE PIECE』のサンゾロ描きの人気同人作家でもあるらしい。感想を読むぶんには、同人誌のほうもエロ&エモに定評のある作家さんなのかな。ぐーぐる検索結果にずらりと並んだ、サンゾロ本の感想たち……それがまさかの「読書メーター」に投稿されているので、何事かと思った。のばら先生のサンゾロ本が東京漫画社から出版されている? この業界に私は全然詳しくないのだが、こういうのって原作の著作権者や版権元に許可取ってやってるものなのだろうか。許可取ってやってるものなんだよね? 出版社がやってる以上はガチの営利目的なんだし。なんかすごい。あ、でも思い出したが私、榎本ナリコ先生の幽白・エヴァの同人誌再録本(これは双葉社)なら持ってるわ。二次創作同人誌が商業目的でも出版されているというのは、今更な話か。
再読。
前々から思ってたけどシロさんの物言いが物凄くキツい。泣かされつつものほほんと付き合い続けるケンジの人徳がすごい。私はもしもあんなに口の悪いのが自分のパートナーだったら、かなり嫌だな。2巻でシロさんの元彼の鬼畜エピソードがちょっと出て来るけど、鬼畜の彼氏にはおおらかで暴言を吐かなかったらしいシロさん。惚れた弱みだろうか。好みのタイプではないケンジにはワガママが言えるって面白いけど、にんげんそんなもんかもなーって気がした。同作者の『1限めはやる気の民法』の主人公田宮もシロさん的なキツい性格のキャラで、攻めの藤堂がマイペース鷹揚キャラだった。そういうのが作者の性癖カップリングなのだろうか。
物語よりも料理が中心で、起こった事件を解決しないでほっぽり出したまま料理シーン書いて食べるとこ書いて「おわり」ってなるのすごい。特に、双極性障害っぽい女性が元夫に息子の親権を取られた上に息子との面会を拒否られる話なんか、そこで終わるのかー!? と驚愕した。現実に円満解決なんかしなさそうな話だけどね。
こないだ書いたBL感想文についた id:anmin7さんのブコメで小池定路先生を知った。支部で読めるだけしか読んでいない。けどこれ結構好み。4コマ漫画と思ったらちがうんだなあ。
これもほのぼの日常系BL。シーモアで分冊版一冊無料だったので。
以前、試し読みでお花見回を読んだ時に、なんかあんまり好きになれなさそうな気がするなと思ったのだが、やっぱり微妙だ。日常系BLは好きだけど、何かが違う気がする。ほのぼのの内側に、男に対する怨念を感ずる。
朝田ねむい先生がこの本の続刊発売のお知らせツイートをRTしておられたのを見て知った。シーモアで期間限定一巻まるごと無料で読めた。
すごいハチャメチャだ! アメリカのスクカー最上位のアルファ男(オメガバースじゃないよ!)と、スクカー最底辺のオタクっぽい虚弱男子が付き合う話。果てしなくセックスしてる漫画だなぁ、という印象。座裏屋蘭丸先生のBLを愛読する身で言うのもなんだけど、想像を上回るほどにセックスしまくりな漫画で、若干引いた。自分、セックスばかりしてる漫画ってあまり好きではないんだよね……。いや本当に。
でも主人公(受けの虚弱男子)の自己肯定感の低さが突き抜けているあまりに攻めをジャイアントスイングで振り回す様が面白くて良かった。恋心が極まるあまりに攻めに銃口を突きつける(←そのままの意味。アメリカだから。)受けとは。
『日々、君』と『スイートハート・トリガー』は、単行本買いだなぁ。しかし、Canna十周年記念冊子の電子版が出たし、小説『天官賜福』の日本発売が決まったらしいので、お小遣いが追いつかない。いつか買うけど、いつになることやら。
シーモア期間限定無料が出てるので良いBL本は、のばらあいこ先生の『秋山くん』(分冊一巻が無料なのかな?)と、浅井西先生の『あなたを殺す旅』(試し読み増量だったかも)
事件記者のパーカーは、連続殺人犯のリッキーを正義感から助けたが、恩を仇で返され殺されかけた。
再び収監されたリッキーだったが、ある日刑務所を脱走して行方不明となる。リッキーからの報復を恐れ、警察に付き添われつつ逃避行したパーカーだったが、護衛に着いてくれたスッタッグ警部補に好感を持ちはじめ……。
すごく面白い訳じゃないけど、つまらなくもない。終盤、もしリッキーが復讐に訪れたら、その時パーカーはスタッグ警部補に何をしてもらいたいと願っていたのか、その胸の内を白状するところが、人間臭くてよかった。
柴からのプロポーズを受けて、結婚するのもいいかなと思った、秋山くん。だが、自分と柴がふわっふわしていて地に足が着いていない有り様を仲間達に指摘され、自分がしっかりしないと、と決意したのだった。
進路選択を機に我に返って現実を見る、というのはあるあるだけれども、世間に歩調を合わせて妥協するのではなく、「結婚する」という目標はブレないまま、それぞれ成長していくところがよかった。
柴と秋山くんだけでなく、柴の友人のじおんくんやちえちゃん、秋山くんの悪友達も彼らなりに考えて成長し、互いに影響を与え合っている様もいい。
そして、地方のヤンキーや底辺高校生達の人生を回すスピード感がリアル。彼らは都会の大卒がアラサーで悩むような事に、高校在学中に悩み決断するんだよなぁ。
BL漫画を描くような人が、こんな感じの市井の人々にスポットを当て、「ヤンキー」という形だけでなく彼らの暮らしぶりのリアルを肯定的に描くのは意外な感じがした。
第1巻の、かなり酷すぎる性的虐めからのまさかの展開の時点では想像もつかなかった、大団円。よかったわねぇ、皆……と近所のおばちゃんの気分でほろりとしてしまった。
記念すべき第80号。飛ぶ鳥落とす勢いの人気小説家、凪良ゆう先生の作品をコミカライズ! というスペシャルな感じがあるんだけど、寄稿者の人数が今月も少なく、大丈夫なの……? と一読者の私は若干心配になるのだった。朝田ねむい先生の『スリーピングデッド』が2話分一挙公開! さもなければ雑誌がもっと薄くなってしまったよね。私は電子派だから、リアルに本の厚みに一喜一憂は出来ないのだけれども。
ちなみに、『Canna』のテイストはエロ大人しめで、青年漫画に近い感じかな。変わった作風のものが多いと思う。じっくりストーリーを楽しみたい人向け。
ではでは、作品ごとに感想を書いていくぞ。順番は掲載順。文章量があからさまに思い入れに比例してて御免。
昨今はあまりにも小説が売れないが、ストーリーを作れるのはやっぱり小説家、ということで、小説のコミカライズがお盛ん。しかし小説のコミカライズを読む度に、大体原作の方が面白いなって思う。やっぱ、漫画には漫画の、小説には小説のやり方があるんじゃないかな。
という訳で、この作品もやっぱり原作読んだ方がいいんじゃないかなという感想。私自身は凪良ゆう先生の作風が好きだけど、『積み木の恋』は未読。原作の方が好きになれそうと思った。
凪良先生の良いところは感情表現とユーモアで、ユーモアの方は台詞に出がちなのでいいとして、感情表現は地の文に出がち。しかも行間を読ませるというよりは分析的な文章なので、漫画の余白とか空気感で表現はしづらいんじゃないかなと思う。
コミカライズ担当者がまずいという訳ではない。漫画化との相性がいい原作を選んだの? と疑問に思うだけ。
現在、他誌でも凪良ゆう先生の作品が漫画化されているんだけど、そちらは近々ドラマ化される『美しい彼』で、コミカルな台詞回しが多く、少女漫画のセオリーを綺麗に踏襲しつつたまに強烈な逸脱を見せる作風で、より漫画向きな感じがする。
すごく評判のいい作品なのだが、私はつい最近(4、5号前かな)から読み出したせいで、話がさっぱりわけわかめ。最近までは悪魔Jの過去話で、現在は主人公のマコトちゃんがなんか生首持ってJの家に来たところ。
まあ、よくわかんないけど、マコトとJのどろどろの愛を楽しむ漫画なの? 今回はやばやばエロ回。Cannaの漫画っておかしな性癖のエロはあまりない感じなんだけど、本作の今回は若干アブノーマルかなぁ。最中の台詞を読んで、それ奴隷商人痴皇(@『幽遊白書』)が言ってた台詞のやつじゃん、とツッコミを入れたりなど。
ストーカー?×恋愛の美味しい所だけ味わいたいグラスハート のおっさんずラブみたいな感じ。画風がサラリーマン向け雑誌みたいだが、エロはがっつり腐女子好み。エロシーン多め。「×」というよりは「VS」が似合う関係性のようにも思ったが、受けの人は粘着されて嬉しそう。まじかよ。
第1話を掲載した後数回休むってすごいな! と、これまで読んできた漫画雑誌といえば有名少年漫画・少女漫画雑誌くらいの私は思うのだが、Cannaにはよくあることなのかもしれない。
別にBLでなくてもよくないか? と思った。まあ、こういうBLが好きな人もいるさ。
相変わらずタイトルの響きが最高だなあ、ベルガモットアンドサニーデイ! 声に出して読みたいタイトル。
働く大人女子向け漫画っぽいもだもだした恋愛もの。別にBLでなくてもよくないかという気がしないでもない。
オメガバースって、二次創作においては行きつく所まで行ったニッチな性癖感あるけど、オリジナルBLにおいてはネタの範疇に妊娠と出産も一応入る為に社会派の側面もあるよねー。ということで、これもうっすら社会派っぽい雰囲気のある作品。
とはいえ、大概のオメガバースはαとΩのやり過ぎエロとかΩの業の深さを楽しむものだとも思う。本作も社会派っぽい面はあくまでおまけかな。
イエーイ今回一番楽しみにしていましたイエーイ!! 2話ぶん一挙掲載にしても凄い分量がある。全部で80ページ越えだもんな。
ネタバレをしながら書くので、ネタバレ無しで読みたい人は読み飛ばしてください。
今年の8月末日に刊行された第一巻の続き。殺人事件に巻き込まれて理不尽な死を遂げた佐田が、マッドサイエンティスト間宮に拾われ理不尽にもゾンビにされ、これまた理不尽にも食人をして生きることになったのが、第一巻までのストーリー。
巻末辺りで、間宮が実は顔見知りだったことを佐田は思い出す、という謎めいた展開に。
今回は、佐田の記憶に結構ぼこぼこに抜けがあるのが判明しつつ、視点は佐田から間宮に移る。
これまでもっぱら佐田視点で物語が進み、佐田の人となりを読者は佐田の自己認識という形で知ってきた。ところが! 間宮の記憶に残っている佐田の人物像がとても意外。いや、表向きは佐田は昔から非の打ち所のない、ほどほど善良な人物だった。それを間宮はスクカー最底辺のひがみ根性から「偽善者」と決めつけていたのだけれど、あることがきっかけで、佐田の邪悪な一面を垣間見たのだ。
一巻までは、クレイジーな科学者間宮に翻弄されるごく普通の善良なスパダリ佐田、という構図だった。けれども一皮剥けば、間宮は科学的探求心に突き動かされていない時には案外まともな感性を持っているのに対し、佐田は無意識ながら自身の暴力性を発揮する隙を窺っているようにも見える。
理由も無しに暴力を振るわない間宮と、理由さえあれば嬉々として暴力を振る佐田。彼らは似ているようで根の部分は真逆。
佐田の仮面を剥がすと現れるのは、過去に間宮を虐めた奴らと同じような気性で、間宮が佐田に惹かれるのはストックホルム症候群のようなものに思える。お、これって同作者の『マイリトルインフェルノ』じゃん? 『マイリトルインフェルノ』のあとがきに、最初はいじめられっ子が悪魔の力を借りていじめっ子に復讐する話だったが暗くなりそうだからやめた、と書いてあったと記憶しているが、今回はそのテーマに再挑戦するということなのだろうか?
間宮と佐田の過去編にはBLなのに若干百合みを感じる。陰湿×陰湿だからかな。
感情を表情や言葉で表すのが大の苦手な間宮の、一巻までの言動の伏線は全部一巻内で回収(あーこいつ実は佐田のことかなり好きだな、と。)されたものだと思っていたが、そのなかでの特に重要な台詞や表情の一つ一つが、実は二人の過去(しかも佐田には綺麗さっぱり忘れられている)に掛かっていた、というのにはやられた。なんてすごい構成力なの……。
ここまで見てくると、間宮の佐田に対する一方的な想いが実にエモーショナルに感じられ、間宮の佐田に対する言動の一つ一つが愛らしく思えてくる。間宮が佐田の死顔を見、「……あまり変わってないな、キミは」と呟き佐田の頬を撫でるシーンにはちょっと涙が出てしまうな。一巻収録ぶんを未読な人には、変な人の変な行動にしか見えないかもしれないけど。いまだ紆余曲折の真っ最中にあり見た目にまで苦労の滲み出ている間宮が、昔のまま歪みなく順風満帆に大人になり夢も叶えた佐田に対し、羨望と嫉妬以上の眼差しを向ける、名シーンだ。
ところで、佐田が肝心の所をまるで覚えていなかったのは、何かの影響による障害にも読めるし、加害者と被害者の記憶のギャップにも読める。佐田は間宮を虐めた人ではないけれど、佐田の心根にはいじめっ子的な所があるというか。間宮が佐田のことで強烈に記憶している部分というのが、佐田にとっては他人に対する悪意を解放した部分である(佐田本人はスカッといい気分)であるから、そりゃ覚えている訳はないか。
間宮と佐田の過去と二人の関係性、そして間宮の佐田に対する想いは明らかとなった。だが、ゾンビ化が佐田に与えた影響という伏線はいまだ回収去れていない。これが今後どのようにストーリーに関係していくのか。ゾンビものの定石として佐田が人格を喪い人食いモンスター化し暴れ出すとかいう展開も予想出来る流れだし。
次回が待ち遠し過ぎる。
えっ、この漫画もう第5話なの? あらまあ! 時の経つのは早いなあぁ。そういえば、私が初めてCannaを買ったとき、ちょうどこの漫画が新連載として載っていたような記憶がある。
ハードっぽい作風と画風で、日本の漫画という由りは海外の、フランスとかの漫画っぽい雰囲気なのだが、やっぱりBLはBL。急速に恋が始まり、油液が飛んだ。(←何かの隠喩ではない。)ここまで一応事件はあったものの凄い急展開が起こった感はないのだけど、もう5話。一巻以降も続く感じかな。次号とかで終わったら、何だったのかよく分からない漫画になってしまうし。
娼館ものでかつ猫耳獣人ものという欲張りセット。連載が長く続いているのもあり、私にはさっぱりストーリーがわけわかめ。
この間まではなんか過去の話をしていなかったか? 攻めの人がどっか遠い所に行っちゃうような話では? と、前回までの話を把握していないまま今回を読んでも理解出来るはずもなく……。絵が綺麗。しかし、何故レディコミではなくBLなのだろう? という疑問もなくはなく。まあ、こういうBLが好きな人もいるさ。
イエーイ、これもすごく楽しみにしていましたイエーイ!! だが、ストーリーはそんなに進まなかったので、ネタバレのしようがない。
前回までの色々が解決も進展も後退もせず。フィーは子供時代に犯した過ちがシャングリラに及ぶことを恐れて怯え続けれており、一方アポロといえば、輝く白さのホワイト労働のはずがまさかの自身の性質によって馴染むことが出来ずに進退を考える局面に差し掛かっていた。
アポロが試情夫として正規雇用されて依頼、なかなか接点を持てないふたりは、それぞれの悩みを一人で抱え込んだまま、ひたすら悶々とし続ける。
精神的に詰みそうになったタイミングで、運良く二人きりになれたとこまでで次回を待て!
なんとも言いようがない。ただ、座裏屋蘭丸先生の描く、男子達がより集まってあーだこーだ言い合うシーンは最高だなあ、ということくらい。
絵柄がすごく綺麗なのに、背景を真っ裸で歩くフィーの超遠目に映ったおちんが白抜き修正されてしまうのが、地味に悲しい。全身クローズアップ絵では脚とかで隠し切っているのになぁ。
別にBLでなくてもいい気がするのだが、BLじゃなかったらこのモフモフが観れなかったので、BLでよかった。
つむぎの狐Ver.の口元のふにゃふにゃさと狐らしいお手々の感じが癒し。だが今回は人間姿でこってりエロ回。モフモフしっぽガードがよかった。
この作品はかなり人気があるようで、Cannaの代表作といえばこれ、みたいな扱いをされているけど、私はあんまり好きじゃないんだよなぁ。BLなんだけど、少女漫画特有のねっちりさがあるところが、あまり好みではない。そういうのが良ければ少女漫画を読むよ。しかし世間ではこれが王道綺麗めBLなのかもしれない。知らんけど。
***
個人的に、「BLなのに百合みがある」は正直な感想でありつつ褒め言葉でもある(と言いながら、私はあまり百合は好き好んでは読まないのだが)のだけど、「BLでなくてもよくないか?」は明確にdisりとして使っている。
せっかくの増田。何もしがらみのない場所なので、そりゃ忌憚のない感想をかくさ。
では今日はこの辺で。
先日10月7日の深夜、日本のツイッタートレンドに『#DFMWIN』のトレンドが入っていたのを覚えているだろうか。
DFMというのは日本のLoLのプロゲーミングチーム、DetonatioN FocusMeの事である。
そんな彼らDetonatioN FocusMeが今夜24時から世界大会本戦(Group Stage)の舞台で戦うので、余りにテンションが上がってしまったため、この増田を書くことにした。
まずLoL、League of Legendsというゲームをご存じだろうか。
このゲームはRiotGamesにより、2009年秋にリリースされ、今年で12年目となるゲームで、世界で最もプレイヤー数の多いPCゲームといわれている。
ジャンルとしてはMOBA(マルチオンラインバトルアリーナ)、最近話題のポケモンユナイトと同じジャンルだ。
5人チームで、すべてのキャラクターが毎試合レベル1からスタートし、経験値を稼ぎながら強くなって勝利を目指すゲームで、毎試合全員が同じ条件でスタートするから、課金じゃ強くなれない、実力差がもろに出るゲームだ。
ポケモンユナイトは1試合10分だが、LoLは相手の陣地最奥のネクサスと呼ばれる建造物を破壊するまで試合が終わらないので、劣勢の側が逆転を目指して粘り続ければ1時間以上続くこともある。
(最近は流石にそういう試合は少なくなるような調整がされているが)
そんなLoLというゲーム、その戦術性の高さから、海外では2011年から世界大会が行われてきた。
しかし、当初日本にはサーバーが無く、日本人プレーヤーのほとんどが北アメリカ、NAサーバーでプレイしていた。
そんなNAサーバーの日本人猛者たちによる大会、League of Legends Japan League、が開催されたのは2014年の事。
その設立当初のチーム数は4チーム、その1つがDetonation FocusMeだ。
(ちなみにLoL日本サーバーがオープンベータとして開放されたのは2016年、1年後の2017年に正式リリースとなった)
2015年のLJLからはRiotGamesの認証を受け、優勝チームが世界大会の予選ステージから参加できるようになり、その最初の世界大会に進出したのがDFMだった。
その大会はIWCI 2015といい、強豪リーグではない、ワイルドカード地域と呼ばれるリーグの代表同士の大会だ。MSIというメインの大会の予選ステージという位置づけだ。
強豪ではない地域とはいえ、サーバーもない、チームとしての戦略などのノウハウもない日本は、7チーム総当たりで1-5という成績に終わってしまう。
それからも毎年毎年、その予選ステージを日本代表は抜けられず、惜しい結果を残したこともあったがなかなか世界では予選ステージすらも勝ち切れない6年間だった。
そして今年の予選ステージ、Worlds 2021 Play-In 、今年も代表として選ばれたのはDFM、歴代最強チームとの呼び声高いメンバーはポジション順に次の通りだ。
長年ゲーム内の最高レーティングに居続ける日本人最強Topレーナー。Youtubeの動画で講座を上げる等、日本サーバーのレベルを上げることにも熱心で、ファンが多い。
彼はカメラに抜かれるといつもサムズアップをし、コメント欄が『b』であふれる。
Jungle: Steal (Mun Geon-yeong)
2017年からLJLでプレーしており、プレー歴の長い選手に適用されるルールにより、今年から日本人枠として認証されることとなった韓国人ジャングラー。実際Eviより日本語が上手い。
今年はチームを支えるようなプレーも自分が試合を動かすアグレッシブなプレーも見せてくれた。これは相手からすれば厄介だろう。
LJL最強Midと名高い彼は、ダメージを出し続けるメイジを使っても、一瞬で相手を落とすアサシンを使っても超一流。
若さゆえの経験の少なさもあり、初出場での世界大会では緊張もあったのか、プレーがいまいちだったが、今回は二度目の出場、さらに進化し続けているプレーヤー。
ADC: Yutapon (Yuta Sugiura)
NAサーバーでTop50人だけがチャレンジャーの称号をもらえたシーズン3(2013)、そのチャレンジャーの1人がYutaponだ。日本からだとPingが高く不利な中でこれを成し遂げた。
他のゲームをやらせても、CSGOではグロエリ、OWではTop500で日本人最高レート、VALORANTではレディアント到達、FPSのセンスもずば抜けている。
笑顔がかわいい韓国人選手。でもかわいい表情からは想像もできないプレーを数々繰り出してきた。
交戦を仕掛けるエンゲージャーとしての判断力はすさまじく、1人で相手全員の足を止めるようなプレーを決めることもある。
Sub Mid: Ceros (Kyohei Yoshida)
Yutaponの竹馬の友。独創的なキャラ選択を見せ、何度も世界を驚かせてきたプレーヤー。
今年はAriaの控えとして出番はないが、長年の経験や、ソロゲームとチームゲームの違い等をAriaに伝えるサブコーチのような役割を果たしているそうだ。
Coach: Kazu (Kazuta Suzuki) & Yang (Yang Gwang-pyo)
Kazuは元DFMのサポート。チームの事をよく知っていて、選手たちと上手く話をまとめながらキャラの選択ができたりする。ちなみにフランス生まれ。
Yangは話聞いてる感じはゲームに関する知識量が半端ない。ちなみにGaengのお兄さん。
Yutapon、Ceros、Kazuの3人は、日本が初めて世界に挑んだIWCI2015の時には選手としてプレーしており、彼らは6年間ずっと世界にこのDFMというチームで挑み続けている。
このメンバーで挑んだ、Play-Inの舞台、5チーム総当たりのグループリーグで、
・1位は即本戦通過、5位は敗退
・3位4位でプレーオフを行い、その勝者と別グループの2位が勝負し、勝った方が本戦通過
というルールだった。
北アメリカ3位のCloud9、3枠以上持っている四大地域の代表。チームとしての歴史も長い名門。MidのParkz選手の年棒は2.8億だとか。
香港台湾東南アジア地域2位のBeyond Gaming。交戦の多い激しいプレースタイルの地域。
トルコ代表のGalatasaray Esports。サッカーで有名なガラタサライ。トルコ代表は毎年存在感のある強豪地域。
CIS地域(ロシアとかその辺)代表Unicorns Of Love。ここも強豪。日本代表は毎年CIS代表に負け続けていた。
日本は2位でプレーオフに勝って本戦通過が目標となっていた。(別グループに別格の強豪が2チームいたため、そことプレーオフになる順位では厳しいため。)
初戦はUnicorns Of Love。例年の日本なら難敵だったが、Steal選手のタロンという若干珍しいキャラ選択が功を奏しての快勝。
2戦目はCloud9。相手のキャラ選択が上手く主導権を取れない展開に。じわじわと押しつぶされるような苦しい敗北。
3戦目はGalatasaray Esports。この試合は序盤でリードをつかむと、終盤までその勢いで押し切っての完勝!
4戦目はBeyond Gaming(BYG)。この試合に勝てば目標の2位以上が確定するという状況で、相手のDoggo選手がかなり強力で苦戦するシーンもあったが、DFMはEvi選手が大爆発!序盤に対面に有利を取りテレポートを消費させた後、自分はそのテレポートを味方の戦闘に駆けつけるために使用!人数差のあるシチュエーションを作ってキルを獲得!最終的にはEvi選手が10キル0デス6アシストというとんでもないスコアをたたき出しての勝利!
3勝1敗で2位以上を確定させ総当たりを終えた日本、残るCloud9(C9)とUnicorns Of Love(UOL)の試合を待つことに。
C9はここまで3-0、1位抜けのために勝利したいが、対するUOLは0-3。前の試合でBeyond Gamingを日本が破ったことで1-3になったので、UOLとしては4位争いのタイブレークのために勝利が必須。
チームとしての格は圧倒的にC9が上であり、いくら何でも苦しいか…と誰もが思っていたが、ここで底力を見せつけたのはUoL!
今大会で圧倒的にメタとなっているミスフォーチュンというキャラをC9がピックしたが、それに対してしばらくメタから外れていたセナというキャラをピックして、断食セナという戦法を決行。
この選択も功を奏し、圧倒的下馬評をひっくり返してUOLが勝利!
このゲームにはチームのロゴや感情を表現するイラストをキャラの上に表示できるエモートという機能があるのだが、試合終了の瞬間UOLのエースNomanz選手が表示したエモートはなんとDFMのロゴ。
「DFM、BYGに勝って俺たちにタイブレークへのチャンスを作ってくれてありがとう、これでお互いにタイブレークだ頑張ろうぜ」
そんな声が聞こえた気がしたのは私だけではないはずだ。
残念ながらUOLは4位タイブレークではBYGに敗れて敗退となってしまったが、彼らの作ってくれた本戦通過へのチャンス、C9とのリベンジマッチが訪れる。
DFMは最序盤にキルを取るものの、C9の選択した序盤中盤に強い構成に対して有利を取るには至らない、じわじわとC9がリードする展開に。
ただその中盤が終わるころ、集団戦で好プレーを決めたDFMが有利を獲得!ただC9も一筋縄ではいかない相手、全員の攻撃に追加ダメージを乗せるドラゴンバフを取り、それを活かしてDFMを苦しめる。
ゴールド的にはほぼ互角な状況から試合を決めたのは、それを取ったら勝ちとすら言われるバフがもらえる、通称『100万点ドラゴン』といわれる中立モンスター、エルダードラゴン前での戦いだった。
仕掛けてきたC9をうまくいなし、相手のダメージ源であるプレーヤーにStealが張り付き無力化、EviとGaengが前線を貼り作った戦闘スペースで、YutaponとAriaがダメージを出した。全員が全員の仕事をしてC9を打ち倒す!
そうして獲得した2分30秒のエルダードラゴンバフ、それを活かし相手陣の防衛施設を破壊し、バフが残り15秒のところで相手のネクサス前まで詰め寄る。勝利は目前だがバフは残り僅か、十分に有利なので、大事を取って下がる判断もありえたが、DFMの選択は試合を終わらせるエンゲージ!相手を3人倒してそのままネクサスを破壊!
こうしてC9を倒した日本代表DFMは日本LoL界初のWorldsGroupStageに進むことになったのだ。
予選のPlay-In Stageに集まってくるのは選りすぐりの”上手い選手”だが、本戦Group Stageで待ち受けているのはLoLにすべてを懸けその座をつかみ取った”ヤバい選手”達といえるだろう。
Group Stageで日本と当たることになったのは次の3チーム、上位2チームがトーナメントラウンドに進出だ。
中国1位、Edward Gaming。圧倒的プレイ人口と市場規模を持つ中国の1位チーム。間違いなく優勝候補。
Scout、Viperの両キャリーが機能する展開の破壊力はえげつない。ちなみにTopレーナーのFlandreの名前の由来は東方。
NA1位、100 Thieves。NAで最も成功しているともいわれるプロゲーミングチームだ。JunglerのCloserのゲーム支配力はとてつもない。
それを支えているのは名コーチReapered。彼は元C9のコーチでもあり、彼がコーチをしていた時のC9にはDFMも苦しめられてきた。
韓国3位、T1。世界大会で3度の優勝を誇る、超名門チーム。その過去3度の優勝を率いてきたMidレーナーのFakerは同一チーム連続在籍年数の記録を持っている。
過去の栄光だけではない、今年はベテランFakerを支える若き10代組、Canna、Keria、Gumayusiが間違いなく成長している。 ちなみにCannaの名前の由来はメイドラゴン。
この3チーム相手に日本のDFMが2位以上を取るというのはかなり厳しいグループとなってしまってはいるが、彼らの健闘を祈って、この記事を〆たいと思う。
Play-Inでは感動をありがとう!GLHF!
【追記】 初戦終わりました。DFMはT1相手にボッコボコにされました。世界の壁を一つ超えたと思ったら、またとんでもない壁がそこにはあるんだなぁ…
偶数月末に発売される雑誌。電子版の発売を待って買った。今回はいつもの半分くらいしか掲載作品数がなく、しかも好きなタイトル全部休載という、悲しいことになっていた。
だからといって課金を怠ったあとで休刊になられたら寝覚めが悪すぎなので、定価で購入。ほんとは次号の発売と同時に450円引きくらいになるので、推し作品が載ってない号は値引きを待って買うのが賢いのかもねー。そもそも買わんでもいいのか。
センターで最終回。なんか、攻めと受けが果てしなくセックスしていたという印象なのだが、攻めが虫垂炎で入院したり、攻めが気まぐれに買ってきた仔犬に邪魔されたりとかで、エロ禁していた時期もある……はずだけど、果てしなくセックスばかりしていたような?
初期の頃を読み逃したせいで攻めと受けの関係性がよくわからんのだが、
という理解でいいのだろうか。
最終回。79号表紙もこれ。
すっごい爽やかに終わった。登場人物が高校生だからか、エロなしで終わった。少女漫画的。少女漫画より爽やかだけど。
これまた爽やかな少女漫画的BL! 清涼感すごい。どうしたの今号のCannaは!? いや休載が少ない時でもそんなにドロドロしてないっぽい作品が多いけど。
第2話の後編ということで、心情描写メインで物語が動いたわけではないっぽい。
けもみみ主人×従僕獣
受けの狐の口の描線がふにゃふにゃしてるところが私のツボにヒットした。狐の口のふにゃふにゃをずっと凝視していたい。あと、受けの前足も可愛い。ちゃんと狐っぽい。銀貨を握りしめて人里におりて手袋を買いに行って欲しいお手々。とにかく受けが可愛い。
タイトルが良すぎる。タイトルの語呂が良すぎる。ベルガモット&サニーデイ。声に出して読みたい英語(ただし日本語イントネーションで)。
上司×部下のエロから始まる恋愛はヤバいと思った私は、はてなに毒されてソウルジェムが真っ黒に汚れている。
エロはあるけど爽やか系。今回のCannaはほんと爽やかだな……。
私はこういうSFっぽくてハードボイルドっぽい作風が好きだな!
1話~3話は渋い感じだったが、今回は急にBLっぽくほわほわしてきた。エロはない。この人たちどうやってスケベするんだろう、と謎は深まるばかりの鉄壁な服装(というより装甲と、防護服)。まあ、べつにエロはなくてもいいんだ。
BLというよりはハーレクインとかレディコミみたいな画風。フランス書院っぽい。そもそもCannaはフランス書院が発売しているのだが。けもみみかつ娼館もの。華やかだけどネガティブな娼館っぽい。
受けがすごく美人だが、BLである必要性があるのか謎なほどに女性的。だけど、絵が綺麗だからまあいいかってなる。
最終回。最終回作品のうち、これだけ後半に持っていくのか……。
ぶっちゃけ前半の数話を読んでいないせいで、ストーリーが全くわからん。受けが未亡人的な何かなのかなあ? と想像するのみ。
今号ではこれが一番楽しみだった……。BLを差し置いて宇宙猫の「サン」にスポットが当たりまくる回。2話以降ずっとそうな気もするけど。攻めの「いまぢ」は出張により欠席。受けの「ほづつみ」はいつも通り。
ちゃづけ(犬)×サン
なのではないかという気がしてきた。今回もエロはなし。爽やかだ。でも服は破ける。
よくわからないけど、受け(?)のスタッフが気の利く男だというのはわかった。あ、もしかしてホストの方が受け? 過去回読み直してこよ……。
次号は最推しの『シャングリラの鳥』(座裏屋蘭丸)と『リビングデッド』(朝田ねむい)が掲載されるっぽいので楽しみー!
『鴆――天狼の眼――』(文善やよひ)が次号で最終回らしい。vol.78から最終回ラッシュだなあ。次号は新連載が始まるだろうか?
https://anond.hatelabo.jp/20210810121557
https://anond.hatelabo.jp/20210810152212
https://anond.hatelabo.jp/20210825165035
https://anond.hatelabo.jp/20210803115324
https://anond.hatelabo.jp/20210807105902
https://anond.hatelabo.jp/20210816004742
https://anond.hatelabo.jp/20210905133926
https://anond.hatelabo.jp/20210906004549
見ての通り、読書範囲が死ぬほど偏っているうえに、あまり量読んでいない。
これはKindleでは売ってなかったのでhontoで買った。短編。
BLアンソロジーCannaに掲載された作品なので、一応BLのカテゴリーに入るんだろうけど、BL要素はあまりない。
妻にゲイであることがバレて離婚し一人息子を育てている作家の話。作家は息子もやっぱりゲイであることを知り、昔の自分と息子を重ねて見てしまうが、息子は自分を越えていっていると気づく、という話。
面白いかというと微妙。淡々としていて、すごく心揺さぶられるようなものではない。いい話ではある。つまらなくはない。わざわざ単話で買うよりは、短編集や他の作品の巻末読み切りに収録されたらついでに読むくらいでいいんじゃないだろうか。私はわざわざ買ったけど。
一人息子を育てている作家の話というと、よしながふみ先生の『こどもの体温』(BLではなかった気がする)という作品を思い出すんだが、それとこれとが似ているのかというと、別に似てはいない。
前にレビュー書いたような気がしたんだけど書いてない? 書いた? うっ、最近記憶力が……まぁいいや。もしも書いていなかったとしたら、たぶんそれはこの作品の攻めてが私の苦手なタイプのキャラ(優しげだがねっとりとした言葉責めをするロン毛)だからじゃないかな。座裏屋蘭丸先生の作品は好きなんだけど、拝読してもねっとり系言葉責めイケメンへの苦手意識は治らなかった! 『シャングリラの鳥』の無口な攻めアポロの無口ぶりがありがたすぎる。アポロにはずっと無口でいて欲しい……。
ともあれ。攻めのカミロと受けのテオは幼なじみ。カミロは煙草屋で、テオはカミロの店の向かいで酒屋を営んでいる。ただの幼なじみ同士だったはずが、テオはカミロが自分に対して並々ならぬ熱い思いと視線を向けていることに気付いてしまう。そんなとき、街は毎年恒例のお祭りの準備が始まる。酒屋のくせに実はお酒が一滴も飲めないテオは、祭りで行われる利酒大会に出ることになってしまった。テオはカミロに利酒特訓に付き合ってもらう。だがそこで助平が起こる! という話。
世間的にはカミロはカッコいい攻めなんだろうけど、私は、あああああいやああああああああ!! と、ナメクジとか毛虫とかに遭遇した時の気分になってしまうので、頑張って読んだ。ツルツル褐色肌のテオがひたすら可愛い。好きな漫画ではあるのだけど、肝心なところで鳥肌が立つので微妙だ。作品がというより、私自身が。
すごく人気のある作品。ストーリーを楽しむというよりは、絵の美麗さとエロのエロさを楽しむ漫画。体位の妙で局部修正を最小限にするすご技が使われているので、エッチなわりに18禁ではない。あと受けに激甘。
この作品も過去にレビューを書いていないとしたら『リカー&シガレット』と同じ理由で書かなかったんだと思う。攻めが苦手。でも少しは慣れたかもしれない。いやどうかな。
マレーネ(攻め)は飲み屋でピアノを弾いて暮らしている。リリー(受け)はマレーネのピアノを聴くため飲み屋に通うようになった。男同士なのに互いに相手を女性名のあだ名で呼んでいる二人。マレーネはリリーに想いを告げるものの、リリーはなかなか受け入れてくれない。ある晩、リリーのあとを追ったマレーネは、リリーの正体が人狼であることを知ってしまう。そこで助平が起こる!
……なんて冒頭のあらすじだけを書くと、まるでエロしかない作品のようだが、長きにわたって対立していた裏社会の組織がついに正面衝突する、スリリングなストーリーがベースでものすごいエロ(幸せ系)があるというタフな作品である。
『リカー&シガレット』同様体格差カップリングと見せかけて、攻めと受けがほぼ同身長同体格。あれっ、目の錯覚かな? って思った。
肝心のマレーネ(攻め)が苦手であるものの作品自体はかなり好き。そんなこと、もしも作者が読んでも、全然喜ばないと思うけど……。だがここは増田なので、馬鹿正直に書いてしまう。
作者は『親愛なるジーンへ』の吾妻香夜先生と同一人物だろうか。
『水底に棲む子どもたち』はサンプルを読んで、自分には合わなさそうと思ったのだが、誤って購入してしまい、案の定合わなくて泣いた。
あまりにも合わなさすぎて、内容を完全に忘れていたが、このレビューを書くために頑張って読み返した。
まだ新米で副担任を任せられた教師が、不登校の生徒の家を訪問する。生徒はネグレクト状態にあり、酷い汚部屋に独りで住んでいた。教師は毎日生徒の家に通い詰めるが、内に秘めていた欲望を生徒に見抜かれた挙げ句に生徒をレイプしてしまう。翌日、別人のようにすっきりした格好で登校してきた生徒。教師は生徒から復讐されるのではないかと怯える。という話。
ためこう先生作品を集めることに挫折する前に買った。ガチ兄弟もの。弟が攻めで兄が受け。
兄弟は早くに両親を亡くした。兄は売春をして弟の生活を支えるが、弟は知らない男を頻繁に家に連れ込む兄を苦々しく思っていた。という話。
人気作ではある。情念系だけど、ストーリーがすごいかといえば、そこまででは。BLってこんなものなのかなーと思いかけたが、BL読書の幅が広がるにつれ、もっと面白い作品はたくさんあると知った。
たまには自分が到底読まなさそうな作品を読んでみようかなーと思って買った記憶がある。サンプル読んでもピンとこないと思いつつ、まあ読書の幅を広めたいだけだし? といって買ったら案の定合わなかったが、別に嫌いじゃないしおもしろくないとも思わない。むしろ面白いんじゃないかな? 裏表紙(がっつりネタバレが載ってる)を読まなければね!
二時間サスペンスドラマっぽい作風。オメガバース。αの刑事×Ωの作家。二人は同じ施設で育った幼なじみにして番(つがい)である。幸村(攻め)は番の円のために仕事をセーブしているせいで、優秀なのに出世ができないでいる。円はフェロモン分泌異常を持っているため、番がいるというのに他のαを惹き付けてしまうのだ。異動後、幸村は病死したΩの遺体遺棄事件を担当するが……。
あまり趣味ではないせいか、謎があって面白かったということしか覚えてない。面白かったのは確か。
これくらいかなー。
あと、最近『スリーピングデッド』(朝田ねむい)を紙の本で買った。紙の本の発売からKindleでの電子発売までに20日以上あって、つい待ちきれなかったので。
以前に雑誌に掲載されたぶんの感想を書いたし、単行本で内容の大きな変更があるわけでもないので、単行本の感想は「案外萌えが多い!」とだけ。
数あるBL雑誌のなかでテイストが少年漫画に近いもの、と分類されているのをネットで見た( https://note.com/chill_chill/n/n79eebae2450f )ので読んでみた。
だがしかし、ほぼほぼ少女漫画かレディコミやんけ。という感想。半年ぶん(偶数月末発売なので、3冊だけど)で、少年漫画っぽい作風……というかやや青年漫画に寄ってるかもしれないが、そんな作風のものは以下の通り。
この中でコマ割とかキャラクター造形とかストーリーとかがほんとにほんとに少年漫画っぽいすなあ! としみじみ思うのは『Badass』だけなのである。むしろ青年誌寄りだな、というのは『BLACK BLOOD』と『リビングデッド』。
Cannaの連載作品は毎号続けて掲載される訳じゃなくて、休み休み載る方式らしい。上記の作品が一度に載った号(vol.76)には全部で19作品が載っていたので、全体の4分の1くらいの少年誌・青年誌(要は男性向けっぽい)テイストだったということだ。
んー、これは多いのか少ないのか。元々少年漫画の二次創作でBL趣味を身に付けた私には若干物足りないのだけど、そもそもBLは少女漫画からの派生ジャンルなので仕方ないのかなという気もする。他のBL雑誌にも手を伸ばしてみたいけど、とくにonBlueとか……、お小遣いがもたないので。BLに少年漫画みをわざわざ求めなければ、Cannaにはそれはそれで満足だし。
ところで、今まで私が集めたそんなに多くないBLコレクションのなかで突き抜けて少年漫画成分の高いのが『仇椿ゆがみて歯車』(吹屋フロ)と『ワンルームエンジェル』(はらだ)で、これらはかなりの名作。
BLといえば、まるでプラスチックみたいなツルッツルツヤッツヤの完全無欠スパダリ攻めと女にちんこ生えただけみたいなブリブリ不憫美少年受けが、ベタな展開によりセックスに溺れているだけの大したことない漫画でしょ? くらいのイメージとは、だいぶかけ離れた作風なのが、朝田ねむい先生だ。なんというか、『世にも奇妙な物語』のホラーじゃない回みたいな作風。ストーリー構成力が高い。メインキャラはあまり救えない感じの社会的弱者男性である場合が多い。ガチのセックスシーンをあまり描かないのに、時々なにげに火力の強めのエロスをぶっこんでくる。筆ペンでザクッと描いたような味のある画風。画力が高い。そんな異色のBL漫画家。
短編集。デビュー作らしいけど、初っ端からぶっとんだ独自路線を爆走していらっしゃる。
主人公のツヅキはチンピラで、友達とつるみ、美人局をやって荒稼ぎをしていた。ある夜、ツヅキは十年間消息不明だった兄に再会する。何やら羽振りの良い兄に、ツヅキはタカろうとするが……。
初めて読んだとき思ったのは、絵が目茶苦茶上手いということ。子供独特のプロポーションや手足の華奢だけどお肉がむちむちしてそうな描写とか、赤ちゃんのお腹の丸みとか、そういう細かい部分の絵のリアルさに目を奪われた。もちろん、メインカプのハジメ(兄。攻め?)とツヅキ(弟。受け?)も、男の色気があって良い。
朝田先生の描く男の横顔の特に鼻のラインと刈り上げた後頭部は大変よい……と学習した。
風俗嬢に貢ぎ多額の借金をし首が回らなくなったケイは、自殺を図った。ところが目覚めると、彼は椅子に縛りつけられていた。そして強面の男から、借金を返済する方法三つのうちから一つを選べと迫られる。
いわゆる男娼ものなのだけど、お仕事のシーンよりは舞台裏での男娼たちの日常がメイン。登場人物がなかなかに濃ゆい。メインカプ(表紙の美人な方がシロさん、普通っぽい方が主人公のケイ。どっちが攻めだか受けだかよくわからない)のエロがほとんどない。ハートウォーミングな物語。
ロース神父はカルト教団にハマった青年リブを助けようと教団のアジトに乗り込むが、逆に囚われて監禁されてしまう。(他1編)
本作もあまりエロはないけど若干エロス。登場人物の名前が何故かことごとくお肉系。ロース神父は真面目系キャラだけど、言動の端々からこの人昔は札付きのワルだったんだろうなと察せられる。キャラの背景事情を説明文ではなくて絵で表現してしまうのすごい。
麻薬を使う描写があるが、幻覚症状が誇張っぽくなくリアリティーある。麻薬を嗜んだことないから知らんけど。
バイトを辞めたばかりで金欠のハルヒコは、ゲイ風俗の店員のふりをして、うだつの上がらないサラリーマン風の男アキヤマを騙し、金を巻き上げる。ハルヒコは味をしめてアキヤマとパパ活もどきの関係を続けるが……。
ハルヒコの性格が弁明不可能なほどのドクズなのだが、なんか憎めない。ハルヒコのドヤッたおすまし顔に手塚治虫みを感じる。
『兄の忠告』みたいなオチになりそうだなと予想して読んだら、まさかの斜め上展開だった。それでもハートウォーミングなラスト。エロ少だけどちゃんとはっきりBがLしてる。
BLアンソロジーCannaでまだ連載中。ゾンビものっぽい。さっきタイトルを打ってて気づいたけど、登場人物がリビングにいることが多いような。でも月末に発売される単行本は改題されて『スリーピング・デッド』になってる。佐田、ほぼほぼパジャマ姿だし?
私はこれを雑誌で3話か4話から読んだので、肝心の佐田が何故ゾンビ化してるのか知らない。ゆえに単行本の発売が楽しみ。私が読んだ範囲ではエロ少だけど、ばっちりBがLしてる。佐田が攻めでマッドサイエンティストの間宮が受けらしい。意外にも……。
anond:20180615154508 はTwitterで流行した議論が広まってきたんだろうか?
【あなたはどっち派?】ローマ字入力で小さい文字(拗音促音)の打ち方はx派? l派? https://togetter.com/li/1219896
このTogetterだとエンジニアとデザイナーの違い、ひいてはWIndowsとMacintoshの違いに原因を求めている。
そもそもこの差は80年代のATOK、VJE、松茸、EGBridgeの争いに端を発してたような記憶がある。
PC関連のことはググれば結構歴史が書かれていることが多いのに、フロントエンドプロセッサ周りの歴史って意外と検索に引っかかってくれない。一体どんな状況だったんだろうか?
うろ覚えではVJE、EGBridgeなどシェア2位以下のFEPの多くは拗音、撥音の入力にxを使っていた。
ここでx派とl派に別れたはず。
松茸はどっちだったかうろ覚えですら覚えていない。Cannaに繋がるNECの日本語入力もどうしてたんだろう?。
VJEとEGBridgeがシェアを押さえたMacintoshではxを使うのが主流になったのだろう。
キーアサインをATOKに準拠させる戦略を取った後発のWXP(WXII+)はマイクロソフトがWindows3.1にIMEを標準装備させる時に選ばれ、MS-IMEのベースになる。ここでWindowsではlが主流になる。
WXII+含め、初期MS-IMEはxもlも使えた気がするのだけど確認するのは困難。
l派の上流にはATOKがあるのだろうけれど、ATOKが最初の源流かどうかは分からないし。
モヤモヤする。
男性エロにはネタ要素を求めずにはいられない。みんなも、もう1冊の方は見なかったことにしたいんだろ?
わあい月見荘のあかり あかり月見荘のあかり大好き。あかりちゃんの曇り無きハッピースマイルを見るたびに湧き上がるバッドエナジーがクセになる。
ドバト先生の描くロリの健気さっていいですよね。ゴージャス宝田にいじられるドバト先生萌え。
2012年のトンデモ枠。圧倒的な触手描写と、手の込んだギャグ設定が楽しいです。
前作「ピンクトラッシュ」からシリーズ続いたねー。メンズヤングは休刊したけど、けろりん先生の人気はむしろ高まってきてるかな。
話題を巻き起こした表題作。続く裁判傍聴はちょっと露悪的過ぎたかも。
シスケ先生のエロ漫画モチベーションの高さには惚れ惚れします。
ドライブ感溢れる鬼畜展開がナイスでした。青年誌の方も段々ノってきた感じ。
紙魚丸ワールドが単行本にまとまって良かったです。しかし蕾秘(ライヒ)って誌名、格好良すぎませんか?
10.駄菓子 「純潔の終わる日々…」
光源フェチが表紙に現れてないの惜しい。乳首ガチガチなの、イイよね。
BL創作同人で注目され、2010年にはふゅーじょんぷろだくとから「ミ・ディアブロ」が刊行された梶本レイカの代表作長編が、2012年遂に単行本にまとまった。グロテスクでショッキングな展開と尖りにとがった描写は、鬼畜BLという枠組みを超えた強度と鮮烈さを持って読む人に叫びかける。サブカルコミックが鳴りを潜め、マンガ表現のホットトピックはもっぱら萌え4コマという昨今にあって、BLジャンルが表現の極北を担っているというのは決して言い過ぎでは無いだろう。ウェブ掲載分の収録は2巻で終わり、現在は新規ストーリーがふゅーじょんのオリジナルBL誌「comic Be」で掲載中。山奥の男子校で繰り広げられる暴力と退廃に満ちた肉体関係は、新たな広がりを見せている。
市川けい 「スロースターター」
高校野球部・キャッチャーの攻・エアリーヘアの受。大きく振りかぶりそうな2人の出会いは、通学の車内だった。互いの学校生活の話で盛り上がり、ふと会えない日が出来ると少し寂しくなり……。友情からのBLというのは、自分の気持ちに戸惑い、相手との距離感を測りかねながら縮めていくのが王道だ。「通学/通勤電車でいつも一緒になる」という巡り合わせは、こうしたストーリー運び非常に相性の良い舞台装置で、天丼設定とまでは言わないがそう珍しくはない。市川けいが出色なのは、それを踏まえた上でガラ空きの電車内におけるあの間延びした空気感を、コマの間合いで巧みに表現していることだ。モノローグの入れ方、固定ショット・コマでの人物の動きなどの「間」を取るセンスが独特で、意図的に停滞させられたテンポは、2人の進展のじれったさと絶妙にマッチしている。反面、肝心のプロットは2人が結ばれるまでダレることはない。各話の山場の見せ方も上手く、特にキスシーンの甘酸っぱさたるや爆発甚だしいリア充になっている。内容的にも若く爽やかな仕上がりが心地よい。とてもしかしそのキスシーンが駅構内のトイレってのがまた何とも……電車好きすぎじゃなかろか。
夏糖 「花咲き道理」
「その人の持つオーラが花や泡の形で見える」不思議な力を持つ主人公と、彼が属する劇団を舞台にした群像劇。能力設定、といっても物語中でそれが意味を持つシーンはごく数箇所で、主眼は公演に向けて活動する劇団の人間模様にある。劇団員各々の交流の中で主人公の取る立場は概して淡白なのだが、それは画面の中にこっそりと映りこむオーラの花と同じように、作品に安らいだ雰囲気を与えてくれている。ラストで主人公が心情を吐露するシーンも、劇団の居心地の良さが読み手に伝わってくるような、素朴な優しさが感じられる。抑制の効いたストーリーで、主人公の存在に癒される話。
掲載された茜新社のBL誌「OPERA」はキレの良い新人をいくつも擁するが、単行本まで結実する作家はそう多くない。群像もの、しかも演劇というメタストーリーが絡む複雑な設定で1年以上に亘って手がけた事実は、それだけの力量を物語っている。現在はリブレ出版の「Citron」でも執筆しており、今後の作品にも期待したい。
磯野フナ 「委員長のおもちゃ性教育」
真面目な文章ばっか疲れんだよ! いいよねーこういうアホ丸出しの単行本タイトルって。ジュネットのピアス・JUNEって最近は描写の濃い萌エロBLの名産地だけど、磯野せんせーはたいへんイキがよろしい。コナかけられて顔を赤らめるとこ、イジられて涙を滲ませるとこ、ブッこまれて表情を蕩かすとこ、マジでエロ可愛いぜ。目の描き方を中心に絵柄もアニメ系っつーかまあ女性同人独特なんだけど、デフォルメもメリハリ利いてるし、描き慣れた感ある一方で性交シーンも手を抜いてないのがアツいね。あと女の子が可愛い(超重要)。BL作家の女体描写って成年マンガ家(男性向け)の男体描写よりレベル高い気がするんだけど、そんなことないですかね。偏見かね。コミックJUNEは休刊してしまったが、新人の弾数は色々あるので何とか次につなげて欲しいもんです。
良くも悪くも、創作同人臭の強い作風なんだけど、いいと思います。そういうの好きなんで……。くっつかずに悲恋でおしまい、とか、何となく悩みを打ち明けて心を楽にしてEND、だとか、そういうのは、商業誌だとあまり喜ばれないと思うけど、新人らしくて贔屓したい。描線にも不安な雰囲気が出てて、作風とはよく合ってます。
ここでは基本的に新人を紹介しているが、2012年の新人を一人挙げるなら、名取いさとを選びたい。心交社の「moca」とリブレ出版の「Citron」の掛け持ち連載で、同時期に単行本を刊行。それぞれほんわか友情モノと少し鬼畜な暗い雰囲気に仕上がっていて、ストーリーの幅広さがグッド。髪の毛1本1本まで行き届いた丁寧な作画も新人離れしており、「日陰蝶」では剣道着を着けての試合・会話シーンを(第1話で)こなすなど、作画に対する気合が窺える。無理のない人体描写と細やかな表情の描き分け、作者の萌えを垣間見せるキャラクター造形も多様と、BLマンガ家としての天分アリアリ。難を付けるなら、タフな仕事量にも関わらず安定した絵柄で既に初々しさを脱却していることか。女性キャラも可愛い(超重要)し、くたびれたオヤジから涙ぐむショタまで愛のある描写が光る。今後は一般女性/青年誌まで活躍の舞台が見込めるモンスター新人だ。
“君の鍵穴は私の鍵で開かれる!!”っつー単行本帯のアオリでちょっと話題になったよねコレ。まあピアスは単行本に限らず誌面でもアオリ文が横行してて、編集がいちいちナイスフレーズ捻り出してるわけだし、ちゃんと反応するのはいいことだよね。「股間もテントもピンコ張り!!全裸で楽しむ夏休み河原キャンプ」とか、綴込みの見開きイラストもイカしてるんだわこれが。しかし東条せんせーの手がけるショタはサイコーだな。桃尻のラインが犯罪過ぎる。超絶画力だからトンデモBL変態ファンタジーも安心して楽しめるんだよなー。貞操帯&お漏らしやら目隠しオナホプレイやら猫耳コスプレの尻尾アナルin(前作)やら、マガジン・マガジンって出版社は心得てるわ。この人って美少女絵も絶品だから(超重要)、Keyのゲームのコミカライズも好評連載中なんだぜ。まさに鍵穴ってやかましいわwww
葉月つや子 「白衣にひそむ熱情」
眼光も険しいサツバツな絵柄に慣れれば、有無を言わさぬ攻の気迫はBLでも稀有なストロングスタイル。葉月つや子といえば知る人ぞ知るレディコミの女王である。近年の主な活動場所はぶんか社の「まんがグリム童話」だが、レディコミ仕込のスピーディでパワフルな作劇はBLでも健在だ。怒気漲らせる攻が駆動する物語は、受を存分に振り回し、しかし最終的には見事に鞘に収まる。各読みきりの短い尺の中で怒涛のダイナミズムを見せ、その上できっちりハッピーエンドに収めるこのカタルシスはワザマエと言うほか無い。長いキャリアを持つ作家の2年ぶりとなるBL単行本は、そのいぶし銀の魅力を堪能できる一冊だ。いつもならヤクザや貸金のダークスーツ姿が映えるところだが、本作では医者の白衣が前面に出ており、少しだけ和らいだ雰囲気になっている。
トワ 「秘密にスキャンダル」
人気タレントである幼馴染との秘密の関係を描いた、作者の初単行本。BLのお約束というか、こうした立場関係では有名人側が惚れている構図が基本であり、本作もその例に漏れない。回想の幼年時代から現在は大学生としてのキャンパスライフ、進展後はサラリーマンとなった主人公との恋仲まで、柔らかなタッチによる登場人物たちは皆親しみやすく、ほのぼのとした作品だ。タイトル通りのスキャンダル疑惑や、ライバル芸能人の横槍といった筋書きも大体鉄板だが、本作は脇役がどれもキャラが立っており、悩める主人公とのやり取りに説得力がある。そのため個々のエピソードに感情移入が出来て、自然に楽しめる、という好例になっている。スピンオフによる余りものカップル救済というお決まりの続編展開も、キャラの読者人気を裏付けるものだろう。可愛い女子も沢山出てくるが(超重要)、特に主人公の妹の鈴ちゃんがイイ。鈴ちゃんヒロインにした少女マンガが読みたい。
作画:如月マナミ,原作:渡海奈穂 「純潔ドロップ 青坂高校シリーズ」
「純潔ドロップ」は、とある高校を舞台とした原作を、2人のマンガ家が作画した双子作品の片割れである。体育科の完璧スポーツマンのモテ男と、普通科の文化部長である残念イケメンの確執から始まる学園BL。如月マナミの描くキャラクターは端正な顔立ちながら表情豊かで、特に赤面して眉を歪める描写が秀逸だ。文化部長が強気の体育会系に不意打ちする、逆転の構図もしくはギャップ萌えをメインに扱っている。その場の勢いやら体育会系特有の頑固さ(偏見)に流されて、つい一線を踏み越えてしまう運びは原作の鮮やかな手腕。双方負けず嫌いな性格がコミカルで、背伸びし過ぎな攻とオラオラ一転甘えたな受が微笑ましい。舞台である高校は共学で、2人の取り巻きには制服姿の可愛いJK(超重要)も色々出てくる。彼女達が当て馬やモブ扱いではなく、ちゃんと個性を持って物語に関わるのも好感度高い。
ちなみに、ここに挙げた他作品の掲載誌にリブレ出版の「Citron」、茜新社の「OPERA」、心交社の「moca」があるように、最近のBLジャンルは各社でオリジナルアンソロジー誌が創刊されており、新人のデビュー・活躍舞台もそちらが多数になっている。本作「純潔ドロップ」の発行元であるプランタン出版はその波に乗っている出版社だ。掲載誌「Canna」は創刊3年に満たないが2012年には500ページ超えという、BL誌全体の中でも上位のボリュームに到達した。価格や発売サイクルの違いもあるし、何より雑誌の厚さと発行の安定性は別物だから単純比較は出来ないが、見過ごせない存在感であることは間違いない。
見出しはこれ http://anond.hatelabo.jp/20121219191602
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/unix/1288765389/232
232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/25(日) 15:05:26.72 今月はじめ、職場に新しいPC(Pentium4の結構ハイエンド構成)が入りました。 多分私が運用保守をまかされそうな雰囲気です。業務的にとある構造分析や シミュレーションなど行う必要がありOSにオープン系を採用するのは 聞いていたのですが、搬入されたPCのダンホール箱に乗っかっていたのは UNIXのインストールパッケージでした。 「うへぇ~、よりによってUNIXかよ」 デバイスドライバがない、コマンドが変・オプションがない、X環境が古い、 今の奴は日本語入力大丈夫なのか(Wnn/Canna/kinput2)、将来の64bit移行はどうなのか、 今時のネットで必須のflashのプラグインは存在するのか不安はつきませんし、 非メジャーなのでネット上の情報も少なく調べるのも大変です。 おそらく導入に際して、大学など教育機関で最初にそれに触れて刷りこまれた人間が 強気の知ったかぶりをして発言権を得て「俺流」をつらぬき紛れ込ませたのでしょう。 昔、当時、唯一CADなどのエンジニアリング環境が充実していたUNIXは大学など 教育機関に浸透していて、日本のUNIX界に多くのバカを輩出しました。 これから私は、おそらくそういうバカが、makeしてもemacsが入らない、 TeXが入らない、コンソールでEUCは使えないのか、Rubyが使えないのかなどと、 サバ管気取りの偏ったどうでもいい我侭を言い出し、(だから鯖にするんじゃねーよ、 鯖の常識で話すなつーのに)それと戦わなければならないのでしょう。 そして時代によって決着している、過去10年のUNIX界隈のくだらないそれらの議論が 再現され、それに巻き込まれるのでしょう。もう今からうんざりです。 だからお願いです。教育現場ではPlamoでもDebianでもRedHatでもKondaraでも Slackwareでもなんでもいいですがメジャーかつ現行のLinuxにしてください。 教育機関で懐古趣味のバカを量産されると現場が非常に苦労するのです。
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/unix/1355909018/4
4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/12/19(水) 18:44:07.79 今月はじめ、職場に新しいPC(Core i7の結構ハイエンド構成)が入りました。 多分私が運用保守をまかされそうな雰囲気です。業務的にとある構造分析や シミュレーションなど行う必要があり、複数マシンでファイルを共有するのは 聞いていたのですが、起動したマシンの/etc/fstabの項目に書かれていたのは nfsという文字でした。 「うへぇ~、よりによってNFSかよ」 ファイルロックすると刺さる、ファイルを消したのに.nfsXXXが残る、 今の奴はACL大丈夫なのか、ファイルのCapabilityに対応してるのか、 今時のLAN上で使ってもセキュリティは大丈夫なのか不安はつきませんし、 ユーザーが減ってるのでネット上の情報も少なく調べるのも大変です。 おそらく導入に際して、大学など教育機関で最初にそれに触れてすりこまれた人間が 強気の知ったかぶりをして発言権を得て「俺流」をつらぬき紛れ込ませたのでしょう。 昔、当時、唯一ローカルディスクかネットワーク上かの区別なく透過的にファイルに アクセスできたNFSは大学など教育機関に浸透していて、日本のストレージ界に 多くのバカが輩出しました。 これから私は、おそらくそういうバカが、ファイルに書き込んだら所有者がnobodyに なっちゃったよとか、タイムスタンプがずれるよとか、NFSv4にしたらマウント できなくなったよとか、TCPよりUDPの方がオーバーヘッドが無い分速いはずだよね などと、鯖管気取りの偏ったどうでもいい我侭を言いだし、 (だからNFS鯖にするんじゃねーよ)それと戦わなければならないのでしょう。 そして時代によって決着している、過去25年のNFS界隈のくだらないそれらの議論が 再現され、それに巻き込まれるのでしょう。もう今からうんざりです。 だからお願いです。教育現場ではSambaでもNetatalkでもFTPでもなんでもいいですが 安定してユーザーが多いファイル共有システムにしてください。 教育機関で懐古趣味のバカを量産されると現場が非常に苦労するのです。
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/unix/1351627596/3
3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/31(水) 10:57:28.82 今月はじめ、職場に新しいPC(Core i7の結構ハイエンド構成)が入りました。 多分私が運用保守をまかされそうな雰囲気です。業務的にとある構造分析や シミュレーションなど行う必要がありOSに*BSDを採用するのは聞いていたのですが、 搬入されたPCのダンホール箱に乗っかっていたのはFreeBSDのインストールパッケージ でした。 「うへぇ~、よりによってFreeBSDかよ」 カーネルが変、日本語環境がない、ソフトが変・揃ってない、今の奴は 日本語文字コード大丈夫なのか(utf-8)、x86_64環境は大丈夫なのか、 今時のネットに繋いでもセキュリティは大丈夫なのか不安はつきませんし、 非メジャーなのでネット上の情報も少なく調べるのも大変です。 おそらく導入に際して、大学など教育機関で最初にそれに触れてすりこまれた人間が 強気の知ったかぶりをして発言権を得て「俺流」をつらぬき紛れ込ませたのでしょう。 昔、当時、唯一PC98環境が充実していたFreeBSDは大学など教育機関に浸透していて、 日本のFreeBSD界に多くのバカが輩出しました。 これから私は、おそらくそういうバカが、ポーツ(笑)でemacsが入らない、 TeXが入らない、コンソールでEUCは使えないのか、Rubyが使えないのかとかなどと、 鯖管気取りの偏ったどうでもいい我侭をいいだし、(だから鯖にするんじゃねーよ、 鯖の常識で話すなつーのに)それと戦わなければならないのでしょう。 そして時代によって決着している、過去20年のFreeBSD界隈のくだらないそれらの議論が 再現され、それに巻き込まれるのでしょう。もう今からうんざりです。 だからお願いです。教育現場ではUbuntuでもdebianでもFedoraでもRHELでも OpenSUSEでもなんでもいいですがメジャーかつ現行のLinuxにしてください。 教育機関で懐古趣味のバカを量産されると現場が非常に苦労するのです。
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/unix/1209056071/887
887 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/10/21(日) 11:56:55.61 今月はじめ、職場に新しい組み込みマシン(ファン付きだけど結構省スペース構成)が 入りました。多分私が開発全般をまかされそうな雰囲気です。業務的にとある 構造分析やシミュレーションなど行う必要があり、プログラムにアセンブラを 使用するのは聞いていたのですが、添付のサンプルソースコードからチラッと 見えたのはsethi %hi(hoge),%o0という命令でした。 「うへぇ~、よりによってSPARCかよ」 長くなるバイナリーコード、奇数アドレスワードアクセス不可、使いにくい レジスタウィンドウ、今時の素早いコンテキストスイッチに対応できるのか不安は つきませんし、今の若者はこんなCPU使わないので人材も少なくソフト開発も大変です。 おそらく導入に際して、大学など教育機関で最初にSPARCに触れて刷りこまれた人間が 強気の知ったかぶりをして発言権を得て「俺流」をつらぬき紛れ込ませたのでしょう。 昔、当時、32bitCPUでRISCでM68K系よりも高速で動作したSPARCは 大学など教育機関に浸透していて、日本のCPU界に多くのバカが輩出しました。 これから私は、おそらくそういうバカが、16bitイミーディエイト値すら1命令でロード できかないのかよとか、関数呼出しのたびになんで約100バイトもスタックフレームが 要るんだよとか、フラグレジスタの読み出しがなんで特権命令なんだよとか、 %g0ってレジスタ値変わらないし壊れてるよ、初期不良で交換だよとか、 アセンブラ通気取りの偏ったどうでもいい我侭を言い出し(だからSPARC使うんじゃ ねーよ) それと戦わなければならないのでしょう。そして時代によって決着している、 過去25年のCPU界隈のくだらないそれらの議論が再現され、それに巻き込まれるの でしょう。もう今からうんざりです。 だからお願いです。教育現場ではi386でもi568でもi686でも x86_64でもなんでもいいですが現行のCPUにしてください。 教育機関で懐古趣味のバカを量産されると現場が非常に苦労するのです。