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はてなキーワード: Sun microsystemsとは

2022-12-14

低い、安い、まずい、リモートワーク環境

エアコンのない 4畳半の物置部屋でホームページを作ったり、 Excel でまとめたり、 メールしたりして生活している。 寝袋にくるまったり、 湯たんぽ身体の随所に這わせながら暖をとる。 最近コワーキングスペースが近所にできたので、 そっちに行こうと思うが、 機密情報を見せつけて作業するのはどうかと思うので、なかなか踏み出せない。 エアコンのある台所には、テレビHDMI がくっついてるのでそっちで作業しようか考え中。

部屋の構造的に物置部屋にはエアコンが付けられない。 辛い。ただ、人間、気温には慣れるな。空調以外で何があれば便利だろう。2万出す。

机: 5000円くらいのニトリの机 縦幅を拾った板でかさ増し。 60→75×120cmもあるぜ。 ジャンボだぜ。

椅子: 15000円くらいのオカムラ椅子。 失敗できないので会社にあったのと同型のを楽天中古屋で買う。 4000円のニトリ椅子に座ってたら腰が痛すぎた。

無線LAN: ケーブルテレビデフォルトルーター、地味に電波が届かず、リピーターで中継入れてるが、時々切れる。

パソコン : 支給ノートパソコン (メモリ 8GB、 人権が保ててる)。 電源の調子が悪い。

モニター : 実家でもらった 23インチ10選手モニター+社内でモニター入れ替えの時にもらった 23インチ流行りのクラムシェルだぜ。 いつ壊れるかヒヤヒヤしてるぜ。

カメラ : 2000円でアマゾンで売ってた Web カメラ。 妙に明るく映る嫌な奴。

キーボード: メルカリ奇跡的に 1000円で買えた、 Sun microsystemsキーボード (新品)。 おまけで java 1.1 の jdk がくっついてきた。 アプレット作るぞ。

マウス : 腱鞘炎になり、 3500円でトラックボール買った。 ボタンがたくさんあるので使いやすい。

イヤホン : メルカリで 600円で買ったイヤホンラジオも聞いてる。 話すと声がくぐもるみたい。 はきはき喋れるようになった。

ノートペン: 時々出社するときに持って帰るぜ。

お役立ち : 100円で買ったコルクボード。 各種パスワード機密情報がむき出しだぜ。 バインダー100円で買った。 ノートをとるのに必須な役立ちアイテム

トータル: ¥30000弱。椅子が半額を超えてるぜ。

何を変えたらもっと快適になるんだ。 はてな諸氏、教えてくれ。2万出す。

2022-12-04

2位とはなんだったのか

2009年11月のいわいる事業仕分けから、もう13年も経った。「2位じゃダメなんですか?」の質問発言で非常に曰く付きとなったアレだ。

ところが最近、13年も経ってまだなおナゼ「2位」という言葉が出てきたか理解できてない人がかなりいる事を知った。それどころか、スーパーコンピュータの京は、事業仕分け時点で世界一になることが明白だったなどという認識まで飛び出す始末である

ただ、資料もなしにどこが変だと言っても仕方あるまい。何がどうして「2位」なのか、少し語ろうじゃないか

アーキテクチャ

初期の次世代スーパーコンピュータ (この時点では名前が付いていなかったが、以下わかりやすく京と呼ぶ) 計画 は、補助金を投入してのHPC産業育成に目を向けられていた[1]。世界一の性能を出していた海洋研究開発機構地球シミュレータが、NECのSXシリーズベースにしたベクトル型であり、ベクトル型のスーパーコンピュータ日本お家芸とみなされていた。これを育成することが一つの目標。そして、立ち遅れていた当時の世界スーパーコンピュータの潮流、スカラ型の開発に追いつくこと。これがもう一つの目標となった。結果、世界でも類を見ないベクトル型とスカラ型のハイブリットなどという中途半端方式になる。実に日本的な玉虫色の決定と言えるだろう。しかし、補助金の注ぎ込みが不足し、事業者持ち出しの負担が大きくなってしまった。結果、事業負担が高額になることを嫌い、NEC日立撤退する[2]。これにより、世界の潮流通りのスカラ型とならざるをえなくなった。

CPUはというと、世界スーパーコンピュータの潮流では当時から既に汎用のx86アーキテクチャCPUが既に多くなってきていた中、富士通SPARC64VIIIfxを採用した。よく国産CPU表現されているが、SPARCの名で分かる通り、当然命令セットは米国Sun Microsystems (現 Oracle) のセカンドソースであり、端から端まで国産というわけではない。更に、業務UNIXをささえるマシンとして一世を風靡したSPARCではあるが、当時ですらもう下火となっていた。京の事業費の約半分、実に600億円が、この専用CPUに注ぎ込まれることになった。なぜその選択をしたのか。富士通サイトには省電力と安定性が理由として書かれている[3]。しかし、その省電力という目標も、後述するように微妙な結果となってしまった。また、ソフトウェアの使いまわしも微妙となった。

目標性能

計画2005年に始まる。世界でも類を見ないベクトル型とスカラ型のハイブリットという構成もあり、概念設計にはしっかり時間を費やした。2007年9月には性能目標10P FLOPSと示した[4]。稼働開始は2010年2012年に完成という工程も同時に示されている。直前の2007年6月のTOP500を見ると[5]、1位のIBM BlueGene/Lが370TFLOPS。5年後に30倍という性能を目指したことになる。当時の発表としては、世界一が取れるような計画だったが、しか日進月歩の分野で5年は結果的に長かった。

さて、前述のように、ベクトル陣営2009年5月撤退を決めた。10P FLOPSの性能と決定した時には、ベクトル側も居たのに、そこがぽっかり空いた状態10P FLOPSのあてはいつついたのだろうか? 2009年7月報告書[6]では、スカラ単体で10P FLOPSを達成できること、ベクトル部は存在していても接続まわりの性能が不足していて問題があったことが表明されている。結果的に、なくなってよかったというトホホな内容だ。さて、同報告書では、稼働開始前の2011年6月に、ベンチマークだけでも10P FLOPSを達成してTOP500の1位を目指すと書いてある。どうしてこうなったのだろうか。

強すぎたライバルたち

遡ること半年2009年2月3日米国国家安全保障局(NNSA)はIBMと新しいスーパーコンピュータ Sequoiaを展開すると発表した[7]。性能は20P FLOPS、京の予定性能の実に2倍を達成するという発表だ。しかも、提供開始は2011年2012年。京の1年も前になる可能性があるという。

そう、双方が計画通りなら、京は2012年提供を開始する時には既に2位になっているという話題が出ていたのだ。なるほど、それはあせって2011年ベンチマークだけでも「トップを取った」という実績を残したいわけである

さて、その後のSequoiaはというと? ある意味計画通りだろう、2012年提供が開始され、2012年6月のTOP500[8]では予定通り20P FLOPSを叩き出し、1位になる。しかし、2012年11月のTOP500[9]では、Crayとオークリッジ国立研究所が作ったTitanが叩き出した27P FLOPSという数字ににあっさりと抜き去られ、2位になる。まるで幽遊白書ラストのような展開だ。しかも、SequoiaIBMPowerアーキテクチャで構築されたA2プロセッサだったのに対して、TitanはAMD OpteronNVIDIA K20Xの組み合わせ。汎用性でも差を開けられている。これはお手上げというものだろう。

事業仕分け

さて、話は京に戻す。京が有名になったのは2009年11月13日の行政刷新会議、いわいる事業仕分けである(ここは参考文献は要るまい)。このときまで、そんな計画があることを知らなかった人の方が多かったのではないだろうか。どういうニュアンスで言ったかからない、まるで日本を貶めているかのように聞こえる「2位じゃダメなんですか?」という言葉が非常にインパクトを与えたことだろう。

さて、じゃぁ何が2位なのか。だ。前述の通り、この時点ではIBMSequoiaに追い抜かされることが見えていた。TitanはGPU調達など細かい話が決まってきたのは2010年なので、この時点ではほとんど影がなかったはず。ということで、3位じゃなくて2位としたのは、Sequoia意識してのことだろう。つまり、「2位じゃダメなんですか?」というのは、1位を諦めて2位の性能で我慢するべきということではなく、客観的に見れば「2位になるのが見えているのだけど、何で1位と言ってるの?」という話になってくるのが見て取れる。蓮舫氏がそこを意識してたか知らんけど。

共同事業者撤退し、一応強気に「大丈夫」と言ってはいるが、本当に達成できるかは周りから疑問符が付くグダグダプロジェクト状況、ほぼ専用設計で量産時にどういう問題が出るかわからないCPUソフトウェア新規制作税金の投入は中途半端で、産業を育成したいのか企業負担を増やしたいのかよくわからない(だから撤退する事業者が出る)。そもそもここで出来たスーパーコンピュータCPU抜きにしても売れるのか分からない。そりゃ、金田康正教授でなくても、京にはため息が出るというものだ。

達成できたこと、できなかったこ

さて、京は何を達成したのだろうか? 京は完成前ではあるものベンチマーク実施し、見事11P FLOPSを叩き出し、2011年6月[10]と2011年11月[11]のTOP500でトップに躍り出る。この分野に日本ありと示した…かどうかはわからないが、一つの実績として言えるのは間違いない。いや、経緯のグダグダからして、見事なプロジェクト進行だったと称賛できる。しかし、前述の通り共用を開始した2012年9月[12]にはTOP500ではSequoiaに追い越されており、直後のTOP500ではTitanにも追い越されて3位となっていた。1位は、ベンチマークだけの存在だったと言える。

では目標産業育成としてはどうだっただろうか。京をベースにしたスーパーコンピュータ PRIMEHPC FX10[13]やFX100は、東大[14]、名大[15]、キヤノン[16]、九大[17]、信大[18]、JAXA[19]、核融合科学研究所[20]、気象庁気象研究所と、調べるだけでも国内実績は多くある。国外実績は、台湾中央気象局[21]、シンガポールナショナルスパコンセンター豪州 NCI、英国 HPC Walesと、それなりにある。ただどうだろう。産業としてうまくいったのだろうか。有価証券報告書を見ても、その他のセグメントに入ってしまっているため状況がつかめない[22]。謎ではある。とはいえもし、産業としてそれなりに育ったのならば、有価証券報告書で報告する事業セグメントとして独立したものを与えられてしかるべきだったのではなかろうか。少なくとも1000億も出したのだ。そのくらいではあってほしかった。更に言うなれば特に競争の激しい国外市場をうまく取り込めたかというと、産業育成という視点では頑張ったとは思うものの心もとない結果だったように、少なくとも私には見える。

消費電力の面はどうだろうか。上述の通り、SPARCを使う理由には省電力が上げられていた。これをライバルSequoia、Titanと比較してみよう。2012年11月のTOP500[9]で見ると、京は12.6MW消費するとあるSequoiaは7.8MW、Titanは8.2MWだ。実はこの時の報告のあるスーパーコンピュータの中で、最大の電力消費量を誇っている。高いほうがいいのではなく、消費電力は低いほうがいいので、これはかなり問題がある。

費用面はどうだろうか。これもライバル比較してみよう。京は日本円にして1120億円かかっている。対してSequoiaは2億5000万ドル[23]、Titanは9700万米ドル[24]だ。2012年11月で見るとドル相場は82円なので、Sequoiaは約205億円、Titanは80億円となるだろうか。京のプロセッサ開発費を除いたとしても、数字が違いすぎるのだ。


纏めてみよう。京は、一時期でベンチマーク上だとしても、TOP500で1位を取った。これは「夢を与え」(平尾公彦氏)た結果だったろう。しかし、それは砂上の楼閣でもあった。しかしそれを実現するための費用米国の5~10倍で、性能は実は半分、消費電力は1.5倍という結果になり、産業育成も盛り上がったかどうかは判然としない。こんなところだろうか。

さいごに

近年のスーパーコンピュータを含めたHPC分野はどうなっているだろうか。近年のクラウドコンピューティングの流れを当然HPC分野も受けており、主要プレイヤーとしてAWS名前が挙がっている[25]。またレポートでは挙がっていないものの、Google Cloudも猛追しており、円周率計算では1位を叩き出している[26]。必要な時に、必要な規模で構築できるクラウドコンピューティングの波は、さてHPC分野でどこまで浸透していくのだろうか。産業育成の方向が、2009年時点では確かにハードウェア開発だったろう。しかし、事業仕分けへの反発により、日本方向性を間違ってしまったのではないか。私は、そんな気がしてならない。


[1] ttps://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/hyouka/kentou/super/haihu01/siryo2-3.pdf

[2] ttp://www.nec.co.jp/press/ja/0905/1402.html

[3] ttps://www.fujitsu.com/jp/about/businesspolicy/tech/k/whatis/processor/

[4] ttp://web.archive.org/web/20130207162431/https://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2007/070914/index.html

[5] ttps://www.top500.org/lists/top500/2007/06/

[6] ttp://www.jaist.ac.jp/cmsf/meeting/14-3.pdf

[7] ttps://www.llnl.gov/news/nnsa-awards-ibm-contract-build-next-generation-supercomputer

[8] ttps://www.top500.org/lists/top500/2012/06/

[9] ttps://www.top500.org/lists/top500/2012/11/

[10] ttps://www.top500.org/lists/top500/2011/06/

[11] ttps://www.top500.org/lists/top500/2011/11/

[12] ttps://www.riken.jp/pr/news/2012/20120927/

[13] ttps://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-24020620111107

[14] ttps://pr.fujitsu.com/jp/news/2011/11/14.html

[15] ttps://pr.fujitsu.com/jp/news/2013/05/15.html

[16] ttps://pr.fujitsu.com/jp/news/2013/08/6.html

[17] ttps://pr.fujitsu.com/jp/news/2013/08/22.html

[18] ttps://pr.fujitsu.com/jp/news/2014/02/13.html

[19] ttps://pr.fujitsu.com/jp/news/2014/04/7.html

[20] ttps://nsrp.nifs.ac.jp/news/PS-next.html

[21] ttps://pr.fujitsu.com/jp/news/2012/06/25.html

[22] ttps://pr.fujitsu.com/jp/ir/secreports/2015/pdf/03.pdf

[23] ttps://arstechnica.com/information-technology/2012/06/with-16-petaflops-and-1-6m-cores-doe-supercomputer-is-worlds-fastest/

[24] ttps://web.archive.org/web/20120727053123/http://www.hpcwire.com/hpcwire/2011-10-11/gpus_will_morph_ornl_s_jaguar_into_20-petaflop_titan.html

[25] ttps://www.sdki.jp/reports/high-performance-computing-market/109365

[26] ttps://cloud.google.com/blog/ja/products/compute/calculating-100-trillion-digits-of-pi-on-google-cloud

2022-07-18

UNIX 哲学」についていくつか

名著「UNIXという考え方 - UNIX哲学」は本当に名著なのか? 〜 著者のガンカーズは何者なのかとことん調べてみた - Qiita

この記事はよく調べてあるなぁと思う反面,事実関係の間違いも多く当時の空気感など欠けていると思う部分がいくつかある。事実関係に関しては追い切れないので参考文献を挙げるにとどめておくが,空気感のほうはいくつか書いておく。なお当該記事の「当時と今では状況が全然違うんだから安易に『UNIX 哲学』とかいうな」という主旨には大賛成である

参考文献

初期の UNIX歴史について興味がある向きには次の書籍お薦めする。

Peter H. Salus『A Quarter Century of UNIX』(1994, Addison-Wesley Publishing)

和訳の『UNIXの1/4世紀』(Peter H. Salus, QUIPU LLC 訳, 2000, アスキー) は絶版のうえ訳も微妙なので薦めづらいが,原書The Unix Heritage Society (tuhs) で PDF が無償公開されているので,英語が苦にならないのなら読んでみるといい。

また同じく tuhs で無償公開されている Don Libes and Sandy Ressler『Life with UNIX』(1989, Prentice Hall)を読めば80年代終りの UNIX の状況(XENIX についてもしっかり言及されている)や利用者目線での雰囲気もある程度判るだろう。

哲学

記事で一番気になるのが「哲学」という語の捉え方。この言葉の強さに引きずられているように読める。でもこれ,当時は設計基本的な考え方くらいの意味でわりとよく使われていた言葉なんだよね。たとえば米 BYTE 誌のアーカイブを “philosophy” で全文検索するとこんな感じ。

https://archive.org/details/byte-magazine?query=philosophy&sin=TXT&sort=date

ほぼ毎号のように出現していたのが判るだろう。

もっとも猫も杓子も「哲学」を振りかざしていたわけではないし,UNIX開発者たちが「哲学」の語を好んで使っていたのも間違いないように思う。傍証の一つが AT&T定期刊行物『The Bell System Technical Journal』の1978年7, 8月号だ。元記事言及されているマキルロイの Forword の初出がこれで,ネットのアーカイブから PDF が入手できる。

この号は二部構成になっていて第一部が Atlanta Fiber System に関する論文12本(全172ページ),第二部が UNIX に関する(Preface や Foreword を含む)論文22本(全416ページ)となっている。さて前述の PDFOCR されているので “philosophy” で全文検索してみると8箇所見つかる。これが見事に全部 UNIX論文なのだ。もちろん論文性質もページ数も違うからこれだけで確定的なことはいえないが「日常的に使っていたんだろうなぁ」という推測は成り立つだろう。じつはマキルロイ哲学とされている部分は “Style” であり “philosophy” の語は一切使われていないというのもちょっと面白いUNIX開発者たちがなぜ「哲学」という語を好んだか正確なところは判らないが,それまでにない新しい考え方に基づいた OS を開発しているという意識があれば,そういう言葉を選ぶのが自然時代だったことは間違いない。

UNIX認知され拡がっていく過程で「哲学」も知られるようになっていった。自分が好むものの良さを他人にも識ってもらいたい,あわよくば他人もそれを好むようになって欲しいという布教活動は今も昔を変らないわけで「哲学」はその便利なツールとなったわけだ。元記事ではガンカースの著作を「外部の人間が後から打ち立てた哲学」と表現しているが,そんなたいしたものではない。マキルロイ論文に影響を受けた布教のためのああい説教は到るところにあった。たとえば前掲の『Life with UNIX』にもしっかり Philosophy の項がある。また日本最初期の UNIX 解説本のひとつである村井純井上尚司・砂原秀樹『プロフェッショナル UNIX』(1986,アスキー)には冒頭次のような一節がある。

オペレーティングシステムは,コンピュータを使うものにとっての環境形成する基盤であるから,そのうえで生活する者の個性尊重し,より良い環境へと作り上げて行く課程を支援するような素材を提供するソフトウェアでなければならない。この主張こそが,UNIXオペレーティングシステムとしての個性ではないだろうか。

 

    プロフェッショナル UNIX村井純井上尚司・砂原秀樹,1986,アスキー)p 3.

「より良い環境へと作り上げて行く課程を支援するような素材を提供するソフトウェア」とはテキストを入出力フォーマットとする単機能コマンド群のことで,これらをパイプでつなげたりシェルスクリプトでまとめたりすることで「そのうえで生活する者の個性尊重し」た「より良い環境へと作り上げて行く」ということだ。こういった説教はありふれたものであった。たんにそれを「哲学」の語を用いて書籍にまとめたのが,たまたまガンカースだったというだけのことである

そしてじつは UNIX場合布教活動とはべつに「哲学」を広めなければならない切実な理由があった。これを説明するのは非常に面倒くさい。当時と今ではあまりにも環境が違うのだが,その違いが判らないと切実さが伝わらないからだ。マア頑張ってみよう。

UNIX の利用環境

UNIXPDP というミニコンピュータミニコン)上に開発された。このミニコンを使うためには専用の部屋に行く必要がある。その部屋は,もちろん場所によって違うわけだが,マアおおよそ学校教室くらいの大きさだ。長机が何列か並んでおり,そのうえにはブラウン管ディスプレイキーボードを備えた機器が等間隔に置かれている。壁際にはプリンタが何台かあるだろう。通っていた学校コンピュータ室などと呼ばれる部屋があったならそれを思い浮かべればだいたい合ってる。ただし置かれている機器コンピュータではなくコンピュータ接続するための端末装置ターミナル)だ。端末装置キーボードで打った文字コンピュータに送られコンピュータが表示した文字がそのディスプレイに表示される。現在 UnixOSCLI を使うときターミナルとか xterm という名のアプリケーションを用いるがこれらは端末装置エミュレータで,もともとは実体のある装置だったわけだ。

さてコンピュータ室にたいていは隣接するかたちでマシンルームなどと呼ばれる六畳くらいの部屋がある。窓ガラスで仕切られたこの部屋には箪笥洗濯機くらいの大きさの装置が何台か置かれている。これがコンピュータ本体だ。もっとコンピュータが何台もあるわけではない。この箪笥CPU でそっちの洗濯機ハードディスク,あの机に置かれているタイプライタ管理コンソールといった具合に何台かある装置全部で一台のコンピュータになる。どこが〝ミニ〟だと突っ込みたくなるかもしれないが「六畳で収まるなんて,なんてミニ!」という時代お話だ。

端末装置それぞれからUSB のご先祖様の)RS-232 という規格のアオダイショウみたいなケーブルが伸び,マシンルームに置かれたターミナルマルチプレクサと呼ばれるスーツケースに台数分のアオダイショウが刺さってコンピュータとの通信を行う。コンピュータと多数の端末装置を含めたこれら全体をサイトと呼び,root 権限を持って管理業務を行う人をシステム管理者あるいはスーパーユーザと呼んだ。

結構上手に説明できたと思うのだが雰囲気は伝わっただろうか。ここで重要なのは一台のコンピュータを数十人が一斉に使っていたという事実だ。洗濯機とかアオダイショウとかは,マアどうでもいい。

自由不安定OS

当時の UNIX評価一言で表すと〝自由不安定OS〟となる。メーカお仕着せではなく自分好みの「より良い環境」を作りあげる自由さらに他のメインフレームミニコンOS に比べると一般ユーザ権限でできることが圧倒的に多かった。そしてその代償が不安定さ。今では考えられないが UNIX のその不安定さゆえにプロOS ではないと考える向きは多かったし「でも UNIX ってすぐ落ちるじゃん」というのは UNIX アンチ定番ディスりだった。UNIX の落とし方,みたいな情報がなんとなく廻ってきたものだ。

こういった雰囲気を鮮やかに伝えてくれるのが,高野豊『root から / へのメッセージ』(1991,アスキー)だ。当時アスキーが発行していた雑誌UNIX MAGAZINE』に連載されていた氏のエッセイ1986年11月から1988年10月掲載分までをまとめた書籍である。著者の高野氏は勤務先の松下電器1980年ごろから UNIX サイトスーパーユーザを務めており,日本では最古参の一人である。この本の中で高野氏は繰返し UNIX自由さと不安定さに言及している。すこし長くなるが,その中の一つを引用しよう。

CPU は,システムにとって重要な共有資源であるが,この CPU実質的に停めてしまうことが UNIXはいとも簡単にできる。たとえば,cc コマンド10個くらい同時に走らせてみたらよい。VAX-11/780 といえども,同時に実行できるコンパイルはせいぜい3つか4つである。それ以上実行することも当然可能ではあるが,他に与える影響が無視できなくなる。つまり,てきめんに viカーソルが動かなくなる。あるいは,すこし大きめなディレクトリ上での ls コマンドの出力が表示されるまでに煙草を1本吸い終えてしまったり,タイムアウトログインが撥ねつけられたりといったバカげた現象が起きだすのである。こういった状態になると,UNIX破壊されたに等しい。真夜中,独りで VAX を占有して使っているのなら何をやろうとかまわない。しかし,20人30人と多数の人間が使っているとき勝手をやられると非常に困るのである当人仕事が遅れるのは自業自得だとしても,そのとばっちりで他のエディタまで止まってしまうと,もはやどの仕事も進行しなくなる。

ディスクについても同様なことがいえる。UNIX では,ファイルシステムを使いはたすまで大きなファイル自由に作ることができる。したがって,自分プロセスがいったいどのくらいの容量のファイルを作り出すのか見当もつけられないようなアマチュアが使うと悲惨なことになる。ディスクを使いはたすと,コンソールタイプライターにエラーメッセージが出力されるが,夜中にそれが発生して,コンソールタイプライターが一晩中エラーメッセージを打ち続け,朝マシンルームに行ってみると紙を一箱打ち尽くしてしまい,ピーピーと悲しげな声を上げて人を呼んでいた光景を私は何度も見てきた。こうなると,それをしでかした本人のプロセスは当然のこととしても,同じディスクで走っている他のプロセスも先に進めなくなってしまう。すこしでも負荷を夜間にまわそうとする善意は逆転してしまい,わずかでも仕事を先に進めようとする意図完璧に打ち砕かれてしまうのである

 

    root から / へのメッセージ高野豊,1991,アスキー)pp16-17.

そして,こうした不安定さが「哲学」を必要としたのだ。自分が利用しているサイトに「cc コマンド10個くらい同時に走らせ」たり「自分プロセスがいったいどのくらいの容量のファイルを作り出すのか見当もつけられないようなアマチュア」がいるとその累は自分にも及んでしまう。だからサイト利用者全員に UNIX設計基本的な考え方を理解してもらうことが,自分のために必要だった。UNIX伝道がより苛烈だった理由ひとつがここにあるのだ。

ミニコン UNIX終焉

ミニコン上で誕生した UNIX は 4.3BSD(1986)で最高潮を迎える。注意したいのはミニコン時代UNIX は Research UNIXCSRG BSD みたいな区別をせずにまとめて UNIX として扱われていたことだ。実際『プロフェッショナル UNIX』も『root から〜』も UNIX記述されてはいるが実際には BSD を扱っている。べつに当時の人が無知だったわけではない。なにしろ BSD を利用するためにはまず AT&T から UNIXライセンスを購入し,そのうえでカリフォルニア大学バークレー校(UCB)から BSD を入手しなければならなかったからその関係は当然広く知られていた。ベル研発明された UNIX を外部の人たちも含めみんなで改良し,それら全体が UNIX であるという考え方が自然だっただけである。『Life with UNIX』のような英語の文献によく登場する “Berkeley UNIX” という言い回しが当時の気分をよく表している。UNIX vs BSD みたいな捉え方は法廷闘争を経た90年代以降の感覚だ。

もっともそういう70年代風味の牧歌的風景ミニコン世界限定の話であった。BSDのものミニコンのものしかなかったが,そのコードを受け継いだ BSDUnixAT&T推し進める System V などがワークステーション市場舞台80年代中盤から激しく覇権を争うようになる。いわゆる Unix 戦争で,PCUnix であるマイクロソフトXENIX も当然参戦した。ミニコン世界牧歌的だったのは,ぶっちゃけていえば先のない技術だったからだ。ただ Unix 戦争あくまでも標準という聖杯を争う戦いであり,AT&TBSDUnixSun Microsystems が共同で System V Release 4.0 (SVR4) を作りあげたように後の法廷闘争とは趣が違う。

こうしたミニコン UNIX からワークステーション Unix への転変は Unixのもの文化にも変化をもたらした。まず激しい競争Unix の高機能化を加速した。商品として判りやす惹句が「あれもできます,これもできますなのは誰もが知っている。もちろん安定性を増すために quota のような利用者自由制限する機能も含まれていた。またワークステーション Unix現在UnixOS と同様同時に一人が使うものであり前述の布教必要性は大幅に減じた。達人たちのみの楽園から万人に開かれた道具に変ったのだ。こういった変化を体感したければ『root から〜』と水越賢治『スーパーユーザの日々』(1993,オーム社)を読み比べてみるといい。『スーパーユーザの日々』はワークステーション Unixシステム管理入門書だ。この本ではたんに知識を羅列するかわりに架空ソフトウェアハウス(開発会社)を舞台新卒社員が先輩社員からシステム管理を学ぶという体裁をとっており,そのおかげで架空の話とはいえ90年代前半の雰囲気が堪能できる。出版年でいえば『root から〜』と二年しか違わない『スーパーユーザの日々』の落差は “dog year” と称された当時の激烈な変化まで体感できるだろう。

UNIX 哲学背骨

当時はよくいわれたのに今やほとんど聞かれなくなったものがある。マキルロイ論文結論部分に書かれたそれは,1973年出版されたイギリス経済学者エルンストシューマッハー著作題名で,中学生英語力があれば十分に理解できる平明な一文だ。

Small is beautiful.

マキルロイは『人月神話』を引いて一定留保をつけてはいものの,これが UNIX 哲学背骨であることに違いはない。機能をありったけ詰め込もうとして失敗した “kitchen-in-a-sink” な MULTI•csアンチテーゼである UNI•x にとって,これ以上のスローガンがあるだろうか?

ひるがえって現在UnixOS をみれば,ブクブクと肥え太ったシステムコール,全容を俯瞰するだけでも一苦労するライブラリインターフェイス,一生使うことのないオプションスイッチまみれのコマンド群。UNIX仮想敵とした OSのものだ。そのことについてとくになにも思わない。ハードウェアは長足の進歩を遂げ,コンピュータの応用範囲は途方もなく拡がった。UNIX が変らなければたんに打ち棄てられ,歴史書を飾る一項目になっただけだ。ただ現在UNIX 哲学」を語るならそうした背景は理解していなければならないし,どれだけ繊細な注意を払ったところで〝つまみ食い〟になってしまうことは自覚すべきだ。

2021-09-21

Javaを救うOracleレジスタンス

悪の帝国 OracleJava有償化し重税を課そうとしたその時、正義勇者 Amazon が立ち上がり新しい Java 実装 Corretto を無償で広めて救ったのだ!

……という情弱が好きそうなデマがあるんだが、こんな陳腐シナリオに喜んでいるようではインチキテックYouTuber に食い物にされてしまうぞ☆

Oracle レジスタンスはいた。彼らは Oracle の中に潜んでいたんだ。

赤字に苦しむ Sun

時は2005年に遡る。

Java を開発した 米 Sun Microsystems は赤字にあえいでいた。

2004年Java 5 (目玉機能ジェネリクス) がリリースされてしばらくの頃だ。

この頃、ひとつオープンソースプロジェクトが立ち上がる。名を Apache Harmony という。

開発は2005年5月に開始され、2006年10月には Apache 財団トップレベルプロジェクトとなった。

Java は当初より、 Sun の独占物ではなかった。

Sun は多数の企業をまきこみ、いろんな企業Javaライセンスしていた。

Java実装Sun が持っていたが、各社が独自実装したり、Sun契約してコード提供を受けたりしていた。

Java を名乗るためには Technology Compatibility Kit (TCK) という互換チェックをパスしなければならない。

初期の Javaオープンソースではなかった。誰もが自由コードを参照し用いることができるものではなかったんだ。

Javaオープンソース化を目論んだ Apache Harmony

これをオープンソース化しようという野心で始まったのが Apache Harmony プロジェクトだ。

Java実装をいちから書き起こしオープンソース代表的Apache License Version 2 ライセンス提供したのだ。

しかし、SunApache2 ライセンスを良しとせず、Harmony に Technology Compatibility Kit (TCK) を受けさせなかった。

Java を名乗らせなかったということだ。

なるほど。彼らが Javaオープンソース化したレジスタンスだったわけか?

違う。話はそんなにシンプルではない。

OpenJDK の登場

2006年 SunJavaオープンソースにする意志があると発表した。

SunJavaリンク例外付きの GNU General Public License でオープンソース化することにした。

これが OpenJDK である

Harmonyライセンス自由な改変を認めるものだった。

OpenJDKライセンス派生物を作ったなら、そのソースコードの公開義務がある、という点が大きな違いだった。

OpenJDK は出た当初はまだ SunJDK との非互換が多かった。しかしこれが現代まで続く OpenJDK の始まりだったのである

2007年11月 GoogleAndroidを発表した。 AndroidJava 言語で開発することができる。

そのベースとなったのは Sun との火種くすぶる Apache Harmony だった。よりにもよって!

これは揉めに揉め、巨額な賠償金をめぐる裁判となる。

(後にGoogleが負けて賠償し、現在Android は OpenJDK ベース)

Sun の身売り

その渦中、赤字に喘いでいた Sun はついに身売りを決断する。2009年のことである

当初 IBM との交渉が報じられていたが金額で折り合わなかったようだ。

そこに颯爽とあらわれたのが Oracle であるOracleSun Microsystems を買収することになった。

しかOracle にはよくない噂がある。敵対買収してプロダクトを潰してしまうという黒い噂だ。

SunJavaOracle に食い物にされてしまうんじゃないか、いわゆる 「悪のOracle」 のイメージはこの頃からのものだ。

しかし、 Sun はすでに Javaオープンソース化していた。 派生物もオープンソースにしなくてはならない OpenJDK で!

OracleJavaSun 社ごと買ったが、 Java はすでに独り占めできるようなものではなかった。

Java オープン化の仕上げ

時は流れ、2018年 Java 11リリースされる。

Sun 本家JDK を引き継いだ Oracle JDK と、OpenJDKがついに統合される。

Oracleソースコードを OpenJDK に寄贈し、 Oracle JDK も OpenJDK ベースとなった。

ここに OpenJDK への移管は完全となり、Javaオープン化は成就した。

それまでの OpenJDKOracle JDK との非互換不安視されていたわけだが、Java11 からはその不安もなくなった。

こうして完全にオープン化された Java は、各サードパーティーからディストリビューションが出るようになった。

Java11 での Javaオープン化を経て、Javaディストリビューション乱立時代へと突入する。

Amazon Corretto もそうした OpenJDK派生ディストリビューションひとつである

OpenJDK の開発は今なお Oracle が主力となって牽引している。

レジスタンス

Java解放しようとしたレジスタンスは、赤字に喘いでいたSunの中にいた。

たとえ Sun が身売りをすることになろうとも、Java邪悪独裁者の手に渡さないように。

Sun が倒れてしまう前に Javaオープン化された。Java仕様策定Java Community Process (JCP) にて行われる。

Java仕様策定Oracle独断で進めることはできない。 OpenJDK の開発も Oracle独断ですることができない。

GNU General Public License でオープンソース化された Java は、派生物のライセンスGPL強制されソースコードを公開しなければならない。

未来永劫、Javaオープンソースでありつづける。

そんな OpenJDKリリースした、当時の Sun中の人達こそがレジスタンスだったんだ。

Oracle はそんな Java を、そういう存在だと分かって Sun ごと買った。

Sun中の人達の多くは Oracle へと移籍した。そして、今でもオープン化された Java を作り続けている。

2018-11-16

Java界隈はまた一私企業の打算に乗り換えて船出するらしい

Sun MicrosystemsOracleと一私企業の打算に乗っかり、彼らのリソースを食い潰してグズグズ文句たれて、Oracleギブアップして捨てられそうになって悲鳴を上げてたら、ギリギリになって乗り換え先の打算が見つかって大喝采

オープンソースJDKは既にあるのにそれを自分たちメンテしながら一私企業方針転換に振り回されない仕組み作りを作る方向には全然かわない。

どこまで行ってもプロプライエタリ文化がこびりついてる世界なんだな、Java界隈って。

2016-07-04

それでも(これ以上の)金融緩和に反対する理由

http://anond.hatelabo.jp/20160703171723

それは,一言で言うと「金融緩和してもほぼ全部金融市場が吸い取ってしまい,実体経済に金が回らない」からである

(以下は素人の私が勝手に考えたものだが,もし同じようなことを言っている経済学者がいたらぜひ教えて欲しい。まあ,素人と同じようなことを考える学者はいないと思うが。)

そもそも私がこういうことを考えるに至ったのは,1990年代終わり〜2000年代初頭にかけてのITバブルきっかである。その当時,IT経済を主とする"成長"は「インフレなき経済成長」と呼ばれていた。それは論理的おかしい,何か理由があるはず,と考えた結果,「これは実体経済に回るとインフレを起こすお金の大半が金融経済に回っていて,その結果金融経済が"成長"している一方,実体経済ではインフレが起きていないのでは」という結論に達した。

具体的には,当時のITバブルでは,資金インターネット上の広告を売る新興企業流入した。インターネット上は空間的な制約がないので,それら新興企業はほぼ設備投資をすることな広告いくらでも増やせる。他方,インターネット広告への期待から,それら新興企業広告枠を買う企業が現れる。そうするとそれら新興企業株価が上がる。株価が上がると,それを売って儲ける投資家が現れる。儲けた投資家は,またそれを新興企業投資する。広告一種投資なので,広告枠を買う形で投資を行う者もいる。そうするとまた株価が上がる。

このバブルでは,対象が「インターネット上の広告枠」という無限に近い資源だったこともあり,実体経済には余りお金が回らなかった。せいぜい Sun Microsystemsサーバーが売れた程度である。ただし巨大なバブルだったので,おこぼれといっても巨大で,この後バブル崩壊すると Sun後遺症に悩むことになり,最終的に Oracle に買収されて消滅する。

しかしこのバブル本質は,2次投資,3次投資,...という高次投資によって金融経済の中で資本が循環し,循環の過程で(見かけ上の)資本が拡大していった点にある,と私は考えている(バブルというのは須らくそういうものだが)。

結局このバブルは,「広告いくら投資しても実際に広告対象商品が売れなければ意味なくない?」ということに広告主が気づいたことで崩壊した。つまりいくら金融経済期待値で拡大しても,最終的に実体経済がそれに見合った成長をしなければ,それはバブルであり,バブル必然的崩壊するのである

次に,この考えの傍証として私が注目したのは,金融経済実体経済の規模の乖離である

http://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2008/2008honbun/html/i1120000.html によると,2006年時点で,金融資産の規模は実体経済の3.5倍であり,1990年以来の平均成長率は,実体経済が5.7%であるのに対し,金融資産9.1%となっている。

これは異常である,と思う。

投資というのは,最終的に実体経済が拡大しないと,リターンを得られない。

ちょっと金融からは外れるが,土地転がしを例に考えてみよう。土地の値段は,循環取引的な手法を使えば,原理的には無限に上げることができる。その間,資産規模は拡大していく。しかし,それらはどこまでいっても「投資」であり,その投資を回収するためには,その土地建物を建てて商売して利益を上げて地代を払ってくれる誰かが必要である

もちろん投資には期間があって,5年のものもあれば,10年,20年,...といったものもあり,それらが混ざり合っている。従って,必ずしも実体経済と金経済の規模が一致していなくてもよいが,金融経済の方が実体経済よりも速く成長するのは,やはり異常であろう。

この金融経済実体経済乖離は,おそらく1990年代金融規制緩和以降に始まったのではないかと思う。この規制緩和によって,通貨以外のもの通貨と同様に扱えるようになり(例:株式交換による買収),またBIS規制の枠外で高次金融商品金融商品投資する金融商品)が解禁されて,金融商品土地転がしのように転売することで金融経済が拡大することを可能にしたのではないかと思われる。

その結果,金融経済は恒常的なバブル状態になった。実体経済の成長を伴わない金融経済の成長はまやかしだが,そのまやかしがいつ露呈するかわからないので,それまでは疑心暗鬼ながらもチキンレースを続けている。まやかしだとわかっているが,実体経済よりも遥かに楽に大金をを得られるので,やめるにやめられない。それが今の状況なのではないだろうか。だから逆に,ちょっとしたことで株価が乱高下する。Volatilityが高くなってるのも,恒常的なバブルのせいと考えると個人的には納得がいく。

さて,金融緩和はここでどういう役割果たしているかというと,このバブル崩壊させないように金融経済現金を注入する役割を担っているのではないかと思う。

金融緩和恩恵を(最初に)受けるのは銀行投資家大企業である

とにかく最初恩恵を受けるのは銀行。商材であるお金日銀から低利で借りられる=安く調達できる。

次が大規模投資家ファンドや超がつくレベル資産家等)や大企業日銀から直接お金を借りるような大銀行の主要顧客になるようなところ。ここも従来より安い金利資金を借りられるようになる。で,借りた資金を,大規模投資家はより(見かけ上の)リターンの高い金融商品株式等)につっこむ。大企業設備投資したり,やっぱり別な金融商品投資したりする。銀行から借りた資金が,給与を上げる原資に直接使われることはまずないと思う。

まり金融緩和恩恵の大半は最初銀行投資家大企業が取ってしまうし,その大半は実体経済ではなく金融経済の拡大に回ってしまう。その方が手っ取り早く稼げるからだ。残った僅かな(文字通りの)「トリクル」だけが実体経済に回る。だから効果ゼロではないが,金融緩和の規模に比べると遥かに小さいし,また効果が出るのも遅い。設備投資が,さまざまな労働者給与増に波及するのには,時間がかかるだろう。

近年の「異次元」と呼ばれるような金融緩和でもインフレがおきない(インフレ目標すら達成できない)のも,金融経済金融緩和で生み出された資金を吸収し,実体経済ほとんど回ってないから,と考えると説明がつくように思う。

ではどうすべきか

一番良いのは,金融規制1990年代以前と同程度まで強化し,過剰流動性をなくすことだと思う。しかし,ここまでバブルが大きくなってしまうと,その破裂によってもたらされる実体経済への影響は,たとえもともとそれが率としてはトリクルであったとしても,絶対額が巨大なため,悲惨なことになると思われる。なので,風船が急にしぼまないよう,少しずつ空気を抜くような慎重さが必要になるだろう。

個人的には,長期投資実体経済にとっても有益だが,短期投資(=投機)は害の方が多いので,短期投資に高い税率を課し,事実上無意味にしてしまうような政策が取れればいいのに,と考えている。株式債券,その他の金融商品在庫管理と同様の手法管理し,例えば今日買った株を今日売ったら税率99%,逆に20年持ち続けた株を売った時は税率1%というようにすることで,長期投資を促すような政策手法的には可能だと思う。

また高次投資有害性が高いので,税率を高くする。例えば株式の売買は2次投資から課税対象だが,配当は1次投資のリターンなので,非課税にするなど。株式はトレーディングの対象ではなく,本来の「直接金融によってリターンを売る権利会社支配権」の位置に戻した方が良いのではないだろうか。

最後に,これは妄想だが,金融経済実体経済可能な限り切り離す,というのが本当はできればいいと考えている。具体的には,金融経済はそれ専用の独自通貨を作り,その中で自由になんでもやっていい。ただし実際の通貨に交換できるのは,世界実体経済GDPの3%まで,とか決めておく。誰がその3%を使えるかは,金融経済の中で,専用通貨オークションでもやって決めればよい。まあでもこれは残念ながら実現不可能だろう。

終わりに

というわけで,今以上に金融緩和をしても無意味なんじゃないかな,と思ってる。

ところで,なぜ財政政策のところが「再分配(例:富裕層への課税強化&低所得層への扶助)」じゃなくて「財政出動」なんだろう?

いや,財政出動でもいいんだが,富裕層への課税強化を同時にやっちゃダメなの?

2016-06-17

1.0から学ぶJava

タイトルを見て釣られクマーな皆さんこんにちは

ホッテントリメーカーで作るような煽りタイトルって、みなさんもう見飽きてると思うんですよね。

今調べたらホッテントリメーカー2008年だそうで。どうりでねー。古臭いなーと思いましたよー。

「一から学ぶJava」ってのをね、1.0にするだけでこんなに素敵なタイトルになるんだから面白いですねー。

タイトルを思いついただけだったんですけど、思いついたらやっぱりちゃんと中身も書かないと行けないじゃないですか。やだー

面倒くさいんですけどね。ちょっと1.0から学んでみましょうか。

Java 1.0 1996年1月23日

Javaの1.0がリリースされたのは1996年1月23日ですね。発表されたのが1995年5月23日でJavaの誕生日といった場合にどちらを取るかで揉めることがあります。

かれこれ20年前なわけで、当時のパソコンというとハードウェアはCPU が Pentium 133MHz メモリ16M とかそんな感じだったかなあ。今どきの携帯電話の例としてiPhone 6sを挙げるとCPUが1.85GHz メモリ 2G ってんだから凄いですね。OSは1995年11月23日リリースされたWindows95とかそんな時代背景です。インターネットがようやく一般に普及し始めたところでしょうか。

今から思うと相当弱いハードウェアですけども、そろそろVM方式を採用しても良さそうな、そんな時代でした。インタープリタだと流石に遅い、でもC言語のようなコンパイル言語だと"Write once, run anywhere"とはいかない、という判断もあったのだろうと思います。Javaが純粋なオブジェクト指向言語ではなくintなどのプリミティブ型を持つというのは、当時のマシンスペックを考えた場合、ある程度妥当な判断だったと言えるでしょう。これが後々苦しくなってくるわけなのですが。

Javaを作った会社はSun Microsystems(サン・マイクロシステムズ)というアメリカの会社で、2010年1月27日オラクルにより吸収合併され今はありません。SolarisというOSとSPARCプロセッサでUNIXサーバーの販売で90年代後半までは一人勝ちのような状況だったと聞きます。当時にすでに「ネットワークこそがコンピュータ」(The Network is the Computer)というモットーを掲げてたんだからおかしい。1996年リリースのJavaが標準でネットワーク機能を備えていたのもこのあたりの思想から来ているのかもしれませんね。

当時のプログラミング言語としてC++が挙げられますが、C++でのプログラマへの負担といいますか、ヒューマンエラーの起きやすさといいますか、その辺を改善する目的で開発されたのがJavaだったわけです。

1996年の時点にこんな言語が登場したのですから革新的でした。

いろんな企業がJavaに賛同します。その中にはMicrosoftもありました。この時期、Microsoftは次期のWindows開発用のプラットフォームにJavaを据えようと考えていました。その後、袂を分かつことになるのですが……。

プログラム言語として構文などを見ると、C++を強く意識した構文なのは間違いなく、しかしポインタ演算を廃してポインタを機能を限定した「参照」に置き換えるなど簡素化が多く見られます。C++からはいろんな機能が削られています。関数ポインタ、構造体、演算子オーバーロードテンプレート((テンプレートについては実装が間に合わなかったという話を聞きます))などなど。そのためC++の劣化であるように揶揄する人もいますが、こうしたものを捨てて言語仕様を比較的小さくシンプルに抑えた点は評価に値すると思います。しかし、今でもこうした削減された機能を愛する人からはJavaを腐す要素として挙げられてしまうのでした。

Java 1.1 1997年2月19日

Wikipediaからピックアップすると1.1での大きな機能追加は

といったところです。当初よりJavaの内部文字コードUnicodeで文字を表すchar型は16bitで設計されていました。Unicodeは当時それほど普及しておらず、Unicode対応のテキストエディタさえ少なかったと記憶しています。時代を先取りしていると言えますが、大きな誤算はUnicodeが当初16bitのコードポイントに世界のあらゆる文字を格納しようとしていたことで、漢字圏の我々からすると16bit=65,536程度の空間に文字が全部入るわけないだろ!というものだったが故に早々に破綻し、Unicodeは21bitのコードポイントに拡張されることになるのです。これはまた後の話。

なんにせよ、日本語が対応されたのは1.1からで、日本でのJavaの採用が始まったのはこの頃からと言えましょう。

当時のJavaのGUIはAWTというものでしたが、これを用いたGUIの開発は当時は結構行われていたイメージですね。Visual BASIC でGUIを作るプロダクトも結構あったと思います。GUIのためのオブジェクト指向言語としてJavaが使われていたイメージがありますね。JavaBeansもそのための仕様でした。件のsetter/getterの話題に繋がっていくのですが。

JDBCはJavaとデータベースをつなぐインターフェースです。RMIではあるJava VMから別のJava VMにオブジェクトを送って実行する、といったことができます。こうした機能が用意されたことで、ソフトウェアフロントとしてのGUI、裏方の実装のためのネットワーク機能、データベース機能、さらにはソフトウェアを配布するためのJava Appletという布陣でJavaでのソフトウェア開発が加速していた時代といえます。

Microsoft Visual J++ もこの時代ですよ。

Java 1.1以降のバージョンのものは互換性確認のためにOracle Java Archiveからダウンロードすることができ、今でも入手することができます。もちろん、Java7ですら2015年4月にEOL(End of Life,サポート終了)となっているので、通常利用するのはJava8としてください(本稿執筆時点)。

当時のドキュメントを見るのも一興です。現在と比べると標準APIがかなり小さい。なお、当時のjavadocは今とはデザインが大きく異なります。

  • java.applet
  • java.awt
  • java.awt.datatransfer
  • java.awt.event
  • java.awt.image
  • java.beans
  • java.io
  • java.lang
  • java.lang.reflect
  • java.math
  • java.net
  • java.rmi
  • java.rmi.dgc
  • java.rmi.registry
  • java.rmi.server
  • java.security
  • java.security.acl
  • java.security.interfaces
  • java.sql
  • java.text
  • java.util
  • java.util.zip

この時代であれば、全パッケージを舐めて標準APIを学ぶこともそう難しくはありませんでした。この時代から触っている人間は新バージョンが出るたびに増えるAPIを順に学んでいけたのです。しかし、現代にJavaを学ぶ場合、どのバージョンでは何があって……というのをいちいち学ぶ必要はほぼありません。Java5以前は一緒くたでいいと思いますし、一部のAPIで歴史的経緯があってねーというのを知っていればおそらく十分ではないでしょうか。

Java 1.2 1998年12月8日

strictfpキーワード浮動小数点演算をやる人は覚えておきましょう。JavaはパフォーマンスのためにCPUの浮動小数点演算を扱うことが許されており、そのため実行するCPUによって精度が異なることがあるんですね。まあ今時のCPUだと大丈夫だとは思うんですが。

リフレクション機能ではJavaのクラスを抽象的に扱うことができます。設定ファイルに書かれたクラス名のclassロードして実行する……みたいなことができるんですね。フレームワーク的なものを作る場合には多用することになります。

1.2からは新しいGUIのSwingが採用されました。AWTがOSごとのGUIパーツを用いていたためデザインに違いがあったのに対し、Swingでは統一的なルック・アンド・フィールが用いられるようになりました。まぁ今ならJavaFXを使うのが良いと思います。

初期のJavaはやはりVM方式の実行速度の遅さが指摘されていました。実行時の構文解析を伴わないだけインタープリタよりは早いものの、実行バイナリを作るC/C++よりは遅い、そうした評価です。ここではサン・マイクロシステムズのVMにJIT(ジャストインタイムコンパイラ)が乗ったことが挙げられていますが、JIT自体は別の会社が先駆けて開発していたことは記しておきたいと思います。

JITコンパイラは実行時にJavaのバイトコードを環境のネイティブコードコンパイルして動かす技術です。この後、JITコンパイラ、動的再コンパイル技術、世代別ガベージコレクションを備えたHotspotといった様にJavaVMは進化していきます。現代では実行時の最適化が進み、大きなスケールで見た場合、Javaの実行速度はC/C++での実装と比べてそれほど遅れるものではありません。遅くても倍の時間は掛からない程度といったところでしょうか。

あとは特記すべきはコレクションフレームワークです。皆が多用しているであろうjava.util.Listやjava.util.Mapといったライブラリが整備されたのがこの時なのです。それ以前はjava.util.Vectorやjava.util.Hachtableというクラスが可変長配列の機能を一手に担っていました。今ではVectorやHashtableは使うべきではありません。

Microsoft 離反

Java の開発はSun Microsystems が主導していたけども、すべてがSunのものだったというわけでもなく。Javaには多くの会社が出資していてその中のひとつMicrosoftだったわけですね。

Microsoft の Visual J++ では delegate とか独自機能拡張もありましたけど、裁判で問題になったのは J++ でコンパイルしたclassファイルMicrosoftのVMでしか動かないという部分ですね(他社製のVMで動くclassファイルを作ることもできる)。classファイルがどこのVMでも動くの大事だろ、"Write once, run anywhere"だろ、お前何してくれてんの!と喧嘩になったわけです。当時のMicrosoftブラウザまわりでも独自拡張がやりたい放題、標準規格?なにそれ美味しいの?みたいなスタンスをあちこちで見せていたものです。

結局、この事件でMicrosoftのJavaはバージョン1.1相当でストップ。好き勝手にやれないなら独自に言語作るわーとばかりに.NET フレームワークと C# といった方向に舵を取ります。

JavaがPC上でのUI開発の主力になろうとした勢いはここで潰えます。

Java EE

Java SE とは別にこの時代に Java EEリリースされていることは特記しておきたいですね。これ以後、それまでのCGIに取って代わって、JavaはWebサービスの開発のプラットフォームとして多用されるようになります。

2000年あたりからはJavaはGUI開発というよりは、Webサービスの開発が主流という流れになっていきます。インターネットサービスが非常に発達していった時代、背後ではとてつもない量のJavaのプログラムが支えていたわけです。ただまあ、こうした産業利用は一般的ユーザーの目にはあまり入らないわけです。一般人からすればJavaといえばJava Appletみたいなイメージはずっと残っていたでしょうが、実体としてはJavaといえばServletという時代になっていたわけです。

企業で用いられる社内システムにもServletは多く採用されました。

理由はいろいろ挙げれると思うのですが

というのが大きな理由だろうと思います。JSPというテンプレートエンジンを用いてHTMLを整形してWebページを作り出す、というアーキテクチャある意味では便利で簡単でした。

もっともHTMLの表現力に足を引きずられるため、GUIの機能性という点では後退したわけなのですが。それでもメリットが大きいと判断されたのでしょう。というか、まともにGUIを組めるプログラマがほとんどいないから、GUIのシステム開発がなかなか成功しないってのもあったんでしょうけどね。

iアプリ Javaアプリ EZアプリ

2000年あたりというと携帯電話の普及も取り上げなければなりません。現代のスマホガラケーに比べれば非常に機能は貧弱で、まさに携帯「電話」でした。要するに電話とメールぐらいしかできなかったんですね。

そこにdocomoiアプリJフォン(ボーダフォンを経て現ソフトバンク)のJavaアプリ、auのEZアプリという携帯電話上でちょっとしたアプリが動くよ!というのが乗るようになってきたんです。これがJavaを組込み用途にコンパクトにしたJava MEというものが土台となっていて(正確にはiアプリちょっと違う)Servletと並ぶJava言語の大きなもうひとつの領域となっていました。

iアプリは当初は容量が10k byteまでといった制約があり、容量制限が非常に厳しかったのですが、新機種が出るたびに容量は緩和されていきました。

docomoiアプリ含めiモードによって一世を風靡します。こうした土台を作ると、その上で商売をしたい人がたくさんやってきて、勝手にコンテンツを作ってくれる。docomoはそれらから手数料を取るので労せずして大金を稼げるというわけです。賭場の胴元というわけです。

この賭場が、将来にAppleiPhone, GoogleAndroidに荒らされることになります。docomoがなかなかiPhoneを出さなかったのもiモードという自前の賭場を失うことを良しとしなかったためです。金づるを失ったdocomoSamsungと組んで独自の携帯向けOSであるTizenの開発に乗り出します。そんなTizenですが鳴かず飛ばず。噂ではインドあたりではリリースされたとか、なんとか。

RIA時代

話を2001年に戻しましょう。

Microsoft離反でGUIのプラットフォームとしてのJavaというものは存在感を弱めていました。この分野の復権に寄与したのはJava 1.4 (2002年2月6日)で導入されたJava Web Startです。

Java Appletブラウザ埋め込みで動作したのに対し、Java Web Startではブラウザから起動しつつも独立したアプリとして起動するのです。

Webシステムが企業の社内システムに採用された話は先に述べたとおりですが、やはりWebシステムのGUIというのはHTMLに引きずられて貧弱だったんですね。

端的に言えば入力値が数字かどうか?みたいなチェックがなかなか難しい。HTML上でJavaScriptでやるわけなんですが、なかなか気持よく入力できるような感じにはならなかったんですね。

また、Ajaxによるブラウザのページ遷移を伴わない通信というのが出てきたのも2005年ぐらいなので、入力値に対してサーバ問い合わせするようなことはできなかった。当時だと一旦画面遷移させないとできなかったわけです。

こうした事情から、クライアントサイド、要するにPC側でもっとリッチなUIが使いたい!という要望があったわけです。Webシステム使いにくい!という不満の噴出と言ってもいい。そこで出てきたのがRIA (Rich Internet Applications)というわけです。

Javaは1.0時代のAppletからそうですが、ネットワークを介して別のPCにプログラムを送り込み、そこで動作させるという能力を持っていました。それこそまさにRIAに求められる機能性だったわけですね。

RIAの代表とされるのは

あたりです。三つ巴の戦い、どこに軍配が上がるのか!?と注目されましたが、勝利したのはHTML / JavaScriptでした。

Google MAP で注目を浴びたAjax技術、それまでブラウザでは不可能と思われていた高級なGUIをHTML / JavaScriptで実現させました。もうやめて欲しいですよね。せっかく脱ブラウザの流れが来たと思ったのにまたWebシステムに逆戻りですよ。

RIAが失速した理由として考慮して置かなければいけないのはスマートフォンの台頭です。RIAでは端末を選ばずどこでも同じアプリが動かせる点がポイントひとつでしたが、スマートフォンではそうは行かない。"Write once, run anywhere"を破壊したのはスマートフォンだったというわけです。

しかし、先日インストールなしでアプリを実行するAndroid Instant Appsが発表されたりしまして、結局RIAの思想といいますか、要求というのは今でも息づいているのだなと思った次第です。

Java 5 (2004年9月30日)

1.3 / 1.4 では機能追加はあっても言語構文が大きく変わることはありませんでした。大きく変わったのはJava 5です。この時からバージョニングが変わって1.5ではなく5と表記されるようになりました。

Java5の特徴はなんといってもジェネリクス。それまでjava.util.Listにデータを出し入れするのにはキャストが必須だったわけですが、ようやくキャストから開放され型の安全度がぐっと高まりました。その他に以下のような変更があります。

言語としては随分変わっったわけですが、もうかれこれ10年以上前のことですからこれらの機能が「Java5から導入された」という知識は今となってはあまり必要とされません。これらの機能が使えないJava 1.4で開発をする事案が殆ど無いからです。0ではないのが悲しいところではありますが。

その後

Java 6 (2006年12月11日)がリリースされた後、Java 7 (2011年7月28日) が出るまでJavaは停滞してしまいます。その間にSun Microsystemsという会社がなくなってしまったためです。

Sun Microsystems の経営状況が悪化しており、ついに身売りをすることになりました。身売り先はIBMともGoogleとも噂されましたが結局2010年1月27日オラクル吸収合併されました。

Javaの停滞中にはJava VM上で動く非Java言語も台頭してきました。Scalaなどですね。

やや戻って2007年Androidが発表されます。Androidの開発言語にはJavaが採用されていますが、実行環境はJava VMではなく、ライセンス的な事情でJava(TM)は名乗らない微妙な位置関係にあります。

Java 5 以降で大きく言語仕様に手が入るのは Java 8 (2014年3月18日)です。並列処理を行うためのStream APIと、そのために簡易に関数を定義するためのラムダ式が導入された点が大きいですね。日付APIも刷新されました。

このように、Javaは1.1の黄金時代から今に至るまで利用ジャンルを転戦しながら産業の土台となって支えてきた歴史があります。ジャンルの趨勢により浮き沈みもあります。今後についても決して楽観視はできないでしょう。Javaを学ぶことはプログラミングを学ぶステップとしては意義はあると思いますが、Javaを学べばゴールというわけではありません。プログラム言語次世代へと移りつつあります。業界動向には注視していきましょう。

2013-08-20

エンジニア彼女時間を取られる件で

http://anond.hatelabo.jp/20130817134551

あくまで一例だけど、私の場合学生の時の彼女がそうだった。ずっと一緒にいたい、全力で甘える事をここに誓います、って言われた。うひゃ。

その当時、Linuxはまだオモチャ扱いだったんだけど徐々に安定してきてる時期で「これを習得すると就職にも有利だと思うんだよ」って説明してもダメだった。

長期的な視点が無いというか、目の前の寂しさが嫌みたいな感じだった。

彼女の事きらいじゃないけど、ずっと一緒ってのは。。。 一人で集中していろいろ調べたい時だってあるし。

自分母親も父親に頼りがちであり、更に愚痴をいうタイプだったんで「男女ってこういうものかな?」と思って付き合ってた。

結局、いろいろあって分かれてしまったが。

でね、分かれた後に気づいたんだけど自由な時間が多いって凄い開放感だった。

それまで細切れの時間検証していたことが、気の済むまで検証できる。ちょっとびっくりした。一瞬、加速した感じがした。一週間くらいで慣れたが。

もちろん彼女と付き合うことで得られた経験も大きい、けど時間があるってのも大きいと思うよ。

(なので、個人的には独身を選ぶエンジニアは割と合理的ではないか結婚するエンジニアは何らかの狂気を踏み越えたのではないか、と思ってる)

落胆もした。 彼女と別れて全力でLinuxいじってたりする訳で、なにやってんだろーな、と。幸せ結婚なんてできないよな、とか。

私の段取りが悪いのか、記憶力が悪いのか、いろいろ手を動かしながら試したことの方が記憶に残るんだよね。

はてブコメントを見て、すみませんって感じになりました。

まぁ世の中、優秀な人はいっぱいいるよね。 私は優秀な部類ではないのだけれど、生き延びてはいる。

それから就職してお見合い結婚した。

で、思うのは、そういう『相手の時間を奪う事に頓着しない』というのは、人による、ということ。

当たり前なんだけど、前の彼女と嫁さんは全然違ってた。

PCITには詳しくないんだけど、仕事に使えそうって事で学習に対しては理解がある。 ホント、人による。

お付き合い開始当初、自宅サーバ玄箱で9台くらいあったんだけど「こうして見ると意外と可愛いですね」とか言ってた。

あれ、そう? 言われてみると、そうかも。

Sun Microsystems Ultra 30は「この紫は綺麗ですね」とか言ってた。うむ、これは私にも分かる。

もし君が彼女結婚している生活が描きにくいと苦しんでいるのなら、たぶん結婚しても苦しいんじゃないかと思う。

私は別れるのもアリだと思う。 良くない組み合わせってあるんじゃないかな。

(もちろん頑張るのも否定はしません。それで得られるものもあると思いますよ)

あと彼女と別れて「もう結婚できないかもしれない」って不安があったりしますかね?

というか、私は結婚はできないと思ってた。ぶっちゃけネックレスプレゼントするくらいならメモリ買うよなと思ってたし、

出会いがあっても上手くできる自信もなかった。

ただ、うーん、学生時代彼女と、その後も付き合い続けたとしても、私は独身Linuxアニメ見る生活の方が楽しかったよな、と思う。

結婚しなくても幸せになる方法はある。 私は学生時代彼女結婚しなくて幸せになったと思う。

別れを薦めてたりしているので、逆に結婚に関してもコメント

女性男性に期待するのは「経済力」「職業」「学歴

 http://goo.gl/g3jMM 女性92.1%経済力も理由に配偶者を選択するが、男性は30.2%でしかない

注目すべきことは、女性おいては、これらに加えて相手の「学歴」、「職業」及び「経済力」について、重視又は考慮すると回答した割合が高い点である

学歴がある程度職業選択に結び付き、また職業に応じた所得格差存在することを踏まえると、

後で見るように、結婚生活おいては夫が家計収入を稼ぐべきという意識女性は持っていると言うことができる。

 ・男性女性に期待しているレベルをよく見て欲しい。これが君の感覚。 それから女性の側が期待しているレベルを見て欲しい。女性がどれだけ男性を厳しい目で見ているのか分かる。ハードル高い。 逆に男性は割と女性にこだわりがないというか守備範囲ひろい。

 ・女性は「自分より年収の高い男性を選ぶ傾向」がある。社会学で上昇婚、ハイパーガミー( http://goo.gl/AyHms1 http://goo.gl/OxkU3p )と呼ばれる傾向。

  この傾向はどの文化でも見られるが日本では強い傾向がある(Buss&Schmitt1993 http://goo.gl/dL4T1z のP21)。中国でも強いようだ。

 ・学歴職業も変えてもいいんだけど、まぁ変えないとして考えてみよう。

  変わりそうな部分は年収かな。 でも年収もあがらないかもしれない。

女子上昇婚の傾向だが、もうひとつ傾向があって「極端な上昇は考えてない」

 ・例えばベッカムイケメン高収入だが、すべての女性ベッカムに「求婚する訳ではない」「結婚できるとは思ってない」

  これは当たり前で、よほど自信があるか、馬鹿じゃないかぎり求婚はしない。そして自信家な女性ばかりではない。

  ・男女共にその傾向は見られるが、

   一般的には「自己評価が高い人間は相手にも高いものを求める」「自己評価が低いと、相手に求めるものも低い」(Buston and Emlen 2003)

   ・つまり女性観点では「自分よりちょっと上なら良い」となる(高学歴女性結婚の難しさがここにある)

  ・男性観点でみると「自己評価が低い女性」の方がハードルが低い(重要)

自己評価が低い女性はどこにいるのか?

 女性自身自己評価を決める要因を考えると「化粧をする」「流行の服を着る」「セクシー(or 清楚系)な服を着る」といった容姿に掛かる部分と、女性自身年収もあると思う。

 いやほら女性観点で考えると「自分より低い年収男性」って嫌でしょう。 女性自身年収も基準になっているのです。

 男性観点では年収の低い層をターゲットとして考えた方が良い。

 ・このため職場結婚は成立しにくくなったと思う。

  職場で男女間賃金格差がある場合は、寿退社もありえたが、格差がなくなると「女性のお眼鏡にかなう男性がいなくなる」

 ・どの辺に賃金の低い女性がいるのか。

  ぶっちゃけていうと正社員女性賃金は男女かなり近いレベルになってきている。IT系なら尚更だと思う。

  低賃金女性非正規雇用(パートフリーター)に偏ってる。

  女性最低賃金が130万円ほどになってしまう理由として配偶者控除の問題( http://goo.gl/masMqF )がある。

  旦那がいる女性は良い、旦那収入があるので。 が、独身女性は辛い、貧困に落ちてしまう。

  そういった女性結婚するのはお互いに幸せが増えることだと思うよ。

お見合い結婚している私がいうのもなんだが、出会うのが難しいってのはあると思う。

上記の理由や、セクハラの問題で、職場結婚ってのも難しくなってしまっているしね。

ただ最近女性結婚に対してポジティブになりつつあるし、婚活の開始年齢も早くなってる。

社会のありようも変わりつつあるし、そういうシステムパートナーを見つけるのも徐々に現実的になってくるんじゃなかろうか。

スーパー喫茶点でナンパって難しいかねぇ。 いやウチの嫁さん、出会った頃はレストランのウェートレスだったのです。

上記の条件的にかなり優良物件であると思われ、また生活も苦しいため自炊能力も高かったので、お付き合い開始後、全力でお付き合いさせていただきました。

なんかさ、ほんのちょっとの事で喜んでくれるのよ。花を買ったり、果物を持って行ったり、外食したりで喜んでくれたりする。

あと結婚すると毎月、お金を手渡しで渡のだけれど、十数万とか渡すじゃない。ボーナスなんかだと数十万くらい「お願いします」って渡すわけ。

で、彼女人生の中で、そんなお金を渡す男性っていなかった訳で。 なんか最初の時はよく分からない風であった。

で、君の「世のお父さんエンジニアはどうやって勉強時間を確保しているの? 」という問いなんですが、37歳既婚一児の父のやってる事

水曜日午後、半休とって学習に当ててる

 ・子どもができると土日に学習ができなくなるので週の真ん中を当ててる。保育園に迎えに行く時間まで学習に当てられる。

  あと水曜日に休むと、木金に疲れなくなるので、仕事を増やせる

  勤務時間出産前と変わらない。 有給という形をとっているので残業手当が増えてしまってはいるが...(すみません)

  ・ただ木金を疲れずにまとまった時間、集中して仕事できるようになったので、自分仕事は進むようになった。

   (いやさ、やっぱキリのいいところまで進めたいじゃないですか。 翌日、次のフェーズに進めるし...)

  子どもができるとサイボウズ社長のように水曜日全休( http://goo.gl/S4N12F )したいしたいところだが、午前中、出社するとメールでの応答ができるので仕事が進んだりして悩ましい感じ。

  つーか、週一で有給消化は多いような、悩ましいが。

通勤時間Androidのankiで学習してる。

 lamaってアプリを入れて、「ある駅に来るとankiを起動する」みたいにしてる。起動するのも面倒だし。

 ・サイトの巡回なんかも移動時間だね。

どの程度の学習時間必要か?は人によって異なると思う。 君が「ある程度、時間が欲しいよ」って思うなら、そうなんだと思うよ。私もそうだし。

限られた時間の中で嫁さんの幸福量を増やすためには、なんだけど、夫の家事参加はあんま嫁の幸せ関係がない。

この辺( http://goo.gl/ND21y )にも転記したんだけど

https://twitter.com/han_org/status/90374472095371265

でも、夫婦の接触時間夫婦関係満足度ほとんどなんの影響も与えない。 ベータ係数をみると、夫の情緒サポートけが他を圧倒する影響を示している。

https://twitter.com/han_org/status/90367934932856833

稲葉さんのディストレスの調査にせよ、婚姻関係の安定性に関する調査にせよ、やる調査やる調査、ことごとく、夫の情緒サポートが圧倒的に強い影響を示しますね。夫がきちんと愚痴を聞く夫婦ほどストレスなく安定する。夫の家事参加や上司サポートなんてほとんど影響を及ぼさないのに。

私の嫁さんを観察していてもそう思う。 彼女の話を聞けてないな、と思うと不機嫌指数が高くなるようだ。

まり認めたくないが、みのもんたが言っていた「旦那もっと話をするべきだ」的なことはあながち間違っていないのかもしれない。

エンジニアって一人の時間必要だと思う。 成長のために。

悲しいけどそういう「自己投資必要」みたいなのが理解できる女性は少ないのよね。

あと、この辺は子どもが出来る前に話しておいた方がいいと思う。 子どもができると嫁さんも大変だし。

それと家事は分担ではなく『一緒にやった方がいい』と思う。

結婚式前、祖母に「幸せ夫婦になるためにはどうすればいいかねぇ?」に対する返答がこれだった。

結局、わりとすぐ逝ってしまったので遺言みたくなってしまった。

実際やってみると、女性観点でみると「家事をしてくれてる」って印象に残りやすい、という事がわかった。

分担ではないよ。可能なら一緒に、彼女の目の前でやるのが良い。 子どもができると、それも難しくなるけど出産前の関係性も重要かと思う。

あと下の方のトラバで「多分その夫はPCに向かっている80%ははてなとか2chとかしていると思う。」

うん、そうそう。 以前、まとめサイトを見ていたのが見つかったとき、嫁さんは寂しそうだったがポモドーロテクニックの話をした。

まり20%程度は息抜きをしたほうが効率は良いかもしれませんよ、と。

それと嫁さんとは敬語で話している。 全部ではないけど。

世のカップル喧嘩を調べてみると、言葉遣いが原因のケースが多いように見える。嫁さんに説明、お互いロールプレイ敬語生活を始めてみた。

第三者から見た我々は「旦那が嫁さんをとても大事にしているように見える」ようだ。

なぜか嫁さんも嬉しそうだった(褒められているのは私の方だったが)

あと私観点だと萌える。 申し訳ないな、とは思うが、メガネの嫁さんに敬語で怒られると萌える。いつもごめん。

リアル嫁に萌えるってこともあるんだな、って不思議感覚だった。

電波オデッセイ 長野のりこ」だったかな、不確かなんだけど、家族を捨てた旦那が戻ってきて「俺もさ、やりきっちゃえば良かったんだよな父親の役を。でもあの時はできなかった」みたいな事をいっていたのを思い出した。

結婚生活ってロールプレイだと思う。 なかなか父親をやりきるのも大変ではあるだろうが。

あと旅行プランニングって難しくない?私は難しい。 できる人を尊敬する。

彼女の方が上手かったら彼女さんにしてもらうのも良いのではないかな( http://goo.gl/OClgmp )

うーむ、これは彼女さんによるか... でも女子旅なども増えておるし、どちらかというと女性の方が旅慣れているケースが増えているのではないかな。

それと限られた時間子どもと嫁さん、どちらに割くかと考えると、子供より嫁の方が大事( http://goo.gl/E2Eqg )だと思ってる。

あれから数ヶ月たったけど、関係性は悪くないと思われる。

嫁さんが第二子を希望している、というのも彼女観点で現状を肯定的に捉えているのではないか、と。

育児に不満をもつ母親は第二子を希望しにくい、という統計があったような...

バレンタインデーは「私も愛していますよ」という手紙付き、手作りケーキだった。

(もちろん、将来が約束されている訳ではない)

あと個人的に出産前、読んでおいて良かったなと思ったのは「ぢごぷり 木尾士目」。あまり男性作者の育児マンガってないんじゃないかと思う。

母親ではない者が育児に参加する難しさ」を認識できて良かったなと思う。産後は読む時間ないし。

あれの漫画面白いなと思ったのは男女の話になってないところ。 男女の話にすると5年生みたいな話になりそうだ(好きだけど)

話がそれてしまってきたのでこの辺で。 お仕事がんばらねば。

2009-11-25

事業仕分けスパコンの話を国の下請けクソミソソフトウェア開発現場

事業仕分けスパコンの話をクソミソソフトウェア開発現場から思う:

ぼくは下請けソフトウェア会社経営している。

たまに見積もりを出すとき、SIの会社から、こういう話をされる。

「あー、この案件、国の案件だからさー、見積もりはもっともっと、積んでもいいよ。高ければ高いほどいいし。おれらは、それにXX%乗せるだけだから、高いほうがいいんだよ。」

「と、いいますと?」

ぶっちゃけ、もう一桁、上でもいいよ。」

幽霊(実際いない人月)だいぶ、積みますけど。」

「ああ、いいよいいよ。」

1人月200万の幽霊エンジニア部隊が書かれた見積もりをぼくが書き、下請けSIerがそれに何割か上乗せした金額を上になげ、さらに何割か上乗せした金額を大手SI子会社の中受けSIer見積もりを書き、さらに元受の大手SIerが何割か乗せて、国に出す。つまり、最初のぼくの見積もりから累積的に上乗せするので、ぼくの価格が高ければ高いほど、みんなが潤うのだ。仮に30%づつのせたら、すでに倍くらいにはなってることになる。場合によっては、もっと乗せる人もいる。

国がカネを出す案件ならば高い見積もりを出せば出すほどいい。IT業界常識だ。彼らはわかってないから値段の理由なんていくらでも言いくるめられる。そんな空気がある。

スパコンもそうだと思う。公式サイトによると、富士通SPARC64TM Ⅷfx、8コア、128ギガFLOPSを使うらしい。

http://www.nsc.riken.jp/pamphlet2009/p5.html

これの前のSPARC M4000/M5000のCPUで2.5GHz*2のCPU「だけ」で一個400万。(ただし、Sun Microsystems製)

http://tinyurl.com/yjy3jqn

実際に搭載されるCPUは、これよりも性能が高く、これよりもっともっと高いんだと思う。もちろんスパコンなので、これを何百個も、何千個も使うんだろうけど、別にこんな価格性能比の悪いCPUを使う必要があるのか分からない。世界スパコンの多くは価格性能比がいいインテルAMDなのに、なぜか富士通SPARCなのは、謎だ。

http://japan.cnet.com/blog/kichi/2009/11/21/entry_27035470/

けど、高ければ高いほどいいのだ。

お国プロジェクトはそんなものだ。

廃止とか、凍結じゃなくて、適正価格かどうか調べる人の方が大事だと思う。

以下、Wikipediaより、

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%8E%E7%94%A8%E4%BA%AC%E9%80%9F%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%A9%9F

他の世界トップランクスパコン建設費用とは桁違いの巨額の約1150億円(TOP500で現在世界2位のRoadrunnerでも118億円程度)の予算が投じられてスパコン世界ランク1位を目指す予定[1]である。

上乗せが上乗せを呼んでいるのかもしれない。

2009-11-14

Top500

Rank Site Computer/Year Vendor Cores Rmax Rpeak Power1 DOE/NNSA/LANL

United States Roadrunner - BladeCenter QS22/LS21 Cluster, PowerXCell 8i 3.2 Ghz / Opteron DC 1.8 GHz, Voltaire Infiniband / 2008

IBM 129600 1105.00 1456.70 2483.47

2 Oak Ridge National Laboratory

United States Jaguar - Cray XT5 QC 2.3 GHz / 2008

Cray Inc. 150152 1059.00 1381.40 6950.60

3 Forschungszentrum Juelich (FZJ)

Germany JUGENE - Blue Gene/P Solution / 2009

IBM 294912 825.50 1002.70 2268.00

4 NASA/Ames Research Center/NAS

United States Pleiades - SGI Altix ICE 8200EX, Xeon QC 3.0/2.66 GHz / 2008

SGI 51200 487.01 608.83 2090.00

5 DOE/NNSA/LLNL

United States BlueGene/L - eServer Blue Gene Solution / 2007

IBM 212992 478.20 596.38 2329.60

6 National Institute for Computational Sciences/University of Tennessee

United States Kraken XT5 - Cray XT5 QC 2.3 GHz / 2008

Cray Inc. 66000 463.30 607.20

7 Argonne National Laboratory

United States Blue Gene/P Solution / 2007

IBM 163840 458.61 557.06 1260.00

8 Texas Advanced Computing Center/Univ. of Texas

United States Ranger - SunBlade x6420, Opteron QC 2.3 Ghz, Infiniband / 2008

Sun Microsystems 62976 433.20 579.38 2000.00

9 DOE/NNSA/LLNL

United States Dawn - Blue Gene/P Solution / 2009

IBM 147456 415.70 501.35 1134.00

10 Forschungszentrum Juelich (FZJ)

Germany JUROPA - Sun Constellation, NovaScale R422-E2, Intel Xeon X5570, 2.93 GHz, Sun M9/Mellanox QDR Infiniband/Partec Parastation / 2009

Bull SA 26304 274.80 308.28 1549.00

11 NERSC/LBNL

United States Franklin - Cray XT4 QuadCore 2.3 GHz / 2008

Cray Inc. 38642 266.30 355.51 1150.00

12 Oak Ridge National Laboratory

United States Jaguar - Cray XT4 QuadCore 2.1 GHz / 2008

Cray Inc. 30976 205.00 260.20 1580.71

13 NNSA/Sandia National Laboratories

United States Red Storm - Sandia/ Cray Red Storm, XT3/4, 2.4/2.2 GHz dual/quad core / 2008

Cray Inc. 38208 204.20 284.00 2506.00

14 King Abdullah University of Science and Technology

Saudia Arabia Shaheen - Blue Gene/P Solution / 2009

IBM 65536 185.17 222.82 504.00

15 Shanghai Supercomputer Center

China Magic Cube - Dawning 5000A, QC Opteron 1.9 Ghz, Infiniband, Windows HPC 2008 / 2008

Dawning 30720 180.60 233.47

16 SciNet/University of Toronto

Canada GPC - iDataPlex, Xeon E55xx QC 2.53 GHz, GigE / 2009

IBM 30240 168.60 306.03 869.40

17 New Mexico Computing Applications Center (NMCAC)

United States Encanto - SGI Altix ICE 8200, Xeon quad core 3.0 GHz / 2007

SGI 14336 133.20 172.03 861.63

18 Computational Research Laboratories, TATA SONS

India EKA - Cluster Platform 3000 BL460c, Xeon 53xx 3GHz, Infiniband / 2008

Hewlett-Packard 14384 132.80 172.61 786.00

19 Lawrence Livermore National Laboratory

United States Juno - Appro XtremeServer 1143H, Opteron QC 2.2Ghz, Infiniband / 2008

Appro International 18224 131.60 162.20

20 Grand Equipement National de Calcul Intensif - Centre Informatique National de l'Enseignement Supérieur (GENCI-CINES)

France Jade - SGI Altix ICE 8200EX, Xeon quad core 3.0 GHz / 2008

SGI 12288 128.40 146.74 608.18

21 National Institute for Computational Sciences/University of Tennessee

United States Athena - Cray XT4 QuadCore 2.3 GHz / 2008

Cray Inc. 17956 125.13 165.20 888.82

22 Japan Agency for Marine -Earth Science and Technology

Japan Earth Simulator - Earth Simulator / 2009

NEC 1280 122.40 131.07

23 Swiss Scientific Computing Center (CSCS)

Switzerland Monte Rosa - Cray XT5 QC 2.4 GHz / 2009

Cray Inc. 14740 117.60 141.50

24 IDRIS

France Blue Gene/P Solution / 2008

IBM 40960 116.01 139.26 315.00

25 ECMWF

United Kingdom Power 575, p6 4.7 GHz, Infiniband / 2009

IBM 8320 115.90 156.42 1329.70

26 ECMWF

United Kingdom Power 575, p6 4.7 GHz, Infiniband / 2008

IBM 8320 115.90 156.42 1329.70

27 DKRZ - Deutsches Klimarechenzentrum

Germany Power 575, p6 4.7 GHz, Infiniband / 2008

IBM 8064 115.90 151.60 1288.69

28 JAXA

Japan Fujitsu FX1, Quadcore SPARC64 VII 2.52 GHz, Infiniband DDR / 2009

Fujitsu 12032 110.60 121.28

29 Total Exploration Production

France SGI Altix ICE 8200EX, Xeon quad core 3.0 GHz / 2008

SGI 10240 106.10 122.88 442.00

30 Government Agency

Sweden Cluster Platform 3000 BL460c, Xeon 53xx 2.66GHz, Infiniband / 2007

Hewlett-Packard 13728 102.80 146.43

31 Computer Network Information Center, Chinese Academy of Science

China DeepComp 7000, HS21/x3950 Cluster, Xeon QC HT 3 GHz/2.93 GHz, Infiniband / 2008

Lenovo 12216 102.80 145.97

32 Lawrence Livermore National Laboratory

United States Hera - Appro Xtreme-X3 Server - Quad Opteron Quad Core 2.3 GHz, Infiniband / 2009

Appro International 13552 102.20 127.20

33 Max-Planck-Gesellschaft MPI/IPP

Germany VIP - Power 575, p6 4.7 GHz, Infiniband / 2008

IBM 6720 98.24 126.34 1073.99

34 Pacific Northwest National Laboratory

United States Chinook - Cluster Platform 4000 DL185G5, Opteron QC 2.2 GHz, Infiniband DDR / 2008

Hewlett-Packard 18176 97.07 159.95

35 IT Service Provider

Germany Cluster Platform 3000 BL2x220, E54xx 3.0 Ghz, Infiniband / 2009

Hewlett-Packard 10240 94.74 122.88

36 EDF R&D

France Frontier2 BG/L - Blue Gene/P Solution / 2008

IBM 32768 92.96 111.41 252.00

37 IBM Thomas J. Watson Research Center

United States BGW - eServer Blue Gene Solution / 2005

IBM 40960 91.29 114.69 448.00

38 Commissariat a l'Energie Atomique (CEA)/CCRT

France CEA-CCRT-Titane - BULL Novascale R422-E2 / 2009

Bull SA 8576 91.19 100.51

39 Naval Oceanographic Office - NAVO MSRC

United States Cray XT5 QC 2.3 GHz / 2008

Cray Inc. 12733 90.84 117.13 588.90

40 Institute of Physical and Chemical Res. (RIKEN)

Japan PRIMERGY RX200S5 Cluster, Xeon X5570 2.93GHz, Infiniband DDR / 2009

Fujitsu 8256 87.89 96.76

41 GSIC Center, Tokyo Institute of Technology

Japan TSUBAME Grid Cluster with CompView TSUBASA - Sun Fire x4600/x6250, Opteron 2.4/2.6 GHz, Xeon E5440 2.833 GHz, ClearSpeed CSX600, nVidia GT200; Voltaire Infiniband / 2009

NEC/Sun 31024 87.01 163.19 1103.00

42 Information Technology Center, The University of Tokyo

Japan T2K Open Supercomputer (Todai Combined Cluster) - Hitachi Cluster Opteron QC 2.3 GHz, Myrinet 10G / 2008

Hitachi 12288 82.98 113.05 638.60

43 HLRN at Universitaet Hannover / RRZN

Germany SGI Altix ICE 8200EX, Xeon X5570 quad core 2.93 GHz / 2009

SGI 7680 82.57 90.01

44 HLRN at ZIB/Konrad Zuse-Zentrum fuer Informationstechnik

Germany SGI Altix ICE 8200EX, Xeon X5570 quad core 2.93 GHz / 2009

SGI 7680 82.57 90.01

45 Stony Brook/BNL, New York Center for Computational Sciences

United States New York Blue - eServer Blue Gene Solution / 2007

IBM 36864 82.16 103.22 403.20

46 CINECA

Italy Power 575, p6 4.7 GHz, Infiniband / 2009

IBM 5376 78.68 101.07 859.19

47 Center for Computational Sciences, University of Tsukuba

Japan T2K Open Supercomputer - Appro Xtreme-X3 Server - Quad Opteron Quad Core 2.3 GHz, Infiniband / 2009

Appro International 10368 77.28 95.39 671.80

48 US Army Research Laboratory (ARL)

United States Cray XT5 QC 2.3 GHz / 2008

Cray Inc. 10400 76.80 95.68 481.00

49 CSC (Center for Scientific Computing)

Finland Cray XT5/XT4 QC 2.3 GHz / 2009

Cray Inc. 10864 76.51 102.00 520.80

50 DOE/NNSA/LLNL

United States ASC Purple - eServer pSeries p5 575 1.9 GHz / 2006

IBM 12208 75.76 92.78 1992.96

51 National Centers for Environment Prediction

United States Power 575, p6 4.7 GHz, Infiniband / 2008

IBM 4992 73.06 93.85 797.82

52 Rensselaer Polytechnic Institute, Computational Center for Nanotechnology Innovations

United States eServer Blue Gene Solution / 2007

IBM 32768 73.03 91.75 358.40

53 Naval Oceanographic Office - NAVO MSRC

United States Power 575, p6 4.7 GHz, Infiniband / 2008

IBM 4896 71.66 92.04 782.48

54 Joint Supercomputer Center

Russia MVS-100K - Cluster Platform 3000 BL460c/BL2x220, Xeon 54xx 3 Ghz, Infiniband / 2008

Hewlett-Packard 7920 71.28 95.04 327.00

55 US Army Research Laboratory (ARL)

United States SGI Altix ICE 8200 Enhanced LX, Xeon X5560 quad core 2.8 GHz / 2009

SGI 6656 70.00 74.55

56 NCSA

United States Abe - PowerEdge 1955, 2.33 GHz, Infiniband, Windows Server 2008/Red Hat Enterprise Linux 4 / 2007

Dell 9600 68.48 89.59

57 Cray Inc.

United States Shark - Cray XT5 QC 2.4 GHz / 2009

Cray Inc. 8576 67.76 82.33

58 NASA/Ames Research Center/NAS

United States Columbia - SGI Altix 1.5/1.6/1.66 GHz, Voltaire Infiniband / 2008

SGI 13824 66.57 82.94

59 University of Minnesota/Supercomputing Institute

United States Cluster Platform 3000 BL280c G6, Xeon X55xx 2.8Ghz, Infiniband / 2009

Hewlett-Packard 8048 64.00 90.14

60 Barcelona Supercomputing Center

Spain MareNostrum - BladeCenter JS21 Cluster, PPC 970, 2.3 GHz, Myrinet / 2006

IBM 10240 63.83 94.21

61 DOE/NNSA/LANL

United States Cerrillos - BladeCenter QS22/LS21 Cluster, PowerXCell 8i 3.2 Ghz / Opteron DC 1.8 GHz, Infiniband / 2008

IBM 7200 63.25 80.93 138.00

62 IBM Poughkeepsie Benchmarking Center

United States BladeCenter QS22/LS21 Cluster, PowerXCell 8i 3.2 Ghz / Opteron DC 1.8 GHz, Infiniband / 2008

IBM 7200 63.25 80.93 138.00

63 National Centers for Environment Prediction

United States Power 575, p6 4.7 GHz, Infiniband / 2009

IBM 4224 61.82 79.41 675.08

64 NCAR (National Center for Atmospheric Research)

United States bluefire - Power 575, p6 4.7 GHz, Infiniband / 2008

IBM 4064 59.68 76.40 649.51

65 National Institute for Fusion Science (NIFS)

Japan Plasma Simulator - Hitachi SR16000 Model L2, Power6 4.7Ghz, Infiniband / 2009

Hitachi 4096 56.65 77.00 645.00

66 Leibniz Rechenzentrum

Germany HLRB-II - Altix 4700 1.6 GHz / 2007

SGI 9728 56.52 62.26 990.24

67 ERDC MSRC

United States Jade - Cray XT4 QuadCore 2.1 GHz / 2008

Cray Inc. 8464 56.25 71.10 418.97

68 University of Edinburgh

United Kingdom HECToR - Cray XT4, 2.8 GHz / 2007

Cray Inc. 11328 54.65 63.44

69 University of Tokyo/Human Genome Center, IMS

Japan SHIROKANE - SunBlade x6250, Xeon E5450 3GHz, Infiniband / 2009

Sun Microsystems 5760 54.21 69.12

70 NNSA/Sandia National Laboratories

United States Thunderbird - PowerEdge 1850, 3.6 GHz, Infiniband / 2006

Dell 9024 53.00 64.97

71 Commissariat a l'Energie Atomique (CEA)

France Tera-10 - NovaScale 5160, Itanium2 1.6 GHz, Quadrics / 2006

Bull SA 9968 52.84 63.80

72 IDRIS

France Power 575, p6 4.7 GHz, Infiniband / 2008

IBM 3584 52.81 67.38 572.79

73 United Kingdom Meteorological Office

United Kingdom UKMO B - Power 575, p6 4.7 GHz, Infiniband / 2009

IBM 3520 51.86 66.18 562.60

74 United Kingdom Meteorological Office

United Kingdom UKMO A - Power 575, p6 4.7 GHz, Infiniband / 2009

IBM 3520 51.86 66.18 562.60

75 Wright-Patterson Air Force Base/DoD ASC

United States Altix 4700 1.6 GHz / 2007

SGI 9216 51.44 58.98

76 University of Southern California

United States HPC - PowerEdge 1950/SunFire X2200 Cluster Intel 53xx 2.33Ghz, Opteron 2.3 Ghz, Myrinet 10G / 2009

Dell/Sun 7104 51.41 65.64

77 HWW/Universitaet Stuttgart

Germany Baku - NEC HPC 140Rb-1 Cluster, Xeon X5560 2.8Ghz, Infiniband / 2009

NEC 5376 50.79 60.21 186.00

78 Kyoto University

Japan T2K Open Supercomputer/Kyodai - Fujitsu Cluster HX600, Opteron Quad Core, 2.3 GHz, Infiniband / 2008

Fujitsu 6656 50.51 61.24

79 SARA (Stichting Academisch Rekencentrum)

Netherlands Power 575, p6 4.7 GHz, Infiniband / 2008

IBM 3328 48.93 62.57 531.88

80 SciNet/University of Toronto

Canada Power 575, p6 4.7 GHz, Infiniband / 2008

IBM 3328 48.93 62.57 531.88

81 IT Service Provider (B)

United States Cluster Platform 3000 BL460c, Xeon 54xx 3.0GHz, GigEthernet / 2009

Hewlett-Packard 7600 48.14 91.20

82 Moscow State University - Research Computing Center

Russia SKIF MSU - T-Platforms T60, Intel Quadcore 3Mhz, Infiniband DDR / 2008

SKIF/T-Platforms 5000 47.17 60.00 265.00

83 National Supercomputer Centre (NSC)

Sweden Neolith - Cluster Platform 3000 DL140 Cluster, Xeon 53xx 2.33GHz Infiniband / 2008

Hewlett-Packard 6440 47.03 60.02

84 IBM - Rochester

United States Blue Gene/P Solution / 2007

IBM 16384 46.83 55.71 126.00

85 IBM Thomas J. Watson Research Center

United States Blue Gene/P Solution / 2009

IBM 16384 46.83 55.71 126.00

86 Max-Planck-Gesellschaft MPI/IPP

Germany Genius - Blue Gene/P Solution / 2008

IBM 16384 46.83 55.71 126.00

87 Texas Advanced Computing Center/Univ. of Texas

United States Lonestar - PowerEdge 1955, 2.66 GHz, Infiniband / 2007

Dell 5848 46.73 62.22

88 HPC2N - Umea University

Sweden Akka - BladeCenter HS21 Cluster, Xeon QC HT 2.5 GHz, IB, Windows HPC 2008/CentOS / 2008

IBM 5376 46.04 53.76 173.21

89 Clemson University

United States Palmetto - PowerEdge 1950/SunFire X2200 Cluster Intel 53xx/54xx 2.33Ghz, Opteron 2.3 Ghz, Myrinet 10G / 2008

Dell/Sun 6120 45.61 56.55 285.00

90 Financial Services (H)

United States Cluster Platform 3000 BL460c G1, Xeon L5420 2.5 GHz, GigE / 2009

Hewlett-Packard 8312 43.75 83.12

91 Ohio Supercomputer Center

United States xSeries x3455 Cluster Opteron, DC 2.6 GHz/QC 2.5 GHz, Infiniband / 2009

IBM 8416 43.46 68.38

92 Consulting (C)

United States Cluster Platform 3000 BL460c G1, Xeon E5450 3.0 GHz, GigE / 2009

Hewlett-Packard 6768 43.00 81.22

93 National Institute for Materials Science

Japan SGI Altix ICE 8200EX, Xeon X5560 quad core 2.8 GHz / 2009

SGI 4096 42.69 45.88

94 IT Service Provider (D)

United States Cluster Platform 3000 BL460c, Xeon 54xx 3.0GHz, GigEthernet / 2009

Hewlett-Packard 6672 42.41 80.06

95 Maui High-Performance Computing Center (MHPCC)

United States Jaws - PowerEdge 1955, 3.0 GHz, Infiniband / 2006

Dell 5200 42.39 62.40

96 Commissariat a l'Energie Atomique (CEA)

France CEA-CCRT-Platine - Novascale 3045, Itanium2 1.6 GHz, Infiniband / 2007

Bull SA 7680 42.13 49.15

97 US Army Research Laboratory (ARL)

United States Michael J. Muuss Cluster (MJM) - Evolocity II (LS Supersystem) Xeon 51xx 3.0 GHz IB / 2007

Linux Networx 4416 40.61 52.99

98 University of Bergen

Norway Cray XT4 QuadCore 2.3 GHz / 2008

Cray Inc. 5550 40.59 51.06 274.73

99 Jeraisy Computer and Communication Services

Saudia Arabia Cluster Platform 3000 BL460c, Xeon 54xx 3 GHz, Infiniband / 2009

Hewlett-Packard 4192 39.70 50.30

100 R-Systems

United States R Smarr - Dell DCS CS23-SH, QC HT 2.8 GHz, Infiniband / 2008

Dell 4608 39.58 51.61

2009-03-21

Sun MicrosystemsIBMに身売りするかもしれないという話。

Sun Microsystemsの株を買って取締役を送り込んだ投資ファンドが、株価を引き上げる手段として、IBMとの合併話をでっち上げているようである。

株価を引き上げて売り逃げしないと、投資したお金現金化できない。本業でがんばって企業価値を高めて、株価を引き上げて利益を得るというのが、投資ファンドの本来の存在価値なのだが、実際には、ほとんどの投資ファンドが、このように、短期での転売益を目的として行動を取っている。

株式を買い占める過程で株価を吊り上げてしまったので、それまでの配当では利回りが悪すぎる。吊り上げた価格正当化する為に、より大きな企業吸収合併してもらい、時価総額現金化するのである。

バブル期ならば、これは十分に成立した。お金が余っているのだし、資金規模の大きい所は、手持ちの資金の運用先が無い。新事業を立ち上げるよりは、すでに成立している事業を買い取って傘下に加えるという手法は、経営者にとって、失敗した時の責任を回避しつつ、成功した時のメリットを独り占めするという目的に合致しているので、そのような仲介を主な仕事にしているインベストメントバンクが、雨後の筍のように発生したのである。

実際には、そのようにして合併された企業の大部分が、買収価格に見合う利回りを発生できていない。

IBMにとって、Sun Microsystemsを買い取っても、メリットは無い。Sun Microsystemssolarisは、独自CPUであるSPARCの開発まで行われており、ハードウェアOSをセットで使った時に最高の性能を発揮できるようになっている。IBMAIXも同様である。つまり、吸収合併しても、当分の間は、異なる製品ラインを持つ事になる。一本化するまで、社内に二系統の指揮系統を残さなければならず、統合の効果が出ないのである。

どうせ売るならば、サーバー業界に新規進出したいと考えている企業ターゲットにするべきであろう。そう、独自のハードウェアを作るセクションもノウハウも無いのに、サーバーOSを作っているところとか

http://technet.microsoft.com/ja-jp/windowsserver/default.aspx

の方が、まだ、売れる可能性はある。

2008-09-17

続・リーマン・ブラザーズ内定取ってたんだけど…

消されるってネタなのかマジなのかわからん。

つーわけでこういうのは自分で確認するのが一番。転載してみるですよ↓

本日、人事の者は出社しておりません」

って言われただけなんだけどね。(せっかくブクマ集まったけど、ズコーヽ(´・ω・`)ノってなったと思う ゴメソ)

T大法学部増田ですってことを伝えて、折り返しの電話待ち。

休みも明けて、今日16日になったけど、まだ電話が来ないorz

うちのかあさん、4年前に腰を痛めて遠出をするのが億劫になってしまったし、大好きだった料理作りも気合いの入ったものがなくなってしまった。

だから就職して給料入ったら、まずはおいしいものでも食べさせてあげようって思ってたのに。

近くに、今は行けない高級レストランがあるから、そこで家族揃って食事でもしようかと。

とうさんに、「俺リーマン行けないかもしれない」って言ったら、

「俺サラリーマンリストラされたんだ。お前なんてまだ就職もしてないんだろ?これからまた就職先探せばいいじゃないか」

って言われた。

4年前、とうさんがあまり大きくはない会社リストラされたときはビックリしたなぁ。

リストラなんて、うちには関係のない話だと思ってたし。

少しして、母さんも腰を痛めたんだよなぁ。

私大目指してたのに、それが無理になって、でもT大に入れて、リーマン内定も取れて、さぁこれから親孝行できるぞって思ってた矢先にこれ。

とうさんも軽い鬱と戦いながら、それでもなんとか頑張って、今はまた前向きになれるように戻ってきた。

俺の内定が決まってから、かなり状態は良くなってきたように思う。

とうさんの口から「これからまた就職先探せばいいじゃないか」なんて言葉が聞けて、正直リストラされたとき以上にビックリした。

俺も頑張らなくちゃいけないね。

お金持ちになって、少しでも楽にさせたかったんだけどなぁ。

そのために、わざわざ外資選んだんだし。

とうさんの言うように、地道に秋採用就職先でも探すしかないのかもしれない。

採用についてちょっと調べてみたんだけど、

2008/08/05 読売新聞(秋季採用試験編集記者職、業務職))

2008/08/08 日経新聞(応募書類必着秋採用

2008/08/08 Sun microsystems会社説明会採用

2008/08/12 東芝webエントリー〆切秋採用

2008/08/14 時事通信(郵送必着秋採用

2008/08/17 東芝(事務系/第4回)

2008/08/19 三菱東京UFJ銀行webエントリー〆切秋採用

2008/08/20 三井住友銀行webエントリー〆切秋採用

2008/08/22 朝日新聞(秋採用

2008/08/23 NHK筆記試験採用

2008/08/25 松下電器産業エントリー〆切秋採用

国内大手はもうほとんど終わっちゃってた。

リーマン年収7000万を夢見てた俺が、年収700万の国内企業就職試験さえ受けられないとは・・・。

        ____   

       / \  /\ キリッ

.     / (ー)  (ー)\      

    /   ⌒(__人__)⌒ \<リーマン内定来年からは合コン三昧 就職偏差値78です

    |      |r┬-|    |   

     \     `ー'´   /

    ノ            \

  /´               ヽ              

 |    l              \

 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.    

  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))

          ____

        /_ノ  ヽ、_\

 ミ ミ ミ  o゜((●)) ((●))゜o      ミ ミ ミ

/⌒)⌒)⌒. ::::::⌒(__人__)⌒:::\   /⌒)⌒)⌒)

| / / /     |r┬-|    | (⌒)/ / / //  だっておwwwwww

| :::::::::::(⌒)    | |  |   /  ゝ  :::::::::::/     

|     ノ     | |  |   \  /  )  /

ヽ    /     `ー'´      ヽ /    /     バ

 |    |   l||l 从人 l||l      l||l 从人 l||l  バ   ン

 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、    ン

  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))

半年前は、リーマンがこんなことになるなんて読めなかったなあ。

サブプライムローン問題くらい跳ね返せる力はあると思ってたし。

GSの方も受けたんだけど、ハゲタカっぷりが好きになれない状態で面接に臨んだら、案の定落ちたんだよね。

サブプライムローンでも赤字を出さなかったGSは、その後になってやっぱりすごいと思った。

友達も言ってたよ。

「やっぱGSだよ、GSゴーストスイーパーじゃないよ!ゴールドマンセックス!」

もちろんそいつも落ちたけどw

六本木ヒルズ系はもう選ばないことにする。みんなも気を付けて。

758 2008/09/15(月) 16:57:55 ID :koZ2wM9J

六本木ヒルズのあのビルに入ると倒産するね

森の疫病神伝説

ライブドア

村上ファンド

グッドウィル

リーマン

921  2008/09/15(月) 17:39:35 ID :e/aLVPmT

この状況を今のホリエモンにどっかインタビューしねぇかな

「僕はいずれ破綻するのはわかってましたよ」とか、したり顔で言い放ちそうな気がするw

肝心のホリエモンは以外と冷静だったけどさ。

リーマン破綻メール取材受けるもボツになったので|六本木で働いていた元社長アメブロ

ブックマークの期待には応えられなかったけど、これが今の俺です。

まだ連絡待ちの状態だけど、これからどうしようかゆっくり考えてみます。

研究室の仲間や教授も、昼に顔出したら、妙に俺に気を遣ってくれたw

そんなことされると涙が出ちゃいそうになるから、普通に接してほしいんだけどね。

今日はもういいからってことで、先に帰らされたよ。

それと、ここに書いてある

http://www.nikki.ne.jp/?action=bbs&pid=200212161828432437&wid=200809042112248072&bbs_id=26&job_type=

Re: リーマン・ブラザーズ証券(インターンシップ)の日記. 9月15日23時33分 通りすがりさん. >クリスさん 09内定者はもぉー今年の5月あたりに手切れ金200万で内定取り消しになってますよー全員かどうかはわからないけど・・・

というのは嘘です。

手切れ金なんてもらってません。


さて、これからどうしよう。

ドーナツ屋にでも就職しようかな。

かあさんにうまいドーナツ食べさせてあげるのも、案外いいかもしれないw

 
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