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キズナアイはNHKにふさわくないと抗議したフェミニストは、数年前に水樹奈々やμ's(ラブライブ)は紅白歌合戦にふさわしくないと抗議すればよかったのに。そもそも、下記に記す通り、NHKは民放に比べて男性向けのオタク文化を発信することに積極的だった。
男性向けのオタク文化を肯定的に紹介するNHKは、そういった意味で中立的だ。民放だと、男性向けのオタク文化を貶すか歪曲することでしか紹介することができない。なぜなら、テレビは女性と老人のものだからだ。女性でも老人でもない若年男性は長時間労働でゴールデンタイムの番組を視聴することができないだろう。
そういったテレビの主な視聴者はオタク文化に否定的だ。民放があれだけオタク文化を貶すのなら、お堅いテレビ局と思われているNHKはさらに激しくこき下ろすことが期待される。しかし、NHKはオタク文化をこき下ろすどころか、ノーベル賞の解説番組にVTuberのキズナアイを起用した。だから、多くの人が肩透かしを食らってしまったのだろう。
「NHKは中立?オタク文化のゴリ押しじゃないか」と言う人は中立の意味が分かっていない。中立とは「誰に対しても味方にならないこと」だ。民放は視聴率のために老人と女性の味方をしなければならない。だから、民放のバラエティ番組では、若いタレントが徹底的に貶されるし、「イケメン」の大合唱である。そして、フジテレビの番組で、元々男性向けのオタク用語だった「バブみ」という言葉が女性向けに歪曲された。そうやって、世間の目を気にして番組を作るのなら、それは一種の偏向である。
オタク文化はもはや非モテやニートと言った社会不適合者の文化ではなく、部分的にポップカルチャーの一部として若者の間で受け入れられるようになった。そういうことを世間の目を気にして斜めに構えず、肯定的に紹介できるNHKは、民放より中立的と言える。
※民放とはテレビ東京を除いた民放キー局のこと。具体的にはフジテレビ、テレビ朝日、日本テレビ、TBSテレビを指す。
※中立的な情報を作るのは難しい。情報は人が作るものだ。人には立場がある以上、どうしても情報は偏向してしまう。情報が偏向しないようにするには、受け手側がいろんな情報を目にするように心がけるしか無い。