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2022-12-03

専門外ですが、原価や費用見積もり計上するGAAP適用大企業について、ご質問いたしま

anond:20221203142429

NPO会計は専門外なので恐縮ですが、ご教示お願いいたします。

会計上、期末や四半期に原価や費用見積額で計上する処理なんて中小限らずGAAP適用大企業でも日常的に行われてるが、これを重大な不正兆候のように持ち出す時点でド素人なんだろうなという感想しかならない…」

会計見積り計上することは確かにありますが、さすがに「日常的」にはないかと存じます

よほど特殊業界ならありえるのかもしれませんが、領収書が出るような普通の物品購入で見積り計上はないです。

あと、GAAP適用大企業とはどのような企業のことでしょうか?

私の知識では、GAAP=Generally Accepted Accounting Principlesは、「一般に公正妥当と認められる企業会計基準」というもので、

「すべての会社が当然に適用する当たり前の会計ルール」のことです。

大会社だろうが中小企業だろうが個人会計だろうが、どこでもGAAPに基づいて会計処理がされるという認識です。

会計人がGAAPを使うシーンとしては、

国によって微妙に違うため、日本基準はJ-GAAPアメリカ基準はUS GAAPと、呼び分けるときぐらいかと存じます

「私の会社GAAP適用大企業です」と言ったら、普通会計人は「?」ってなるのではないでしょうか。

え、そりゃそうですよね。って。全世界のありとあらゆる企業会計GAAP適用ですし。

企業会計の実務で「GAAP適用」なんて言わないので、

GAAPが出てくるのは、大学とかの会計学の座学ぐらいという認識でおります

そのため、大学とかで中途半端に聞きかじった知識からお話になったのかなと、憶測をしてしまいましたが、

相手を「ド素人」と罵られているところを見れば、相当な自信のある専門家なのだと存じます

浅学で恐縮ですが、何卒「原価や費用見積り計上するGAAP適用大企業」の意味をご教示いただけませんでしょうか。

なお、私は企業会計の実務に携わる身で、NPO会計は専門外のため誤った見方をしておりましたら、誠に申し訳ございません。

2021-12-23

US GAAPに則した非上場株式の処理について

非上場株式の処理。US GAAPに則った場合

・ASU2016-01に則っての処理が要求されるわけだが、この規定有害であり、情報価値を著しく損なう規定である

・従来、市場性のない持分証券への投資は、取得原価での測定が原則であった(公正価値オプションはあったが)。

・ところがASU2016-1の公表2016年1月)によって、公正価値を容易に決定できない持分証券については、原価で評価することができなくなり、原則として公正価値例外処理あり)で測定されることとなった。

・この背景は、次のとおり。

FASBは、資本金融商品については公正価値により測定することが適切であるとの結論に至ったというが、市場関係者は「戦略投資」については、公正価値変動をその他の包括利益(OCI)に含める例外を設けるべきことを主張した。ところが、FASBは「このような例外を含めることは会計処理を複雑にするから」と相手にしなかった。

 → 絶句するほかない。ばかか。腑抜けFASB。知ってはいたが、やはり腐ってやがる。

FASBは、過去IASB戦略投資原則主義的に定義することは困難であり、財務諸表利用者にとっての有用性を増加させるとは限らないにもかかわらず、複雑性が増すとの結論に至ったことも参考にした、とか抜かしている。

 → 有効性を増加させるとは限らないのじゃなくて、情報価値毀損させているんだろうが。

結論)US Gaapは三流の会計基準に堕した。日本基準の方が断然ましである

参考にさせていただいたサイト

https://accounting-agent.com/equity-security-321-10/#ASU2016-01

2018-08-21

税金関係Amazon批判する人たちへ

https://www.asahi.com/articles/ASL836KLCL83ULFA034.html

Amazon日本法人10億円ちょっとしか法人税を払っていないというニュースがあった。

うわ~Amazonひどいなぁという内容ではあったのだけれど、ブコメがそれ以上にひどいのでちょっと言及してみたい。

別に特定の誰かを貶める意図はないので、ブコメだけ抜粋

>> Amazonスケープゴートにしてるけど、トヨタ2009年から5年間は税金払ってないし、今でも数千億程度。大企業優遇実効税率は10%程度だよ。 <<

かにトヨタ2009年から2013年までは払っていないが、そもそも2010,2011年赤字だし、2012年はその繰越である

じゃあ2009年2013年は払ってないのかよという話であるが、確かに払っていない。

ほらみろと思うかもしれないが、これは受取配当金益金不算入という制度を利用している。

まり子会社外国法人からもらう配当金(の大部分)には新たに課税しませんよという制度なのだが、これでトヨタやその他大企業を責めるのは的外れである

どういうことかというと、それら配当基本的子会社外国法人利益がでたからもらえるものであり、利益がでているということはその段階で課税されているということである

まり一度課税されたものトヨタに渡した段階で新たに課税するのは単なる二重課税ということになる。

二重課税のものにも賛成というのならともかく、これでトヨタ批判はお門違いと言わざるを得ない。

実効税率10%程度というのも大体にはここらへんがあるから

ていうか数千億程度って書いてあるけどトヨタ単体で4000億円以上を納税してるだけで十分立派なような...。

>> 事業所がどこにあるかで税金を取るのでは無く、どこで儲けたか税金を取るべき。日本での売り上げに対して課税しよう <<

どこで儲けたか税金をとろうという提案はしごくまっとうで、どれぐらいまっとうかというと既に実施されているレベル

え、Amazon日本ほとんど税金(ていうか法人税)払っていないじゃないかって?

そうだね。だからAmazon日本法人ほとんど儲かっていないってことだね。

かにAmazon日本法人あんだけ大量にモノを売ってしこたま儲けてるように見えるかもしれないけど、じゃあそのシステムとかAmazonブランドとかは誰のおかげ?

当然アメリカ本国Amazonのおかげだよね。

じゃあそのシステムとかブランドとかの使用料ちゃんアメリカ法人に払えよっていうのは合理的だと思うけど。

(アメリカでは納税してるのかよという話にもなるが、これはUS-GAAPの方の問題であろう)

ていうかこれ記事読んだうえでブコメしてるのか...?

一方で、売上に課税せよっていうのはさすがに論外。

売上は大抵の企業にあるけど、だからといって利益がでているとは限らない。

儲かってないのに税金だけとられるって意味わかんないよね。

一応 消費税ある意味では売上課税だけど、ややこしいから触れない。

>> 政府が即やるべき事だよね。ホント安倍無能だよな。 <<

ネタ枠。

政府が即やるべきことだってのは否定しないし、安倍さんが有能か無能かでいうと...というところはあるけど、これはそんな簡単問題じゃない。

上で書いたみたいに、これらはある程度の合理性をもって決められた制度だし、日本だけじゃなくて先進国はどこもこんなもんである

課税問題の難しさは、世界各国が協調して同一のルールを導入しないといくらでも抜け道存在してしまうという点であり、例えばある国が抜け駆けしてうちは例外ですよ!みなさん来てください!みたいなことやると一気に崩壊する(つまり現状とあまり変わらない)。

個人的解決策としてはアメリカが元気なうちに、従わない国には経済制裁&軍事侵攻すっぞみたいな態度で無理やり国際ルールをつくってしまうとかがいいんじゃないと思うけど、もちろんそんなことはそうそうできない。

まりこの問題では安倍さんが無能かどうかという次元ではないのである

まとめ

当たり前だけど、どの企業がやっていることも違法脱税というわけではない。かといって合法的に彼らを縛るようなルールは(抜け駆けの観点から)難しい。

最近になってEUAppleGoogleAmazonMSあたりに言いがかりに近いことして追徴課税しているけど、これはもう国際協調ルールをつくることが無理とわかっているからやっているんだろう。

あれだけ巨大な企業を止めるには、もはや国家暴力装置(軍隊)を背景に多少無理してでも従わせるしかないんだと思う。

もちろんそんなあからさまではなく、規制当局あたりを経由して止めているんだろうけど、それができる国も限られてるよなぁという印象。

米中もそうだけど、こんだけ国家無茶苦茶やっても企業がついてきてくれるのは、どこまでいっても国内市場が魅力的だからであり、魅力のない国(市場)相手なら逆ギレ撤退というルートもありえる。

果たしてほぼインフラとまでなっているこれら企業に大して強く出られる国は、一体どれほどあるのだろうか。

2015-11-12

簿記の人気エントリ

(追記 : 別のエントリ簿記言葉意味解説しました。→ http://anond.hatelabo.jp/20151113140308 )

これは簿記エッセンスをまとめたとか書いてあるが、簿記でもないし、会計学でもないし、なんだかわけのわからない謎の話になっている。どのあたりが謎なのか説明していくと・・・

明治時代福沢諭吉(1万円札のひと)が『帳簿記入術』として紹介した、一連の経営管理技術が、『簿記』と略された、という説が有力です。

という冒頭から怪しい。"帳簿記入術"でググってみると、このブログしかヒットしないんだよね。福沢諭吉が紹介したのは、「帳合之法」であって、『帳簿記入術』という言葉はどこからでてきたの?たぶんこの人の造語だと思うんだが確証はない。

経営管理技術が、『簿記』と略された、」というのもなんだかよくわからなくて、自分理解では、簿記は単に帳簿記入が略されて簿記になったか、あるいは英語Book Keepingが略されてぼきになったという話をきいたことがあるくらい。「経営管理技術」をどう略したら簿記になるのか?「ぼ」も「き」も含まれて無いのに。

簿記は『財務諸表』を正しく作るための一連の技術」というのは、ずれている。財務諸表作成するために仕訳を切るけれど、会社経済的価値の増加や減少を勘定項目ごとに分けて帳簿に記入するというのが簿記という言葉意味なので。財務諸表作成するのが簿記の最終目的のような書き方はおかしいですね。

デジタル大辞泉簿記説明を読んでほしい。財務諸表という言葉一言もない。

https://kotobank.jp/word/%E7%B0%BF%E8%A8%98-132641#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89

財務諸表のようなもの」は主要簿(仕訳帳と総勘定元帳ね一応)から誘導的に導出することができるけれど、簿記財務諸表独立別個の存在なので、簿記財務諸表従属物のような書き方をするのは間違い。

画像の「会計学説明の、『正確な財務諸表を作るための簿記技術についての理論』」というのも、少し正確さが足りない。この説明だと、会計学簿記理論を支える点を説明しているけれど、それ以前の話もあるので(認識や測定の話の前の包括利益などの話もあるし、企業結合会計などはそもそも簿記外の話だ)、会計学には簿記理論的な話も入るけれど、そうではないものもある。部分集合といったらなんとなくわかってもらえるだろうか?

同じ画像の「財務諸表要件」という言葉は、何を意味しているのか私にはわからなかった。

会計学の基本

で、次の項に進むと・・・

「例えば、例で見てみましょう。」って意味が重複している。

収益認識基準の話に飛んでいくんだけど、簿記の話で大事な話はいくつもあるのに、なんでこんな損益会計の話に飛ぶのか?

「実は会計基本的ルールについては法律には定められていません。

財務諸表の作り方に関する法律は、

会社法

金融商品取引法

各種税法

というのも、誤解を招く書き方になっている。企業会計原則とか、財規とかは(狭義の)法律に含められないけれど、だからといって内閣府令法律ではないと強調して表示する意味があるの?各種税法に財務諸表の作り方が載っているという話は聞いたことがない。税務会計財務会計に影響を与えているという話は知っているけれど(いわゆるトライアングル体制)、財務諸表の「作り方」は税法で定められていない。(税務署に申告・提出する書類財務諸表に含まれない。)

「一般に公正妥当と認められる会計処理基準(GAAP)」は、「一般に公正妥当と認められる会計原則」を指していると思う。会計処理と狭めているのは理解ができていない証拠。こういうテクニカルタームの間違いがこれ以降もあるし、しかもその語の説明も変なのがこれからも続く。

画像税務会計の「収める」は「納める」。この画像トライアングル体制説明でよく見かける概念図なんだけど、トライアングル体制説明中央GAAPを持ってくるのは見たことがない。GAAPってアメリカ由来のイメージなので、別の文脈説明するべきものだろう。

「J-GAAP」でぐぐっても、なんかそれらしいURLは無い。これも造語では?(追記:どうやら"J-GAAP"ではなくて、や"JGAAP"を意味しているらしい。US-GAPPは間にハイフンを入れるが、JGAAPは、"JGAAP"または"J GAAP"と表記するので、間にハイフンを入れるのは間違い。)

めんどうくさくなってきたので、このあたりで終わり。多分全体の1/3くらいの部分までで、どう読んでも変だろうという箇所を指摘した。残りの2/3の部分も、いくつもひどい点があるんだけど、それを指摘していくと時間が大変かかって、かかる割に報われないと思うので終わりにする。匿名ダイアリーの文量制限にも引っかかるだろうし。興味があれば誰かやってください。もちろん会計がわかる人がやらないと墓穴を掘ることになるんですが。

ざらっと見た感じだと、経営学部学生講義課題レポートを書いたとして、ぎりぎり「可」がもらえるかどうかかな?というくらいの内容だと思う。簿記の話というタイトルなのに、中身はそうではないものが混じりすぎているし、テクニカルタームを間違えていて説明も間違えているし、全体の構成もどこに突き進んでいるのかよくわからないもの・・・

初めて簿記会計を学ぶ人は、もうちょっとちゃんとしたものを読んだほうが良いよ。最初から間違えて覚える必要はないわけだから

 
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