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2024-02-23

NVIDIAAIの小史

未だに「謎の半導体メーカー」程度の認識の方になぜNVIDIA時価総額世界4位なのかをあれこれ説明する必要があるので短めにメモ半導体業界すみっこ人間なので機械学習まわりの説明適当です

・~1993年 AI冬の時代エージェントシステムがさほど成果を挙げられなかったり。まだ半導体メモリの性能は現代とくらべてはるかに劣り、現代のような大規模データを用いた統計的処理など考えられなかった。2006年ディープラーニング発明まで実質的な停滞は続く。

1993年 NVIDIA設立

1995年 NVIDIA最初グラフィックアクセラレータ製品NV1を発売。

1999年 NVIDIAGeForce 256発売。GPUという名が初めて使われる。以降、NVIDIAGPU業界1位の座を守り続ける。

2006年 GPGPU向け開発基盤CUDAを発表。以降、その並列計算に特化した性能を大規模コンピューティング活用しようという動きが続く。

2006年 ディープラーニング発明。のちのビッグデータブームに乗り、これまでよりはるかに高性能なAI模索する動きが始まる(第3次AIブームのおこり)

2006年 CPU業界2位のAMDGPU業界2位のATIを買収、チップセットGPU統合することで事実上自社製品NVIDIAと切り離す戦略に出る。CPU業界1位のインテルも、同じく自社CPUに自社製GPU統合する動きを強める。NVIDIAはこれまでの主力だったGPUチップセット製品販売を終了し、データセンター向けGPGPUのTeslaシリーズゲーム用外付けGPUGeForceシリーズARMCPUと自社GPU統合したTegraシリーズの3製品に整理する。このうちTeslaシリーズが性能向上やマイクロアーキテクチャ変更を経て現代AIサーバ製品に直接つながる。GeForceシリーズゲーマー向け需要暗号通貨マイニング向け需要も取り込み成長。Tegraシリーズは後継品がNintendoSwitchに採用される。

2012年 ディープラーニング画像認識コンテストで圧倒的な成績を収め、実質的な第3次AIブームが始まる。

2015年 AlphaGoイ・セドル勝利

2016年 NVIDIA自動運転向けシステムを発表。

2017年 Transformerモデル発表。これまでのNN・DLと異なり並列化で性能を上げるのが容易=デカ計算機を使えばAIの性能が上がる時代突入

2018年 IBMNVIDIAと開発した「Summit」がスパコン世界ランキング1位の座を5年ぶりに中国から奪還。全計算のうち96%がGPUによって処理され、HPCハイパフォーマンスコンピューティング)におけるGPU地位は決定的になる。NVIDIAの開発したCPU-GPU間の高速リンク「NVLink」が大規模に活用される。「Summit」は2020年に「富岳」にトップを奪われるまで1位を維持。

・2018~2021年 BERTやXLNet、GPT2など大規模言語モデルの幕開け。まだ研究者が使うレベル

2019年 NVIDIA CEOジェスン・ファン(革ジャンおぢ)が「ムーアの法則は終わった」と見解を表明。半導体シングルスレッド性能の向上は限界に達し、チップレットを始めとした並列化・集積化アーキテクチャ勝負時代に入る。

2022年 NVIDIAがH100発表。Transformerモデル学習・推論機能を大幅に強化したサーバ向けGPUで、もはや単体でもスパコンと呼べる性能を発揮する。H100はコアチップGH100をTSMC N4プロセス製造SK HynixHBMとともにTSMC CoWoSパッケージング技術で集積したパッケージ。※N4プロセスは最新のiPhone向けSoC採用されたN3プロセスの1つ前の世代だが、サーバ/デスクトップ製品向けプロセスモバイル製品向けプロセスクロック電流量が異なり、HPC向けはN4が最新と言ってよい。

2022年 画像生成AIブーム。DALL-E2、Midjourney、Stable Diffusionなどが相次いで発表。

2022年 ChatGPT発表。アクティブユーザ1億人達成に2カ月は史上最速。

2023年 ChatGPT有料版公開。Microsoft Copilot、Google Bard(Gemini)など商用化への動きが相次ぐ。各企業NVIDIA H100の大量調達に動く。

2024年 NVIDIA時価総額世界4位に到達。半導体メーカー売上ランキング世界1位達成(予定)。

こうして見るとNVIDIAにとっての転換点は「ディープラーニング発明」「GPGPU向けプログラミング環境CUDAの発表」「チップセット販売からコンピューティングユニット販売に転換」という3つが同時に起こった2006年であると言えそう。以降、NVIDIAゲーマー向け製品モバイル向け製品販売する裏で、CUDAによってGPGPUの独占を続け、仮装通貨マイニングスパコンでの活躍と言ったホップステップを経て今回の大きな飛躍を成し遂げた、と綺麗にまとめられるだろう。

2024-01-05

anond:20240105132953

AlphaGOのいう通り置くだけのワイが華麗に撃退するやで

2023-10-29

囲碁ゾルラーク

anond:20231027224113

なんか流行ってるらしいので元ネタを知らないが、「当時は斬新だったが後に主流になったもの」の意で囲碁ゾルラークを挙げてみる

要はコロンブスの卵だろう

星、三々

江戸時代大正期までの囲碁において隅に打つ手といえば小目だった

ヒカルの碁でも「一手目が星など秀策の時代には考えられなかった」というセリフがある通り、江戸時代棋譜を見れば笑っちゃうくらい猫も杓子も小目しか打っていない

昭和期に入ってそこに大変革をもたらしたのが木谷實と呉清源という二人の天才である

木谷と呉は『新布石』を宣言し、星や三々、天元など今までの囲碁常識を覆す変則的布石を打ち始めた

昭和期までの囲碁といえばコミがなく、黒は比較ゆっくり構え、白は黒の先手分の有利を崩すために積極的に隅に攻撃しかけていくのが主流だった

それが白番にコミが与えられるようになり、黒もスピード展開を求められるようになった

隅を一手で済ませる星、三々が現れたのはこのためと思われる(小目はシマリと二手セットで地になる)

今や星に打つ手は押しも押されもせぬ囲碁の主流の手となった

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%B8%83%E7%9F%B3

ダイレクト三々

星の弱点は地に甘いことであり、三々にもぐられるとまるごと隅をとられてしま

しかしあまりに早く入ると相手に厚みを与えてしまう、三々に入った側が得られる地に対し相手の厚みが強大で入るタイミング重要とされた

そんな風潮の中忽然と現れたのがAlphaGoによるダイレクト三々である

開始早々に星へ三々入りするAIの手はおおいに注目を集めた

元々この手が悪いとされた原因に、「二線は敗戦」と呼ばれるくらい、二線を這う手と三線をノビる手では二線を這った側の損が大きく、出来るだけ二線を這って生きる手を打ちたくないという思い込みがあった

そのため二線を這う手ではなく、ハネツギを打つことで生きるのだが、それが相手に強大な厚みを与えるので序盤早々に入るのは不利だったのである

しか常識に囚われないAIはそこを覆してきた

二線を1本多く這って生きてハネツギを省略することで、相手の厚みが緩和されるので互角の分かれになるという大発見をもたらした

この囲碁界の常識を覆したAlphaGoによる「ダイレクト三々」はいまや囲碁界の主流となっている

詳しい解説動画

https://www.youtube.com/watch?v=mmK1_5bxblI

猛威を奮ったけど廃れたもの

連星

本来、隅を重視するのが囲碁セオリーだが、そのセオリーに反して中央を重視する「宇宙流」の使い手・武宮正樹が得意とした布石

地に甘いとされる星を隅、隅、辺に三連打して悠然と構え中央大勢力を築く

武宮はこの三連星宇宙流を武器本因坊5連覇、および国際棋戦の富士通杯TVアジア杯の連覇を果たし一時代を築いた

中国

または道策流とも。本格的な中国流の開祖安永一とされ、中国には陳祖徳が広めたとされる。

1965年日中囲碁交流の際に非常に注目され、日本逆輸入された

ミニ中国流、ベトナム流など亜種がたくさんある

小林流

小林光一が得意とした布石

一種のハメ手的な要素があり、相手対策を知らずに隅にかかってきたら挟み、予め辺に開いていた石を活用して相手の石を圧迫していく

AIによって復権編(これが本当のゾルラーク?)

秀策のコス

秀策が愛用した小目にかかられた時、辺にコスむ手

攻防を兼ねた手堅い一手で、江戸時代流行したがコミのある現代碁では足が遅く、甘いとされた

しかAIがこの手を示すようになってプロの間でも再評価され復権。再び打たれるようになった

秀策の言「囲碁がこの先どれだけ進化しても碁盤が19路である限り、この手が悪手になることはないだろう」

まさにこの言葉通り、秀策のコスミは現代ゾルラークとなった

2023-02-23

anond:20230223224159

AlphaGoは7年前やし今年が元年って気はしないやでという話

2022-10-11

[]強化学習による、より高速な行列乗算アルゴリズム発見

AIアルゴリズムを考える時代がきたようだ

Deepmind は Alphabet(Google)の子会社AlphaGoを作ったところ

深層強化学習アルゴリズムDeep Q-Network(DQN)を作っておりDQNを使うといろんなゲーム人間よりいいスコアを出すことができる

今回は行列乗算のアルゴリズムに深層強化学習を使ってよりよいアルゴリズム作成を行った

行列乗算は、そうした基本的タスクの1つであり、ニューラルネットワークから科学計算ルーチンまで、多くの系で見られる。機械学習を用いたアルゴリズム自動発見によって、人間直感を超え、人間設計した現在最良のアルゴリズム凌駕する見通しが得られる。しかし、アルゴリズム発見手順の自動化は、アルゴリズム存在し得る空間が巨大であるため難解である

~~~

AlphaTensorは、多くの行列サイズについて、最先端の複雑さを凌駕するアルゴリズム発見した。中でも特に重要なのは、有限体における4 × 4行列場合で、AlphaTensorのアルゴリズムはこの行列において、50年前に発見されたStrassenの2レベルアルゴリズムに、我々の知る限りでは発見以来初めて改良を加えた。

Nature 610, 47–53 (2022)

2022-09-02

anond:20220902194245

そんなにすぐに適応できる人はそうそう居ないからね

2016年に碁で李世ドルAlphaGoに負けた時はものすごい衝撃だった。将棋や碁で人間機械に勝てない事実に、いまだに心の整理ができていない。

自分は幼かったから知らないが、1996年チェスカスパロフDeep Blueに負けた時も同様にすごい衝撃だったのだろうと思う。ただ自分物心いたころにはカスパロフDeep Blueに負けていたので、チェスはもう人間が勝てないということにある程度心の整理ができている。オセロもそう。

電卓もそうだし、自動車もそうだし、人間機械に勝てなくなってから時間が経てばそれがある程度当たり前になって次の産業が生まれてくる

変化の速い時代からスパンさらに短くなってるかもしれないけれど、ここから1020年くらいはなかなか心の整理がつかない人が多いんじゃないかなぁ

お絵描きAIで早く次の産業が生まれてほしいところ

2022-08-30

お絵描きAIが怖い

俺は絵描きじゃないか分からんのだが

昨今のお絵描きAIお気持ち表明してる絵描きは何がそんなに気に食わないんだ?

ネットに1枚絵なり出してたら後発の人間に真似られることなんてよくある事だと思う

人間に真似られて自分エッセンスが取られるのは許せるがAIには許せないのか?

それともAIの絵が自分の絵と似すぎていて自分価値が下がるから

まあ商用利用がー!とかいうのは分かるがそれ以外でAIから困ることってあるのか?

今回の騒動で思うところは、AlphaGoみたいに正体を隠して新人としてAIさんに成り上がってみて欲しかった

世間一般なりTwitter界隈がどう反応するのか見てみたかった

2022-02-01

囲碁用語概念たち名鑑(追記更新あり)

追記追記編と初手編、日常用語編、国際編、人物編、二眼の説明を加えた。

anond:20220131231934インスパイアされてやってみた。

省力のために一部wikipediaから引用も交えながら独自解説を記した。

基本編

  • 追記】 目(もく) 盤面の交点のこと。一目、二目と数える。この目を囲った多さを競うゲーム囲碁である
  • 追記】 呼吸点 石から出ている線のこと。盤上にある石は呼吸点を全て塞がれると取られてしまう。囲碁説明でよくある「囲むと取れる」という表現を詳らかにすると呼吸点を塞ぐと取れる、と表現できる。
  • アタリ あと一手で石が取られてしま状態のこと。あの超有名なゲームメーカーアタリの由来である
  • 着手禁止点 打った瞬間に取られてしまう地点
  • 捨て石 敢えて石を相手に取らせることで取られた損失以上の成果を得ること。損失のほうが大きい場合は捨て石とは言わない。
  • 凝り形 効率が悪く、働きの悪い形のこと
  • 眼 石に囲まれ空間のこと。石が盤上に生存するためにはこの空間が2つ必要になる。
  • 欠け目 眼っぽく見えるが眼としての要件を満たしていない眼のこと

追記】 初手、隅の名称

三々(さんさん)

盤の端から数えて横からも縦からも3・3の地点。

一手で隅をほぼ専有できてしまう反面、中央から遠く発展力やスピードに欠ける。

小目(こもく)

ヒカルの碁で「右上隅小目」というセリフが有名。

江戸時代以前の古くから打たれている手であり三々よりは中央に近く、星よりは地に近いバランスの取れた手。

隅を占めるのに二手かかるのが欠点

4・4の地点で碁盤の目印のある部分のこと。

後述の昭和の新布石時代からよく打たれるようになった手。それ以前は置碁くらいでしかまり見られなかった。

隅を一手で済ませられ、地には甘いが中央スピード重視の手。

地に甘いというのは、相手に三々に入られるとほとんど地を奪われてしまうためである

高目(たかもく)

マニア向け。あまり打たれない

目外し(もくはずし)

マニア向け。あまり打たれない

天元

碁盤の中央の星のこと。あまり打たれない

碁盤において、この地点がもっとも高い地点であり、端は地面という概念となっている。

概念

実利

後述の厚みが確定地ではない未来への投資であるのに対し、序盤から陣地になる可能性が高い場所を実利という。

実利をとれば厚みを作られ、厚みを作ると実利をとられるという表裏一体な関係にある。

厚み

盤上において影響力を及ぼすことのできる、しっかりと連絡して眼形の心配もない強力な石の集団である

「厚み」は「薄み」に対する対義語である囲碁で「薄い」というのは連絡が十分取れていない形、眼に不安がある石のことであり、相手攻撃される可能性を持っている状態を指す。

これに対して強力な「厚み」は相手から攻撃を受ける可能性が低く、周囲に近づいた敵の石に対して攻撃するための基盤となる。また、相手が近づいてこなければ大きな模様や地を形成する拠点となる。

模様

大きな地になりうる可能性のある勢力圏のことを指す。多くの場合、隅から辺、中央へ広がるものを呼ぶ。

手割り

手の善悪を測るために本因坊道策が編み出した手法

手の順番や形を変え、定石等と比べることで本来の形に対して余計な石があることなどを評価し、効かし効かされを判断する。

布石

布石

1933年昭和8年)に呉清源と木谷實が発表した、中央・速度を重視する新しい囲碁布石スタイル。それまでの小目を中心とした位の低い布石に対し、星・三々で隅を一手で済ませて辺や中央への展開速度を重視し、中央雄大な模様を構築することを主眼とする。その斬新なスタイルと、これを駆使した呉・木谷の活躍により社会現象とも言えるブームを巻き起こした。

またAlphaGoの台頭以後、新布石時代に負けるとも劣らない布石の変化が囲碁界を席巻している。

例えば星への三々入りを序盤に行うの「ダイレクト三々」は相手に厚みを与えるため不利と言われていたがそれが平然と行われるようになった。

連星

隣り合った隅・辺・隅の星を占める布石である。辺を打たず、隣り合った隅の星を占めるのは二連星と呼ばれる。中央に大きな模様を張ることを主眼としたスタイルで、武宮正樹が有名な使い手である

中国

安永流ともよばれる。星・小目・辺の星脇を組み合わせた配置である

小目からシマリを省略して星脇へヒラく手法は、江戸時代初期に本因坊道策が使用している。

本格的な中国流の開祖安永一とされ、中国には陳祖徳が広めたとされる。1965年日中囲碁交流の際に非常に注目され、日本逆輸入された。

ミニ中国

中国流の狭いバージョン

右上空き隅、小目、相手の星へのカカから星脇へのヒラキまでの一連の配置を指す。下図下辺の黒の配置がミニ中国である。右上隅の着点は必ずしも決まってはいないが、星との組み合わせが最もよく打たれる。平成期に流行した構えだが、すでに400年ほど前に本因坊道策が試みていた。このため道策流とも呼ばれる。

追記ダイレクト三々

序盤早々、周囲にまだ石がない段階で、相手の星に対して直接に三々に打ち込んでいく手段を指す。かつては全く考えられていなかった戦法だが、AlphaGoなどの人工知能がこの手を打つことから注目され、人間棋士の間でも広く採用されるようになった。ダイレクト三々の名称は、2018年5月から河野臨によって週刊碁の連載のタイトルに使われ、定着した。

手筋編

シチョウ

囲碁基本的な手筋のひとつであるアタリ連続で、逃げる側は盤がある限りは逃げることができるのだが、盤の端まで到達してしまうとどうにもできず、石を取られてしま状態をいう。逃げきれるつもりでこの手順に入ると非常に大きな被害を受けること、シチョウアタリという攻守が全く逆転する危険な変化があることから、「シチョウ知らずに碁を打つな」という格言もある。

ゲタ

ゲタは、囲碁において相手の石を取る手筋の一つ

シチョウの追いかける先に相手の味方の石がある場合シチョウが成立しないので、この手を選ぶことが多い。

相手の石にフタをするように斜めに置き動きを封じる。

ウッテガエシ

一旦相手のふところに石を打ち、一度は取られてしまうが取った後の姿がアタリになっていてすぐに相手の石を取り返すことができる。

「捨て石」の最も基本的かつミニマルな活用である

イオトシ

漢字表記では「追い落とし」となる。 ツグ手を打っても引き続きアタリになり、取られてしま状態をいう。別名をトントン、ツギオトシバタバタとも。

オキ

相手の石にも自分の石にも触れないような位置に、文字通り「置く」ように打つ手のこと。動詞では「置く」となる。多くの場合一線や二線など辺の低い位置の、敵陣の急所に打つケースを指す。

オシツブシ

相手の二団以上の石を同時にアタリにし、二眼を確保する手段文字通り相手を押しつぶすイメージであることからつけられた。着手禁止点を利用して生きる手筋である

シボリ

相手の石をアタリにし、自分の石を相手に取らせた上でもう一度相手アタリにする一連の打ち方を指す。途中、さらに捨て石なども交えることもある。多くの場合相手を凝り形にし、自分が形を整える目的で打たれる。また、攻め合いの場面で相手の手数を詰め、攻め合い勝ちに導く手筋としても用いられる。また、あまり効果のないシボリを「西洋シボリ」と称することがある(前田陳爾の造語)。

ダメマリ

ある石のダメが詰まることで、各種の不都合が生じる状態を指す。「ダメの詰まりは身の詰まり」という囲碁格言があるように、不必要ダメを詰めてしまうことは身の破滅につながり、碁において戒められる事柄ひとつである

駄目については後述。追記編を参照。

サルスベリ

ヨセ(終盤のこと)において相手の陣地を侵食するための鮮やかな手筋。

一見繋がってないようなところに打つのだが、見事に繋がっていて相手の地をかなり減らすことができる。

英語ではMonkey jumpという。

死活編

追記】 二眼(にがん)、石の生き死に

盤上にある石の一団は二眼(空間が2つ)ないとゆくゆくは駄目(呼吸点)が詰まり必ず取られてしま運命にある。

これはルールとして定められているというよりは、石は呼吸点を有してないと取られる、着手禁止点には打てないという2つのルールから導かれる定理のようなものである

2つ眼があると、駄目が最低でも2つある状態と着手禁止点が2つある状態存在するため、着手禁止点を同時に2つ塞ぐことはルール上できないので必ず取られない最強の存在となるのである

この取られない石の状態のことを「生きている」と言い、この「生きている石」の内側の領域が陣地となる。

この石の生き死にさえ理解できれば、初心者の、どっちがどっちを囲んでるのか、これは内側も外側も囲んでると言えるのではないか、という疑問は消えるだろう。

ウチカキ

相手にそこを継がれると眼となる部分に先行して打って欠け目にすること。

「打って欠く」(打ち欠く、あるいは内欠く)の意

中手

相手にそこに打たれると完全な二眼ができてしまう部分に先行して打てなくする、相手の石の一団を殺す必殺の手。

自分の石から関係

シマ

隅に打った既存の石から陣地を確保するためにもう一手かけて領域の守りを固める手

カカ

相手シマリを妨害する位置に置くこと

一間トビ

ひとつ隙間を空けて打つ手

二間トビ

ふたつ隙間を空けて打つ手

ウマの顔

一間トビに置いてある形から、直角方向にふたつ空けて打つ手

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┼┼┼★

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ケイ

将棋桂馬の動きのような位置に打つこと

ゲイ

将棋桂馬の動きからさらに1歩進めて打つこと

コス

既存の石の斜めに置くこと。「秀策のコスミ」が有名。

ハザマ

自分の石の斜めひとつ空けた場所に置くこと。●から見て★の手のこと。

●┼┼

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┼┼★

相手の石への関係

ツケ

相手の石の隣にくっつけて置くこと

ハサミ

相手の石を挟むように置くこと

タツ

相手の石の斜めに置くこと

キリ

相手の石のつながりを断つように斜めに打つこと

ノゾキ

相手の石のつながりを、次の手で断つぞという位置に置くこと

ハネ

相手の石を跳ねるような位置に斜めに置かれる石

オサエ

相手の石がそれ以上侵入してこないようにせき止める位置に置く石

オシ

相手の石を押すように平行に打たれる石

定石編

ツケヒキ定石

小目にカカられた石へツケてひく、簡明かつ最も基本的な定石

大斜定石

目外しへのカカから発生する定石を指す。派生する変化型が多く、複雑な戦いになることから、大斜百変、大斜千変とも呼ばれる、難解定石の代表的もの天保頃より特に研究が進み、現代でも多くの変化が生まれ続けている。

ナダレ

小目への一間高ガカリに下ツケする形から発生する定石を指す。最初から接触戦となり、また変化型が多い難解定石の代表の一つ。石が接触しながら戦いになっていく様を「ナダレ」と形容された

村正妖刀

小目への一間高ガカリに二間高バサミして生ずる一連の変化を指す。難解で未解明部分も多く、また変化型が多いために誤ると自らも傷を負うところから村正にちなんでこの名が付いた。大斜、大ナダレとともに三大難解定石とされる。

追記編(忘れてた編)

タケフ

竹の節のような並び。

一間空けて2:2で平行に並んだ形で、その間をどちらかを相手に打たれたらもう片方で繋がれるので絶対に切られることがない。

コウ

本来仏教用語未来永劫の劫。

仏教用語ではひとつ宇宙が始まって終わるまでの途方も無い長い時間のこと。

囲碁においては、どちらかが譲らない限り永遠に循環してしま特別な形があり、その形をコウと呼ぶ。

コウの形で石を取られた側はコウをすぐに取り返してはならず、一手別の場所へ打つ必要がある。

アゲハマ(揚げ浜、揚げ蛤)

取った相手の石のこと、またはその石を置いている場所

通常、白石ハマグリのくり抜きによってできているがそれが語源か。しらんけど

追記日常用語慣用句に使われてる編

捨て石

冒頭で説明

定石(じょうせき)

限られた局面特に序盤においてある程度決まった一連の手の応酬のこと。

定石は手練の碁打ちの長い研鑽研究により成り立つもので、お互いに必然の手を打ち、双方ほぼ互角のワカレとなるのが定石の前提である

駄目(ダメ

日常でも使われている「ダメ」の語源

どちらの陣地にもならないどうでもいい地点の事を指すことから日常用語に転じた。

または、石から出ている呼吸点(全部塞がれると相手に取られてしまう)のこと。

ダメマリはこのダメが詰まる、呼吸ができなくなる事を言う。

死活問題

囲碁において死活問題とは、相手の石を殺す、あるいは自分の石を活かすための問題クイズ)のことである

玄人素人(くろうと・しろうと)

現代では上手(うわて)が白を持つが平安時代期には強いほうが黒を持っていた。

そのため

黒人(くろうと)→玄人(つよい人)

白人しろうと)→素人へぼい人)

と転じたと言われている。

岡目八目(傍目八目)

自分第三者となった視点で戦いを見ると手がよく見える、あるいはそう錯覚すること。

岡目は高い場所あるいは傍目の意味

八目の八は八百屋と同じで具体的な数字ではなく多さを表す。

一目置く

一目は一子(石ひとつ)の意。

囲碁においては強さに差がある場合相手より多く先に石を置いた状態で始めることから相手の実力を認め敬意を示す意味に使われるようになった。

手抜き

手を省くこと。

力を抜くことではなく、相手の打った手に付き合わず、その場所よりも価値の高い場所へ向かうことを言う。

追記】 国際編

日本ルール中国ルール

囲碁はいくつかルールがあり、基本的には江戸期~昭和期まで囲碁第一人者であり、世界囲碁を広めた日本ルールが用いられている。

日本ルールは盤上の囲った陣地(目)のみをポイントとするのに対し、中国ルールではそれを含め置いた石の数もポイントになる。

この2つの大きな違いは、日本ルール自分の陣地に自分の石を置くことがマイナスとなるのに対し、中国ルールではマイナスにならない点である

このことが死活に関わる局面や終盤の局面での手入れ、手抜きにおいて大きな違いを生む。

日本ルールでは曲がり四目と呼ばれる形が出現した場合、手を入れるのがマイナスになるためそれが死であることの証明を用いないと議論が生じる。

そのため中国ルールのほうが初心者に優しく、コンピューターにも優しい。

他には日本ルールでも中国ルールでも禁止されている自殺手がOK!というルールもある。

追記人物

徳川家康

碁打衆を保護、「御城碁」の基盤を築く。近世囲碁の発展、振興に絶大な貢献。(日本棋院表彰ページより引用

とし、2004年囲碁殿堂入り

本因坊算砂

永禄2年(1559年) - 元和9年5月16日(1623年6月13日

江戸幕府は囲碁ならびに将棋庇護役職俸禄を与えていた。

江戸幕府における囲碁の最高位だけにとどまらず、将棋の最高位も得た二刀流

大橋宗桂との将棋対局は将棋現存する最古の棋譜でもあり将棋界においても重要人物の一人。

本因坊道策

正保2年(1645年) - 元禄15年3月26日(1702年4月22日

手割りや布石など、数々の発明を生んだ天才棋士史上最強という呼び声も高い。

本因坊秀策

文政125月5日〈1829年6月6日〉 - 文久2年8月10日1862年9月3日

ヒカルの碁で著名。

黒番なら負けなしと当時最強の棋士である

本因坊秀哉

1874年明治7年6月24日- 1940年昭和15年)1月18日

家元制においての最後本因坊

またタイトルとなる前の、「名人一世に一人」の終身名人時代最後名人でもある。

引退後に本因坊名跡日本棋院に譲渡し、選手権制の本因坊戦創設に導いた。2008年囲碁殿堂入り

藤沢秀行

1925年6月14日 - 2009年5月8日

藤沢一就八段の父であり、藤沢里菜五段の祖父

「オマ●コ」発言など、昭和棋士らしい数々の破天荒エピソードが有名。

数々のタイトルを獲得したレジェンドである

棋聖 6期 (1977-82)

名人 2期 (1962・70)

王座 5期 (1967-69・91-92)

天元 1期 (1975)

ぷよ

ここまでの読了お疲れ様でした。

ぷよ碁という初心者にもわかりやすアプリが出来ていたので興味が湧いた人はぜひやりましょう

https://puyogo.app/

2021-11-14

羽生善治藤井聡太と、紡ぐ盤上の物語

藤井聡太氏が竜王位を獲得し、最年少四冠を達成した。

羽生善治氏が最年少四冠を達成した際「この記録は今後破られないだろう」と考えていた、私を含む多くの将棋ファンには時代の変遷を感じざるを得ない圧倒的な出来事である

このあまり出来事に、感動のような、動揺のような思いが溢れているため、ここに思いを記します。

私は30〜40年来の将棋ファンで、将棋好きが高じて一時期は詰将棋の本を出したり将棋に関する雑誌編集を行ったりしていました。

私が将棋に魅力を感じ始めた古い時代将棋は、武士道に似た雰囲気をまとっていました。将棋で生きていくことを決めた少年たちは先生弟子入りし、そこで修行します。修行先生による直接の将棋指南や、高弟による指南将棋研究会などです。しかし当時の「修行」にはこれ以上の意味があり、掃除炊事や規則正しい生活をして礼節を学び、人間としてより良い生活を送ることで次第に将棋も強くなっていく、という考えがありました。ある先生の元では将棋戦略ではなく駒の持ち方や打ち方を教えていました。ここで言う打ち方とは「どこに銀を打つか」といった意味ではなく、「駒を自分の指でどのように持つか、どのような姿勢で盤面に置くのか、どのように盤に置くと美しい音が出るか」などです。

今となっては「そんな馬鹿な」と思われるかもしれません。確かにその通りだと思いますしか事実として、当時は「それが将棋である」と受け入れられていましたし、我々将棋ファン将棋道には武士道のような美しさや儚さ重ねて見ていました。そういう時勢もありトッププロの対局には真剣勝負のような凄みを感じていました。対局でのタイトルを獲った獲られたというのは一つの側面でしかなく、「人生将棋に賭けた人同士の決戦」という神聖さを重ねていました。

やがて将棋界にコンピュータの手が伸びてきました。生き方としての将棋ではなく、ゲームとしての将棋世間にあふれるようになりました。この頃、私は「これで将棋ファンが増えるぞ」と思ったものです。そうして確かに将棋はより一般的になりました。しかコンピュータの成長は早く、あっという間に「人間を超える」と危惧されるようになったのです。そうなるとコンピュータ将棋歓迎ムードは薄れ、「人間より将棋が強いコンピュータなんてありえない、人間尊厳を脅かすな」という反コンピュータ将棋ムードにわかに盛り上がりました。コンピュータ将棋は、将棋道ではない。人間がその人生を賭して将棋一本で生きてこそ、強く儚く美しい盤上の物語が生まれるのではないか。そう思っていました。

臭い将棋ファン将棋道に夢見ていた頃、そして羽生善治氏が竜王位を獲得した頃。当時は日本国民全員が「最強は羽生善治」と意見が一致していました。そんな氏が「将棋は完全なボードゲームである」と発言したのです。これは衝撃でした!薄々感づいていたことをついに言ってのけたのです。図星を突かれたとはまさにこのことです。「何を当たり前のことを」と思う人がほとんどでしょう。しかしそれは、古い将棋から脱却し純粋将棋の強さのみを求める、新時代を作る言葉だったのです。当たり前だろうというファンが多数でしたが、中には「古き良き将棋時代は終わった」と落胆する将棋ファンもいました。

そして時代が経って2012年米長邦雄氏がコンピュータ将棋で破れました。とてもエポックメイキング出来事でした。いつかこの日が来ることはわかりきっていたにも関わらず、やはり衝撃でした。2017年AlphaGo が柯潔氏を破った時と同じような衝撃、と言えば最近の方にも伝わりやすいでしょうか。今となっては馬鹿げた考えですが、「人間が紡ぐ盤上の物語は、もう終わるのではないか」。そんな考えも頭を過りました

そこから更に時代が経ち、2021年将棋盤の底まで読んだ加藤一二三先生もいなくなりました。今の時代人間AIに勝てると思っている将棋ファンなど一切いないでしょう。将棋中継ではAIによる優勢判定が表示されることも、プロ計算力の高いコンピュータを導入することも、それからプロ将棋研究のために Python コードを書くことも、当たり前の時代です。コンピュータに負けて激変するかと思われた将棋界は、以前の美しさをほぼ保ったまま、コンピュータを駆使してより進化していました。「ほぼ」と書いたのは、本当にごくわずかながら、古い時代将棋を懐古するからです。将棋の強さの観点ではもちろん現代の方が良いに決まってますが、あの時代の、人生生き方名誉を賭けたような勝負をたまに懐かしく思ってしまうのです。

藤井聡太氏が十代でありながら竜王位を獲得しました。前人未到で誰にも破れないと思われた羽生善治氏の記録は、30年弱で破られました。藤井聡太氏の圧倒的な強さ、それはまさに新しい風のようで、将棋界が非常に盛り上がっていることをとても喜ばしく思います

藤井聡太氏はとあるインタビューで、「AIが発達する今、人間棋士存在意義は?」と質問を受けました。正直に言えば、私はこの質問は「意地悪な質問だな」と思いました。10年前じゃあるまいし、今さらAIと対局したところで、どうにもならないじゃないか将棋界はAI共存してより良い形になっているではないか、と。前述の通り、コンピュータの猛烈な強さにはほんの一抹の寂しさを覚えていた私ですが、きっとそんな古臭い価値観を持っているはた迷惑ファンなどもう少ないでしょう。

しばし沈黙の後、藤井聡太氏はこう答えました。

今の時代においても、将棋界の盤上の物語は不変だと思います。その価値自分自身、伝えられればと思っています


これを聞いて、私はずっと追い求めていた答えをついに知ったような、そんな気持ちになりました。一瞬思考が停止しました。そして体の芯から熱のようなものがふつふつと湧き上がり、涙が溢れてきました。ああ、将棋ファンで良かった。何十年も将棋ファンで良かった。私の人生将棋があって本当に良かった。腹の底からそう思いました。

勝敗をつけるだけならジャンケンでいい」と言った羽生善治氏の言葉があります。これは勝敗だけでなく、人間が打った棋譜にも価値があると言っているのだと解釈しています棋譜、それはつまり盤上の物語のものです。私が夢中になった「将棋道」の頃の将棋ゲームになった将棋AI共存した将棋。それらすべて、棋士の背景や時代も含めて、打たれた将棋価値は変わらない。あの5二銀打が今後も語り継がれていくように、私が愛した対局はこれからもずっと愛していく。少々大げさな表現かも知れませんが、自分人生肯定されたような、納得がいったような、自分の心の暗い部分に温かな光が照らされたような、そんな言葉でした。

話が長くなってしまいました。古臭い将棋ファン戯言として聞いて頂けたら幸いです。

改めて、藤井聡太さん、竜王位獲得おめでとうございます

追記

https://anond.hatelabo.jp/20211116114350

2020-08-22

藤井聡太二冠に観るAI時代将棋の楽しみ方

長すぎて読めない:AIの推奨手と解説聞きながら藤井SUGEEE!してればおk

対象読者:駒が規定の動きに従って取ったり打ったりできるのは知ってるくらい)

 かつて、電王戦というイベントがありました。故米長邦雄永世棋聖ちんこにまつわるエピソード豊富)の鬼手/奇手として遺ったそのイベントは、プロ将棋界に大きな爪痕を残しました。2013年コンピューター(当時はAI=人工「知能」とは呼ばれていませんでした)に破れた最初の現役棋士佐藤慎一五段(ギターと歌がうまい)のブログに多くの中傷コメントが寄せられたことに始まり、その後プロ棋士泥仕合の末の引き分けを挟みながら連敗すると「コンピューターに負ける棋士達に偉そうに生きていく資格はあるのか?」という問いが投げかけられました。その後はプロ棋士一時的に巻き返して勝ったり負けたりになりましたが、その勝ち方に対しても「コンピューターに対するハメ手」ではないかという意見が上がるなどしましたし、2016年3月AlphaGo囲碁トップ棋士を破るに至っては、もはや二人零和有限確定完全情報ゲーム人間AIに勝つの不可能だろうと考えられました。実際AlphaGoに敗れた棋士は、2019年に「AIに勝つことができない」ことを理由の一つとして引退しています2017年佐藤天彦当時名人(ABEMAトーナメント煽り文句が「おしゃれマスターなのはひどすぎる)が番勝負を連敗で落とすに至って、「絶対将棋人間AIに勝てない」という合意形成されていきました。

 藤井聡太二冠(初手を指す前にお茶を飲む癖があり、昨日の王位戦にはお~いお茶スポンサーした)は、そんな2016年末、「プロ将棋棋士とか存在する意味ある?」という疑念マッハ時代プロデビューし、2017年度にまたがってあのデビュー後無敗で29連勝とかい前後不覚、いや空前絶後の記録を打ち立てたのです。藤井二冠の将棋の魅力は色々に語られますし私も以下で色々に語っていきますが、当たり前であるが故にスルーされがちな第一理由としてシンプルに「強い」ことが挙げられるでしょう。誰しも推ししょんぼりしている姿は見たくないものですし、そこから照射して強い人を推しにするのも自然なことです。藤井二冠の強さは誰しも知るところですが、端的に説明するならば2018年に達成した記録4部門勝率勝利数、対局数、連勝数)独占が挙げられるでしょう(なお過去の独占者:内藤國雄、羽生善治羽生善治羽生善治羽生善治)。今回の「二」冠についてもそうですが、レーティング勝率など将棋についての数字で表せる強さに関しては、ほとんどすべての場合において現状藤井二冠に勝てる人はいないでしょう。そのことは世間に対する「わかりやすくすごい」というアピールに繋がっているのだと思います。駒の動かし方すらわからなくても、何かでデビュー後29連勝するのがとんでもなくすごいことだというのは誰でもわかりますからね。

 さて、「数字に関して藤井二冠はすごい」と言いましたが、ではこれが「数字じゃない部分は藤井二冠は大したことない」という皮肉であるのかと言えば、そんなことは全くありません。まあ将棋が勝ち負けのつく勝負である以上、どうしても「勝てば官軍」的な側面は存在してしまうのですが、それを抜きにしても多くのプロアマチュア意見の一致するところとして「藤井将棋は華がある」というものがあります

 世の中にはプロ棋士評価されるプロ棋士、されないプロ棋士、というものが実は存在します。その基準将棋に対するそもそも姿勢であったり、序盤の構想力であったり、終盤の鮮やかさであったり、あるいは元も子もなく勝率であったり、さまざまです。しかし、羽海野チカ先生キラキラ系だと思ったら違ってむしろアコガレ側だというのを吉田豪インタビューで知ってより好きになった)が『3月のライオン』で「信用」という言葉を用いて描いたように、それは確かに存在します。その言葉を借りて言うならば、藤井二冠は今棋界で最も信用を得ている棋士といえるでしょう。その源は何かと問えば5連覇中の詰将棋解答選手権に明らかな終盤力でしょう。「詰まないと思ったけど藤井くんが詰ましに行ったかまさかと思って調べてみたら詰んでた」というエピソードをどれだけのプロ棋士の口から異口同音に聞いたのか数えきれません。昨日も村山慈明七段(兄弟子の飯島栄治七段をトーナメントで負かしたのを忘れて「叡王戦どうされました?」と聞いた)がそれを言ってました。他方で、序盤力で羽生九段(って呼び方違和感あるよね)の若い頃と比較して、「新人羽生の序盤は荒削りで終盤の豪腕で勝利をもぎとっていたが、藤井はそうではない」と度々評されてきたあたり、「序盤、中盤、終盤、隙の無い」という格言に当てはまる棋士のような気がします。ちなみに藤井二冠はコロナ前後課題として中盤力を意識的に強化したようです。

 さて、ここまで散々凄いことかのように言ってきたのですが、実はプロ好みのプロ棋士というのはさほど珍しくありません。何十人かはいるでしょう。しかし、「プロ好みで」かつ「アマチュアにも好かれる」棋士しかも勝ちまくっている棋士といえば片手で十分なレベルでしょう。「プロ好み」「勝ちまくり」についてはすでに説明したので、以下では藤井将棋のどのような部分がアマチュア好みであるのかを解説します。アマチュアもまたプロに負けず劣らず基準が多様なのですが、結局は一つです。「オレが観てて面白いか否か」。以下では、その点について昨日の封じ手を中心に論じていきたいと思います

 さて、封じ手です。封じ手とは何でしょうか。大丈夫です。たまに先走っちゃうけど私は「駒の動かし方というもの存在する」レベル知識の人にも分かるように書いてるつもりです。封じ手とは2日制の棋戦で用いられる作法で、どこかまで指して、じゃまた明日、となっては最後に指してない側の人が一晩考えられてあまりに有利なので、手番の人が誰にも見せず「封じ」て、翌日に開封するということでそれを相殺しようという試みだと私は理解しているのですが、実際は「お前それ同歩の一手やん」みたいな封じ手も多く、謎です。たぶん同歩の先に必然手順があってその先にある分岐実質的に封じているのだとは思うのですが、封じ手やったことないし全く分かりません!誰か解説して!ともあれ、封じ手NARUTOとかの技名っぽい)の瞬間にドラマチックなことが起こることはまれです。でもなー、そこで起こすのが藤井二冠なんですよ!

 さて、王位戦第4局の封じ手は8七同飛車成でした。これは、一手前に木村王位(自ら将棋の強いおじさんと称するユニーク解説名人称号は当分は奪われないでしょう)が飛車の前に銀を進め、飛車にお帰り願う手に対するものでした。お帰り願われては仕方ないので、飛車を逃げるだろうというのが大方のプロ見解でした。しかし。藤井挑戦者はここで30分以上の、当たり前の一手があるに場面しては長考を行いますまさか、と解説がざわめきます飛車を切る手順を考えているのではないか。お帰り願った銀を飛車で食いちぎり、その飛車を金に取らせる手順を考えているのではないか。長考のまま封じ手時間となった。解説では飛車を切る手順と逃げる手順の比較を行っています解説橋本崇載八段(金髪パンチパーマゴリラから一時期太ったがまた巻き返して爽やかになった)は「いやー同飛車成は指せないですね。いや指すには指せますけど。ただ封じ手でしょ?手が震えて紙に書けないですよ」と言う。それほど異色の手なのだ

 同飛車成について私の印象を言わせてもらうならば、「アマチュア5級~3級の人がやりそうな手」です。お帰り願われたんだけど、そのまま言いなりになるのも業腹なので、切ってしまう。飛車と銀の交換で、相手は最強の駒・飛車をどこにでも打てるのに対し、自分飛車より弱い銀をどこかに打つ権利を得る。普通はそれでは勝てないが、相手が考えてない手を指した結果、相手の陣地は乱れ、時間も使わせることができる。お互いに強くないのでそこからちゃごちゃっと泥仕合にして最後はなぜか飛車を切った方が勝ってしまう、というのはそのレベルの人たちの将棋ではありがちです。ムカついたからという理由飛車を切り飛ばし、それで勝ってしまう。こうなると将棋はやめられません。もちろんそれはお互いに棋力が低いから成り立つ無茶で、相手が強くなっていくにつれてそうした手は通らなくなり、みんな普通の手を指すようになりますプロがよく言う「将棋は当たり前の手の積み重ね」「将棋は悪手を最後に指した方が負ける」という格言はそれを物語っています。ある程度強い人同士の将棋では、必殺技みたいなすごくいい手というのはなかなか出てきません。相手もそれを読んで必殺技を出させないようにするわけですからしかし、です。藤井二冠にそれは当てはまらないようです。今回の同飛車成も、以前に指した数々の「AI越えの鬼手」も、いかにも無茶で派手な、必殺技的な手です。つまり3級~5級の頃にみんな指していて、今はもう出来なくなってしまった手です。将棋一般に、2級と初段に壁があるといいます。2級になるためにはそうした無茶な手を捨てられるようにならなければならないし、初段になるには詰将棋や定跡を覚えなければならない。そうやって人は昔の無茶苦茶でありながら楽しかった将棋を失い、しかし強さを得ていきます。そうして強くなった人にとって、3級~5級の人の将棋というのは、少年期の懐かしい思い出のように映ります。昔は楽しかったな、でも今はあんな無茶はできないな。しかし、藤井二冠はその少年のような(というか少年なのですが)手を数々の大舞台で指して、そして強敵を破ってしまう。そりゃテンション上がりますよね。

 さて、藤井二冠のデビュー前後AI棋士地位を脅かしていたという話をしました。今もネット中継ではAIによる評価値や予想手が画面上に表示された状態視聴者解説者は将棋と向き合うことになります。そんな中で生まれ面白い解説常套句があります。「これは人間には指せない手ですね」。初めてその言葉が使われたのはおそらく第2回電王戦のどこかだと思うのですが、最初のうちは否定的ニュアンスが多分に含まれていました。人間なら一目でもっと上手く指せるのに、コンピューターにはこんな変な手を最善手として示してしまう、と。しかし次第にその言葉は畏怖と諦観を込めて使われるようになりますAIはこの手を最善と示している、確かにそれは正しいのだろう、しか人間にはそこまで深く読むことが出来ないから指せないのだ、と。現在棋士はおおむねその諦観を受け入れているように見えますAI的な最善よりも、人間の身の丈にあった答えを。ほとんど神話寓話世界の話ですが、その姿勢は間違っていません。人間が鳥の真似をしたところで、翼を焼かれるだけですからしかし少数の棋士は、その諦観を受け入れません。その筆頭が藤井二冠でしょう。彼は徹底してAI感覚を身につけようとし、かつ成功している人間であるように思われます。先ほど述べたように、「コンピューターのような」という言葉蔑称として使われる時代はもう過ぎました。それは単なる時代的なドグマではなく、すでに述べたとおり実際に「面白い」のです。藤井二冠はきっと、ラジオ時代ポップスターがいたように、テレビ時代プロレススターがいたように、AI時代に生まれるべくして生まれ将棋スターなのだろうと思います

 将棋はきっとこの先永遠にAI神様との比較さらされ続けます。その中で、我々よりもずっと神様に近い人が諦めてしまう。きっとこの構造人類史普遍的ものだと思います。そして、その諦めは決して不幸とイコールではない。そのことは多くのプロ棋士が「コンピューターには指せない」=「人間特有の」戦法や戦術を用いて証明してくれていますしかし、もし、人間が諦めずほんとうに神様を目指したとしたらどこまで行けるのか。その問いに対して藤井二冠の活躍は答えを出し続けてくれているように思います。私にはできない、あなたにもできない、困難な道を歩むことを彼は決めました。ならばせめて、その後ろ姿をずっと眺めていたいとは思いませんか。私は思います。というか散々述べたように後ろ姿を眺めるのが楽しすぎてやめられない状態にあります。まあ、私は振り飛車党なので実は推し棋士別にいるんですけどね。

(2021/2/7追記)書きました anond:20210207093448

2020-07-29

平安時代の碁打ち藤原佐為は遥かな時を越えてAlphaGoの心に蘇った

神の一手を極めるために

2020-01-06

anond:20200106145756

2016年11月08日 08時00分 公開 「テールランプ切れてるよ」ウソをついて車から降ろすのはアリ? 警察学校採用されている実務書が物議、警視庁は実質回答拒否 - ねとらぼ 332 users

2016年12月05日 18時16分 公開 踏切で一時停止した車にトラック運転手が激高、鈍器でドアガラスを殴る動画拡散中 会社側は非を認めて謝罪 - ねとらぼ 314 users

2016年12月1111時30分 公開 なぜアニメ放送は“落ちる”のか 放送が落ちる理由待遇問題について現役アニメーター・制作進行に聞いた (1/2) - ねとらぼ 431 users

2016年12月14日 11時00分 公開 なぜ無断転載された側に手間を要求? 「NAVERまとめ」の“トンデモ”削除対応理由を聞いた - ねとらぼ 506 users

2016年12月18日 16時16分 公開 「クラウドソーシングサイト共犯だ」 キュレーションメディア炎上騒動についてWELQ記事寄稿ライターが怒りの告発  - ねとらぼ 316 users

2016年12月28日 16時12分 公開 まとめサイトはちま起稿」、DMM.com運営していたことが判明 - ねとらぼ 965 users

2016年12月28日 22時20分 公開 はちま起稿を買収したDMM、元管理人清水氏ら主要メンバー雇用ステマ関与か 取材に対し隠蔽工作も (1/5) - ねとらぼ 775 users

2017年01月05日 01時30分 公開 謎の囲碁棋士「Master」の正体は「AlphaGo」 Googleが発表 - ねとらぼ 625 users

2017年02月02日 18時43分 公開 「4分33秒黙ってたら著作権料発生する?」 JASRACにド直球な質問をぶつけてみた - ねとらぼ 358 users

2017年03月06日 16時05分 公開 “二次元ボディー”天木じゅん、ついに「童貞を殺すセーター」を着用してしまう - ねとらぼ 341 users

2020-01-02

生モノ存在できない時代になりつつある

日々生きてると実感しづいかもしれませんが、現代社会は日々向上しています

とくに科学技術テクノロジーレイ・カーツワイル指数関数的に伸びてるとか言ってますが、それを信じるしんじないにしろ今の所確実に成長を続けています

なにか買っても数年後にはテクノロジーの向上で、価格が大幅に下落したり飛躍的に向上した製品が出現するので、現段階の商品サービスを無理して買う必要はありません。

かに今までもテクノロジーの変化のせいで過去遺産がだめになることがありました。レコードからCDへ変わったりVHSからDVDへ変わったり。その変化にかかる期間が狭まってます

歴史適当なのでずれてたらメンゴ

企業コンピューター利用が始まる


家庭に電子機器が入ってくる

一般家庭にPCが入ってくる

個人PC匹敵する無線端末を常時持ち歩く

動画コンテンツストリーミングで消費し始める

無線通信で動画コンテンツストリーミング消費、発信するようになる

人体の動作バーチャル空間アバター表現するようになる

社会の動きも目まぐるしく、当たり前だと思われていた年賀状を書く文化ももうありません。携帯ストラップをジャラジャラつけていたのさえほんの10年前だし、物理鍵や財布など、今まさになくなろうとしているものもたくさんあります

自動運転が出来るっていうのに免許を取るだとか、電気自動車が主流になるかもしれないのにガソリン車を買うだとか、新しい断熱材や最新の施工技術が出てくるかもしれないのに家を建てるだとか、日毎変化しているなかでものを所有するリスクが日々高まっている。

2019-10-08

anond:20191008140759

序盤は変わらないとおもうけど中盤ネット碁たまたまAlphaGOと当たって完全敗北したサイが

あれに勝つまでは現世を離れるわけにはいかんとなって

結果的に途中でサイが成仏する展開がオミットされ、

プロになってもヒカルとしてとsaiとしての二重生活を送ることになる。

 

しかしこの展開だと着地点が見えない話になりそうだな。現実的にはサイが勝てる未来は無いが、

無理やりヒカルの閃き+サイの地力で勝ちましたENDにもってくしかいか

対局中にこの手をサイに伝えて勝っちゃったらサイは消えちゃうんじゃないかと考えて

悩んでしまうシーンとか感動ポイントとしてよくない?

2019-02-07

Vtuberゲームプロジェクト」がすごい

最近またVtuber話題なので、私が好きなVtuberゲームプロジェクト」の魅力についてひたすら語ろうと思う。

ゲームプロジェクトとは

ゲームプロジェクトとはVtuber4人組のユニットである都内高校ゲーム部に所属する生徒4人が、部活動の一環としてVtuberをしている、という設定。ゲーム部は4人のVtuberで一つのYouTubeアカウント運営している。実際には株式会社バーチャルユーチューバーという企業運営しているIPである

ゲーム部の特徴

ゲーム部の動画ではキャラ設定台本比較的かっちりと決まっている。アドリブ生放送では中の人感が透けて見えるが基本的キャラのロールプレイは守られている。日常動画に至っては恐らくコンテが切られていて、ほぼCGアニメと同じと言える。

動画構成する脚本、声の演技、編集ゲームプレイングなど個々の要素のクオリティが高いため、恐らく各種のプロ合作であることが推測できる。

ゲームの戦績

特筆すべきは、このVtuberたち、ゲームがめちゃめちゃ上手いという事であるポケモン初心者の私でもゲーム部長の夢咲楓さんがポケモン超上手いことは理解できる。(他メンバーも凄いようだが私には評価できない。でもみんな好き)

ポケモンというゲームは三ヶ月に一度、世界中の全プレイヤーの戦績が発表される。夢咲楓さんは、その中でほぼ毎回コンスタント10位以内を取り続ける実力者である

アニメキャラ現実に食い込んでいる

美少女JKだけど実はチート級のゲームスキルを持っている」というキャラクターはアニメラノベなどでありがちな設定だ。これまではアニメラノベからこそこんな設定のキャラクターを作ることができた。フィクション世界でそういうキャラを創り出すのは簡単で、ラノベにそういう設定を一行書き足せばいい。しか現実プレイヤーランキングに食い込んでくるとなると話が違う。ゲーム部の画期的なところは、そんな最強アニメキャラクターを現実世界に半実在させたということである夢咲楓は永遠美少女JKでありながら、PGLの中に確かに実在する。そしてポケモン人生捧げてるような世界中の並み居るガチプレイヤー達を打ち負かしてランキング上位に躍り出ている。

会いに行ける

去年のTGSゲーム部に会えるイベントが開催された。参加者VRHMDを被り、仮想空間の中でゲーム部のキャラと一対一で交流することができる。参加者には目の前にゲーム部の面々がいるように見えている。さながら握手会である。このイベントが今後も行われるかは不明だが、他のVtuberでも同様のことができる可能性は大いにある。

要するに言いたいこと

複数プロクリエイターが協力し合いCGキャラクターを動かすことで、従来のニコ生アニメとは違った価値を生み出すことができる。個人的には監督がいて脚本があってコンテが切られていればそれはもうアニメだと思っているが、ゲームプロジェクトアニメ性質を持ちながらもプレイヤーランキングの中に実在しているし、生放送視聴者相互作用することもできる。言うなればインタラクティブな「生きたアニメ」「会いに行けるアニメ」という全く新しいコンテンツ可能性を示したのだと思う。

※(余談)ポケモンというゲームについて

これは本筋から少し外れる話だが、ポケモンというゲーム性質について言及しておきたい。

数年前、googleAlphaGOという囲碁AIプロ棋士を打ち負かして話題となった。囲碁における石の置き方は10^360通りあり、どんな打ち方が最強なのか未だに確定していない。(ちなみに観測可能宇宙存在する電子の数が10^87以下とされている。)囲碁には二千年の歴史があり、競技人口もそれなりに多い。つまり人類2000年かけて探索してきた歴史ある定石とされるものが、コンピュータシミュレーションによってあっさり覆されたということだ。それどころか人間がこれまで思いもよらなかったような強い定石がAIによってどんどん産み出されているので、世間に衝撃を与えAIブームの発端となった。

何が言いたいのかというと、ポケモンも(ちょっと大袈裟だが)これに似た性質を持つゲームだということ。約800種類のポケモン(レートで使われるのはせいぜい100種類だが)それぞれにタイプ個体値種族値努力値性格特性、わざ構成、持ち物など無数の隠しパラメータがあり、育て方に無限パターンがある。それらを6体組み合わせて戦術を作る。戦闘では相手PT戦術予測し3体を選出、各ターンで何をするか臨機応変判断必要となる。相手の裏をかくといった読み合いもする。PT構築の時点でメタゲームが始まっており、何のポケモンが最強なのかは誰にも分からない。酷い時は一週間単位で強いとされるポケモンが変わったりする。戦闘中はダメージ計算必要だし(わざの威力の表れ方は毎回乱数で変わる)、上位勢の間では毎試合スクショを取って記録、環境分析する者も普通にいる。

ポケモンガチろうとすると考察計算だけでなく、時間的リソースもかなり消費する。育成や厳選にも相当の時間コストがかかる上、ポケモンを入れるボール色違いに拘る者も珍しくない。(ちなみに色違い意図的に作るためにはサブロムを買って外国語設定で二周目をプレイするなどの手間をかける必要がある。)そのためポケモンガチプレイヤーはしばしばポケ廃と呼ばれたりする。

そして、、夢咲楓さんのプレイングは可愛い顔や天然な性格優等生な立ち振る舞いからは想像できないほど、エグい。ニコニコしながら躊躇いなく厨ポケを使うし、批判されるようなプレイングをしてでも泥臭く徹底的に勝ちにこだわる。ほぼ負けが確定した試合でも、諦めず、限りなく細い勝ち筋を必死にたぐり寄せていく姿は圧巻だ。

彼女は、そんな厳しい、そして世界中の老若男女から愛されるポケモンというゲームで、最高レート4位の偉業を成し遂げている。今現在も1位を目指して努力を重ねていることだろう。

2018-08-11

医学部女性差別問題が起きてる今、昔俺が書いた日記を読んでよ!

から医者を目指す人の気がしれない

https://anond.hatelabo.jp/20171217013541

医者になるやつの気がしれないの続き

https://anond.hatelabo.jp/20171219000743

上の日記は近い将来、AI医者にとってかわられるって話ばかりです

今のAIって、機械学習とかニューラルネットワークとかDeepLerningとか言われてますがそれって結局は特徴量を覚えてパターンとして覚えて当てはめてるだけなんですよ

「それって何?」

っていうと、つまり微分なんです

微少変化を出して記憶しているだけ

パターン認識なんです

ところで話かわりますIQテストって要はパターン認識とその適用ですよね?

ちなみにおっさん小学校の時に130ぐらいでした(自慢)(でも東大はいけませんでした涙)(メンサとか無理涙)

あれは例題の変化を読みとって、そこから次を適用する

まり微分して、積分しているわけなんです

(通じなかったらごめんなさい)

今のAIってパターン認識の微分はできるんです

病気の診断って、結局パターン判断でしょ?

うそれは人間AIに勝てない時代になります

ただ積分はできないっぽい

(もしかしたら私の勉強不足でできてるのかもしれないけれど)

囲碁人間に勝ったAIalphaGoだって積分ができないから全てのパターンを超高速で計算して、それぞれの局面微分して評価して次の手を決めてるだけなんです

高度な資格必要職業って、結局記憶力とパターン認識じゃないですか

人間コンピューター記憶パターン認識で勝てないんですよ

それだけやってる人は職業を失うんですよ

という盆休みで嫁と子供実家に戻ってて自由に酔っ払ってるおっさん戯言でした!

積分力を鍛える!」

とかではなく、人間と今のAIの違いって何かを成し遂げるために試行錯誤する、その意思や実行力だと思うんですよね

人のできること、AIのできること、その棲み分けを上手くやればもっと素敵な未来が開けると信じています

2018-05-08

anond:20180508181657

AlphaGo『ギギ…ピー! ワタシハ 「ゴ」のタタカイニ オキマシテ ソレマデ ネットジョウニソンザイシナカッタ テヲ ウチダシマシタ ソレハ ワタシノ シンギュラリティ ニヨル データ セイセイノ オカゲデス! ピー!ガー!』

2018-04-16

anond:20180416095921

まあ、落ち着いたら、「どこがクソか」を一覧にしてまとめろ。

それを3日ぐらい毎日見直せ。

それをフィードバックしてその次の新刊を書こう。

どんなものでもやってみてのフィードバックによって上達するもんだ。そのうえで、一旦新刊として完成させたのはえらいぞ。

AlphaGoは数万回自己対戦してフィードバックしてるってことは、数万回負けて上達してるってことだ。

2018-04-09

大谷見てるとAlphaGoプロ棋士虐殺してるみたいな気分になって応援できない。

早く負けて人類安心させてあげてほしい。

2018-03-29

anond:20180328232918

AlphaGOソシャゲーやってたら面白いかなと思ってAlphaGOにした。

よく考えたら人物じゃなかった。

2017-12-17

から医者を目指す人の気がしれない

将来どうなるかなんて、ほとんどの人にはわかりませんが、医者だけはやめとけ、と言いたいです

お金儲けたいのに今から医者を目指すのなんて情弱じゃね?とすら感じます

しかしたら不治の病を研究して治したいとか、医者になって医者AIを発展させる側なのかもしれませんが

予言しま

医者に行く事自体が減るようになる世の中になります

医者病気になったら必要とされる職業ですが、そもそもAIが日々の体調を調査、及び管理し、医者に行く事自体が減るようになる世の中になります

個人マネジメントしてくれるAIが一人に1つついて、朝起きたら、家庭用のAIセンサー睡眠時間、体温、脈拍をチェック

また家庭用のCTができれば、それで体内まで毎日検査して日々の違いをチェック

体重脂肪筋肉等もチェックして食事運動アドバイスをしてくれる

もちろん寝る時の部屋の温度も調整してくれるので、寝冷えもない

そんな未来が来るんですよ!SFでよくでてくる感じの未来ですよ!素敵!

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まあそこまではないとしても、現状、医者の診断って

1 症状がいつおきて、どんなかんじた伝える

2 聴診器で何か聞いてる

3 診断する

こんぐらいじゃねーすか

1 の症状なんて そもそも医者に行く前にWEBベースでの問診に答えればいいだけだし、問診なんてAIチャットボットでできるし

2 の聴診器で聞くのなんて、それ用の機械つくればいいだけだし

3 診断なんて、入力にもとづく判断なので、そんなのはしろAIの得意分野ですよ

1,2が入力で、3が出力

ただそれだけなんですよ

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インドのDocsAppしってますか?

https://www.houdoukyoku.jp/posts/15647

問診→診察→処方箋発行→薬の宅配OK

スマホだけで完結するんですよ

医者の居ない地域のためのアプリだったのが、便利すぎて既存医者領域侵食してきます

だって「早い」し「安い」、つまり便利だもん

(※個人的には、採血キット送られてきても、自分採血は嫌だな)

日本語のできる医者がいるなら俺もやってみたいぐらいだし

これが、今は人間医者が診断してますが、これがAIにとって替わられます

絶対

だって、そのほうが安いし、正確だし

人間医者って、名医ややぶ医者がいるように個人差あるけど、AI医者基本的に同じAIなら全て同じ能力

やぶだったら全てやぶ医者

毎日何万件も診察してて、データを日々アップデートしてるんですよ

そりゃ人間に勝てるわけないじゃん

1人5分の診察を1時間やって12人、1日8時間やって96人

1万人になるのに約100日ですよ

それを1日で万単位の診察するAIに勝てるわけがない

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てきとー検索してたら富士通に下記のサイトがありました

AIがお医者さんに医療診断をアドバイス、これから医療AIでどう変わる?

http://journal.jp.fujitsu.com/2017/11/29/01/

トップレベルプロ囲碁棋士を打ち負かして有名になったAlphaGoにしても、囲碁において最適な次の一手を打つだけのシステムに過ぎず、他に何かできるわけではありません

これねー

富士通も、まあ汎用AIの開発はまだまだ先だと考えてたんだろうけど、でも下の記事をみてください

AIアルファ碁」を改良、将棋チェスでも最強

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24325500W7A201C1FF1000/

最強囲碁AIアルファ碁ゼロ」、将棋チェスマスター

https://www.technologyreview.jp/nl/deepminds-groundbreaking-alphago-zero-ai-is-now-a-versatile-gamer/

まあ汎用AIができましたって記事です

さすがgoogle強い

酒飲みながらなのでgdgdですが、まあ若者医者やめとけよって話でした

じゃあ何を目指せば儲かるかといえば、わかんないけどとりあえずAIを基本としてそれを他の業界に展開できるような仕事ならあと50年はいけるんじゃないかな?

金融AIとか、医療AIとか、農業AIとかあるけど、データを取るのが難しい業界ほど時間はかせげると思うよ

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つーかねー

年々増えてく老人の医療費を、AI医者にすれば、かなり削減できると思うんだよねー

しかネットを整備すれば過疎地域カバーできるし

医療費が減れば今の若い世代負担が減って、生活も楽になるはずなんだよね

俺は年収500万だけど、厚生年金健康保険あわせて年間90万ぐらい払ってて泣けるわ(毎月6万、夏冬のボーナス20万もってかれてる)

家が欲しいけどこれ、嫁も子供も居るし、これからもっと高くなる事を考えたらローンなんて怖くて組めない

全じゃないくていいから、希望する国民に定期的にレントゲンCT実施して、AI医者のための基礎データになるようにならないか

そしたら今やってるあんまりおしろくない保守仕事すっぱりやめて、AI医者業界に粉骨砕身の覚悟でがんばります

大学受験東京に行くか、地元医学部行くかで悩んで東京にしてちょっと後悔してたけど、まさか医者AIができる世の中まで生きられるとは思ってもなかった

やっぱり世界はすげーなぁ

安定な仕事より、もっと先端な仕事たかったなぁ

という酔っ払いの戯言でした

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