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2010-08-09

アニメ漫画にある「女の子物語」の主人公は、大雑把にいって2種類である。

説明のため、ひとつタイプの名を、仮に社交型とする。


特徴

・皆から愛される人気者。社交的。

・食べる事が好き。空腹になると不愉快になる。

・集団の中で、無意識にいいポジションにいる。

・好き嫌いがはっきりしている。

・判断の基準が「好き・嫌い」 清濁合わせ飲むタイプ

感情の起伏は激しいが、後に残らない。

アイドル顔。

・原色やパステル系の色を好む。

など。


もうひとつタイプの名は、仮に神秘型とする。


特徴

・控え目。自分意見より、人の意見を優先する。ゆえに病気ストレスなど、生理的な影響を受けやすい。

・生活感がない。

自分の嫌いなものははっきりしているが、好きなものは曖昧。たとえば、「何を食べたい?」と聞かれても答えは返ってこないが、「これは食べたくない」は、すぐ答える。

・ ほっそりとしている。

ファッションセンスがよい。

・清潔か不潔か、自分なりの価値ラインをもち、不潔については、過剰に反応する。

・「あんなことをさせてしまった私が悪い」「こんなことを気にする私が悪い」と、言いがち。

・人の感情の波を和らげる力がある。

など。


こういった女の子が、主人公や、主要登場人物になりやすい。もっとも、中学生向けあたりから、そう単純にはいかなくなるのだが。

社交型と神秘型は、陰と陽である。


話はそれるが、例えば綾波レイ長門有希など、なぜか神秘型は、「男の子物語」に、登場することが多い。

神秘型の女の子に引かれやすい男の子タイプがある。仮に職人型とする。


特徴

・集中している感覚が好き。

・独断と偏見が強い。自分の中にある善悪概念で白黒つけるため、敵味方がはっきりしている。

・完全主義者。過剰なこだわり。

・こだわりが非常に強いが、自分に興味のないものは、まったく興味が持てない。オール・オア・ナッシング

・面倒見はよい。頼られると嫌いな人でもほっておけない。仕切り屋。

・執着心や持続力が強い。

睡眠は短くて深い。

・狭い場所を好む。


神秘型というのは、自分感情を廻りの人物、特に主人公に流されやすい。自分自分感情を、よくわかっていない、ともいえる。

彼女の事を、もっと知りたい」と職人型が思っても、女の子本人も、自分の事を、よくわかっていない。それゆえ職人型の男の子は、神秘型の女の子にハマる。


話を元に戻す。

アニメ桜蘭高校ホスト部」の話をする。原作漫画の方ではない。アニメの主人公は女子高生藤岡ハルヒ。他に6人の男の子が登場する。この作品、主人公のハルヒが、何を思い、何を考えているのは、ほとんど描かれない。彼女について考えたりするのは、廻りの6人である。主人公の女子高生藤岡ハルヒは神秘型である。彼女内面が描かれたと思われる「不思議の国のアリス」を連想させる回があった。あそこまでしないと、自分の願望がわからない、と捉えると、少し可哀想な気もする。

アニメでは、須王環と鳳鏡夜とハルヒ常陸院光と常陸院馨とハルヒ、の三角関係を描く事が多かった。それ以外の組み合わせだと、恋愛というよりコメディー色などが強くなっている。

須王環と鳳鏡夜は友人である。

常陸院光と常陸院馨は兄弟である。

埴之塚光邦と銛之塚崇は君主と臣下である。

最後の2人は、傍観的な立ち位置にいたので省くが、三角関係を描く時、「どちらを選んでいいか、わからない」「どちらを選んでも、おかしくない」という人選にしないと、うまくいかない。このアニメ場合、「友人」と「兄弟」の二つを使って、三角関係を描いた。

三人の関係ではあるが、須王環と鳳鏡夜、常陸院光と常陸院馨、対照的に描かれていた。太陽と月、昼と夜、どちらが正しいとか、間違っている、などではない。藤岡ハルヒと他二人は、恋愛一歩手前の関係ではある。が、友人対女の子兄弟女の子、といった関係でもある。おまけにハルヒは、自分感情を、よくわかっていない。だが、自分はわかっていないが、他人のそれは、わかるのである。

どのような最終回を迎えるのか、見ていて非常に興味があったが、ダイナミックな一回転で終わった。上から見ると、一回りしただけにも見えるが、横から見ると、一段昇ったのである。らせんうずまきのように。

もっとも、このアニメを、男装した女の子が、男子高校生に囲まれて、学校生活が楽しくなってよかったね、という話で捉えても、何の問題も無い。これはアニメだ、おとぎ話だ。

とはいえ、である。

私はフェミニズムジェンダーの人ではない。けれど、あまりに男にとって都合のよい女として描かれている。男装をしているため、女の友達がいない。ドラえもんの、しずかちゃん状態である。男装をしていると、特権階級の一員として扱われるが、普段、女の子の格好をしている時は、貧乏人である。こうして文章にしてみると、楽しいものではない。

父親はニューハーフであり、バイセクシャルである。典型的オカマ口調であり、女性連想させる。弁護士だった母親とは死別ている。が、回想シーンなどで登場する時の姿は、まるで父親のようである。その母親の後を追うように、娘のハルヒ弁護士を目指している。これが、父親と母親を逆転しただけなのか、別なものなのかは、今は触れない。

想像というより妄想ではあるが、ハルヒ性格を考えると、恋愛よりも、進学、卒業して働くこと、喰いっぱぐれない事を優先しそうな気がする。「お金持ちだから」という理由はあるものの、男の子達の意識に、そういうものがあるのだろうか。私には見えない。彼らに稼ぐ能力が無い、といっているわけではない。「お金はあって当たり前」と思っているように見える、といっているのだ。けれど、「結局女の子は、最後は王子様と結婚するものさ」とのん気に思っている男の子の側と、「それよりも、まずはひとりで食べていけるようにならなきゃ」と思っている女の子の側の、深くて暗い溝が、ぼんやりと見えるのは考えすぎだろうか。

この作品は、「女の子物語」ではあるが、「女の物語」ではない。女の子は、いつかここを卒業していく。いかねばならぬ。

神秘型を物語に登場させた場合、本人よりも廻りの人物が、彼や彼女について、多く語る。自分が語らない事で、キャラクターとしての内面が描かれる、という使われ方が多いように思う。さらに、神秘型の人物を語ることで、その人物は神秘型の彼/彼女を、どう思っているか、がわかる、という仕組みになっている。神秘型にモノローグは似合わない。させるとするなら、ポエムとして、だろうか。神秘型は、謎にしなければならない。

 
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