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2021-09-21

anond:20210921210855

性的少数者たちのよくわからない理屈少子高齢化という事実の前では無力でしょうね。人口動態というどうしようもない事実脆弱理論ブルドーザーのように押しつぶしていきそう。

2021-09-18

anond:20210918072621

> 毎日製造工程を見ていて気付いた、みたいな動機きっかけも一緒に海外流出している。

> 生産現場を離れた科学技術はとても脆弱ものだ。

---

工業日本から無くなってしまったのは、新興国の発展が一番の影響。

これは避けられない。

からこそ頭脳への投資必要だった。

そこを日本は軽視しすぎなんだよ。

アメリカなんて大卒なんてもはや高卒みたいなもん。

社長になるのにMBAという修士以上の学位必要となる。

かたや日本は「博士なんて使えない」なんて言い出す。

anond:20210918071854

結局は少子高齢化で、その遠因は好き放題した団塊の人たち。

生産現場中国マレーシアタイベトナムにあるんだから

科学技術を発展させたい、投資して効率化したい、という欲求や、

毎日製造工程を見ていて気付いた、みたいな動機きっかけも一緒に海外流出している。

生産現場を離れた科学技術はとても脆弱ものだ。

例外は、医療で、老人医療費を猛烈にかけているから、オムツ改善とかトランキライザーの改良とか

痴呆の改良とかについては国内動機やチャンスがある。ただ、実業界は、

老人牧場を低コスト運営して老人の資産年金合法的に搾り取ることしか考えていないから、

技術革新は進まない。

2021-09-15

昭和会社員は本物の家畜だった話してもいい?

最初に言うけど俺はまだ58なんで半分ぐらいは親父や先輩から聞いた話だ。

まず昭和の頃には社員寮というのが当たり前だった。

新入社員規則正しい生活を学ぶために最初の5年は寮に住めという規則が合ったぐらいだ。

知り合いの自衛官が言うには今でも自衛隊はそんな感じらしいが全く令和の時代にご苦労なことだ。

社員寮での暮らしは寮監や大家と呼ばれる人によって管理され、消灯時間というものさえ設けられていた。

深夜の外出は許可制だったし、休日会社運動会だの職場草刈り打なのによく連れ出された。

上司は怒鳴る蹴るは当たり前で、怒鳴っても物を投げない人は温厚と言われていたものだ。

私が入社しころ瞬間湯沸かし器のように毎日怒っていた人がいたのだが、今は定年再雇用資料整理係をしているのだがスッカリ大人しくなって驚いている。

会社から権力を借りてくればそれこそ異性の社員だろうが同性の社員だろうが手を出してもいいぐらいだったが、逆に会社権力を発揮すればリストラはあっという間に行われた。

サントリーの45歳定年の話なんて、昭和価値観でいえば何もおかしくなく、当時は労働組合煩いなんていっても鼻薬の嗅がせ方次第でしかなかった。

宴会芸で裸踊りをさせられたと話すと今の子供は驚くが、そもそもチン毛マン毛を燃やされることを拒否して出世したやつがいものかとドヤされるのが当たり前だったのだ。

あの時代会社員は確かに畜生だった。

飼われているという意味でも畜生であったし、今の尺度で見れば人間としても畜生だったのだろう。

だが今の社会と比べて、会社に飼われることの安心感は強かった。

なんだかんだ言って今の世の中ではサラリーマンと言っても脆弱だ。

給料も少ないし、転職できるネタがあるんだぞと脅さなければ会社に居場所も作りにくく、そのくせ部下はやれ人権だなんだという態度が露骨にすぎる。

テレビ牧場主が家畜相手家族ぐるみを自慢気に騙るが昔の会社サラリーマン関係はそんなもんだった。

会社サラリーマンがやる気を出せるようにと気を使ってくれもするが結果を出さなければ鎖で縛ったままで殴りつけてきたし首を切るのにも躊躇なんてなかった。

今の会社はどこか他人行儀で結果を出せと語りはするがどこか放任主義放し飼いのように感じさせる。

会社看板を掲げることで仕事をとってきたり仕事をもらったりしてその上前を撥ねられるのは同じだが、昔は鵜飼いの鵜のように餌場まで連れて行ってもらえたのが今は餌場ごと自分で探すような状態だ。

現代の世の中で社畜をやれるものある意味でそれだけ強い会社の下で働けているのだから幸せなのかも知れない

anond:20210915173759

それな。

「親ガチャ」ってのは、何も自分ガチャ敗北だけを訴える話じゃあない。

 

しろガチャ勝者への揶揄が本筋。

元増田みたいなやつに「お前、それ自分ガチャ敗者になってるときも言えるの?」って感じのね。

能力主義批判ネット露悪版ワードだ。

高学歴金持ちの奴ほど、「親ガチャ宣言は甘え」とか迂闊に言ったらダメなのよ。

 

逆に言ったら、マジで底辺からたたき上げた生粋戦士が、甘えるな、って言ったらそれだけで吹っ飛ぶ脆弱ワードだけどね。

2021-09-14

コロナ耐性が強い国・地域ランキング

Aグループイギリスなど西欧諸国 ウィズコロナに完全に舵を切り、ほぼコロナ禍前の日常を取り戻している。スポーツイベントも観客制限なし。

Bグループアメリカなど北中米諸国 地域によってはウィズコロナに完全に舵を切っているが、学校オンラインを続けるなど一定慎重さがある。スポーツイベントは一部制限あり。

Cグループ日本などアジア諸国の一部 まだウィズコロナに舵を切れていないがその道が出来つつある。スポーツイベントは強い制限ありだが多少観客は入れられる。

Dグループ韓国台湾など ゼロコロナを未だに追い求めており、医療態勢などの脆弱さもありウィズコロナへの道筋が見えていない。スポーツイベントは中止または無観客。

スポーツイベントにどれだけ客を入れられるかが、コロナ耐性の強さを表してるよね。

anond:20210913214824

直近の世論調査で立民の支持率が下がって、自民支持率上がってる時点で答えは出てるでしょ

問題は立民もその支持者もそれを受け入れる余裕が全く無いこと

方向転換に伴う一時的な痛みにすら耐えられないレベルにまで党組織脆弱化してる

anond:20210914131257

そういう人は根本的に自分に自信がないんだよね

自己受容が出来てないというか

それを論理で暴いたら脆弱自我蹂躙されてしまうわけだから、余計意固地になるのは当たり前で

2021-09-12

テキサス停電について

その例に挙げる海外停電が起きることについて有識者はどう判定してるんだろうね?

今年2月にあったテキサス停電のことだと思うけど、あのとき歴史上例を見ない-19℃という大寒波の影響で、再エネ風力(タービンの凍結)・LNG火発(パイプラインの凍結)・石炭火発(石炭の凍結)・原発(冷却水の凍結)など、多くの発電設備が止まってしまった。

原因は、風力タービンが欧州日本で使われているような凍結防止型になってなかったこと、その他の火発・原発氷点下気温に対応してなかったこと。つまりテキサスの発電送電網は、再エネと化石エネと原発のすべてが、そもそも世界的に「再エネをやらなきゃいかんぞ」となった理由である気候変動に対して、極めて脆弱状態のままだった。なおテキサスでは発電電力の2/3が化石燃料+原発由来で、なかでもLNGシェアが圧倒的に高いため、結果的にはLNGが大停電主犯だったことになる。このことは、停電発生当初は再エネを苛烈批判していたグレッグ・アボット知事も後に認めている。

https://abcnews.go.com/Politics/republicans-texas-power-outages-spread-false-claims-green/story?id=75947664

この凍結への準備不足に関して、米連邦政府は昔から凍結対応をせよと警告してたんだけど(1980年代から何度か寒波による電力供給問題が起きていた)、テキサスエネルギー政策では極めて反連邦的で、アボット知事の州政のもと、そうした連邦レベルの指示・規制を受けないよう、グリッドを切り離して独自運用をしていた。

本来、電力というのは送電網を使ってどこからでもどこまででも容易に送電できるのが燃料エネルギーに対する長所なわけで、ただ地域内で個別の再エネ設備LNG火発が止まっただけなら、他地域から送電すればよい。実際、テキサス以外の米本土各州はすべて州間のグリッド接続をしていて、そのほとんどは「東部インターコネクション」と「西部インターコネクション」という2つの送電網に集約されている。ところがテキサスは全米で唯一、連邦政府規制を避けるために、州間グリッド接続をせず州単位系統テキサスインターコネクション)を運用しており、これが命取りになってしまった。電力が不足してもほとんど他州から電力を流せない状態になっていたのだ。

うまく機能する電力取引市場大前提は、あらゆる発電設備需要家が相互グリッド接続されているということだ。だから欧州では地域間どころかEU全体に及ぶレベルで国際連系が形成され、非常に強靱で効率的な電力網が構築されている。テキサスはこういう流れに背を向け続けた結果、地域内の発電設備の一部が停止しただけで大ダメージを受けた。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%AD%E3%82%B5%E3%82%B9%E5%B7%9E%E9%9B%BB%E5%8A%9B%E5%8D%B1%E6%A9%9F

というわけで、テキサス停電は、今では再エネの技術問題などではなく完全な「人災」だった、という評価になっていて、アボット知事は激しい批判に遭い、テキサスインターコネクションを管理するERCOTは訴訟を起こされている。この停電の教訓は、

①これまで以上の気候変動を想定した、よりロバストな発電設備を導入すべき。

②安定した電力供給のためには、広域グリッド接続をしっかりやるべき。

ということ。

anond:20210912143653


追記と訂正

id:bleut テキサスというか米国LNG火力じゃなくて天然ガス火力だが、大丈夫か?

ご指摘ありがとうございました。ついLをつけてしまった。仰るとおり、米国で火発に使われているのは液化してないNG天然ガス)です。上のLNGは全て天然ガスと読み替えてください。

(このエントリ

皆さん、そろそろ「ベース電源」て言葉は忘れてください

続・皆さん、そろそろ「ベース電源」て言葉は忘れてください

の続きです)

2021-09-09

なぜ日本ラップ流行らないのか

なんでなんですかねえ?

調べてみた(出典:Google日本 ラップ 流行らない なぜ」)のですが、理由とされている言説はいくつかに大別できるように思いました。しかし、その全てに反論ができるような気がしたのでやってみます。揉めるためではなく、「本当の理由」を考えてみたくてこれを書きました。よろしくお願いします。

コンテンツ

不良の音楽から

まずラップは不良の音楽じゃねえよ(RHYMESTERをきけ)と言いたいところだが「悪そうな奴らは大体友達」なイメージがあるのも確かである。その上で問いたいのだが、不良がやる音楽とか不良が聴く音楽ってそんなにマイナスイメージか?

最近の話をしても湘南乃風レゲエとかEXILEファミリーEDMとかは「不良音楽」として受け入れられてるわけでしょ? さらに言えばおそらく「不良音楽」に魅力を感じる歴史自体戦後ビートルズからずっとあって、1020年前に何かバンドののライブに行って「周りは怖い人ばっかりだったけど楽しかった」って経験自分自身がした人も少なくないはず。

「不良の音楽であることと「良くない音楽」を混同してしまうほど、日本の人が未熟な聞き手だとは思わないのですが。

日本語の音韻構造ラップに向いてない

これはね、正直ちょっとあると思う。特に英語は、音的に日本語で言うところの「さらさらと」あるいは「ちょろっと」内容を伝えることが得意だと思う。よく言われるのは子音と母音一対一対応だということ。日本語だと「わたしはこれをかく」が「I write this. アぃらぃディs」で済むとかそういう話。どちらがラップに向いているか一見したところでは明らかである。あとは日本語で韻を踏むとダジャレになりがちという話もここに含めていいかな。

個人的には(そして多くの日本ラップファンは)「いやラップという表現言語の差でどうにかなるような脆弱ものじゃないし?」とか「いや仮に向いてないとしても30年以上日本ラッパーはそこと四苦八苦してきたし? 大きく分けて英語日本語を寄せる方法日本語をそのまま生かす方法があるし?」とか「日本語だとマシンガンみたいになるって批判されるけど、むしろ本場ではラップマシンガンみたいって褒められたかLil Uziって名乗ってる超有名ラッパーがいるぐらいだし?」とか言いたいのだが、読者には響かないであろう。結局言われてしまうのである。「流行ってないってことは向いてないんでしょ?」と。

そう言われると我々は強く出られないのだ。間違いなく話はそう簡単ではないのだが「確かに完全に英語みたいに日本語でラップちゃうと何言ってるか分からなくなっちゃうし、日本語を生かしてラップした結果が英語と違うと言われればそれはそうだし……」とオタク特有早口弱気になってしまう。

なので別のアプローチを試みたい。「『向いてない』にもかかわらずヒットしてる国があるのに日本ではなぜ?」

ここで取り上げたいのは韓国である

Korean Rap & Hip-Hop Music Playlist 2021

https://youtube.com/playlist?list=PLlYKDqBVDxX1PnKKWlElxDP47kBzzX35S

イメージ通りパとかチョとかが多くて日本語以上にラップに「向いてなさそう」である。はっきり言って、英語を非ダサさの頂点(実はそんなこと無いのだが)とした場合日本語よりダサい気さえする。

なのに、韓国チャートトップ各自確認してください)には、ラップがひしめいている。なんで?

悲しいかな、どんなに頑張っても日本で生まれ育った人がヒップホップをやるとどこか違和感がある。またアメリカ人着物を着ても最後最後は馴染みきれない。私達は幼少期の早い時期にしみ込んだ空気否定できない。

RHYMESTER - ガラパゴス

https://www.youtube.com/watch?v=MUI64Fknjcc

よろしくお願いします。

2021-09-08

anond:20210908120104

都会の方がリスクがあるんだからそっちにたくさんワクチンがいくようにして欲しいよな

観光で食ってる人間が大変だのなんだのはわかってるつもりだけど田舎病院脆弱なんだから緩和はもう少し先にしてほしい

それはそうと親御さんの体調が戻るように祈ってるね

2021-08-30

anond:20210830133859

ミサト「コロナの前は気分よく」

レイコロナ禍は憂鬱

アスカ「そう教えられたら、そう思い込んでしまう」

リツコ「コロナだって楽しい事はあるのに」

冬月「受け取り方一つでまるで別物になってしまう、脆弱ものだ。人の中の位置エネルギーとはな」

2021-08-26

ヘイトラボ実験記録

増田たちの憎悪は順調に育っている。

だが肉体が脆弱無敵の人には適さない。

これでは小田急線事件のように暴れても死者が出ないのがオチだ。

増田怪人化プロジェクト承認を待ちたい。

2021-08-25

anond:20210825123216

多様性を失うと種として脆弱になるけど

容姿は概ね性選択の結果だから技術が進めば標準化してもいいかもね

2021-08-22

anond:20210822173426

理論ゼロじゃないけど試行回数である程度は弾けるんじゃないかな。

それ、なんならクレカの方が脆弱なんじゃね?最近は2FAみたいなのあるけど。

2021-08-21

anond:20210821100311

でも日本上級国民以外は入院出来ないか

自宅で中等症の患者救急搬送先がない対応する医師がいないので救急隊員が個人宅に詰めて酸素供給したり

案の定家族全員が感染して死んだりしてる

 

そもそもコロナ以前から搬送拒否が起きたりする脆弱医療体制から

なので諸外国の鼻持ちならない小金持ちのように、

ワクチン打ったのでおそらく死なないし、なんかあったら入院すればイイっしょ♪お金ならある😊』

なんてことは上級国民以外はできない

2021-08-14

なんではてなではアフガン話題なってないの?

俺もあの辺(というか、世界のもの)全然詳しくないけど、なんかすげーことになってそうじゃん

アメリカ軍がひきあげた

・わりと脆弱アフガン現地政権が残った

・そこでタリバンが大攻勢に

アフガン政権もつアメリカ製兵器などを鹵獲しつつ、バンバン都市を攻め落としている

・もう国内第3の都市が陥落していたりして、近日中政権が潰れるのでは?みたいな声もあるらしい

 

こういう対岸の火事ってすげー面白いじゃん

もっと騒いでくれよお

俺ひとりじゃあんまり何が起こってるかわかんないよ

誰か解説記事とかかいてくんねえかなあ!

2021-08-13

anond:20210813122948

こうやって自由恋愛優生思想だと言いたがる馬鹿が後を絶たないね

恋愛できなくても死なないだろ馬鹿

一行目で馬鹿だと断じてるのに、なぜか二行目で疑いに転じてる。

たった二行でテキトウな決めつけであることを自ら暴露する。

馬鹿の見本。

生前遺伝子診断で産み分ければ死者なしに優生思想を達成できる。

ところで、主婦だけやって女らしい職業に就いてれば死にはしない。だが女性職業限定差別だ。だから馬鹿理屈だけでは「自由恋愛には差別がありうる」も否定できない。「死ぬのこそ問題」はあまり脆弱反論だよ。

2021-08-12

anond:20210812234202

あれだけの死者数を出しながら結果東京ギリギリ持ちこたえただろうが。

ましてや今より医療体制脆弱な中でだ。

死者の数に対してECMO使用者が少なかったってことだろうが。

2021-08-09

世界大戦争芸術

世界大戦争芸術

1.アウステルリッツの戦い

 西暦1805年冬、ナポレオン率いるフランス大陸軍六万と、ロシアオーストリア連合軍八万がウィーン近郊のアウステルリッツプラッツェン高地西方で激突した。

 フランス軍は当時のロシア軍に対し数的劣勢であったことに加え、アウステルリッツにおいて最重要拠点であるプラッツェン高地ロシア軍に占拠されていたため(一時はフランス軍によって占拠されていたものの、明け渡された)、当時フランス軍にとって有利な状況は何一つ存在していなかった。その上、アウステルリッツ南北双方からは敵増援が到着しつつあり、これら増援ロシア軍が合流を果たせばフランス軍には万に一つの勝ち目も無かった。

 このことからナポレオンは開戦直前に停戦交渉を行う。

 しか連合軍は数的優勢、土壇場になって停戦交渉に打って出たナポレオン弱腰さらには戦場における最重要拠点であるプラッツェン高地を手中に収めていることを鑑み、勝機ありと見た末に停戦交渉を撥ね退け、フランス軍との大規模会戦に打って出たのである。それらが全てナポレオンの張り巡らせた罠であるとも知らずに。


 1805年12月2日、戦端はロシア軍の先制攻撃によって開かれる。プラッツェン高地南方にて、フランス右翼の守るテルニッツ村が攻撃を受けた。

 当時の布陣図によれば、フランス右翼は極めて脆弱であり、ロシア軍はそこを弱点と見做し自軍左翼のブクスホーデン軍を急行させたのである南北に伸びたプラッツェン高地から出撃したブクスホーデン軍によって、フランス右翼陣地はあわや撃滅されようとしていた。右翼が壊滅すれば突破したロシア軍はフランス軍後方へと迂回し、中央フランス主力部隊挟撃することができる。そうなればフランス軍は終わりである

 しかし、まさにその瞬間に――ブクスホーデン軍がプラッツェン高地から、地上のフランス右翼へと殺到し始めた瞬間に――ナポレオン勝利確信したのである


「もしも、ロシア軍が右翼へ向かうべくプラッツェン高地を離れたなら、彼らは確実に敗北するだろう」  - ナポレオン

 フランス右翼は囮であった。ナポレオンの狙いは、ロシア左翼フランス右翼攻撃するために進撃を開始した瞬間に、手薄になった中央プラッツェン高地を集中攻撃することにあった。

 これによって、重要拠点であるプラッツェン高地ロシアから奪回し、戦場の主導権を我が物にしようとしたのであるさらに、アウステルリッツ会戦当日にはプラッツェン高地周囲の森には深い霧が立ち込めており、この霧の存在ナポレオン企図を助けることとなった。

 ロシア左翼プラッツェン高地から出撃して間もなく、スルト元帥麾下の第四軍団14000がプラッツェン高地中央部を急襲し、霧の中突如として現れたフランス軍を前に、ロシア中央は総崩れとなる。また、脆弱だった筈のフランス右翼も、ダヴ―元帥麾下7000の部隊が後方都市から到着したことで、数的劣勢を克服し、戦況を盛り返しつつあった。

(開戦前日にダヴ―麾下7000の部隊は密かに戦場へと到達すると、言わば伏兵として右翼後方に待機していた)

 やがて激烈なフランス軍主力の攻撃により、ロシア中央は壊走を始め、プラッツェン高地フランス軍により奪回された。同時に、フランス右翼攻撃のためにプラッツェン高地から地上へと降り立っていたロシア左翼は、敵陣の中孤立することとなり、戦局はここに決したのであった。


 ロシア軍は戦端を開こうとせず、増援の到着を待ち戦力を増強しさえすれば、少なくともフランス軍との直接対決において敗北を喫することは無かったであろう。

 しかし、ナポレオンはその裏を掻いたのである。彼はロシア軍が友軍と合流する前に会戦の火蓋を切って落とし、大規模な会戦に持ち込むことで、いち早く敵軍主力を撃滅することを画策したのだ。そのために、敢えて戦力劣勢を露呈し、戦場の最重要拠点を敵軍へと譲り、尚且つ弱気姿勢を見せるために仮初の停戦交渉さえして見せたのである。とどめには、勝機に逸るロシア軍の中央攻撃するために、敢えて右翼の布陣を脆弱にするという周到さであった。それら全ての罠がロシア軍の判断能力を奪い、かくしてロシア連合軍八万はアウステルリッツの地にて壊滅したのだ。

 かの有名な書物戦争論』の中で、著者であるプロイセン将校クラウゼヴィッツはこの戦いを次の言葉概括している。 「戦争芸術の粋」。


2.カンナエの戦い

 紀元前219年、遥かアフリカ北端国家カルタゴ将軍ハンニバルは、当時世界最大の強国であった共和制ローマ相手取り絶望的な戦いを挑んでいた。

 その絶望的な戦況を好転させるため、ハンニバルは自ら率いた精鋭部隊スペインからアルプス地方へと経由させることで、ローマの中枢であるイタリア半島本土に対し直接攻撃を仕掛けたのである

 最終的に、ハンニバルイタリア半島に十年間留まり、その間絶えずローマ軍に対する圧迫を続けた。その十年の戦いにおいて世界戦史上に燦然と煌めく、もっとも著名な戦いこそがカンナエの戦いである。


 ハンニバルアルプス山脈を越えイタリア北部に侵攻すると、次々と現れるローマ軍を待ち伏せや正面突破によって壊滅させ、イタリア半島南方へと進撃した。当時、快進撃を続けるハンニバルは数万の軍隊を維持するべく、イタリア半島各地で略奪を行っており、農村を中心に甚大な被害が上がっていたこからローマ軍首脳のストレスピークに達していた。更に、イタリア半島南部においてはローマ軍の補給基地存在しており、そこをハンニバルに抑えられるとローマ軍は南イタリアでの行動を制限される可能性があった。そのため、ローマ首脳陣はカルタゴ軍を撃滅するべくローマ史上最大規模の部隊を編成し、約八万の軍を執政官パウルスとウァロに指揮させた。この時、決戦の地に選ばれたのがイタリア南方カンナエである

 決戦の舞台となったカンナエは、川と丘陵地帯に挟まれた地形であり、カルタゴ軍約五万とローマ軍七万は平原ほとんど埋めるように布陣し、正面からかい合った。

 両軍は双方ともに両翼に騎兵部隊を、中央歩兵部隊を配置しており、いかにも窮屈そうな陣形であった。

 しかし、この人馬が埋め尽くす不自由戦場は、後に分かる通り、ハンニバルの用意した殺戮舞台としてはうってつけのものでさえあった。


 戦端は両翼の騎兵部隊同士の衝突によって開かれる。

 ローマカルタゴ双方の騎兵隊は、狭い地形において機動戦法を取ることができず、正面からぶつかった。

 歩兵戦力ではローマカルタゴで比べるべくもない数的差(6万強:4万)が開いていたが、騎兵の質、量においてはカルタゴ軍がローマ軍を上回っており(6500:1万)、カルタゴ軍は開戦から僅かな間に、左翼での騎兵部隊戦闘において優勢に立っていた。単純な数的有利から繰り出される圧力と、また練度の違いによりローマ騎兵は瞬く間に圧迫され、その算を乱していった。


 一方歩兵部隊における戦力差は繰り返すように圧倒的であり、歩兵同士の戦闘に限ってはカルタゴ軍がローマ軍に勝利する公算は無かった。

 そのため、ハンニバルは一計を案じた。

 ハンニバルカルタゴ歩兵陣形をお椀のように変形させ、その弧を描いた部分をローマ中央歩兵部隊と接敵するようにしたのである。これによって接敵する面積をできるだけ減らし、中央突破されるまでの時間を稼ごうとしたのだ。ハンニバル歩兵同士の戦闘をできるだけ遅滞させ、両翼の騎兵部隊が優勢に立つのを待った。

 また、ハンニバルはお椀型をしていた陣形を、戦闘が推移するに従って屈伸させ後退させた。当初の形(お椀の底の部分が接敵する形)とは逆に、ローマ軍の大半をお椀の中へと誘い込んだのであるさらに、ハンニバルは温存していた自軍左右の重装歩兵ローマ軍へと攻撃させ、ローマ歩兵挟撃される形を築こうとした。

 とは言えこの時点ではカルタゴ軍によるローマ軍への包囲は決定的ではなく、ローマ軍は歩兵戦闘において依然優勢な状況にあった。そのためローマ軍は、優勢な戦況を継続し、カルタゴ中央突破することで戦局を優位に進めようとした。


 ところがその時、歩兵部隊の両翼で戦闘を行っていたカルタゴ騎兵が、歩兵同士の戦闘に加わったのである

 戦端より優勢を維持していたカルタゴ騎兵は、ローマ騎兵を壊滅させた後に、敵歩兵部隊無防備な背後を攻撃した。左右を川と丘陵に囲まれ陣形の狭さ故に、ローマ騎兵有効回避機動を取ることができず、瞬く間にカルタゴ騎兵によって殲滅されたのであった。

 ただでさえカルタゴ軍に包囲されかかっていたローマ軍は、後方から攻撃を受けることによって決定的な混乱を迎えた。周囲を完全に包囲されたローマ軍は逃げ惑い、歩兵中央部では逃げ惑う味方の身体に押されて圧死する者も現れたという。

 この戦いによってローマ軍7万の部隊は完全に壊滅し、6万人が死傷、また、残る1万人は捕虜となった。


 地形を有効に利用し、敵軍を機能不全に陥らせ包囲殲滅する戦法は、いわばハンニバルの御家芸であった。

 機動部隊同士の戦闘を優勢に進め、敵軍を包囲殲滅するこの戦法が、以降近現代軍事教本に取り上げられ、カンナエの戦いのハンニバルに帰する栄光が不動のものとなったことはあまりにも有名であるハンニバルイタリアの地にてローマ軍を完全に破った。この戦闘によって、当初戦闘に参加していた元老院議員政治家八十名が戦死し、議員定員約300名のローマ議会における四分の一が戦死することとなる。


 続く:anond:20210809041010

2021-08-07

anond:20210807121445

警備が脆弱、つまり物理意味で弱そうなところが狙われることに変わりない

2021-07-30

脆弱医療体制

よくやり玉に挙げられるけど、1年程度で大きく改善できるようなものなのでしょうか。

物理的なベッドを増やすだけならできそうですが……

コロナ対応専門の拠点病院を立てて、そこに集約することで他の医療への影響を最小限にするとかでしょうか。

2021-07-25

脆弱を「きじゃく」とか読むやつ

修験道を「しゅうけんどう」とか読むやつ

いや・・・悪いとはいわないけどな・・・

なんかこう、なんかさ・・・

日本好きな人ほどあの開催式には怒ったほうがいいと思った

あの継ぎ接ぎ、チグハグ感、それがそこにあるべきという必要性を感じない、目の前に落ちてた素材をなんとなく陳列しました、みたいな雑感

もっと日本文化現代ポップカルチャーを存分に活かした魅せ方はできたはずで、大人の事情で魅力的な素材を手に入れられなかったとしても、あの素材をもっと素晴らしく魅せる演出のやり方はいくらでもあったように思える それこそ、野村萬斎MIKIKO椎名林檎らはそれができる人材だった

日本ほど昔から現在も幅広く独自文化が発展しまくっている国は世界でも有数、つまり日本という題材は魅力的な素材がいくらでもあって、それは素材が乏しい題材に比べたら圧倒的アドバンテージを誇っているはずなのに、あの出来であることを恥ずかしく思う コロナ禍といえ準備期間も金もあったはずで、その金がどこかに消えて組織脆弱で人が辞任して、そういう問題含めて結局結果を出せてないのだから、本当に恥ずかしい

ゲーム音楽だってもっとやり方はあっただろう ドラクエFFモンハンの曲だって日本人の半数以上〜七割が知ってるかどうかくらいじゃないか

王貞治ら三人衆なんて、今の若い子が知らなくても無理ないし、すでに過去の人なのだから、そんな方々を表に引き摺り出すのも、過去の栄光日本人がいつまでも縋っているように見える

元ネタを知らなくても、カッコよさやおしゃれさ、演出センス次第で「何か良い!ワクワクする!」と思わせることはできる MIKIKO案のAKIRAバイク演出とか、正にそうではないか

ゲームオタクや老人、芸人らの知る人ぞ知るみたいなノリでキャッキャ盛り上がってる様を世界どころか日本にすら見せつけて正直恥ずかしいし、日本の素晴らしさを知っているからこそ、もっと出来るはずだったのに、という悔しさがある

あんなにも金をかけておいて、本当に手作り学芸会を見ている気分だった

コロナは仕方ないとして、悪いのはIOCバッハか、組織委員会か、電通か、なんて突き詰めてもしょうもない 多分全部別ベクトルで悪い

唯一、そのノリだからこそ凄く良さを出せてたのはピクトグラムだったと思う あれは万人受けは難しくても、わかりやすく優しい面白さで、手作り感があるからこそ演出の妙が光って”イイ”と思わせるコントだった

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