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2023-10-02

anond:20231002075223

鉄は奥が深くて、まだ化学統計力学とか量子論的固体電子論とかで初歩を勉強してる段階だわ

2023-09-17

エンタルピーエントロピー関係について

承前https://anond.hatelabo.jp/20230916001142

前回の記事反響の中で、「エンタルピーについても解説して欲しい」というご意見複数いただいた。

エンタルピーエントロピーと同じく熱力学統計力学に登場する概念で、名前の紛らわしさもあってか、初学者がしばしば「分からない」と口にする用語の一つである

だが、実は、エンタルピーの難しさはせいぜい「名前が紛らわしい」くらいのもので、エントロピーと比べてもずっと易しい。

記事では、「エンタルピーエントロピーとどのように関連するのか」というところまでをまとめておきたい。前回の記事よりも数式がやや多くなってしまうが、それほど高度な数学概念を用いることはないので安心して欲しい。






まずは、円筒形のコップのような容器に入っている物質を考えて欲しい。

容器の内側底面の面積をAとし、物質は高さLのところまで入っているとしよう。物質の表面には大気から圧力Pがかかっており、物質もつエネルギーはUであるとする。

この容器内の物質に、外から熱Qを与えると、物質が膨張し、高さが⊿L高くなったとしよう。このとき物質もつエネルギーはどれだけ増加しただろうか?

熱をQ与えたのだからQ増加したのか、と言えばそうではない。物質が膨張するとき大気を押し上げる際に物質エネルギーを消費するからである。このエネルギーはそのまま大気が受け取る。

力を加えて物体を動かしたとき物体には、力と移動距離の積に等しいエネルギー仕事)が与えられる。

物質に与えられた熱Qは、物質がした仕事Wの分だけ大気に移り、残った分が物質エネルギーの増加分となるから

⊿U = Q - W

となる。これを「熱力学第一法則」と呼ぶ。

いま、物質大気に加えた力は F = PA であるから物質がした仕事は W = F⊿L = PA⊿L となる。

物質の体積は V = AL であり、その増加量は ⊿V = A⊿L であるから仕事の式は W = P⊿Vと書き直せる。従って

Q = ⊿U + P⊿V

とすることができる。


さて、ここで

H = U + PV

定義される状態量を新たに導入しよう。

この状態量の変化量は

⊿H = ⊿U + (P + ⊿P)(V + ⊿V) - PV

  ≒ ⊿U + P⊿V + V⊿P

となるが、圧力一定 (⊿P = 0 ) の条件下ならば

⊿H = ⊿U + P⊿V

とすることができる。

これは先程のQと同じ値である。つまり圧力一定の条件では、物体が受け取った熱は単純に状態量Hの増加分としてしまってよい。この状態量Hが「エンタルピーである

既にお分かりと思うが、この「エンタルピー」は「エントロピー」とは全く異なる状態量である

だが、熱力学においては、この二つはしばしばセットで登場するのである。それは、前回記事最後に述べた「エントロピー増大の法則」と関係がある。

しかし、それについて述べる前に、エントロピーについて一つ補足をしておきたい。







前回記事では、エントロピー変化と温度関係を「エネルギーのみが変化する場合」について考えた。

T = ⊿E/⊿S (体積・物質一定の条件で)

エンタルピーとの関係を考えるにあたっては、体積が変化する場合についても検討しておく必要がある。


そこで、「エネルギーと体積が変化するが、物質量は不変」という場合を考えよう。

(ここで、「物質量が不変」とは、物体構成する各成分の物質量がそれぞれ全て不変、という意味である。すなわち、化学反応相転移などが何も起こらないような変化を考えている。)

この場合には、エントロピー絶対温度関係はどうなるのだろうか?

結論を先に言えば、物質が外にした仕事」に関係なく、エントロピー一定量増加させるために要する「熱量」で絶対温度が決まるである

T = Q/⊿S (物質一定の条件で)

仕事の分だけエネルギー流出するにも関わらず、なぜそうなるのだろうか?

その理由は「膨張」という現象にある。

体積の増加によって物質構成分子の配置パターンが増加し、その分エントロピーも増加するのだ。この増加分が、エネルギー流出によるエントロピーの減少分をちょうど補うのである


このことをきちんと示すには、体積一定物体A(エントロピーSa)と、体積が変化するがAに対しては仕事をしないような物体B(エントロピーSb)を考えればよい(どちらも物質量は不変とする)。

両者を接触させ、絶対温度がどちらもTになったとしよう。このとき、AからBへ流れる熱とBからAへ流れる熱が等しく、巨視的には熱が移動しない「熱平衡」という状態になっている。

このとき、AからBに移動するわずかな熱をqとする。物体Aは体積一定なので、T = ⊿E/⊿S が適用できる。すなわち

T = -q/⊿Sa

となる。

熱平衡はエントロピー最大の状態であるから、微小な熱移動によって全体のエントロピーは増加しない。また、エントロピー自然に減少もしないので、

Sa +⊿Sb = 0

である

従って ⊿Sb = -⊿Sa より

q/⊿Sb = -q/⊿Sa = T

としてよいことになるのである

(この論法がよく分からない読者は、Aのエネルギー Ea を横軸に、全エントロピー Sa + Sb を縦軸にとった凸型のグラフを描いて考えてみて欲しい。エントロピー最大の点での接線を考えれば、ここで述べている内容が理解できると思う。)






では本題の、「エントロピーエンタルピー関係式」を見ていこう。

ビーカーのような容器に入った物質Xと、その周囲の外環境Yを考える。

Xは何らかの化学変化を起こすが、Yは物質量不変とする。X,YのエントロピーをそれぞれSx,SyエンタルピーをそれぞれHx,Hyと定める。X,Yの圧力はP、絶対温度はTで一定とする。

Xが化学反応を起こして熱Qを放出したならば、エンタルピー変化はそれぞれ

⊿Hx = -Q , ⊿Hy = Q

となるであろう。

一方、Yについては物質量不変より

T = Q/⊿Sy

であるので、

Sy = Q/T = -⊿Hx/T

と表せる。

これを用いると、エントロピー増大の法則

⊿Sx + ⊿Sy ≧ 0

T⊿Sx ≧ ⊿Hx

と書き直すことができる。これが最初に述べた「エントロピーエンタルピー関係式」である

エントロピー増大の法則」をこのように書き直すことにより、自発的な変化が起こるかどうか」を「物質自身状態量の変化」のみで考えることができるである。これが、エンタルピーエントロピーとセットでよく出てくる理由である

導出過程を見直せばすぐに分かるが、エンタルピー変化は「物質放出した熱による外環境のエントロピー変化」を表すために用いられているに過ぎない。

本質的には、「自発的に反応が進行するかどうか」はエントロピーによって、すなわち、微視的状態パターン数の増減に基づく確率によって決まっているのである

2023-09-16

エントロピーとは何か

エントロピー」という概念がよくわかりません。 - Mond

https://mond.how/ja/topics/25cvmio3xol00zd/t242v2yde410hdy

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/mond.how/ja/topics/25cvmio3xol00zd/t242v2yde410hdy


エントロピー」は名前自体比較的よく知られているものの、「何を意味しているのか今一つ分からない」という人の多い概念である。その理由の一つは、きちんと理解するためには一定レベル数学概念特に微積分と対数)の理解必要とされるからであろう。これらを避けて説明しようとしても、「結局何を言いたいのかすっきりしない」という印象になってしまやすい。

エントロピー」を理解し難いものにしているもう一つの理由は、「エントロピー」という概念が生まれ歴史的経緯だと思われる。

エントロピー提唱された時代は、物質構成する「原子」や「分子」の存在がまだ十分に立証されておらず、それらの存在を疑う物理学者も少なくなかった。エントロピー提唱クラウジウスは、「原子分子存在を前提しなくても支障がないように」熱力学理論を構築し、現象の可逆性と不可逆性の考察からエントロピー」という量を発見し、非常に巧妙な手法定義づけたのである

その手法は実にエレガントで、筆者はクラウジウスの天才性を感じずにはいられない。だが、その反面、熱力学における「エントロピー概念簡単イメージしづらい、初学者には敷居の高いものとなってしまったのだ。

その後、ボルマン分子存在を前提とした(よりイメージやすい)形で「エントロピー」を表現し直したのだが、分子存在を認めない物理学者達との間で論争となった。その論争は、アインシュタインブラウン運動理論確立して、分子実在が立証されるまで続いたのである





現代では、原子分子存在を疑う人はまず居ないため、ボルマンによる表現を心置きなく「エントロピー定義」として採用することができる。それは次のようなものである

「ある巨視的状態を実現しうる、微視的状態パターンの多さ」



例えば、容積が変わらない箱に入れられた、何らかの物質を考えて欲しい。

箱の中の物質の「体積」や「圧力」「物質量」などは具体的に測定することができる。また、箱の中の物質の「全エネルギー」は測定は難しいが、ある決まった値をとっているものと考えることができる。

これらの量を「巨視的状態量」または単に「状態量」と呼ぶ。


ここに、全く同じ箱をもう一つ用意し、全く同じ物質を同じ量入れて、圧力や全エネルギーも等しい状態にするとしよう。このとき、二つの箱の「巨視的状態」は同じであるでは、内部の状態は「完全に」同じだろうか?

そうではあるまい。箱の中の物質構成分子の、それぞれの位置運動状態は完全に同じにはならない。これらの「分子状態」は刻一刻と変化し、膨大なパターンをとりうるだろう。

このような分子レベル位置運動状態のことを「微視的状態と呼ぶ。


「微視的状態」のパターンの個数(場合の数)はあまりに多いので、普通に数えたのでは数値として表現するのも難しい。そこで「対数」を用いる。


例えば、巨視的状態Aがとりうる微視的状態の数を1000通り、巨視的状態Bがとりうる微視的状態の数を10000通りとする。このとき、Aの「パターンの多さ」を3、Bの「パターンの多さ」を4、というように、桁数をとったものを考えるのである

この考え方には、単に「とてつもなく大きな数を表現するための便宜的手法」という以上の意味がある。

先の例では、AとBを合わせた微視的状態の数は1000×10000=10000000通りであるが、「パターンの多さ」は7となり、両者それぞれの「パターンの多さ」の和になるのである


この「パターンの多さ」がすなわち「エントロピー」Sである

「微視的状態パターンの個数」をΩ通りとしたときエントロピーSは次のように表現できる。

S = k*logΩ

(ただし、kはボルマン定数と呼ばれる定数であり、対数logは常用対数ではなく自然対数を用いる。)

この「エントロピー」は、同じ巨視的状態に対して同じ数値をとるものであるから、「体積」や「圧力」などと同じく「状態量」の一つである





このような「目に見えない状態量」を考えることに、どのような意味があるのだろうか?

その疑問に答えるには、エントロピーエネルギー関係について考える必要がある。


再び箱に入った物質を考えよう。この箱に熱を加え、箱内の物質エネルギーを増加させると、エントロピーはどうなるだろうか?

まず、総エネルギーが増加することにより、各分子に対する「エネルギーの分配パターン」が増える。さらに、個々の分子の平均エネルギーが増えた分、可能運動パターンも増える。このため、エネルギーが増えるとエントロピーは増加すると考えていいだろう。

では、エントロピーの「上がり方」はどうか?

エントロピーは微視的状態パターンの「桁数」(対数をとった値)であるからエネルギー継続的に与え続けた場合エントロピーの増加の仕方はだんだん緩やかになっていくだろうと考えられる。


ここで、多くのエネルギーを与えた「熱い物質A」の入った箱と、少量のエネルギーしか与えていない「冷たい物質B」の入った箱を用意しよう。箱同士を接触させることで熱のやりとりが可能であるものとする。

物質Aには、熱を与えてもエントロピーがさほど増加しない(同様に、熱を奪ってもエントロピーがさほど減少しない)。言いかえると、エントロピー一定量増加させるのに多くのエネルギーを要する

物質Bは、熱を与えるとエントロピーが大きく増加する(同様に、熱を奪うとエントロピーが大きく減少する)。つまりエントロピー一定量増加させるのに必要エネルギーが少ない


箱を接触させたとき、AからBに熱が流入したとしよう。Aのエントロピーは下がり、Bのエントロピーは上がるが、「Aのエントロピー減少分」より「Bのエントロピー増加分」の方が多くなるので、全体のエントロピーは増加するだろう。

もし、逆にBからAに熱が流入したとするとどうか? Aのエントロピーは上がり、Bのエントロピーは下がるが、「Aのエントロピー増加分」より「Bのエントロピー減少分」の方が多いので、全体のエントロピーは減少することになる。


エントロピーが多いとは、微視的状態パターンが多いということである。従って、「AからBに熱が流入した」状態パターンと、「BからAに熱が流入した」状態パターンとでは、前者のパターンの方が圧倒的に多いエントロピーは微視的状態パターン数の対数なので、エントロピーの数値のわずかな差でも、微視的状態パターン数の違いは何十桁・何百桁にもなる)。これは、前者の方が「起こる確率が圧倒的に高い」ということを意味している。

これが、「熱は熱い物体から冷たい物体に移動する」という現象の、分子論的な理解である

冷たい物体から熱い物体へ熱が移動する確率は0ではないが、無視できるほど小さいのである


物体が「熱い」ほど、先程のエントロピー一定量増加させるのに必要エネルギーが多いといえる。そこで、この量を「絶対温度」Tとして定義する。

T = ⊿E/⊿S (体積・物質一定の条件で)

エントロピー定義ときに出て来た「ボルマン定数」kは、このTの温度目盛が、我々が普段使っているセルシウス温度(℃)の目盛と一致するように定められている。



さて、ここで用いたエントロピーが減少するような変化は、そうなる確率が非常に低いので現実的にはほぼ起こらない」という論法は、2物体間の熱のやりとりだけでなく、自然界のあらゆる現象適用することができる。

すなわち、「自然な(自発的な)変化ではエントロピーは常に増加する」と言うことができる。これが「エントロピー増大の法則である


ただし、外部との熱のやりとりがある場合は、そこまで含めて考える必要がある。

例えば、冷蔵庫プリンを入れておくと、プリン温度は「自然に」下がってエントロピーは減少する。

しかし、冷蔵庫が内部の熱を外部に排出し、さら冷蔵庫自身電気エネルギーを熱に変えながら動いているため、冷蔵庫の外の空気エントロピーは内部の減少分以上に増加しており、そこまで含めた全体のエントロピーは増加しているのである





最初に、「エントロピー理解には微積分と対数理解必要であると述べたが、なるべくそうした数学概念に馴染みがなくても読み進められるようにエントロピーの初歩的な話をまとめてみた。如何だったであろうか。

筆者は熱力学統計力学専門家でもなんでもないので、間違ったことを書いている可能性もある。誤りがあればご指摘いただけると幸いである。


クラウジウスによる「原子分子存在を前提としない」エントロピー定義については、筆者よりはるかに優秀な多くの方が解説記事を書かれているが、中でも「EMANの熱力学https://eman-physics.net/thermo/contents.html個人的にはおすすめである。興味ある方はご参照いただきたい。

続き

エンタルピーエントロピー関係について

https://anond.hatelabo.jp/20230917090022

2023-06-22

anond:20230621210336

同時期に就活した、有名大学卒男子です。

就活、大変だったけど、たまたま一緒になった女子食事に誘ってくるのおもしろかったなー。

一対一で、違う人と、15回くらいは行った。国家公務員一種面接で待ってるときも誘われた。

情報交換という名目で。そんなに大変だったのか。私はモテない方だと自覚してますが、そんな時代だったのか。

説明会行っても、後で私だけ別室に呼ばれて面談、というのもあった。

えらい人(研究所長)が出てきて、「これは面白くない仕事かもしれないけれど。。。」 などと言うので

面白く無い仕事は興味無いです、今日は話を聞きに来ただけなので」 などと答えてた。当時は右も左も分からない怖いもの知らずでした。

別の会社では、このあと私だけ面談したいなどと言われて、女子との誘いを断って行ったんだけど

普通雑談の中にいろいろ混ぜてくるの。何の科目が好き?得意?と聞いて来るから、 物理化学が得意です、と言ったら、熱力学の第二法則について説明してください、とか。

何聞きたいのかわからないので、エントロピー定義からはじめた(熱力学定義統計力学定義情報論的定義)けれど、

お前絶対わかってないだろ、と思いながら話してた。わからなかったら聞いて下さい、とは言ってる。

トータルとして、この後の人生であまり経験しないことをいろいろ経験させてもらった、と思ってプラスにとらえてる。

2023-04-19

ツイッター物理統計力学)界隈で

https://www.jst.go.jp/crds/pdf/2022/SP/CRDS-FY2022-SP-07.pdf

という戦略プロポーザル話題になっている。

自分統計力学関係理論ポスドク(物性基礎論ではない)だが、ちょっと杜撰かなと思う。

42ページのインタビュー一覧を見ると、ツイッター有名人や、ツイッター話題になったプレスリリースとか書いている人に偏っている印象。

このレポートが大型予算方向性に影響すると思うのだけど、こんな感じでも書けちゃうのねとがっかりした。

2022-08-24

anond:20220824044136

数学博士(理学)取ったけど反論反証は違うと思う。

反証にならなくても反論になることは普通にあるでしょ。

創作物犯罪差別を誘発する」と主張する勢力がいるけど、問題本質は「現実犯罪差別を誘発する」ことだと思う。


例えば統計力学で「等確率原理」を導く根拠として提唱されたエルゴード予想は「反証」されたわけではないが、「十分長い時間」のオーダーの議論から、これは根拠として的を外していると現在では理解されている。

形式論理的否定されたわけではなくとも、「反論」が機能することはある。

2022-04-07

門外漢相対性理論量子力学を「最新の理論」と認識する一方、統計力学熱力学重要性とその哲学理解できないみたいな。

主語が大きい」という批判は時に重要な指摘になるが、「ミクロ論理が正しく、マクロ論理は間違い」というドグマ支配された人々には、逆に「主語が小さい」という批判は思いつかないのだろうな。

2020-09-07

anond:20200905233020

いや、本当にボルツマン定数を1.380649×10^-23J/K とすると、ぴったりと水の沸点が373.15度になるの、すごいと思う。

しかも水の三重点かいう古い定義は使わなくて済むので、熱力学情報科学エントロピー概念統計力学にも応用できる。

2020-04-15

[] 情報という概念が何らかの概念の近似であるという可能

https://anond.hatelabo.jp/20070905170808

13 年前に書かれた増田エントリーです。

観念的な問い. 古典力学量子力学の近似ととらえるように、

情報科学における情報という概念情報を包括するようなさらに高次な概念の近似としてとらえることが可能か。

ただし、ここで書いているのは量子情報のことではなくて、情報のものの高次な概念があるのではないか

いただいたコメントまとめ:

 情報の高次元=量子情報でいいのではないか

 認知によってその場が変化することで、情報が発生する。

 同様に、情報理論は近似であって、実はなんらかの極限状況だと、エントロピー性質とかがおかしくなるとか。

  • 情報がなにかの近似ではないのかと言われて、直感的におもいうかぶこと:

 シュレーディンガー波動方程式というものがある。原子の周りを電子が飛び回ってる単純なモデルがあって、それを特定するのは確率しかないみたいな。

 でも、時間をとめることができればそれがどこにあるかは特定できる。この場合は「時間で切り取っている」というケース。

 問. 現実をある面で切り取ったもの情報か。

 久保亮五先生の『統計力学』の最初のところにはお金を分配するだけの簡単金融経済モデルが出てくる。

 気体の「体積」「1分子あたりの熱エネルギー」「モル数」はそれぞれ違う次元の数。

 ディスク上の情報構造物の「占有領域」「最低/平均ブロックサイズ」「圧縮した場合バイト数を表現するのに必要レジスタ幅」はまったく意味が違うのに、いずれもバイト数で表される。

 これは情報科学根底にあるトラブルの原因ですが、いまは統計力学情報理論の間に安易な橋渡しができないことだけを意識するように。

 ただ、気体でも極端に自由度の低い系(絶対零度近くとか、強い磁場の下にあるとか)では体積は圧力にも温度にも比例しない。

 それと似たような話として、自由度の低い情報構造物情報理論適用外。

 個々のビットの間の関係恣意的であって、あまり統計的扱いに向かない。

 問. 古典力学の前提で、粒子間の引力も斥力も無視するとボルマン統計量子力学ならボーズ統計フェルミ統計に従うという話があるが、

 すべてのアプリケーションが書き出すビット列にそういう統計を考えることは可能か。

 アプリケーション各論を展開できるほど柔軟で包括的数学を使えば、情報構造物ミクロ理論は好き勝手に展開できる。ただし、それはアルゴリズムの単なる記述ではないのか。

当方が二十代の頃になんとなく発した問いにリアクションいただいたこととを、大変ありがたく思います

未だにこの辺の答えは出ていません。 あまりこういう問い立てや考えることをしなくなってきたのもあります

識者の方々におかれましては、何かコメントいただければと存じます

2019-10-19

anond:20191019001508

ワザとツッコミ待ちしてんのか…

そもそも非平衡熱力学統計力学が未解決問題だらけな時点で何個とか決まらんし

それに何でシュレーディンガー方程式からスタートすんだよ場の量子論がより一般的な話なんだから向きが逆だろ

ていうかよく見たら力学おかしい、ラグランジアン存在変分原理のほうが本質的なんだからやっぱり向きが逆だろ

2018-10-16

anond:20181016224634

すべての物質の動きを予測することが本質的でないどころか、寧ろその個別性を大胆に捨象するところに熱力学の真髄があったわけですねえ。これは神が世界をそのように作った御業のなかでも特に深淵かつ示唆に富むものと思います

詳しくは田崎先生の「統計力学」(裳華房)などを読んでみてください。あなたの問いかけたその質問よりも20世紀物理は遥かに豊穣で奥が深いですよ。

2018-09-30

anond:20180930022000

宇宙の年齢(〜137億年)

統計力学でH定理の成立をエルゴード仮説に帰する議論があるけど、まともにエルゴード仮説だと仮定するとアボガドロ数程度の多体系では相空間上をくまなく行き渡るのに宇宙の年齢程度じゃ全然足りない

2016-08-26

仙台高専学科改組で何が変わるのか?

仙台高専では来年から学科改組が行われるようです。

http://www.sendai-nct.ac.jp/news/2016/07/13/newly-004002.php

この変更点は大雑把に言って次の3点でしょうか。

(1)入学の時点では専門を選ばないようになる(ただし、建築以外)

(2)学科名が変わる

(3)4年次から配属可能応用科学コースができる

それぞれについて見てみましょう。(筆者は広瀬キャンパスOBなので名取キャンパスについては基本的スルーします)


(1)入学の時点では専門を選ばないようになる(ただし、建築以外)

今までは入学時点で「知能エレクトロニクス工学科に行きたい!」などと専攻を選ばねばいけませんでした。

しかし、高専志望の中学生普通中学生よりも工学に興味を持っているとはいえ、自分に合ってそうな専攻を選ぶのは難しいことです。

たいていの中学生学科名前ウェブページ雰囲気で決めると思います

ゲーム製作したくて情報システム工学科に入学した人が、回路系の授業で苦戦したり、CGの授業が実はほとんどないことを知ったりして、「どうしてこうなった……」となることだって珍しくありません。

(もちろん、卒業後にゲーム関係企業就職することは可能です。)

他にも、情報システム工学科と情報ネットワーク工学科の違いが中学生にはほとんど分からない、という問題もあります

そこで導入予定なのが科類制ですね。

建築系を除くと、とりあえず入学時点では広瀬に行くか名取に行くかだけ決めればOKで、1年間高専で過ごしてから専攻を選ぶわけです。

この1年の間に、先輩からの話を聞くなり、シラバスを読むなりして、どのコースに行くのがベストかを考えられます

1年生の頃は専門の勉強ほとんどないし、その専門の勉強も内容は(広瀬では)学科共通だったので、特に問題はないかと思われます


(2)学科名が変わる

名取の方はよく分からないのでスルーします。

広瀬の方では情報ネットワーク工学科が情報通信コースに変わります

この学科名の変更は大したことがないように見えますが、実はそうでもありません。

仙台電波の頃には「情報通信工学科」という学科がありましたが、そちらに戻そうというわけです。

その背景には情報ネットワーク工学科の不人気さがあります

先ほど中学生学科名や雰囲気で志望学科を選ぶと書きましたが、なんとなくパソコンネットが好きな中学生にとって「情報システム工学科」と「情報ネットワーク工学科」はどちらの方が魅力的に映るでしょうか?

今までの入試倍率を見ればその差は歴然です。

H22 情報システム:2.7倍、情報ネットワーク:0.7倍

H23 情報システム:2.1倍、情報ネットワーク:2.3倍

H24 情報システム:2.5倍、情報ネットワーク:0.9倍

H25 情報システム:1.9倍、情報ネットワーク:1.0倍

H26 情報システム:2.9倍、情報ネットワーク:1.4倍

H27 情報システム:2.1倍、情報ネットワーク:1.1倍

H28 情報システム:2.1倍、情報ネットワーク:1.3倍

平成23年度を除くと情報システム工学科の倍率の方がずっと高いです。

(H22が仙台高専としては初の入試で、このとき情報ネットワーク工学科の倍率がとても低かったため、H23では確実な合格を狙った層が情報ネットワーク工学科を志望した、と筆者は予想しています。)

情報システムの方がなんとなく楽しいことをやってそうに見えるのでしょう。たぶん。オープンキャンパスCG作品の展示をしていた影響もあるかもしれないけど。

ネットワーク」という言葉を使うと、どうしてもシステムとの違いが分かりにくいのでしょう。おそらく。(受験生アンケート調査してみたいですね)

そこで、仙台電波の頃の学科である情報通信コースにしようというわけです。

通信」という言葉を入れることにより、このコースにはある種のブランドのようなものが生じると考えられます

今や仙台高専という学校名になりましたが、もともとは東北無線電信講習所→官立無線電信講習所仙台支社→官立仙台無線電信講習所→国立仙台電波高等学校仙台電波工業高等専門学校という経緯があるわけです。

電波高専は各地方存在していた無線電信講習所が元になっています。(電通大ももとは無線電信講習所!)

仙台高専広瀬キャンパスにとって、通信というのは花形分野なのです。

実際、キャンパスを見るとまず目につくのが大きなアンテナだったり、アマチュア無線部が強かったりします。(今も強いですか?2期性がたくさん入っていた覚えがあります

また、かつての仙台電波高専仙台電波高校時代卒業生が今やお偉いさんになっていたりするわけです。

電波という名前こそなくなったものの、愛子学び舎通信を学んできたというのは必ず評価してくれる人がいるでしょう。

そういった点で、この学科名前の変更は大きな点です。(情報通信コースに優秀な学生が入ることを祈っています!)

ちなみに、情報システム工学科と情報ネットワーク工学科の違いは、電磁波工学などの通信関係をやるかどうかの違い、先生の違い、就職の強さの違い(?)などが挙げられます

ネットワーク関係に関しては両学科ともCISCOe-learning教材を使って学びますが、情報ネットワーク工学科の方がより力を入れている印象です。

また、通信には法規知識必須ですが、情報ネットワーク工学科ではそれも学べます

目指せ一陸技!(通信を大プッシュしたわりに、筆者は一陸特しかとってなかったりします……)


(3)4年次から配属可能応用科学コースができる

これに関してはHPではあまり説明がなされていませんね。

数学理科を深く追求して,サイエンステクノロジーに結びつけるために必要なことを幅広く学びます。」とだけ書いてあります

これの詳細についてここで書くのはまずそうな気がしますし、これから変更があることも十分考えられるので、具体的なことは書きません。

そこで、高専にもこういったコース需要がある、ということだけ説明しておきたいと思います

高専大学と違い、本来モチベーション研究ではなく、技術者養成です。

その意味で、応用科学コースのようなどことな理学匂いを漂わせるものは不適なのではないか、と思う人がいるかもしれません。

しか高専数学科物理学科があったら困惑しますよね。

しかし、応用科学コースはおそらく大学工学部で学ぶような基礎的な数学物理学程度の内容を教えるようなものになるかと思われます

高専若いうちから専門の教育をするのが最大のウリなわけですが、専門の内容を正確に理解するのに必要数学物理の授業はそれに追いついていません。

電子回路を例に挙げてみましょう。

電子回路を学ぶ際に必ず半導体の物性を使います

半導体の物性を理解するためには量子力学統計力学知識が不可欠です。

しかし、量子力学統計力学は知能エレクトロニクス工学科以外では学びません。(一方で、電子回路は全学科で学びます

知能エレクトロニクス工学科でも、正確に半導体物性を理解するのに必要なところまで物理を学ぶかは怪しいです。

そうするともやもやとしたものが残ります

それ以外にも、高専ではフーリエ解析ラプラス解析を学ぶ前に交流回路網の計算を叩き込まれたりします。

工学部生が聞いたらびっくりするような話だと思います

数学物理が追い付いてない以上、「それはそういうものから原理は気にせず覚えてね」という指導にならざるを得ないわけです。

その結果、「もっと原理を深く知りたい!」という人や、「これだから工学は嫌!」という人が出始めてきます。(これで工学が嫌になって理学部に行く人もいますが、大学工学部はその意味では高専よりずっとまともなので、工学部に行くという選択肢簡単に捨てたりしないといいなと思います

そういった需要を見込んでの応用科学コースだと思います

大学編入志望の学生が集まりそうな感じはしますが、そもそも大学編入したい人は専門をより深く勉強したい勉強好きの人が大多数だと思うので、まあ問題ないんじゃないでしょうか。

一部の人が望んでいるかもしれない、編入試験特化型の授業にはならないと思います


以上、学科改組で変わる3点についての考察でした。

筆者は仙台高専教員でも職員でもないので、ここで書いたことが間違えている可能性は十分あります。ご了承ください。

2015-05-03

データから統計モデルを立てるというのは、現象分析する系の学問にとってかなり本質的なようだ。

ニュートンのように物理法則を探す場合も、

学力年収関係を調べた~のような人文系調査であっても、

やっていることは、データによくあてはまる数式を探すということだ。

完璧モデルを作るのは不可能なので、当然誤差はでてくる。

取得データ不正確さによる誤差もあるだろう。

ニュートン法則は(常識的スケールでは)誤差がかなり小さく、人文科学では大抵誤差が大きい。

現象分析する系の学問の他には、

数学法律のように、ルールを決めてから推論する系の学問もある。

現象観測してモデルを立てた後、立てたモデルルールとして推論を行う流れもある。

例えば、ニュートン力学から統計力学に行くなどだ。

というようなよくわからないことを、統計学勉強しながら思った。

2014-07-15

http://anond.hatelabo.jp/20140714221220

やはりボンかー。羨ましい限りだ。

理論物理やって非平衡統計力学の発展に寄与したりしたら人類に超ハイパー影響与えられるけどな。

2014-04-26

円城塔本の雑誌の連載「書籍化までn光年」で取り上げた本のリスト

http://anond.hatelabo.jp/20140421200127

書籍化まで7光年 (2009年)

  1. アンドルー・クルミー 『ミスター・ミー』    「『ミスター・ミー』とドップラー効果恋愛小説
  2. ポール・オースター 『幻影の書』    「オースター百%の『幻影の書』と本のスカート
  3. ピエールバイヤール 『読んでいない本について堂々と語る方法』    「読んでいない本を語る方法と「特性のない本」」
  4. ジョン・クロウリーエンジンサマー』    「言葉の"ずれ"と物騒な本」
  5. 浅暮三文ぽんこつ喜劇』    「ひよこサクラ実験小説
  6. シュボーンロバーツ 『多面体と宇宙の謎に迫った幾何学者』    「迷走と眩惑の理学タイトルの謎」
  7. David Flanagan 『プログラミング言語 Ruby』    「プログラミング言語小説屋」
  8. ジャック・ルーボー 『麗しのオルタンス』    「超絶馬鹿技巧小説『麗しのオルタンス』に隠された秘密
  9. ジャック・ルーボー 『麗しのオルタンス』    「数と音楽の秩序で作られた希代の小説
  10. ヒュー・ケナー 『機械という名の詩神』    「文学テクノロジー作家関係
  11. チャールズ・ストロス 『アッチェレランド』    「全編ボケ倒しのすごい奴」
  12. 多和田葉子ボルドーの義兄』    「『ボルドーの義兄』謎の276文字を追う」

書籍化まで6光年 (2010年)

  1. パウル・クレー新版 クレー日記』    「小説のような日記日記のような小説
  2. 中野美代子ザナドゥーへの道』    「多幸感に満ちた文字の連なり」
  3. ジャック・ルーボー 『麗しのオルタンス』    「『麗しのオルタンス』ジャック・ルーボーに直撃質問!」
  4. ミロラド・パヴィッチ 『帝都最後の恋』    「タロットにしたがって読むパヴィッチの本」
  5. ダンガードナーリスクあなたは騙される』    「現実小説よりハッピーなのだ!」
  6. ティーヴ・トルツ 『ぼくを創るすべての要素のほんの一部 』    「長い小説が書けない理由!?」
  7. 大野克嗣 『非線形世界』    「単純素朴なのになぜか伝わらない本」
  8. ジル・プライスバートデービス 『忘れられない脳』    「ジル・プライス忘却のない人生
  9. クラーク・アシュトン・スミス 『ゾティーク幻妖怪異譚』    「「そういう人」スミスが好き」
  10. スタニスワフ・レム 『泰平ヨンの航星日記』    「レムの欠番を埋めるのは」
  11. エミーリ・ロサーレスまぼろし王都』    「見えないものが見える瞬間」
  12. イヴィッド・レヴィット 『数式に憑かれたインド数学者』    「稀代の数学者架空伝記」

書籍化まで5光年 (2011年)

  1. ブノワ・デュトゥールトゥル 『幼女煙草』    「不穏さに満ち満ちた『幼女煙草』」
  2. スマイル・カダレ 『死者の軍隊将軍』    「不思議な国アルバニア戦争小説
  3. 高橋陽一郎 『変化をとらえる』    「数学教科書いろいろ」
  4. サイモン・シンエツァート・エルンスト代替医療トリック』    「代替医療に挑む議論の書」
  5. 辻原登 『闇の奥』    「辻原登は変である
  6. 柏野牧夫 『音のイリュージョン』    「聴覚だって騙される」
  7. マックス・ブルックスWORLD WAR Z』    「語り伝える書」
  8. ジェラルディン・ブルックスマーチ家の父』    「網目だらけ」
  9. グレゴリー・コクランヘンリー・ハー ペンディング 『一万年進化爆発』    「淡々進化中」
  10. イヴィッド・グラン 『ロスト・シティZ』    「見えない都市
  11. Federico Biancuzzi、Shane Warden 『言語設計者たちが考えること』    「言葉を作る人たち」
  12. A・R・ルリヤ 『偉大な記憶力の物語』    「無限記憶を持つ男」

書籍化まで4光年 (2012年)

  1. V・S・ラマチャンドラン、D・ロジャース=ラマチャンドラン 『知覚は幻』    「美の起源?」
  2. Charles Yu 『How to Live Safely in a Science Fictional Universe』(『SF的な宇宙安全に暮らすっていうこと』)    「ウーのくすぐり芸」
  3. マット・リドレー 『繁栄』    「人類は滅亡しない?」
  4. ウンベルト・エーコ 『バウドリーノ』    「エーコが好きだ!」
  5. Steven Bird、Ewan Klein、Edward Loper 『入門 自然言語処理』    「見えない辞書
  6. エットハミ・ムライ・アメド 『モロッコ食卓』    「信楽焼タジン鍋
  7. ピーター・ペジック 『青の物理学』    「青の見取り図
  8. クリストファーチャブリス、ダニエルシモンズ錯覚科学』    「見えないゴリラ
  9. 大沢文夫 『大沢流 手づくり統計力学』    「百円玉実験不思議
  10. トルケル・フランセーン 『ゲーデル定理――利用と誤用の不完全ガイド』    「ゲーデルさんごめんなさい」
  11. Mark Kac 『Kac 統計的独立性』    「数学者をつくる本」
  12. ロザリー・L・コリー 『パラドクシア・エピデミカ』    「矛盾と逆理の入門書

書籍化まで3光年 (2013年)

  1. レベッカスクルート 『不死細胞ヒーラ』    「ヘンリエッタ細胞
  2. ジョン・パウエル 『響きの科楽』    「宇宙人にあげたい本」
  3. 山田風太郎旅人 国定龍次』    「山田風太郎輪郭
  4. レニー・ソールズベリー、アリー・スジョ 『偽りの来歴』    「世界改竄
  5. Bruce A. Tate 『7つの言語つの世界』    「たくさんの言語
  6. 寺田尚樹 『紙でつくる1/100の世界』    「これは本です」
  7. アンソニー・ドーアメモリー・ウォール』    「非SF作家SF
  8. オリヴァー・サックス 『心の視力』    「サックスおじさんの症状」
  9. ダニエル・アラルコン 『ロスト・シティレディオ』    「読んでも未知の本」
  10. P・Gウッドハウスジーヴスとねこさらい』    「"ゆるさ"のシリーズ
  11. ヴィクトリアブレイスウェイト 『魚は痛みを感じるか』    「魚の痛みの判定基準
  12. イヴィッド・イーグルマン意識は傍観者である』    「傍観者法学

書籍化まで2光年 (2014年)

  1. ブライアンクリスチャン機械より人間らしくなれるか?』    「純正人間の奮闘記」
  2. Clifford A. Pickover 『The Math Book』    「数学的あれこれ250」
  3. トレヴァー・ノートン 『世にも奇妙な人体実験歴史』    「楽しい自己人体実験
  4. フリオリャマサーレス無声映画のシーン』    「幸せ本棚
  5. ジョセフ・オルーク折り紙のすうり』    「折り紙数学
  6. ニール マクレガー 『100のモノが語る世界歴史』    「大英博物館のモノ」
  7. 根上生也四次元が見えるようになる本』    「四次元練習
  8. トーマス・トウェイツ『ゼロからトースター作ってみた』    「トースターを作る男」
  9. ロベルトボラーニョ『2666』    「ボラーニョの奔流」
  10. ガイ・ドイッチャー『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』    「言語世界の見え方」
  11. D・マンフォード、C・シリーズ、D・ライトインドラの真珠』    「空海フラクタル
  12. V・S・ラマチャンドラン『脳のなかの天使』    「九つの美の法則

書籍化まで1光年 (2015年)

  1. 川添愛『白と黒のとびら』    「数学小説の融合」
  2. リチャード・パワーズ幸福遺伝子』    「純文とSF
  3. ロン・カリージュニア神は死んだ』    「真正突破短編集」
  4. ラウディアハモンド『脳の中の時間旅行』    「素朴に語る時間の話」
  5. Franco Moretti『Distant Reading』    「遠くから見る世界文学
  6. Lev Manovich『Software Takes Command』    「新しい思考の道具」
  7. デイヴィッド・マークソン『これは小説ではない』    「小説ではない小説
  8. シャロンバーチュ マグレイン『異端統計学 ベイズ』    「紛糾する統計学
  9. 内村直之『古都がはぐくむ現代数学 京大理解析研につどう人びと』    「数学という営み」
  10. Stanisław Lem『Summa Technologiae』    「レムの『技術学大全』」
  11. M・G・ヴァッサンジ『ヴィクラム・ラルの狭間世界』    「言葉より速く」
  12. 語り手 姉崎等、聞き書き 片山龍峯『クマにあったらどうするか』    「クマにあったら」

書籍化まで○光年 (2016年)

  1. ピーター・H・ディアマンディス、スティーヴン・コトラー『楽観主義者未来予測』    「未来は本当に暗いのか」
  2. ジェシーケラーマン駄作』    「いない、いない、の本」
  3. キャサリン・ゴヴィエ 『北斎と応為』    「歴史小説の書き方」
  4. 横山悠太『吾輩ハ猫ニナル』    「色んな言葉が混ざる小説
  5. 佐久間保明監修、本庄千代編『しかけ絵本世界』    「四角な本の大革新
  6. エミリー・オスター『お医者さんは教えてくれない 妊娠出産常識ウソホント』    「経済学者出産育児論」
  7. クレイグ・モド『ぼくらの時代』    「オモチャ電子書籍
  8. Noam Nisan、Shimon Schocken『コンピュータシステム理論実装』    「コンピュータをつくる」
  9. マーティンガードナーガードナー数学パズルゲーム』    「人生を変える数学パズル
  10. ピーターメンデルサンド『本を読むときに何が起きているのか』    「「読む」を考えさせる本」
  11. 遠藤侑介『あなたの知らない超絶技巧プログラミング』    「プログラミングロマン
  12. ベン・H・ウィンタース世界の終わりの七日間』    「世界の終わりへ続く日々」

書籍化まで△光年 (2017年)

  1. 奥修『珪藻美術館』    「ぞわぞわ感の境界
  2. マークチャンバーランド『ひとけたの数に魅せられて』    「ひとけたの数を語る本」
  3. ピーター・ウォード、ジョゼフ・カーシュヴィンク『生物はなぜ誕生たか』    「地球が生まれから歴史
  4. ライナー・クニツィアダイスゲーム百科』    「機械が作るゲーム
  5. ウンベルト・エーコプラハ墓地』    「史上最大の偽書の成立秘話
  6. ユーディット・シャランスキー『奇妙な孤島の物語』    「紙に書かれた五〇の島の物語
  7. 高野秀行『謎のアジア納豆』    「納豆とはにかみ」
  8. ロビンダンバー人類進化の謎を解き明かす』    「友達は二百人できません」
  9. アンソニー・ドーア『すべての見えない光』    「ドーア言語兵器
  10. ティーヴン・ウィット『誰が音楽をタダにした?』    「変化する音楽生態系
  11. 鈴木真治『巨大数』    「書くことのできない数」
  12. コマヤスカン新幹線のたび 金沢から新函館北斗札幌へ』    「視点がひっくり返る絵本

書籍化まで□光年 (2018年)

  1. まつもとゆきひろまつもとゆきひろ 言語のしくみ』    「言語のつくり方」
  2. 原武史政治思想史』    「物から読み解く政治思想
  3. マリオ・レブレーロ『場所』    「どこまでも続く部屋」
  4. 横山茂雄『神の聖なる天使たち』    「ディーとケリーの奇妙な運命
  5. ルシオ・デ・ソウザ、 岡美穂子『大航海時代日本人奴隷』    「記録に残されなかった者たち」
  6. 倉谷滋『分節幻想 動物のボディプラン起源をめぐる科学思想史』    「「発生」をめぐる学問歴史
  7. イチカワヨウスケ『野菜だし』    「レシピと伝達」
  8. 古賀弘幸『文字と書の消息』    「文字歴史の広がり」
  9. 赤野工作『ザ・ビデオゲームウィズ・ノーネーム』    「2115年のゲームレビュー
  10. 本山尚義『全196ヵ国おうちで作れる世界レシピ』    「世界196ヵ国の家庭料理
  11. フレット・スメイヤーズ『カウンターパンチ 16世紀活字製作現代書体デザイン』    「美しい活字への道」
  12. ジェニファー・ダウドナ、サミュエルスターバーグ『CRISPR(クリスパー) 究極の遺伝子編集技術発見』    「遺伝子編集の新技術

2014-01-27

http://anond.hatelabo.jp/20140127175006

いやそんなもん俺だって理解してないけど。

でも「進化のために繁殖する」とか「強い遺伝子が生き残る」みたいな子供妄想みたいな単純な話ではないということは容易に想像できる。

統計力学では協同現象という物理が広く存在するけど、これは局所的な相互作用だけで全体的に協調的な動きをすることがあるということ。

鳥や魚の群れが一斉に同じ方向に動いたりするのを見ると、「単純な進化論」的な思考だと何か全体の意思があると思ったりするんだろうけど、

もちろんそんなものはなくて、単に各個体自分の近くの個体の動きに機械的に合わせてるだけ。

非線形力学系ではリミットサイクルというもんが存在して、あたかも何か意味ありげ構造的な運動が現れたりするけど、これも別にそれ自体

深淵意味があるというより、運動方程式非線形性がたまたまそういう形を成しただけで、違う形のリミットサイクルが(見えないだけで)

無数に存在したりする。

極端に単純化した物理モデルでもそれだけ複雑な構造が起こるわけで、不確実性が比べ物にならないほど大きくて複雑な生物システムでは何が起こるか

なんてどう考えても単純に言い表せるものではないだろうし、「進化」とか「強さ」とか分かったような顔して語れるものでは絶対に無いだろう。

非線形っつーもんはそのくらい致命的に複雑。人類非線形についてはまだほとんど何も知らないと言っていい。

2013-10-21

http://anond.hatelabo.jp/20131021232017

変化は偶然なんだから目的」なんてないでしょ。大丈夫か?

今生きてる生物は今ある「よりよい」形へ向けて一直線に進化してきたとか、

絶滅した生物は今生きてる奴らより劣ってるとか、素朴に信じてるんだろうなあ。

なんつーか勉強が足りなさすぎて論外だよ。

統計力学的な協働現象とかを知れば少しは理解するか?

それすらも「みんなの意思」とか言っちゃうのか…。

そっちのがよっぽど宗教だが。

2013-08-26

http://anond.hatelabo.jp/20130826064050

直接使うのは無理だと思うけど

エントロピーさら拡張するか、非平衡統計力学?みたいなのを拡張すれば無理ではないと思うんだよね。

経済活性度的な感じ?

非平衡系において「エントロピー」を定義して、その時間変化(時間微分)についてなんかいえるかもね

実体経済がある量のとき、これぐらい金を刷るとこれくらいダイナミクスが激しくなる」

「実態とマネーの解離がある量だと、ある時間やら確率によって崩壊が起きる」

みたいな。

どっちにしろ時間」の概念が居るから、かなり難しくなりそうだが

http://anond.hatelabo.jp/20130826055754

まあ正しい反論を提示するだけならあなたのおっしゃるとおりですが

熱力学統計力学まわりって「教える」「説得する」「納得させる」「次に興味を持たせる」の結構難しいんですよね

反論を一瞬で準備するのも僕には結構難しい

TA練習の一環でした

まあ冗長になってきたんで終わります

http://anond.hatelabo.jp/20130826051840

熱力学が強力なのは、あくまで「語りうることしか語らない」からです。

経済やら生物やらで本当に知りたい重要なことはダイナミクスから

熱力学を使っても貧弱すぎる結果しか得られないでしょう。

例えば「完全な壁に生物閉じ込めたらいつか死ぬ」程度の話です

経済を語ろうとすれば、非平衡統計力学を完成するしかありませんが

これはかなり難しいでしょうね

もし完成でもしてしまったら、今の「経済学」「生物学」は単なる古典になって

非平衡物理学」の一分野として研究が進む方向になるのかな?

現実の予想というよりSFという感じ

まあありえなくはないし、面白いテーマだとは思います

個人的には

そもそも経済よりずっと単純な非平衡系についても統計力学は不十分なのに

一足飛びに経済をやろうとしても、それは学術的に自然な動機と言うより「経済」が重要だと思ってるからであって

あんまり成果が上がる感じはしないですね

まず非平衡統計力学をどうにかもっと進めないと難しいか

http://anond.hatelabo.jp/20130826044745

エントロピー概念自体は、熱力学に限った話でなく、万物がそうである、といった話でもあると思うんですが、違うでしょうか?

(それがどこまで正しいかどうかでなく、そういった話もある。と)

まず、「概念」には定義必要ですね。元々の「エントロピー」は純粋熱力学、平衡系におい定義されました。

そのあと、統計力学を創ろうとする動きのなか、情報理論おいて似た概念定義できそうだと分かり、「情報エントロピー」といういくつかの定義がうまれた訳ですが

それらと物理の「エントロピー」は別もんです。

ただ、平衡系の熱力学極限では一致することが分かってます

もっと非平衡系については別もんですし、先述したとおり「エントロピー増大」は平衡系の話なので経済適用しても何の意味もないです。

非平衡系については色々な研究がありますが、それほど成果は上がってませんね

http://anond.hatelabo.jp/20130826050128

もう片方の方は、多分、少し大学でかじった程度の決め付け人間なんでしょうけども。

全然わかってないのになんでこういう断定ができるんだろうw

まあガタガタ言わず非平衡統計力学の本でも1冊読んできな。

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