「白髪」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 白髪とは

2021-07-25

40代になって感じたこ

20代から30代に変わった時は大した変化はなかったけど、30代→40代は明らかに変化している。悪い方向に。

・大食漢だったが、消化器系が弱ってきてモタれる。9歳の息子に食べる量で負ける

・体型はあまり変わらない

・毛量は変わらないが、白髪が出てきた

睡眠時間が減った。寝れない。

絶倫だった精力が落ちた。当たり前にやってた風俗ハシゴができなくなった。風俗は月2回くらいに減った。

有給休暇の使い途に困る

・ヘソクリの使い途に困る

・頭のキレはあまり変わらないが、忍耐力が落ちた

どうしたらいいのか。

2021-07-23

anond:20210723223439

開会式の良さが素人には分からんかったので誰か解説して欲しい。1番の感想は「松井白髪増えたな…」だった。。

2021-07-22

anond:20210722095235

ちょっとして白髪になったら紫に染めるやん

なんで紫なんだろね

大阪だけ?

2021-07-12

俺と親父と会話のないBBQ

ーーー

登場人物

親父・・・俺の親父。教師剣道一筋の人生を送る。昨年還暦を迎えたため自由時間ができ、いろいろやっている。剣道が強い。

・・・親父の息子。親父のことが苦手。わけあって一年時間ができたため地元帰省し、いろいろやっている。剣道センス普通になかった。残念。

ーーー

今日庭で焼肉するか」と唐突に親父が言った。

GW真っただ中の5月3日。晴天だが風が強く吹いている。雲の動きも速い。時計の針は二時少しを指している。大気不安定な一日になるそうです、と気象予報士ニュースで述べていた。焼肉を想定している夕方には天気も崩れるだろう。どうせやらないことになると高を括り、曖昧な返事をした後に自室にこもる。

適当動画を見ているうちに眠っていたらしい。電気がついていない部屋は薄暗い。目をこすって携帯時間確認すると、午後5時過ぎ。軽く飯でも食べて筋トレに向かうか、少し寝ぼけながら階段を下る。少し煙臭い。マジか。外に出ると風が少しあるものの、空の青と日の赤さが入り混じる、気持ちのいい夕暮れ時だった。

親父は木炭をくべていた。ちらりと俺に目を向け、すぐに火に目をうつす。俺は観念して焼肉の準備をする。台所には分厚い肉が大量に用意されていた。筋トレ行きたいのに胸焼けしそうだなと思う。野菜玉ねぎもやしのみ。もやしどうやって焼くんだろう。あと大ぶりのエビ。それらをまとめて庭へ運ぶ。

「父さん、飲み物なんか飲む?」

「いや、いらない」

会話が終わる。適当飲み物を飲みながら、2人で火を囲む。木炭に火が付くのをじっと待つ。手持ち無沙汰が極まり親父の姿に目を向ける。大学の四年間会わなかっただけで、随分昔とは雰囲気が変わったように思える。

親父、白髪だらけだけど案外髪の毛は残ってるんだな。猫背なのは相変わらず。案外身長低いんだよな。そういえば結構やせたよな。高校の時は全然俺より大きかったのにな。いつから俺のほうが身体大きくなったんだろう。色々、想う。けど言葉には出さない。言葉が心の中で反響し、消えていく。

BBQってこんなに会話が無いもんだっけ?と自嘲気味に笑う。正直気まずい。そもそも親父とあんま面と向かって会話したことなかったな。子どもの時の思い出を振り返る。

ーーー

とにかく厳しい人だった。高校指導教員として、入学したての浮ついた学生を「君たちはもう子供じゃない」とか言って震え上がらせるタイプの人。夏休み前の全校集会で薬物の危険性とかを語る人。お前の父ちゃんって武士みたいだよなとか言われる人。

子供を預かる教師として、自分の子どもがだらしなかったら生徒の親に顔向けができない」という信念を抱いていたため、自分の子どもに厳しいのは大変理にかなっていた。

小学校の俺はいつもおばあちゃんが作った野菜炒めを残していた。これでもかというくらい大きいぶなしめじが大量に入り、ピーマンを筆頭ににんじんやら白菜やらパプリカやら、とにかく子供が嫌いがちな野菜一色で作られていた。当然、食べることができない。

電球の下で親父が無言で腕を組んでこっちを見ている。食べきるまで席を立つことは許されない。泣きながらきのこ咀嚼せず飲み込む。きのこを食べているという事実だけで吐きそうになる。嗚咽が止まらない。思わずもどしてしまう。

「洗って食え」

絶望する。台所に向かい、泣きながらきのこを洗う。親父はじっとこっちを見ている。それが怖くてもう一度、泣く。

ーーー

まじで怖かったなあ。当時を思い出して苦笑する。今でこそ面と向かって食事を一緒に囲めるけど、俺が高校生になるまで食事時間は緊張しっぱなしだった。食事中のテレビは厳禁だったから、もう黙々とご飯を食べるほかなかった。ご飯を速く食べる癖は案外ここから来ているのかもしれないな、と気付く。

親父はずっと剣道をしているせいかとにかく体がでかくて、何をしても抵抗できない雰囲気を身にまとっていた。よく食べ、よく呑み、よく眠る。毎晩22時前には寝て、朝は5時に起きる。町内を何キロも走って、庭で素振りをする。当時50歳過ぎでそれだもん、中坊のガキが勝てるわけねえよな。

でも、高校生になって直後くらいに親父に反旗を翻したことがある。コテンパンにやられたわけなんだけど。今思うとだいぶささやかだけど、でも当時16の俺にとっては十分すぎる抵抗だった。

ーーー

高校生くらいの時に「親父」とか「おふくろ」って呼び方にあこがれる時期あるよね。もれなく俺もそうだった。高校生になり、「父さん」「母さん」呼びは少し恥ずかしいと感じるようになった。同級生が「親父がさ~」と喋るのを羨ましく思ったし、なんだかイケてるようにさえ感じた。

思うに「親父」という言葉には、青年期を迎える僕たちにとっていつまでも親の庇護下ではない、甘えていた関係から自立した存在になる、みたいな印象があった。言い方自体ぶっきらぼうに聞こえるけど、青年期に正しい親子らしい関係性を、親に対して人間としての尊敬を含んだ、そんな印象を「親父」という言葉に抱いていた。

高校生になって数か月たったある日、夜22時を大幅に超えて帰宅してしまった。明確に門限というのは定まっていなかったが、遅くても21時台に帰宅することが暗黙の了解としてあった。仲の良かった先輩が、「もう高校生だぞ?少しくらい大丈夫だって。」というのを真に受けてしまった。

事実、周りの友達や先輩は門限なんて存在しないどころか、よく互いの家に泊まり合っていた。「今日お前ん家泊まるわ」とか「今日疲れたし、このまま朝までいていい?」とか、そんなことがうちは許されるわけがない。もし泊まるにしても、数週間前には事前に泊まるという報告をし、親から親に連絡を行い、「泊まりに行ってきます」の掛け声とともに家をでなければならない。

そんなのおかしい、俺だってもっともっと友達と遊んでいたい。そうした思いが積もり積もって、禁忌「門限破り」を犯す。

先ほどまでの気の大きさはなんのその、家に着いたころにはビビりまくっていた。しかし家の中の電気が付いていたのもあってか、もう高校生だし大丈夫か、と妙に安心する。ドアを開けようとする。鍵が閉まっていて開かない。庭に回る。リビングにいた妹に開けるように頼む。すると妹が「お兄ちゃん帰ってきたよ」と大きな影に向かって言った。

いつもだったら21時過ぎに寝ている父さんが起きていた。どすどすどすと大きな足音を立て玄関に向かう。俺は庭で恐怖に震えていた。

「何時だと思ってるんだぁぁぁぁぁ」

ドアを開けるとともに区域全体、少なくとも両隣三軒には響くくらいの声で突進してきた。そのままの勢いで俺を思い切りぶん殴る。庭にたたきつけられる俺。その上に馬乗りになって殴り続ける。

「どんだけっ!心配したとっ!思ってるんだっ!」

単語区切り、呼吸の合間に殴ってくる。俺はどっかのボクサーばりに顔面を守ることしか出来なかった。躾の一環として色々殴られたことはあった。でもまるで昭和家族ドラマみたいに殴られたことはなかった。俺は怖くて少し泣きながら、これから親父と呼ぼう、となぜか思った。

ーーー

この反抗?を経て、面と向かって「親父」とはさすがに言えないけど、俺も友達の前では「親父」呼びをするようになった。すると少しずつ親への恐怖感みたいのは薄れていった。家で極力顔を合わせないようにした。塾に通い、意図的に家に遅く帰るようになった。「塾で勉強してるし、遅くなっちゃうのはしょうがないよね」みたいな。すると自然と会話が無くなる。そもそもコミュニケーション自体が無いため、ごく自然な流れでそうなった。

もちろん色々お世話になった。高校最後大会の前は、親父直々に稽古をつけてくれた。ライバル校の先生である親父が、ライバル校の生徒である俺を教えることはどうなんだとは思うけど、とにかくお世話になったのは事実だ。結果東北大会に出場できた。ポンコツ剣道野郎にとっては十分すぎる結果だ。

俺もさすがに知ってる。親父が不器用だってことは。俺ももちろん不器用だけど、俺も親父も素直に想いを伝えられない。家では全く会話のない俺たちも、どっちも家以外ではお喋りなのが笑っちゃうよな。

大学の同期が実家に泊まりに来てビックリしてた。「お前マジで親の前では性格変わっておとなしいよな」って。母親もよく言う。「父さんはほんとはお喋り好きで、飲み会ではみんなを盛り上げてるんだからね」って。

親父は俺に対して、何かを介さないとコミュニケーションを取れない。

俺も親父に対して、素直に想いをぶちまけることができない。

「親父と息子」、こんなに歪な関係もないんじゃないかな。

ーーー

俺もう成長期じゃないし、こんなに肉食えないよ。しかもこれから筋トレ行きたいし、あんま胃がもたれるようなの食いたくないんだよね。親父も連日肉ばっか食ってない?もう年なんだしお酒も控えて、少しは健康意識してくれよな。

ちょっと暗くなってきたね。電気つけよっか。目が悪いっぽいね。そういえば車運転するときもっと気を付けて。車間距離近すぎ、あとよそ見しすぎ。前の車が急ブレーキしても止まれるくらいじゃないとだめだよ。

これ肉焦げてない?いいよ俺食うよ。マジで美味しいよ、親父ありがとう

ーーー



「旨いか?」



「うん」

2021-07-10

日本歴代天皇 1~50代

1.神武天皇

 奈良一帯を征服して大和建国

2.綏靖天皇

 欠史八代の一人目。兄タギシミミを殺して即位

3.安寧天皇

4.懿徳天皇

5.孝昭天皇

6.孝安天皇

7.孝元天皇

8.孝元天皇

9.開化天皇

10.崇神天皇

 実在する可能性のある初めての天皇大物主神祭り、疫病を治めた。武埴安彦の乱を鎮圧し、各地に四道将軍派遣。戸口を調査課役を課した。

11.垂仁天皇

 愛妻が兄狭穂彦王の乱に連座し焼死する憂き目に遭った。伊勢神宮を建立した。彼の代に相撲埴輪誕生したとされる。

12.景行天皇

 息子の日本武尊熊襲蝦夷を平定させた。

13.成務天皇

 国郡県邑を定めた。

14.仲哀天皇

 熊襲より先に新羅を討つべしと言う神託無視したため、病没した

15.応神天皇  

 神功皇后三韓征伐中に誕生。彼の治世に大和政権は国力を伸ばし、倭の五王讃と同一視される。八幡神として祭られる。

16.仁徳天皇

 民の貧しさを嘆き3年間一切の税を廃した。好色であったため木崎嫉妬に悩まされた。倭の五王讃と同一視される。

17.履中天皇

 帝位を狙う住吉皇子暗殺されかけるも、端歯別王(後の反正天皇)にこれを殺させ即位国内情勢調査のため国史を設置した。倭の五王讃と同一視される。

18.反正天皇

 身長3mで綺麗な歯並びの美男子であったとされる。倭の五王珍と同一視される。

19.允恭天皇

 刑部を定め、死傷の混乱を避けるため盟神探湯を行った。倭の五王斉と同一視される。

20.安康天皇 

 允恭天皇皇子暗殺して即位大草香王を殺して妻を娶るが、その息子の眉輪王に殺された。倭の五王興と同一視される。

21.雄略天皇

 眉輪王と履中天皇の子を殺して即位渡来人を重用して王権を強化した。倭の五王武と同一視される。

22.清寧天皇 

 生まれつき白髪で妻子はなかった。

23.顕宗天皇

 履中天皇の孫。父を雄略天皇に殺されたため、播磨に逃れたが、清寧天皇に迎えられ即位した。

24.仁賢天皇

 履中天皇の孫。弟顕宗天皇に位を譲りその死後即位した。

25.武烈天皇

 妊婦の腹を裂く、人を木に登らせて殺す等の暴君であったとされる。

26.継体天皇(507~531

 慈悲深い君主であったが、朝鮮での日本勢力が弱体化し、磐井の乱が起るなどその治世は乱れた。

27.安閑天皇(531~535)

 即位わずか4年で崩御。その治世に犬養部が設立された。

28.宣化天皇(535~539)

 任那支援のため狭手彦を派遣した。

29.欽明天皇(539~571)

 在位中に百済から仏教が伝来し、任那が滅んだ

30.敏達天皇(572~585)

 任那復興を目指して新羅交渉国内では物部氏と組んで排仏運動を進めた。

31.用明天皇(585~587)

 初めて仏教を受け入れた天皇。その治世は物部氏蘇我氏対立が激しく、天皇崩御直後に物部氏が滅んだ。

32.崇峻天皇(587~592)

 蘇我馬子と組んで即位したが、後に対立暗殺された。

33.推古天皇(592~628) 

 日本初の女帝。甥の聖徳太子摂政に任命した。

34.舒明天皇(629~641)

 初の遣唐使派遣百済宮を建立した。

35.皇極天皇(642~645)

 女帝。在位中に乙巳の変が起きる。弟の孝德天皇日本初の譲位を行った。

36.孝德天皇(645~654)

 甥の中大兄皇子皇子として大化の改新を進めた。

37.斉明天皇(655~661)

 皇極天皇重祚阿倍比羅夫蝦夷を討たせた。百済救済のため軍を派遣し、自ら九州に赴き現地で死去した。

38.天智天皇(668~671)

 日本初の全国的戸籍庚午年籍を制定。近江令を発令した。

39.弘文天皇(671~672)

 天智天皇皇子壬申の乱に破れ自殺した。

40.天武天皇(673~686)

 甥の弘文天皇を倒して即位八色の姓を創始、律令の制定、国史編纂など律令国家の確立に尽力した。

41.持統天皇(690~697)

 女帝天武天皇の妃。夫の制作を引き継ぎ、飛鳥洗御原令を制定し、藤原京を造営した。

42.文武天皇(697~707)

 大宝律令を制定した。

43.元明天皇(707~715)

 女帝平城京遷都し、風土記古事記編纂、和同開珎を鋳造した。

44.元正天皇(715~724

 女帝三世一身の法を制定。その治世に日本書紀が完成した。

45.聖武天皇(724~749)

 奈良の大仏を建立。その治世に天平文化が栄えた。

46.孝謙天皇(749~758)

 女帝。その治世に奈良の大仏が完成し、鑑真来日した。藤原仲麻呂を重用したため、橘奈良麻呂の変が起きた。

47.淳仁天皇(758~764)

 孝謙上皇道鏡を寵愛すると、藤原仲麻呂と結託して乱を起こすが敗れ淡路島に流された。

48.称徳天皇(764~770)

 孝謙天皇重祚。在位中は道鏡の専横が激しく、宇佐八幡神託事件が起きた。

49.光仁天皇(770~781)

 道鏡追放し、和気清麻呂召還するなど綱紀粛正に努めた。

50.桓武天皇(781~806)

 平安京遷都空海最澄を登用した。勘解由使の設置、兵役廃止など農民負担軽減に努めたが、蝦夷討伐には財力を惜しまなかった。

 

IT世紀末羅生門

 ある日の暮方の事である。一人の下人が、羅生門の下で雨雲レーダーを見ていた。

 広い門の下には、この男のほか誰もいない。ただ所々ペンキの剥げた、大きな円柱にドローンが一機突き刺さっている。

羅生門朱雀大路にある以上は、この男のほかにも、雨やみを待つSIerプログラマーがもう二三人はありそうなものである

それが、この男のほかには誰もいない。

 何故かと云うと、この二三年、京都には地震とかDDoS攻撃とかEMPとかドローン攻撃とか云う災がつづいて起こった。

そこで洛中さびれ方は一通りではない。旧記によると、サーバーEVを打ち砕いて、その貴金属が使われたり充電池がそのままだったりする金属の塊を建築資材として売っていたと云う事である

 洛中がその始末であるから羅生門の修理などは元より誰も捨てて顧る者がなかった。するとその荒れ果てたのをよい事にして、

営業職が棲む、意地悪な顧客が棲む。とうとうしまいには、引き取り手のないSEを、この門へ持って来て棄てて行くと云う習慣さえ出来た。

そこで、日の目が見えなくなると、誰でも気味を悪がってこの門の近所へは足ぶみをしない事になってしまったのである

 その代わりまたドローンがどこからか、たくさん集まって来た。昼間見ると、そのドローンが何機となく輪を描いて、高い電波塔のまわりを

ブンブン言いながら飛びまわっている。ことに門の上の空が、夕焼けであかくなる時には、それがゴマをまいたようにハッキリ見えた。

 ドローンはもちろん、門の上にいるSEをせっつきに来るのである。_______もっと今日はあまり仕事がないのか一機も見えない。

ただ、所々崩れかかった、そうしてその崩れ目に長い草はえた石段の上に、墜落したドローンの残骸が落ちているのが見える。

 下人は七段ある石段の一番上の段に、何日も洗っていないスーツの尻を据えて、右の頬に出来た大きな人面瘡を気にしながら、ぼんやり雨のふるのを眺めていた。

 作者はさっき「下人が雨雲レーダーを見ていた」と書いた。しかし、下人は雨雲がどうでも格別どうしようと云う事はない。ふだんなら、

もちろん会社へ帰る可き筈である。ところがその会社からは、四五日前に暇を出された。前にも書いたように、当時京都の町は一通り

ならず衰微していた。今この下人が永年、使われていた会社から暇を出されたのも、実はこの衰微の小さな余波にほかならない。

 だから「下人が雨雲レーダーを見ていた」と云うよりも「雨に降りこめられた下人が、行き所がなくて途方にくれていた」と云うほうが適当である。その上、今日の空模様も少なからず、この平安朝の下人のSentimentalismに影響した。

 申の刻下がり(16時以後)からふり出した雨は、いまだに上がるけしきがない。そこで下人は、何をおいても差当り明日暮らしをどうにかしようとして____云わばどうにもならない事を、どうにかしようとして、とりとめもない考えを辿りながら、さっきから朱雀大路にふる雨の音を聞くともなく聞いていたのである

 雨は、羅生門をつつんで、遠くからざあっと云う音をあつめて来る。夕闇は次第に空を低くして、見上げると門の屋根が、斜に突き出した甍の先に、重たくうす暗い雲を支えている。

 どうにもならない事をどうにかするためには、手段を選んでいる遑(いとま)はない。選んでいれば、高架の下か道端のベンチの上で、餓死するばかりである。選ばないとすれば____下人の考えは、何度も同じ道を低徊(ていかい)した挙げ句に、やっとこの局所へ逢着(ほうちゃく)した。しかしこの「すれば」は、いつまで経っても結局「すれば」であった。下人は手段を選ばないという事を肯定しながらも、この「すれば」のかたをつけるために、当然、その後に来る可き「転売屋になるほかに仕方がない」と云う事を、積極的肯定するだけの勇気が出ずにいたのである

 下人は、大きなくしゃみをして、それから大儀そうに立ち上がった。夕冷えのする京都は、もうカイロが欲しいほどの寒さである。風は門の柱という柱の間を、夕闇と共に遠慮なく吹き抜ける。円柱に突き刺さっていたドローンも、もうどこかへ吹き飛ばされてしまった。

 下人は頸(くび)を縮めながら、カッターシャツに重ねたヨレヨレのジャケットの肩を高くして門のまわりを見まわした。雨風の患(うれえ)のない、人目にかかる惧(おそれ)のない、一晩楽にねられそうな所があれば、そこでともかくも夜を明かそうと思ったかである

 すると、幸い門の上の楼へ上る、幅の狭い、点検用の梯子が眼についた。上なら、人がいたにしてもどうせ疲れ果てて寝ているSEばかりである。下人はそこで、腰にさげた特殊警棒が伸びないように気をつけながら、便所サンダルはいた足を、その梯子の一番下の段へふみかけた。

 それから、何分かの後である羅生門の楼の上へ出る、幅の狭い梯子の中段に、一人の男が猫のように身を縮めて、息を殺しながら上の様子を窺っていた。楼の上からさす白色光が、かすかにその男の右の頬をぬらしている。短い髭の中に、赤く膿を持った人面瘡のある頬である。下人は初めから、この上にいる者は寝ているSEとばかり高を括っていた。それが、梯子を二三段上って見ると、上では誰かがスマホライトをとぼして、しかもその灯りをそこここと動かしているらしい。これはその濁った、白い光が隅々に蜘蛛の巣をかけた天井裏に揺れながら映ったので、すぐにそれと知れたのである。この雨の夜に、この羅生門の上で灯をともしているからは、どうせただの者ではない。

 下人はヤモリのように足音をぬすんで、やっと急な梯子を一番上の段まで這うようにして上りつめた。そうして体をできるだけ平らにしながら、頸をできるだけ前へ出して、恐る恐る楼の中を覗いて見た。

 見ると楼の内には、噂に聞いていた通り何人かのSE無造作に寝ているが、ライトの光の及ぶ範囲が思ったより狭いので、数は幾つともわからない。ただ、おぼろげながら知れるのは、その中に手ぶらの者とPCを持っている者があるという事である。もちろん、中には女も男もまじっているらしい。そうして、そのSEは皆、それがかつて労働意欲燃えていた人間だと云う事実さえ疑われるほど、土をこねて造った人形のように、口を開けたり手を延ばしたりして、死んだように床にころがっていた。しかも、肩とか胸とかの高くなっている部分に、ぼんやりした光をうけて、低くなっている部分の影を一層暗くしながら、永久に唖(おし)の如く黙っていた。

 下人は、それらのSEの様子に思わず眼を覆った。しかしその手は、次の瞬間にはもう眼を覆うことを忘れていた。ある強い感情が、ほとんどことごとく男の視界を奪ってしまたからだ。

 下人の眼は、その時はじめてそのSEの中にうずくまっている人間を見た。桧皮色のジャージを着た、背の低い、痩せた、白髪頭の猿のような老婆である。その老婆は、右の手にライトを灯したスマホを持って、そのSEの一人のPCを覗き込むように眺めていた。腕に抱いている所を見ると、多分ノートパソコンであろう。

 下人は、六分の恐怖と四分の好奇心に動かされて、暫時は呼吸をするのさえ忘れていた。旧記の記者の語を借りれば、「えぐいって」と感じたのである。すると老婆は精密ドライバーを取り出して、それから今まで眺めていたノートパソコンに手をかけると、ちょうど猿の親が猿の子シラミをとるように、そのノートパソコンを分解しはじめた。かなり手慣れているらしい。

 電子部品が一個ずつ抜けるのに従って、下人の心からは、恐怖が少しずつ消えていった。そうして、それと同時に、この老婆に対する激しい憎悪が少しずつ動いて来た。____いや、この老婆に対すると云っては語弊があるかも知れない。むしろ、あらゆる悪に対する反感が、一分毎に強さを増して来たのである。この時、誰かがこの下人にさっき門の下でこの男が考えていた、餓死をするか転売屋になるかと云う問題を改めて持ち出したら、おそらく下人は何の未練もなく、餓死を選んだ事であろう。それほどこの男の悪を憎む心は、指数関数的に勢いよく燃え上がり出していたのである

 下人には、なぜ老婆がSEノートパソコンを分解するかわからなかった。従って、合理的には、それを悪である一方的に決めることが出来なかった。しかし下人にとっては、この雨の夜に、この羅生門の上で、SE自前のノートパソコンを分解すると云う事が、それだけで既に許すべからざる悪であった。勿論、下人は、さっきまで自分転売屋になる気でいた事なぞは、とうに忘れていたのである

 そこで下人は、両足に力を入れて、いきなり梯子から上へ飛び上がった。そうして特殊警棒に手をかけながら、大股に老婆の前へ歩み寄った。老婆はマイコン自作した監視カメラで、事前に下人の動きを見ていたのだが、想定外の行動に飛び上がった。

「どこ行くんじゃワレ!」

 下人は、老婆が寝ているSEにつまずきながら、慌てふためいて逃げようとする行く手を塞いで、こう罵った。老婆は、それでも下人をつきのけて行こうとする。下人はまた、それを行かすまいとして、押し戻す。二人はSEの浅い寝息の中で、しばらく無言のまま、つかみ合った。しか勝敗は初めから分かっている。下人はとうとう老婆の腕をつかんで、無理にそこへねじ倒した。ちょうどケンタッキーフライドチキンの骨のような腕である

「何しとったんじゃ!云え。云わんとこれやど」

 下人は老婆をつき放すと、いきなり特殊警棒を伸ばして、黒くて硬くて長いものをその眼の前へつきつけた。けれども、老婆は黙っている。両手をわなわな震わせて、肩で息を切りながら、眼を、眼球がまぶたの外へ出そうになるほど見開いて、唖のように執拗(しゅうね)く黙っている。これを見ると、下人は初めて明白にこの老婆の生殺与奪の権自分が握っていると云う事を意識した。そしてこの意識は、今まで煮え滾っていた憎悪の心を、いつの間にか冷ましてしまった。後に残ったのは、ただ、ある仕事をしてそれが納期に間に合った時の、安らかな得意と満足があるばかりである。そこで下人は、老婆を見下しながら、少し声を和らげてこう云った。

「ワシはマッポでもSECOMでもない。今し方この門の下を通りかかった暇なヤツや。せやからお前に縄かけてどうこうしようっちゅう事もない。ただ、今時分この門の上で何をしとったんか、それをワシに話しさえすればええんや

 すると老婆は、見開いていた眼を一層大きくして、じっとその下人の顔を見守った。まぶたの赤くなった二階幹事長のような、鋭い眼で見たのであるそれから皺でほとんど鼻と一つになった唇を、何か物でも噛んでいるように動かした。細い喉で、尖った喉仏の動いているのが見える。その時、その喉からカエルの鳴くような声が、喘ぎ喘ぎ、下人の耳へ伝わって来た。

「このパソコンCPUを抜いてな、型番とコア数を偽装してな、転売しようと思うたのじゃ」

 下人は、老婆の答が存外平凡なのに失望した。そうして失望すると同時に、また前の憎悪が、冷ややかな侮蔑とともに心の中へ入って来た。するとその気色が先方へも通じたのであろう。老婆は片手にまだ抜き取ったCPUを(素手で)持ったなり、蟇(ひき)のつぶやくような声で、口ごもりながらこんな事を云った。

「なるほどな。SEからPCを奪うという事は、何ぼう悪いことかも知れぬ。じゃが、ここにいるSE達は皆、そのくらいな事をされてもいい人間ばかりだぞよ。現にわしが今、CPUを奪った女などはな、コメントも無いし改行もない滅茶苦茶なコードを、仕様通りに動けばよいと言って書いておったわ。それもよ、この女の書くコードは早いし安いし仕様通りに動くと云うて、ケチ経営者どもが買っていたそうな。ワシは、この女のした事が悪いとは思うていぬ。せねば餓死をするのじゃて、仕方がなくする事じゃわいの。じゃて、その仕方がない事をよく知っているこの女は、大方わしのする事も大目に見てくれるであろ」

 老婆は大体こんな意味の事を云った。CPUを盗られた女は、よほど疲れているのかこんな騒ぎでもノートパソコンを抱いたまま、全く起きる気配がない。

 下人は、特殊警棒を畳んで、その柄を左の手で握りながら、冷然としてこの話を聞いていた。勿論、右の手では、赤く頬に膿を持った大きな人面瘡を気にしながら、聞いているのであるしかし、これを聞いている中に、下人の心にはある勇気が生まれて来た。それはさっき門の下で、この男には欠けていた勇気である。そうして、またさっきこの門の上へ上ってこの老婆を捕まえた時の勇気とは、全然、反対な方向へ動こうとする勇気である。下人は、餓死をするか転売屋になるかに迷わなかったばかりではない。その時のこの男の心持ちから云えば、餓死などという事は、ほとんど考える事さえ出来ないほど、意識の外へ追い出されていた。

「ほーん、そうか」

 老婆の話が終わると、下人は嘲るような声で念を押した。そうして、一足前へ出ると、不意に右の手を人面から離して、老婆の襟上をつかみながら、噛み付くようにこう云った。

「ほな、ワシが転売をしようと恨むまいな。ワシもそうしなければ、餓死をする体なのだ

 下人はすばやく、老婆からCPUを奪い取った。それから、足にしがみつこうとする老婆をジャイアントスイングで投げ飛ばした。梯子の口までは、僅かに五歩を数えるばかりである。下人は剥ぎ取ったCPUを胸ポケットに入れ、床に置いてあった老婆の精密ドライバーセットも手に持ってまたたく間に稲妻のごとく急な梯子を夜の底へとかけ降りた。

 しばらく死んだように倒れていた老婆が体を起こしたのは、それから間もなくの事である。老婆はつぶやくような、うめくような声を立てながら、まだライトがついているスマホの光を頼りに、梯子の口まで這って行った。そうして、そこから短い白髪をさかさまにして、門の下を覗き込んだ。外には、ただ黒洞々たる夜があるばかりである

 下人は、既に、雨を冒して、京都の町へ"仕入れ"を働きに急ぎつつあった。

2021-07-07

anond:20210707003201

52才。カツオ11才として41才のお子さん。普通やで。

平成マルコウだの白髪は染めろだのって女性に締め付けが厳しくなっただけ。

2021-07-02

買い物に行ったらおじさんに声をかけられちょっとしゃべっただけでスタバおごってもらった。

すっぴん上下ユニクロ白髪交じりのおばさんに声かけるんじゃなくてもっと他にいただろうに。

ブラジル市と言われるような町で英語ユーザーならまあまあ上級の人やろ、最悪英語なら大体わかるしと油断して素直におごってもらうことにした。

おじさんはコーヒー2口飲んで「仕事~」とあっという間に立ち去ってしまった。

一応後をつけられてるといやだからあちこちより道しながら帰った。

次あったらごはん行きましょとは言われたが連絡先聞かれるとかもなく、マジの無害の人だった。

逆に怖い。

2021-07-01

anond:20171110164157

眉毛も染めればそこまで違和感はないけれど、白髪になる楽しみがありそうなので待ってもいいかも。

って四年前か

2021-06-28

よく電車で会う女装おじさんに告ぐ

俺が最近よく通勤電車出会女装おじさんに告ぐ。

女装するのはいいよ。うん。でも、パンツが見えるくらい短いスカート履くのはやめてくれ。おじさんのパンツなんて見たくないんだよ。でもスカートが短すぎると条件反射で見てしまうんだよ。見えるんじゃないかって。おじさんのパンツなんて見たくないんだよ。でも、チェックしちゃうんだよ。で、短すぎるから結果見えちゃうサザエさんワカメちゃん状態から、そりゃ見えるよ。ガキの使い松っちゃん香取慎吾ネタみたいな感じなんだよ。頼むよ。あれは違法じゃないのか。

あとさ、顔。女装するなら、顔も女性に寄せろよ。フツーのおじさんの顔なんだよ。化粧もしてないし、髪の毛も白髪でボザボサ。首より上だけ見たら、フツーのおじさん。まあ人の勝手から別にそれはいいんだけど。いいんだけど、やるならやるでちゃんとやってくれって思っちゃう。まあ、人の自由からどうでもいいんだけどさ。

とにかく、スカートを長くしてくれ。あと、昇りのエスカレーターで俺の前に立たたないでくれ。完全に丸見えだからムダ毛を剃ってるのは認める。

2021-06-23

鼻毛抜いたら2本続けて白髪だった

これって老化?通常?

切り抜き

ファミマの裏の綺麗に水を張った田んぼのよこに色褪せたカブを停めて眺めてる青い作業服着てるおっちゃんに白いタンクトップ白髪のおじいさんが話しかけてるのを学生服男の子が横目に見ながら通り過ぎてるっぽいのを信号待ちの交差点で斜向から見てた

2021-06-21

おっさんハゲてない)の髪型ワースト3

3位 アフロ

髪の毛そのものにハリがないからペタッとしている。人相によってはパンチにも見える。

2位 ロングを後ろで束ねる

束ねた上になんかを塗ってたりすると最悪。体型次第では相撲取りにも見える。

1位 ソフトモヒカン

若作りしているつもりらしいけど白髪混じってますから。剃り込みの面積次第ではハゲにも見える。

2021-06-18

Twitter気持ち悪いと直接の言うのはダメなのか

Twitter弁護士が「女子校プールの水になりたい」みたいなことをつぶやき、それを「気持ち悪い」と指摘した女性弁護士が責め立てられてアカウントを消したという小さな事件が起きたらしい。

ブコメで「気持ち悪いと思うことと直接気持ち悪いと伝えることは違う」というような内容を見て、そうか?と思った。

しかし先程電車の中で白髪混じりのおじさんのスマホ壁紙2次元美少女で即「気持ちわりー」と思ってしまったのだが、どう考えてもこのおじさんに直接「気持ちわりー」とは伝えないなと納得した。勝手スマホを見たのはこっちだし。伝えたら私が異常者だ。

しか女子校の生徒や保護者の目の前で「女子校プールの水になりたい」と呟いたらその人は異常者だとも思う。Twitterは誰でも見られる場所だしなー。

2021-06-17

白髪めして気付いたんだが、私の髪はどうやら1ヶ月で1.5センチ上伸びているらしい

髪型しくじったと思っても2週間でなんとなくいいかなってなると思ったわ、チクショウ

2021-06-16

大学地学時代に買ったVixenのメタルホルダールーペが出てきた

何の役にも立たなかった立たせられなかったと放り投げた時代のもの引っ越し準備で出てきた

埃にまみれたストラップを引き、右手の指をくるっと入れてレンズを出し、右頬下に拳を軽くあてて固定、対象のほうを動かす

肉眼ではぼやけてわからなくなったペン刻印が久しぶりにはっきり見えて、ため息をつく

そういえば、白髪が目立った教授事務机の上にも小さな観察用のルーペはあっただろうか

2021-06-15

原宿駅

 ある日の暮方の事である。一人の少年が、原宿駅の跡地で雨やみを待っていた。朽ちた柱に蔦の絡みついた、いまにも崩れ落ちそうな原宿駅跡地は、その昔、若人が大勢集う、たいそう賑やかな駅であったという。かつてこの地は「原宿」と呼ばれており、商いで栄えていたそうな。今は広大な荒れ地が広がり、かつての栄華は見る影もない。少年荒野の真ん中でただ一人きりであった。ただ、所々地面から、かつてのビル群の瓦礫が顔を出している。少年は雨が止むまで、その瓦礫を見詰めて暇を潰すことにした。あれは、セシルマクビーピンクラテ、そして…Q-pot CAFE少年歴史がたいそう得意であった。

 何故原宿がここまで荒れ果てたかと云うと、七十年ほど前、東京には、疫病とか五輪とか不況とか云う災がつづいて起った。そこで人々は住まいをこぞって京都に移し、それに続いて都も移された。およそ二百五十年ぶりの遷都であった。人の消えた東京さびれ方は一通りではない。荒れ果てたのをよい事にして、狐狸が棲む。盗人が棲む。半グレがでかい顔をする。バニラ業者が日夜騒ぎ立てる。とうとうしまいには、行く当てのないジャニオタたちが夜ごとに集って、オフ会をしているという噂さえ立った。そこで、日の目が見えなくなると、誰でも気味を悪るがって、この近所へは足ぶみをしない事になってしまったのである。そうして七十年の時が経ち、いつしか原宿」というと、平成・令和時代の亡霊が往来する呪われた場所としてひろく知られるようになったのだ。

 少年も、ほかの大ぜいの若人と同じように、危ないので原宿には決して近づかぬよう、両親に硬く命じられていた。しかし、少年には原宿に来なければならぬ断固とした理由があった。病床に付している、かつて量産型女子であった少年祖母が、「冥途の土産Ank Rougeが着たい」と所望したのである少年は、祖母が好きであった。特に祖母のつけるジルスチュアート香水香りにつつまれ眠ることが大好きであった。その祖母が、いまはシンプルアースカラー入院着に身を包み、力なく微笑んでいる。入院着は、無印良品であった。少年は大好きな祖母のため、アンクルージュの服を見つけてくることを決意し、家をそっと抜け出してきたのだ。しかし、七十年も前の服を探し出すことは、とてつもなく困難であった。旧東京二十三区内を隅々まで探しても見当たらない。それもそのはず、量産型女子はとうの昔に、国の絶滅危惧種指定されていたのだ。少年祖母は、その数少ない生き残りであった。

 歩き疲れた少年は、とうとう、禁じられていた原宿に足を踏み入れた。暗く、恐ろしい場所であった。荒野の真ん中にぽつねんと佇む原宿駅跡地には、多くの人の怨念が染みついているかのように思えた。少年時計のある屋根の下に腰掛け、雨が止むのをぼんやりと待っていた。頭上には、どこからか集まってきた鴉が輪を描いて飛んでいた。

どうにもならない事を、どうにかするためには、手段を選んでいる暇はない。選んでいれば、大好きな祖母は悲しみのうちに死んでしまうばかりである。尤も、痴呆の入っている祖母は、たとい思い通りの恰好ができたとしても、何もわから粗相をして汚すだけかもしれない。しかし、心持の優しい少年は、祖母エンディングノートに書かれていたことはなるべく叶えてあげたいと思っていた。手段を選ばないとすれば―少年は、そのあとに来るべき言葉の余りの恐ろしさに小さく震えた。「盗人になるよりほかに仕方がない」などというおぞましい考えが一瞬でも頭をよぎったことが、信じられなかった。しかし、一度心に生まれたその思想は、少年の心にずっしり居座り、どうにも振り払うことが出来ずにいた。

 それから、何分かの後であるマツモトキヨシ原宿駅表参道口店跡の辺りをうろつく人影が見えた。少年は、こんな場所にも人がいたのかと大そう驚いた。夕闇によく目を凝らしてみると、どうやらひとりの老婆が何かを探しているようなのである。この雨の夕方原宿をうろついている人間は、ただ者ではない。少年は両親の忠告を思い出し、身震いをした。しかし、老婆が何かてがかりを知っているかもしれぬ。少年は立ち上がると、小雨の降りしきる中、恐る恐る、老婆に声をかけに行った。

「おばあさん、すみません

老婆はゆっくりと振り向いた。少年は、振り返った老婆の姿を見て、その余りの恐ろしさに、顔をしかめた。桑色のシャツを着た、背の低い、痩せた、白髪頭の老婆である。右の手に黄色ビニール袋を持ち、左の手に、大きな紙袋を持っていた。紙袋には、けばけばしい装飾が施されている。見るとそれは、山田涼介イッピ袋であった。

ジャニオタだ。少年歴史資料集で良く学んでおり、ジャニオタを知っていた。日本史安藤先生がいうところによると、ジャニオタは四十年ほど前に最後の一人が観測されて以来、日本から姿を消したという。まさかジャニオタに、生き残りがいたとは。少年は、大そう驚いた。

「なんだい…」

老婆は唸るように呟いた。地の底から響くような、恐ろしい声であった。少年勇気を振り絞り、老婆に尋ねた。

「お忙しいところすみません、すこしお聞きしたいことがあるのですが。」

「他を当たっとくれ。私は急いでいるんだ。」

後生です、他の人が居ないものですから。」

サロン体験ならお断りだよ。」

「違います。探し物をしておりまして。

ところでお婆さん、そんなに急いでどこに行かれるのです。」

ライブ戦前ジャニショに行くのさ…ケンティーオフショを買いにね…」

そういうと老婆は、うつろな瞳で前方をじっと見た。そこには荒野が広がるばかりであった。それを見た少年は、腹の底から寒気が上がってくるのを感じた。ジャニショ。それはかつてこの地にあった多神教神殿であったと聞く。かつては多くの信者が通い詰めたその神殿は、しかし、原宿から渋谷へと拠点を移し、遷都とともに東京からもなくなってしまったと聞いている。全て七十年前の出来事だ。今となっては跡形もない。この老婆は、いまでもジャニショ存在を信じ、この場所をうろついている。うわさに聞くジャニオタの亡霊だろうか。少年身体は恐怖に震えた。

「おや…お前は」

かに気が付いた老婆は、少年の顔をじつと見詰めた。その濁ったうつろな瞳には、真っ黒なカラコンが不自然に張り付いていた。少年は後ずさりをした。

「お前はまちゅくのショタ時代そっくりじゃないか

ええ、もっとよく顔をみせておくれ」

そう叫び声をあげると老婆は、少年の顔をつかもうとした。少年はきゃあと叫び、踵を返して逃げようとした。しかし恐怖からか足がもつれ、少年の体は地面に叩きつけられた。何とかもんどりうって逃げようとする少年に、老婆が覆いかぶさる。

「ああ、尊い尊い。」

老婆はうわ言のように呟きながら、少年の腕や顔をベタベタと触った。少年の恐怖心は、次第に、老婆に対するはげしい憎悪に変わっていった。二人は荒野の中で、しばらく、つかみ合った。しか勝敗は、はじめからわかっている。少年はとうとう、老婆の腕をつかんで、無理にそこへねじ倒した。老婆は細い体を大きく震わせ、肩で息を切りながら、ぴえんと泣き叫んだ。

ファンに、ファンにそんなことをしていいと思っているのか。」

「知らぬ。第一、僕はジャニーズではない。」

少年は老婆を見下ろし、吐き捨てるように言った。心のうちで、老婆に対する憎悪侮蔑が、大きく燃え上がっていた。そうして、あることに気が付いた。老婆の纏っている布切れである。すっかり薄汚れていて気が付かなかったが、これはいつか歴史資料集で見た、アンクルージュのフリルカラーチェックワピースではないか。チェックの模様に、けばけばしいフリル。そうに違いない。それを見ると、少年の心にあるひとつ勇気が生まれた。それは、老婆に出会う前は決して存在しえなかった勇気であった。

ファンにこんなことをして、貴様アイドルとしての自覚が足りぬわ。」

「言いたいことは、それだけか」

老婆の話が終わると、少年は嘲るような声で念を押した。そうして、老婆の襟上をつかみながら、噛みつくようにこう云った。

「こんなことをする者は、ファンではない」

老婆はそれを聞くと、目をかっと見開き、呻き始めた。少年は、すばやく、老婆の着物を剥ぎとった。それから、足にしがみつこうとする老婆を、手荒く瓦礫の上へ蹴倒した。かわいそうな老婆の周りには、胸元に大事仕舞われていたしわくちゃの青い振込用紙がはらはらと散らばった。少年はそれを一瞥すると、薄汚れたワンピースをわきにかかえ、またたく間に原宿の闇に駆けていった。

しかし、嗚呼、何と残酷なことだろう。老婆からはぎ取ったワンピアンクルージュではなくミオレミューだということを、少年は知る由もない。

 その後、原宿にうろつく亡霊の噂は、はたと途絶えたという。

2021-06-13

さすがに菅さんも内心はオリンピック反対だよね?

私自身は特に政治思想に偏りないと思ってるんだけど、最近作業用BGMとして国会中継とか党首討論見ていて、素人目に見ても答弁がやばいというか。

五輪関連の1個の質問に対して超遠回しかつ長尺で答えるわりに、要するに「頑張ります」「安心安全」って言いたいだけやん。って感じ

会社会議でこんな話し方してたら怒られない?大人ってこんなもんでいいの?


とはいえ、これだけ世論が開催に懐疑的で、支持率下がることが分かっているんだから心の底から賛成しているように思えないんだよね。

内心は中止したいって思ってるけど、圧力かけられてて開催せざるを得ないのか?とか思っちゃう

(例えば今後日本五輪開催できないって言われてるとか。しらんけど)

(もちろん、そういう圧力があっても中止するのがリーダーシップやろって思うフシもあるけども)

もし内心そう思ってるなら、世間にこれだけ批判されつつあのわけわからん答弁を繰り返せるメンタルって素直に超すげえと思う。自分はできねえ。

あと白髪めっちゃ増えてて心労がたたらないか心配です。

個人としては五輪は反対でも賛成でもなくて結構どうでもいいと思っていて、

もし開催されたら、期間中はできるだけ外出控えて感染リスク下げるか…と思っている派です。

今の、五輪反対しないと非国民空気もそれはそれで怖いんだけど、そう思ってる同士いない?

2021-06-12

さっきコンビニ駐車場湾岸ミッドナイトで見るような古いGT-Rが止まってて珍しいなと思って見てたらくたびれた白髪混じりのガリガリジジイ警備員が近づいてきてGT-Rの窓を鏡にして髪型直してそれからゆっくり車の周りを確認しはじめたんだけど

持ち主帰ってきたらどうすんだよとヒヤヒヤして見てたらドア開けてリラックスした感じでタバコ吸い始めたんだよ

そこでようやく気がついたんだけどこの車は警備員の車なんだな

くたびれた白髪の多い60近い冴えないおっさんの唯一自慢できる物って感じだった

たぶん自宅は6畳ワンルームアパートだと思うw

2021-06-11

まあまあ美味い自家製ラーメン

(スープ)

スーパー調達した鯛のアラに塩を振りしばし放置後、水で表面を洗ってぬめりや汚れ、鱗の取り残しなどを除去したら鍋へ移す

鍋にアラが浸り切るぐらいの水を入れて火にかける

40分ぐらい灰汁を取りつつ煮てアラから出汁抽出したら、ザルとキッチンペーパーで鍋のスープを漉して器に移す

(タレ)

鍋に醤油と酒とみりんを入れて火にかける。

沸騰してアルコールが飛んだら火を弱くして、煮干しを適当に数本入れて煮出す

5分ぐらい煮出したら火を止める

(麺)

スーパー適当に安い麺を買ってくる

(具材)

スーパーで好みの具材を買ってくる。今回はメンマチャーシューのセットを1パック用意した。

(仕上げ)

鍋で麺を茹で、スープを温めておく。

器にタレを入れ、温めたスープを加えて軽くかき混ぜる。

ここでラード鶏油など動物性油脂を好みで加えるとコクがアップする。

茹でた麺をよく湯切りしてラーメンスープに放り込む。

具材トッピングして、白髪ネギを散らし、軽く塩胡椒で味を調整したら完成。

俺はハラペーニョ六之上(BMI四捨五入40)だ!!

健康診断9項目で引っかかったジャバザハット体型だぞ!悪いか!!

ライバルは灼熱カバディの井浦慶と歌い手adoだ!!

チンポは腹の肉が垂れすぎて正面から見えないぞ!!ちなみに陰毛白髪交じりだ!!

好きなものパチスロスプラトゥーン女装オナとトラバ荒らしだ!!

アカウント3つとルータ繋ぎ変えで今日も色々なエントリ荒らしてやるぜ!!

2021-06-10

そうめんものによって違いが大き過ぎる

たとえば「白龍」とか食ってみ。あの独特の小気味よく心地いい歯ざわりはうどんでは出せないよ。

茹で時間が秒単位シビアから失敗すると歯ざわりの死んだひどいものになるが。

なお間違って「白髪」の方を買うなよ。

anond:20210610132047

2021-06-07

髪の毛を抜く癖がある

抜毛症というものがあるのは知ってる。

それかもしれないし、単なる癖かもしれないし、趣味かもしれない。

趣味が一番近いかもしれないと自分では思ってる。

傷んでチリチリになってる毛がとにかく許せない。

問答無用で抜く。でもそれはまだ許せる行為だと思う。

幸いにも髪質はサラッサラのストレートで、傷んでる毛はほとんどない。

そうなると、今度は健康な毛まで抜いてしまう。

健康すぎてちょっと太めで元気な毛から抜く。

抜きごたえがある。痛くはない。プチっと抜けるのが快感なのかもしれない。わからない。

これまた幸いにも、毛量は多い方なので抜いても抜いてもそこまで目立つことはない。

担当美容師さんは気づいてるかもしれないけど、まだなにも言われていない。

多い日は何時間もひたすら抜いてる。何百本と抜く。抜いた毛の束ができる。

両親ともフサフサなことにマジ感謝遺伝子偉大。

抜毛による見た目上の心配はないとはいえ、髪抜いてる時間文字どおり不毛時間無駄にもほどがある。

いまもテレビ見ながら数時間抜いてた。

高校生くらいのときにはすでに抜いてたので仕事ストレスとかではない。数十年抜き続けてる。

やめたほうがいいんだろうなと思うけど、やめられてたら苦労はない。

抜いたらちゃんと生えてくるし、薄くなったり白髪になることもない。律儀すぎる。

残りの人生で、あと何千時間、ただ無為に髪を抜き続けるのだろう。

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん