はてなキーワード: 火の鳥とは
僕には、みんなが普通に生活を送っていることが
ときどき、とても不思議に感じられる。
人はいつか死ぬ。
当たり前のことだけれど、
しかしゆるぎない真実であって、
これが僕にはひどく恐ろしい。
死の痛みは怖くない。
怖いけれど、僕が本当に怖いのは永遠だ。
みんなにプレゼントを配っていた、やさしい老人だった。
やがて、サンタクロースは天寿を全うして死んでしまう。
神々は会議を開いた。
老人のような神、黒い山羊の姿をした神がいたのを覚えている。
神々は話し合う。
私たちから見れば、人間の一生はあっという間だ。
しかしサンタクロースをこのまま死なせるのは忍びない。
かくしてサンタクロースは生き返り
おしまい。
僕はこの物語を見て、「死」というものを理解した。
自分がいつか消えてしまうということを知って、
その夜、枕を涙で濡らした。
小学校高学年になって、手塚治虫の「火の鳥 宇宙編」を読んだ。
乗組員それぞれが一人乗りの船に乗って、脱出するというくだりがある。
そして、その中の一人は、軌道がかすかにずれてしまい、
みんなと一緒の方向に行けず、宇宙の果てまで孤独に流れていくこととなる。
別の一人は、惑星の引力に捉えられてしまい、永遠にその星の周りを周ることになる。
マンガとはいえ、「永遠」というものを肌で感じられたような気がした。
永遠ってなんだ。
永遠とは「終わらないこと」だ。
つまり、死んだ後も、その状態は終わらないということ。
永遠に続くということだ。
永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に、永遠に・・・
死に続ける。
死ぬということは、消えるということはそういうことなのだ。
そして、永遠の命を得ようとも、
幽霊になったりしようとも、
輪廻を繰り返そうとも、
永遠からは逃れられない。
それからは、そのことを忘れるように努めた。
思春期、ときどき授業中などに思いだしては、身を震わせて恐怖した。
そしてすぐに頭から振り払った。
まともに考えていては、頭が狂ってしまいそうだった。
そうしたまま、逃げ続けて現在に至るのだけれど、
今でもまだ夜中に恐怖にかられることがある。
どうしてみんな、普通に生活していられるんだろう。
たしかにどうしようもないことだ。
だけれど、このことについて語る人はあまりにも少ないし、
誰もあがこうとしていないように見える。
みんな、僕のように逃げ続けているのだろうか。
それとも、折り合いを付けているんだろうか。
僕には到底マネできない。
http://anond.hatelabo.jp/20070805124645が消されていたので、カッとなってサルベージした。
言及しているエントリ
anond:20070816102426は消さないでおくれな。
anond:20070613232112は消さないよね。