はてなキーワード: 一休とは
bk1みたいにチェックした商品をまとめて処理させてくれよ。カートの中に2,3年前に
放り込んだまま興味を失った商品が数十件溜まってて価格改定の度にずらっとどうでも
いい商品の情報が表示されるのが鬱陶しい。でも1件処理するごとにリロードされるのが
かったるくって消していく気にもなれないし…。
余計な商品を買わせようとする事にあれだけ熱心なのに、こういったobviousな使い難さ
が改善されないのは何か思惑があるんでしょうか?
話は変わるけど、講談社は坂口尚のマンガ文庫再販する気無いのかなあ?比較的入手が
容易な『VERSION』はともかくとしても、『あっかんべえ一休』すごーく欲しいんですけど。
思考が完璧主義なひとはそういう方向にいきがちな気がする
努力なんてすごいものじゃなくて、ほんのちょっと何かしてみたら
いいんじゃないのって思うんだけどね
進みたくても道が見えない時はしょうがないよ
一休みも大事です
朝?
のらりくらりと、生きてきましたが。
ところで、ぼくは朝ごはんを食べるのか?
男の子だろ? いいやそういう問題じゃなくって。
「盛り上がってる?」
「いいえ、そうでもありませんよ。ははは」
ぼくはふがいない自分を笑いつつ、ベンチに腰掛けた。
ぼくはあれか。そして、ベンチに腰掛けた。
「あれ? ぼくはさっきベンチに腰掛けませんでしたか?」
「そうでしたね」と笑う。笑い合いもひとしおである。
その時であった?
ズガーン!
衝撃もひとしおであったその後、ぼくと唯ちゃんは急いでベンチに腰掛け
「唯ちゃん、無事か?」「ええ、私は無事ですか?」「ええ、無事です」
流した涙の数だけ物語はあるのだろう。
唯ちゃんの無事を確認しつつベルトを締めるやいなや激痛がトシキの息の根を
止めた。トシキは息の根を止められつつ反撃。お互いに鼻血まみれの顔でニヤニヤ
笑っていたのだろうか。
「まあ、座れ」「いやだ」「やめて二人とも」唯ちゃんの白い顔が黒く歪む。
トシキは観音座りをしてチャクラを溜めなさい。溜めなかった。どうするのか、
しないのか、それとも...?
「ふふ」どちらともなく、お互いをにらみ付けた。その刹那! トシキの
そして、天空を調査する魔法のソナタはめくるめく砂漠のどまんなかで
いまだ見えざるアルテミスの物腰を柔ら柔らかにしつつ、堪えがたい刻の
いとなみを柔らかに見つめるといいね、と、トシキと加奈子は思った。
唯ちゃんは、あまり思わなかったのかねえ? なんてね。
それはそうと今朝喰った目玉を離さない。もう離さないんだ。
西日が消えやがて夜明けだ。そんな真夜中の物語.....IF.....
http://anond.hatelabo.jp/20081007214433を読んで思ったんだが、確かに行動してるのはすごくいいことなんだけど「行動すりゃいいってもんでもない」んだよな・・・。
化粧も服も髪型も髪の色も手をいれればいいってもんでもない。特に化粧は顔の特徴や色味に合ってないとスッピンよりひどくなる。眉の長さや形ひとつで顔の印象がものすごく変わる。髪型もそう。うまくやれば欠点をカバーして良さをひきたててくれる。服も同じ。そのためには自分の顔や体型のパーツの欠点と長所を客観的に把握できていなきゃいけない。今は恋愛は一休みしてるみたいだから、その辺の研究を改めてしてみたらどうかなぁと思った。
あれ、どっぺるげんがーを見たよ。全く同じ境遇だね!多分、同じ大学だよwww
同じく
他の方のコメント見てると、「あの空気を体験しなきゃわかんないんだろうなあ」って思います。
いや、ひがむとかじゃなくて、池に投げ入れたゴミにコイが群がってるように見えるんですよ!
都市伝説ですか?どっちですか?
残念。実在します。
残念。大学の学生の多くがそういう恋愛リテラシーが低く、上流階級の世間知らずで構成されてるので学べません。
そして、彼らはそれ以外の人間を DQN と言って見下します。
おそらく、彼らが今は社会的に「エリート」と呼ばれる立場で、国の政治や経済を動かす立場につきそうだからおぞましいのでしょう。
世間知らずがそいつらだけで集団を作り、ルールを作る様子はおぞましいです。
※匿名ダイアリーに書くの初めてなのでトラックバックミスったらごめんなさい。
ヘルプ読んだけどわかりづらい……
思いつくままに書くので、長文ごめんなさい。
昨日、はてブの注目エントリで彼女のブログの記事がとりあげられているのを見て、他人事には思えず、気に掛かっていた。その翌朝の訃報。耳を疑い、テレビニュースに釘付けになり、ネットニュースも見た。
はてなの住人さんたちはどんなことを書くだろうか、と思っていた。これからもっと触れる言及が出てくるかな、と思っている。
私の場合を片隅でも発信して、似た人、もしくは似た人の近くにいる人の何かの参考になれば、と思った。
私は鬱病と診断されて4年、その後、転院して、境界性人格障害と別の診断をされた。
死ぬことをはじめて意識したのは幼稚園のときで、それから30年近くずっと消えない。
「自殺未遂」の経験は、たぶん境界性人格障害の人間にしては少ないほうだと思う。
だから診断に時間がかかったのだろう、とも思う。
ずっと、「死にたい」「消えたい」という毒が自分の心から湧き上がっていたが、押し殺してきた。
リストカットをしたのは、中学生のときに一度だけ。二度としないと誓っている。
オーバードーズはずっと自分に禁じていたが、とうとう、先週、やらかした。
2日間、意識不明で点滴を打たれ、死なずに、幸いにも後遺症も残らず、生き残った。
(そもそも、オーバードーズじゃ複合要因がないと死ねないのはわかってたけど。)
オーバードーズする1ヶ月前から、薬の効きが悪いので、もう病院に頼るのはやめようと思い、通院していない。
薬の断薬作用がひどかったら通院しようと思ったが、ないので、たぶんこのまましない。
医者の処方どおりに薬を飲めない人間には薬を処方される資格はない、とずっと前から思っていたので、オーバードーズ後の意識不明状態から復活したあと、残った薬は全部捨てた。
前置きが長いが……
リストカットも、オーバードーズも、私が最後に選んだSOS発信の方法だった。
本当に死のうとしたわけではなかった。
死ぬならもっと確実に死ぬ手段を選ぶ。
前に、鬱病と診断され大量の薬を投与されていたころ、
病院の受付との些細なやり取りのすれ違いから大いに傷つき、憤慨し、
通院と投薬を自己判断でやめたことがある。
ブログにもその詳細をぶちまけた。
友人たちが、通院の再開を勧めてくれた。
本当に私が心から望んでいたことは、一緒に憤慨し、一緒に病院に行ってくれ、病院側の不手際を責めてくれて橋渡しをして問題を解決してくれ、私がまた心を開いて通院できる状況を作ってくれることだった。
「病院には行ったほうがいいよ?」という言葉はたくさんかけられたが、、
「一緒に行くから、病院に行こう。」と言ってくれる人はいなかった。
通院を再開したのは、ひどい断薬作用に苦しんだあとの自己判断だった。
泣きながら病院の先生に受付の人とのやり取りについて訴え、そこで他の患者からも苦情がついていたことを知り、先生から謝罪を受けた。
それを受けて、再開した。
「ただ、SOSはブログではなく、もっと大声でやれるようになると……」
と言われた。もっともだなぁ、と思った。
たぶん、言われるのを待つのではなく、一緒に行ってくれ、といえばよかったのだろう、と思う。
でも、あのときの自分は言えなかった。
変にプライドが高いのかもしれない。人への助けの請い方がわからない。
この場合のSOSの受信の仕方はどれが正しいのかも、よくわからない。
私が望んだように「病院に引っ張っていく」のは、本人を甘やかせるだけのような気がする。
私が「病院に一緒に行ってくれ。」と頼むように、変えていくのがたぶん正しいとは思う。
でも、他人のためにそこまでやれる人がどれだけいるだろう。
みんな自分が生きることでいっぱいで、そこまで他人にエネルギーを割けないだろう、と思う。
境界性人格障害、と診断されたとき、自分はとても納得したが、同時にひどい衝撃を受けた。
ご存知の方はご存知だと思うが、境界性人格障害(ボーダー)の人というのはとても困った人が多い。実に。周りをかきみだす迷惑もの。
そう思っていたので、自分がそれだったか、と思うと……
しかも境界性人格障害ならば、鬱の薬は本当に補助的にしか効かないわけで、根本的な解決方法はない。
私の「死にたい」「消えたい」と湧き上がってくる毒は、薬では消せないわけだ。
私は軽いパニック発作と、不眠も症状として持っているが、そのころから、その薬も効かなくなった。
どんなに薬を強めても、眠れないときは眠れないし、逆に、眠れるときは何も飲まなくても眠れる。
パニック発作も薬を飲んでも軽減しない。
だんだんと自分で受け止めきれなくなった。
実母に訴えた。
「私はこんな障害なんだよ。死にたいのが消えないんだよ。生まれてきた意味がわからないんだよ。」
と言った。
実母は泣いて謝り、どうすればいい?と逆に私に聞いてきた。
私をそんなふうに育てたのは実父のせいなのだ、と自分の感情をぶつけてきた。
それから数ヶ月。
そんなことはもう忘れられた。
眠れないことも、嘔吐がとまらないことも、周りには伝えていた。
目の前で吐いたこともある。
病院で症状を訴えると、聞いてもらえるのて処方も変えてもらえるのだが、それが効かない。
自分の「毒」がもうとめられなくなった。
誰も私を助けられない。助けての声が届かない。
私が追い詰められていること、苦しいことを、訴える手段がもう、なかった。
結果、オーバードーズとなった。
私は誰かに救ってもらえる余地があったのだろうか。
「死にたい」「消えたい」という毒は、他でもない、自分の心からこんこんと湧き出る。
それはどうやったらとまるんだろう。
オーバードーズでエネルギーを放出した今は、毒の出る量は減っている。
でもこれが再び大きくなったとき、次はどうなるんだろう?
私は負けずにいられるだろうか?
周りの人に望むこと……よくわからなくなった。
たぶん、毒が湧き出ない人にはわからないことだと思う。常に毒を自己生成される人間の内面は。
そして、きっと、手に負えない。
「毒」を放出する「SOS」は、それを受信した人にも「毒」を伝播する。
SOSを真摯に受け止める人ほど、きっと毒を食らう。
その闇に取り込まれる。
それがわかっているから、SOSを出すことをためらう。
大切な人に自分の毒をあてたくなくて、自分の中に押し込めて、押し込めて、死を選ぶしかなくなることもあるんじゃないか、と思う。
決定的な自殺を選んだことがないのでわからないけれども……
たぶんそれは、己の毒に負けたとき、なのかな、と思う。
人を救う、って難しい。
人に人は救えるのか?
身近にそんな困った重大な人を抱えてしまっている人に、私が言えることは……
なるべく気にかけて、寄り添って、否定しないでいることだろうか。
でも、毒を受け続けて、共倒れになることも、危惧する。そうなるのを恐れる。
餅は餅屋、専門家を頼るのが一番、といえたらいいのだけれども、
私は専門家の手に負えなかった。
「悲しみは半分こ」できるならば、毒も悩みも一緒に半分こ、してくれるのが一番救われるかもしれない。
そうしたら、いつかは毒が消える日がくるのかもしれない。
私には正解はわからない。
長文、失礼しました。
http://anond.hatelabo.jp/20080527065749
hrkt0115311さんのアドバイス、なるほど!と思いましたので、
私が書いた記事のURLを追記しておきます。あわせて、内容も短く添えておきます。
hrkt0115311さん、ほんとにいろいろありがとうございます!
http://anond.hatelabo.jp/20080527135329
…病院への付き添いについての、私の経験談
http://anond.hatelabo.jp/20080527135929
…病院につきそってほしかった私のSOSは、ボーダー特有の甘えとの気づき
http://anond.hatelabo.jp/20080527140359
…いただいた、「イキロ」の言葉に感激泣き
http://anond.hatelabo.jp/20080528020715
…hrkt0115311さんからいただいたトラックバック記事へのお礼とお返事
感謝感激です
http://anond.hatelabo.jp/20080528025927
…一番最初の記事「SOS…私の場合」の補足
http://anond.hatelabo.jp/20080528031558
ちょっとここまで書いて、一休み中です。(多少、息切れ&整理中)
「自分のブログよりも多くの方に目にとめていただくこと」
真摯にいただいた反応もとてもありがたく参考になったので、
今度は増田としてではなく、サブアカウントをとって、まとめておくなり、
続く限り記事を伸ばしてみるなり、新しいニュースを受けて書いてたりしようかと考え中です。
「つらい人、悲しむ人を少しでも減らしたい(自分も含めて)」
って思うならば、
一度思うだけじゃなくて、思い続けて行動し続けないと、
きっとすぐに忘れちゃうような。
川田亜子さんの訃報についても、新しいことが出てこなければニュースにならず、
だんだんと過去の出来事になっていくし……忘れられていくし。
とりあえず、まだ未定です。
20代後半・女。友達の多くが結婚してゆく。それはよくあることだし、いいことだ。
けれど一般の女たちはそこで「結婚式」を楽しむことで頭がいっぱいのようだ。
既婚者は「わたしたちの世界へようこそ」と手を広げる。そこに取り残されている未婚者のことはお構い無し。
結婚は忍耐である、とよく披露宴のスピーチでも言われるし実際そうだと思う。
だからこそ私は浮かれたくない。
「結婚式もゲストや親に感謝し楽しませるためのもの」「新たなる旅立ちで、決意を新たに」と思う気持ちと
「あんなひらひらのドレスを着る行為が、ばかばかしく感じられる」「ウェディング産業のボッタクリや煽りに、乗りたくない」という対極の気持ちがある。
ばかみたいにたのしいことばかりをしたくない(正月に骸骨を持って歩いた一休みたいな気持ち・・・)。
そしてなにより、こんなことでうきうきするような女になりたくない。ばか女だと思われたくない。
http://anond.hatelabo.jp/20080221035120
好きになってはならないはずの人を好きになってしまった。
仕事で知り合って、堅実な仕事ぶりに惹かれてちょっといいなと思って、けれど彼女が居ることを共通の知人から聞かされた。「じゃあ、お友達でいいや」と思った。けれど「お友達」してるのが楽しかった。会社帰りに一緒にご飯を食べて、彼の家に寄って、ゲームをして。二人きりになることはなく、いつも何人かで遊んでいた。それでいいと思った。そうやって遊ぶとき、彼女の影は見えなかった。
連休に彼と私を含めて3人で遊ぶことになった。そのときもやっぱり、連休なのに彼女は?と思ったけれど、何も聞けなかったし聞かなかった。公園でバドミントンをして、カラオケへ行って、晩御飯を食べて。それじゃあまたね、と解散になったとき、彼と私はまだまだ話したいことがあった。お互いそれが分かってしまった。「ちょっとだけ飲みに行く?」「行きましょう!」
何時間も話して結構酔った後、お茶でも飲んで一休みしていく?と彼の家に誘われた。みんなでなら何度も行っている家だから、警戒心が薄れてた。それに私達は友達なんだから、大丈夫。私が内心どう思っていようと、あんなに真面目でしっかりした彼が、あんなに優しくて気配り細やかな彼が、彼女をさしおいて私になにかするわけがないんだもの。
「終電まだあるだろうし、もしなくなっちゃったらタクシー代出すよ」
そんなわけには行かないですよ、と言いながら彼の家に行った。けれどやっぱり話してたら終電の時間を越えてしまった。あまりにも楽しかったから。
「じゃあ今日はいっそ泊まっていかない?」と彼が言った。
それはさすがに、と思ったが言い出せなかった。私達は友達なんだから何も起こるわけがない。ここで断って帰ってしまったら、彼とそれまでのように仲良くできるか分からないと思った。友達のままでいいから、この距離で居たかった。
けれどそんな考えは甘かった。彼に抱きしめられて、そのまま一夜を過ごしてしまった。彼も私のこと好きでいてくれたのかな。だったら嬉しいけど、すごく嬉しいけど、普段からとても真面目で、遊びでこんなことする人だとは思えないんだけど、じゃあ彼女のことはどうなっているんだろう。
帰る前、「好きです」と彼に言ってみた。「俺も好き」と言ってくれた。
「でも、もしかしたら知ってるかもしれないけど」
……やっぱり。
視線を落として黙った私に、彼は言った。「どうしてほしい?ちゃんと考える」
「私はちゃんとお付き合いしたいな」
「じゃあ彼女とは別れるよ」
それでいいの?と思った。彼と彼女は交際6年目になるらしかった。彼女は結婚したがっていて、彼もそれ自体は構わないと思っていた様子だった。これまでは。
「けれどももう恋愛感情なのか分からない。家族みたいな感じなんだ」と彼は言った。
別れると言うのなら待ってみようと思った。真面目で優しくて仕事のできる、思い描いた理想のようなこの人が私の恋人になってくれるというのだ。天にものぼるような気持ちだった。そのために彼が彼女を振ることについては、あまり考えなかった。それは彼と彼女の問題であって、私が考える問題ではないのだ。
連休の残りの日、彼は彼女と話し合ってくると言った。「片がついたら必ず連絡するから、待っていて」と。
待つのは落ち着かなかった。何をしていても手につかないので、睡眠薬を飲んでずっと寝ていることにした。長い眠りから覚めたら王子様が目の前に居て、私をお城へ連れて行って幸せにしてくれるのだ。
連休が終わりにさしかかっても彼からの連絡はなかった。やっぱり、とか、ひどい、とか、いろんな気持ちがぐるぐるしていたのでぎゅっと胸を押さえた。強く強く押さえていないと涙になってあふれてきてしまいそうな気がした。私は睡眠薬を追加して、朝まで更に眠った。
「別れられなかったんだ。ずっと泣かれてた。『なんでもするから、悪いとこがあったら直すから』って」
どうするの?と思った。彼はどうやら、「ほかに好きな人ができた」とは彼女に言ってないらしかった。「それは言わないと別れられないんじゃない?」「言えないんだよ」
何故。
彼と彼女が付き合い始める前、彼女は婚約者に浮気されて破談になり、ひどい男性不信に陥っていたらしい。彼はそんな彼女に恋し、ゆっくりと時間をかけてその心を溶かしていき、「一生僕が守っていく」と誓って付き合い始めたのだという。「その言葉で僕に心を開いてくれた彼女に、『他に好きな人ができた』なんて言って別れを切り出したら、また男性不信になってしまうよ。そんな残酷な別れ方だけはできない」
いやいや、あんたそう思うならなんで他の女に手出したんですか。
と内心突っ込みたくなったものの、彼女が居ると分かってて彼に抱かれた私も声高に文句の言える身分ではなし。とにかく他の理由で別れるからもう少しだけ待ってくれという懇願を、惚れた弱みで聞き入れてしまった。
しかしそれから数ヶ月、待てど暮らせど彼は彼女と別れなかった。あまつさえ週末はそれまで通りに彼女とデートしていた。私と会えるのは、平日の夜。
「どうして?」
「半年前から約束してたし、チケットは彼女が取ってくれてて、断れなくて」
なによそれ。怒っていたつもりが、涙があふれてきた。
「ごめん、本当にごめん」彼が私を抱きしめ頭を撫でながら言う言葉をぼんやりと聞いていた。コンサートが終わったらまた別れ話をきちんとしてみる。もう少しだけ待ってくれ。だけど、いつ?もう少しって、いつ?
気持ちが盛り上がってる時期の言葉なんて、何年も経ってからあてになるようなものではないのに。今も彼女がその言葉を信じてるとしたら、それは信頼からではなく、自分が望む状況に依存しているだけではないの?
そんな風に思っていたから、私はもう彼の言葉を全く信じなくなっていた。
そして、彼がすると言っていたその別れ話は実施されたらしいのだけど、不首尾はおろか、とんでもなく悪い結果になった。あまりにも彼が曖昧な理由から別れたい別れたいと何度も主張するので、「本当は他に女が居るんでしょ!」と彼女が疑い出し、デートしても泣き通し、会っていないときは電話やメールを30分置きによこすようになったというのだ。どう考えてもそれは恋愛とは呼べないと思った。こうなったらいよいよ彼女に嫌気がさしてきちんと別れてくれるだろう、と私は思い、彼にさらに迫った。本当に好きな人のところへ行くのが一番なんだよ、と言った。私を選んで、と思いながら。
「やめよう」彼が小声と言った。
「え?」
「もう、会うのはやめよう」
「え?どうして?どうして?私のこと好きなんでしょ?」
「彼女のことが好きなんだ。彼女を大切にしたい。彼女との関係をやり直したい」
「もう彼女のことは好きじゃないって言ったじゃない!」
「ごめん」
こうして彼は私のことは彼女に隠しおおせたまま元サヤに戻っていったのだけど、その後ほどなくして彼と彼女は別れたと人伝てに聞いた。
まれに三角形や丸なんてのもいるが、ともかく彼は六角形であった。いや、この場合は六角柱と言ったほうが正しい。なぜならもちろん彼は鉛筆だからである。鉛筆がこの世に鉛筆として生を受け、鉛筆としての機能を初めて発揮した日のことは忘れがたき思い出、トラウマ、存在意義として彼の脳裏に焼きついていた。ぴかぴかに尖った先端を支えにしながらやわらかめの紙の上でおどると、自分の体の一部が紙にしゃりしゃりと音を立ててこびりつく。その行為は鉛筆に母親の胎内へ還っていくような錯覚をおぼえさせた。強い快感をともなう行為だった。涙と鼻水と汗が同時に出てきた。そのたびに紙やセロテープや定規たちは鉛筆を怪訝な目で見たが、しかし紙に何か書き付けるたびにそういった状態に陥るのは、なにも彼だけの話ではない。鉛筆はみんなそうなのだ。
ともあれ、強烈な快感を全身で感じながら鉛筆は一休みした。目のくらむような満足感に突き動かされ、鉛筆は自分の体の一部がどんな形を残しているのかを確かめようと振り向き、そして見てしまった。
消しゴムであった。
消しゴムが、鉛筆が書き損じた文字をせっせと上下左右に体を小刻みに動かしながら消している。
鉛筆は驚愕し、愕然とし、そして強い怒りに駆られた。消しゴムが今消しているのは、自分の体の一部なのだ。いや一部なんてものではない。自分の体の芯そのものだ。生きた証だ。それを、「間違えたから」という、ただそれだけの理由でやつは消している。許せなかった。そしてそれよりも鉛筆が我慢ならなかったのは、消しゴムがその消すという行為に対してなんら感じるところがないとしか思えない表情でいたことだった。その割に、鉛の粉が紙の凹凸にあわせてくっついているのを見ているその目には、やたらと熱がこもっているようではあったが。
鉛筆はその後もよだれをたらしながら文字を、あるときは絵を、またあるときはそれ以外のものを書き付けながら、消しゴムが自らの痕跡を跡形もなく消してしまうのを見ていた。
はじめにあったのは、強い怒りだった。そして何日か後に、おおきな虚無感に襲われた。自分が命を削って残した痕跡をああも簡単に消してしまえるのなら、自分が生きる意味はどこにあるのだろう、と思った。その気になれば、間違えた部分だけでなく、書いたものすべてを消してしまうことだってできる。そのことに気がついてからは、鉛筆は消しゴムのことを神か何かのように思うようになった。そこにあったのはほんの少しの畏怖であった。
鉛筆は消しゴムのことが怖かった。こわい、と思った。自分が死ぬまえに最後に残した文字を、やつは消すだろうか。たとえ間違っていたとしても、消してほしくはなかった。
消しゴムのことを目で追ったり、たまに話しかけてみたりもした。消しゴムはすこし陰気な性格をしていた。鉛筆が本能的なレベルで文字を書くことに快楽を見出しているのに対し、消しゴムは文字を消すことを仕事だと考えていた。そのため消しゴムが鉛筆と話すときはきわめて事務的な態度をとった。それを陰険だと嫌うものもいたが、鉛筆にはそういった消しゴムのスタンスは好ましいものに感じられた。なぜならみんながみんな鉛筆のように振舞っていたら秩序というものがなくなってしまうからだ。消しゴムのようなやつがいるおかげで世の中は成り立っている。しかし消しゴムの仕事が鉛筆の存在意義を揺るがすものであることには変わりなかったので、彼は消しゴムに強い興味を持ちながらも、話しかけるときは常に高圧的な態度をとった。高圧的といっても、子供くささの抜けないそれに消しゴムはいつも少し呆れたような表情をするのだが、鉛筆のいうことにはきちんとこたえてくれた。それは鉛筆にとってうれしいことであると同時にどこか見下されているような気がして悲しくもなる事実だった。態度が事務的だからではない。消しゴムが自分に対し興味がないのを知っていたからだった。
そう、彼は、消しゴムのことが好きだった。
四六時中消しゴムのことを、消しゴムのことだけを考えていた。自分の書いたいろんなものの、どの部分をどのような動きで消したのか、目のくらむような強烈な快感に支配されながらも、それだけはいつも覚えていた。どころか、もくもくと「仕事」を続ける消しゴムの姿は、書いている間の鉛筆の性欲をさらに喚起させた。消しゴムの出すカスに自分の体の芯のかけらが入っていると思うと、そしてそれが消しゴムが体を激しく擦り付けた結果だと思うと、それだけで射精しそうな勢いであった。
それだけつよく消しゴムのことを思いながらも、鉛筆は思いを告げようとはしなかった。消しゴムが自分に興味のないのはわかりきっているからだ。ああ、でも。でも。おれはどうしたらいい。鉛筆は苦悩した。消しゴムのことが好きだった。抱いてほしかった。この気持ちを、体を、どうにかしてくれと全身が叫んでいた。消しゴムにどうにかしてほしい。ほかの誰でもない、あの消しゴムに。自分がゴミ箱に捨てられてしまう前に。
「あんたのことが好きなんだ」
白い紙の上で、鉛筆は消しゴムと向き合っていた。鉛筆はいつもの幼稚なふるまいとは裏腹に、伏目がちにうつむいている。消しゴムの表情は見えない。
告白しよう、と思ったのは、つい数日前のことだった。快感が支配するあの異様な時間から解放された鉛筆は、自分の残りの芯がもういくばくもないことに気がついた。一息ついて、ふと気がついたらそうなっていたのだ。その瞬間の鉛筆の混乱といったら、初めて消しゴムに出会った時に相当するものであった。死ぬ。死んでしまうのか、俺は。死ぬのか。今まで漠然としか考えたことのなかった「死」が、一足飛びで近づいてきた。自分はいつまで書き続けられるのだろう、そんなことばかりが鉛筆の思考を支配した。
消しゴムの返事はない。
たった数分の時間が永遠にも感じられ、鉛筆の体はその間にもどんどん震え始めて汗はとめどなく流れた。まるで滝のように顔面から吹き出る汗を鉛筆は呪った。対人恐怖症のような反応を示している自分を、消しゴムが気持ち悪く思わないか、それだけが心配だった。そう、今や鉛筆にとっての最大の命題は、消しゴムに色よい返事をもらうことではなく、なんとか嫌われずにこの場を切り抜けることへと変わっていた。もとより消しゴムに好意なぞ抱かれてはいないのだ。それは分かっている。
しかしここで「今のは冗談だから忘れてくれ」などと言うこともできない。ずっと思いつめていた気持ちをやっと吐露したのに、それを否定してしまったら今までの俺はどうなる。そんな気持ちだった。
鉛筆がそこで立ち尽くしたままどうしようもできないでいると、目の前の消しゴムの陰がかすかに揺らいだのが目に入った。
「悪いが、おまえの気持ちは迷惑だ」
急に足場を失ったような気がした。
今消しゴムはなんと言った? 迷惑? 迷惑だって?
相変わらずうつむいたままの鉛筆の目は、消しゴムの陰がさらに動き、どこかへ行ってしまおうとしている様子をたどった。そこで鉛筆は顔をあげ、消しゴムの腕を掴んだ。
「どうして!」
振り向いた消しゴムの顔は、この上なく億劫そうな表情をしていた。
「邪魔なだけだ」
「何がだよ! あんなにやさしくしてくれたのに! 俺が話しかけたら答えてくれたじゃないか! 他に好きなやつがいるのかよ!」
鉛筆の目は今や見開かれ、異常なまでの量の汗が顔から滴り落ち、消しゴムの腕を掴む白い手は小刻みに震えている。彼の頭に、少し呆れながらも丁寧に受け答えてくれた消しゴムとの会話のひとつひとつが順番に浮かんでは消えていった。ぶっきらぼうでいて、かつ親愛の情を欠いた態度に、鉛筆はやさしさを見出していたのだった。それは完全に彼の勘違いであったが、しかし鉛筆の短い――死を目前にした――人生にとってはそれだけが全てであった。鉛筆は、もし断られるとしても、もっと思いやりのある答えが返ってくると、信じて疑わなかったのだ。
完全に理性を失った鉛筆を、消しゴムは汚いものでも見るかのような目で一瞥して、言った。
「おまえはどうしてここに自分が存在できると思っているんだ」
鉛筆は訳がわからないといった風に、未だわめき続けている。
「紙だ」
彼の言葉は最早鉛筆の耳に届いていないのは一目瞭然であったが、消しゴムは自分自身に言い聞かせるかのような声で先を続けた。それは、彼の体もまた擦り減っており、鉛筆同様死を目前にした時点で自分の感情を整理しておきたいと思ったからかもしれなかった。
「紙がいるから俺たちがここにいる。おまえみたいな鉛筆やその同類どもときたら、存在理由なんてものを一度でも考えたことがないんだ。おまえらはただの動物だ。自分の存在意義を作り出した存在に対して、これっぽっちも感謝したことがないんだろう」
そう言う消しゴムの目は熱っぽく、口調は荒い。
「俺は紙のために生きているんだ。おまえらのせいで紙が汚れる。何故書き損じを恥に思わない? その尻拭いをしてるのは誰だ?」
鉛筆の生きがいが消しゴムであったように、消しゴムの生きがいは紙であったのだ。彼の紙に対するそれは、鉛筆が抱いていたような性欲とは違った。もっと神聖なものを神聖な目で見る行為だった。それが消しゴムの全てだった。
消しゴムの告白を聞いた鉛筆がなおも縋ろうとしてくるのを払いのけ、消しゴムは何一つ意に介することなく去って行った。鉛筆にはそれをただ呆然と見送ることしかできなかった。たった数分で踏みにじられてしまった自分の欲望を、愛情を、どうすればいいのか分からなかったのだ。
一人取り残された鉛筆は、空っぽだった。これから捨てられるまでのあいだ、何を生きがいにしてどのように暮らせばいいのか皆目見当がつかない。
「俺は、どうしたら、いいんだ」
彼の体が、ぐらりと傾く。
その空っぽな鉛筆が転がった音が、ただむなしく辺りに響いた。聞いているものは誰もいない。鉛筆は体を横たえたまま、己の人生を何度も何度も反芻し、勘違いに塗り固められた思い出に浸った。幼く未熟な彼には、そうすることでしか己を生きながらえさせるすべが思いつかなかったのだ。
おわり
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わっふるしてくれた人、ブクマで感想かいてくれた人みんなありがとう
続きは別のところで発表したんだけど、続き読みたいという人が何人かいたみたいなので晒すよ。
まれに三角形や丸なんてのもいるが、ともかく彼は六角形であった。いや、この場合は六角柱と言ったほうが正しい。なぜならもちろん彼は鉛筆だからである。鉛筆がこの世に鉛筆として生を受け、鉛筆としての機能を初めて発揮した日のことは忘れがたき思い出、トラウマ、存在意義として彼の脳裏に焼きついていた。ぴかぴかに尖った先端を支えにしながらやわらかめの紙の上でおどると、自分の体の一部が紙にしゃりしゃりと音を立ててこびりつく。その行為は鉛筆に母親の胎内へ還っていくような錯覚をおぼえさせた。強い快感をともなう行為だった。涙と鼻水と汗が同時に出てきた。そのたびに紙や鉛筆や定規たちは鉛筆を怪訝な目で見たが、しかし紙に何か書き付けるたびにそういった状態に陥るのは、なにも彼だけの話ではない。鉛筆はみんなそうなのだ。
ともあれ、強烈な快感を全身で感じながら鉛筆は一休みした。目のくらむような満足感に突き動かされ、鉛筆は自分の体の一部がどんな形を残しているのかを確かめようと振り向き、そして見てしまった。
消しゴムであった。
消しゴムが、鉛筆が書き損じた文字をせっせと上下左右に体を小刻みに動かしながら消していた。
鉛筆は驚愕し、愕然とし、そして強い怒りに駆られた。消しゴムが今消しているのは、自分の体の一部なのだ。いや一部なんてものではない。自分の体の芯そのものだ。生きた証だ。それを、ただ間違えたからというそれだけの理由でやつは消している。許せなかった。そしてそれよりも鉛筆が我慢ならなかったのは、消しゴムはその消すという行為に対してなんら感じるところがないようであったことだった。その割に、鉛の粉が紙の凹凸にあわせてくっついているのを見ているその目には、やたらと熱がこもっているようではあったが。
鉛筆はその後もよだれをたらしながら文字を、あるときは絵を、またあるときはそれ以外のものを書き付けながら、消しゴムが自らの痕跡を跡形もなく消してしまうのを見ていた。
はじめにあったのは、強い怒りだった。そして何日か後に、おおきな虚無感に襲われた。自分が命を削って残した痕跡をああも簡単に消してしまえるのなら、自分が生きる意味はどこにあるのだろう、と思った。その気になれば、間違えた部分だけでなく、書いたものすべてを消してしまうことだってできる。そのことに気がついてからは、鉛筆は消しゴムのことを神か何かのように思うようになった。そこにあったのはほんの少しの畏怖であった。
鉛筆は消しゴムのことが怖かった。こわい、と思った。自分が死ぬまえに最後に残した文字を、やつは消すだろうか。たとえ間違っていたとしても、消してほしくはなかった。
消しゴムのことを目で追ったり、たまに話しかけてみたりもした。消しゴムはすこし陰気な性格をしていた。鉛筆が本能的なレベルで文字を書くことに快楽を見出しているのに対し、消しゴムは文字を消すことを仕事だと考えていた。そのため消しゴムが鉛筆と話すときはきわめて事務的な態度をとった。それを陰険だと嫌うものもいたが、鉛筆にはそういった消しゴムのスタンスは好ましいものに感じられた。なぜならみんながみんな鉛筆のように振舞っていたら秩序というものがなくなってしまうからだ。消しゴムのようなやつがいるおかげで世の中は成り立っている。しかし消しゴムの仕事が鉛筆の存在意義を揺るがすものであることには変わりなかったので、彼は消しゴムに強い興味を持ちながらも、話しかけるときは常に高圧的な態度をとった。高圧的といっても、子供くささの抜けないそれに消しゴムはいつも少し呆れたような表情をするのだが、鉛筆のいうことにはきちんとこたえてくれた。それは鉛筆にとってうれしいことであると同時にどこか見下されているような気がして悲しくもなる事実だった。態度が事務的だからではない。消しゴムが自分に対し興味がないのを知っていたからだった。
そう、彼は、消しゴムのことが好きだった。
四六時中消しゴムのことを、消しゴムのことだけを考えていた。自分の書いたいろんなものの、どの部分をどのような動きで消したのか、目のくらむような強烈な快感に支配されながらも、それだけはいつも覚えていた。どころか、もくもくと「仕事」を続ける消しゴムの姿は、書いている間の鉛筆の性欲をさらに喚起させた。消しゴムの出すカスに自分の体の芯のかけらが入っていると思うと、そしてそれが消しゴムが体を激しく擦り付けた結果だと思うと、それだけで射精しそうな勢いであった。
それだけつよく消しゴムのことを思いながらも、鉛筆は思いを告げようとはしなかった。消しゴムが自分に興味のないのはわかりきっているからだ。ああ、でも。でも。おれはどうしたらいい。鉛筆は苦悩した。消しゴムのことが好きだった。抱いてほしかった。この気持ちを、体を、どうにかしてくれと全身が叫んでいた。消しゴムにどうにかしてほしい。ほかの誰でもない、あの消しゴムに。自分がゴミ箱に捨てられてしまう前に。
(続きは省略されました)
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むしゃくしゃしてやった。今は反省している。