はてなキーワード: ゼネラリストとは
コロナ禍がビジネスに影響を与え続け、その期間が2年を超える中で、大きな変化といえるものにデジタル化の加速という流れがあります。それまで耳なじみの薄かった「DX」という言葉が経営の常識となり、自社の製品・サービスをネット上で販売するECビジネスやオンライン営業はもはやB2C、B2Bを問わぬ重要戦術となっています。従業員一人ひとりの身近な部分では、テレワークやオンライン会議などコロナ前には想像もできなかった働き方が、あっという間に浸透しました。
この流れは業務を根本から見直すことにも直結しており、特に業界的な変革期と昨今のデジタル化の急流が交錯した業種において激しい動きが目立っています。その最たるものが金融業界でしょう。日本経済新聞の調査によれば、銀行、証券、保険などの大手13社で3年以内にDXを活用した業務削減に伴う人員削減は4万人に達する見込みであり、うち明確に配置転換が見込まれる人員は7000人余りとのこと。それ以外の3万人超については、「未定」というあいまいな状況に置かれています。ただ、日本の労働法規上、自然減以外の余剰人員を解雇することは難しく、どのように再活用していくかは大きな課題となっている形です。
余剰人員再活用のキーワードとして2021年辺りからよく耳にするようになったのが、「リスキリング」という言葉です。「リスキリング」とは英語にすると「reskilling」、すなわちスキルを身につけるという意味の「skilling」に「再度」を意味する「re」を付けたもので、「職業能力の再開発、再教育」という意味で使われています。広義には時代に合わせたスキルの再取得を意味しますが、今の時代に限定した狭義では「DX化に対応できるスキルの再取得」という意味で使われていることが多いのではないでしょうか。
先の金融業界の例で申し上げれば、りそなホールディングスでは行員1700人を3~6カ月の研修期間を経て事業承継分野やDX関連業務に配置替えすることを計画しているようです。第一生命保険では全社員をデジタル人材として再教育し、社内のIT資格取得を義務付けるといいます。SMBC日興証券でも、22年度中に社員の約1割にあたる900人をデジタル人材として再教育の上、再活用する考えを公表しています。
急速なデジタル化の流れで、金融機関におけるリアル店舗網の縮小は加速度的に進んでいます。同時にフィンテックの活用をはじめ金融機関のビジネスモデルは根底から変革を求められており、今後を見通した変革の設計図面に対して人材面での対応が追い付いていないのが実情であると映ります。
このようにコロナ禍と業務見直しの過渡期が重なった金融機関ではかなり激しい動きが見て取れますが、他の業界でも時代の趨勢(すうせい)はいかんともしがたく、早晩ほぼ例外なく同じような流れにのまれるのは間違いのないでしょう。そうなると気になるのは、長年同じことの繰り返しに慣れてきた中高年社員はリスキリングに直面してどうなるのか、という問いかけです。
パーソル総合研究所が20年に発表した調査で既に、国内企業約800社の約36%が「シニア社員の能力・スキル不足が課題になっている」と回答しており、5年以内に課題になりそうだと回答した企業まで含めると、70%近くにまでのぼっています。中高年社員をいかにして取り残さないかという「守りのリスキリング」は、見逃せない問題になってきているのです。「人生100年時代」といわれ定年延長や再雇用が既定路線になりつつある中で、企業経営は新たな重たい課題を抱えることになったといえそうです。
出所:パーソル総合研究所「企業のシニア人材マネジメントに関する実態調査」
人事戦略の変革はリスキリングだけではなく、採用面にも大きな動きが出ています。スキルを持った人材を積極的に中途採用する動きです。
やはりこの領域でもビジネスモデル転換を急ぐ金融機関が先行している感は強く、3メガバンクで22年度中の中途採用が前年比8割増という計画が打ち出されています。一方で新卒採用は3メガバンク合計で前年の5000人から1100人へ大幅な減少傾向にあります。リアルの非効率な業務がデジタルに置き換わること、そして今後も進むDX化で実践的なスキルが重視されることなど、この傾向は他業種にも広がることが大いに考えられるでしょう。そうなると最終的には、世界的に見てガラパゴスな終身雇用を前提とした日本企業の採用は、近い将来いよいよ終焉を迎えることになるのではないかと思うのです。
そもそも長期雇用を前提としたわが国では、チーム型優先での組織運営にふさわしいゼネラリスト養成を目指した「メンバーシップ型雇用」を採用の基本としてきました。この「メンバーシップ型雇用」は結果的に、基礎学力を一つの物差しとした学歴優先採用を醸成することとなり、特に大手企業は一人でも多くの有名大学卒業生を採用したいという方針で長年採用競争を繰り広げてきました。
しかしスキル重視の中途採用が人材補充の有力手段となり新卒採用が減ることになれば、新卒採用についてもこの傾向にシフトしていくのは当然の流れです。すなわち、日本的「メンバーシップ型雇用」が「ジョブ型雇用」に取って代わられるのは時間の問題であると思われるのです。
今後、採用においては、終身雇用を背景とした長期的展望でゼネラリストを育てるという人材方針が改められることで、入社後に想定されるジョブにハマるかハマらないかが、その合否を決定する最大のポイントになるでしょう。そうなれば新卒採用は、「人物重視」といったあいまいな表現に“化粧”された学歴偏重に陥ることなく、応募者がその時点でスキルとして何を身につけているか、あるいは企業が要求するスキルを持っているか否かが問われることになるはずです。とりわけ語学力やプログラミングをはじめとしたITリテラシーなどが、新規採用の際の基本資質として問われることになるとみています。
われわれ世代が就職活動をしていた40年ほど前は、銀行などの募集要件に当たり前のように「大卒文系男子」という狭い枠がハメられていました。しかもこの「大卒」の裏には、「できれば有名大学」という言葉が明らかに潜んでもいました。だからこそ、教育ママや教育パパはわが子を中学から有名校に入れて、有名大学に進学させることこそ親の務めと思ってきた節があります。
しかし気が付けばダイバーシティー、ジェンダー平等が常識となった今、企業の募集要項に「文系」「男子」などを付することが非常識な時代となり、もはや「大卒」を掲げることすら常識に適わなくなる日は近いと感じさせられます。筆者の住む街の路上で夜な夜な繰り広げられる塾通い送り迎えの駐車車列渋滞を見るにつけ、教育ママ、教育パパの教育目線もそろそろ変えないといけないのではないかと感じる次第です。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2205/26/news042.html
現代の会社員はその気になれば、あるいはちょっとしたチャンス、タイミングで転職することはあると思う。
先輩からはいつだって飛び立てる準備をしておけ、と言われている。
良い機会だから、いまの自分の役割やスタンスを後輩の誰かに引き渡すときに伝える内容を纏めた。
・今持ってる事業は全部で6サービス。事業ごとにP/Lがあるので、バランスは見つつも全体での達成を目論む。
・年度目標は基本は1つだけ(利益目標)、サービスKPIや個人目標はなんら評価にならない。
・実質的に本部長が不在なので、場合によっては本部長的な役割を演じる必要がある。
・評価観点でいうと減点主義。どんな事でもやって当たり前、やれてないのは準備不足。加点されることはまずない。
・フィードバック的なものはないので、自分で考え、自分で決めて行動する。批判されても折れないメンタルは絶対に必要。
・スキルセットは、企画力、プロマネ経験、ロジカルさ、牽引力、機動力、アウトプット力。特に重要なのはロジカルにものを考え、アウトプットできること。
・対外的なコミュニケーション。交渉、折衝で負けない、誘導すること。ボトムラインを意識した交渉術。
・ある程度の「地頭の良さ」は必要だが部下が優秀であればなんとかなる(自分はそこまで地頭は良くない)
・スペシャリストだと苦しむ。ゼネラリスト(企画、開発、クリエイティブ、セールス、バックオフィス、人事)で、あらゆる職種でも偏差値55-60位は必要。
・個人としてやりたいこと、やりたくないこと、会社から求められてること、求められてないことの4象限で考える。
オリガミペイが行き詰まってメルペイに吸収されたりして、そういうニュースを見た外野は後からいろいろと分析をするものだ。曰く「あのとき売却すべきだった」とか「うまく行かないのはわかってた」とか。そういうのは楽しいし気持ちはわかるんだけど、自分はそういうコメントをする気になれない。金融業界の中にいると、自分の職場は業態も違うしスタートアップではないけれど、明日は我が身ではないかと思ってしまう。
決済をはじめ金融業はスタートアップにはあまり向いていない分野だとは思う。何かと金も手間もかかるし、一気に業界をひっくり返すようなことが起こりにくい。社会的にインフラであることを求められるから変化は少なめだ。
金融では「ぼくのかんがえた最強の○○」をそのまま実現することは難しい。だいたい何かの法律やガイドラインにひっかかる。金融業は規制産業で、基本的に免許制で監督官庁の指導も厳しい。企業によっては金融をやっているつもりがなかったけれど自分たちのビジネスが金融業の規制対象であることに気づいていないことなどもある。C向けの気軽なサービスの感覚しか持たないまま金融業に参入してまず躓きやすいのはこの点が多いように思う。当たり前だが適法かどうかはちゃんと見ておかなくてはいけない。個人向けに決済をやるならとりあえず資金決済法は抑えておこう。金融商品を売るなら金商法、お金を貸すなら貸金業法なども。犯収法などの不正対策関連の知識も必要になる。あとは金融庁がいろんな資料をwebで公開しているのでそれらを読むのもいい。結構親切なガイドラインもある。当局の見解も時代に合わせて変わっていくから、継続的に確認する。システムをやる人はFISCやPCI DSSなどの業界の基準もある。一人ですべてを知っている必要はないけれど、知っている人が誰もいないと困ったことになる。
決済をはじめ金融業は単独の企業だけではサービスができないという点も、自社のアイデアをそのまま実現することを難しくする。金融の世界にはすでに様々なプレイヤーがいて、そのプレイヤーたちと連携してビジネスをすることが非常に多い。決済をやるなら銀行や様々な決済ネットワークと無関係ではいられない。相手の都合に合わせなくてはならず、自分たちだけでなんとかできないことは多い。かといって、では周りに頼らず自分たちでそれらを用意できるかというと、時間や金の面も鑑みれば現実的な選択肢になりにくい。
金融業には不正対策もかかせないが、これもスタートアップにはハードルが高い。技能として難しいという以前に、そこまで手が回せていないように感じる。スタートアップのような何かとリソースが不足しがちな組織で不正対策に積極的になるのは難しいだろう。サービスのアップサイドにあまり影響を与えない後ろ向きの仕事にリソースを割く決断をしにくいのは理解できる。だめだけど。
そもそも不正対策の必要性を十分にわかっていないというのも新規参入者にはありがちだ。自分たちのキラキラ輝くアイデアの実現するのに一所懸命で、ダークサイドには目が向きにくい。残念ながら、金融業では悪いことする人によく出会ってしまう。貸金を始めたら金を借り逃げしようとする人が寄ってくる。決済を始めたらいろんなものを現金化をしようと企む人がいっぱい寄ってくる。金融サービスを始めるとこうした連中が、本当に、すぐ寄ってくる。一番悪いのはもちろん不正をする人たちだが、不正対策が不十分だと金融庁や警察から怒られるのは金融機関だ。昨年から今年にかけてはFATFや金融庁から詰められた人たちが業界にはいっぱいいるだろう。マネロン対策などは当局の指導で年々厳しくなっていっており、それは良いことだが対応する金融機関はたいへんだ。既存の銀行には不正対策コストが重くのしかかる一方で、新興のスタートアップは基本的な対策すらしていない場合もある。
不正対策の必要性は理解しても、一体なにをどうやればいいのか新規参入者にはわからないこともあるし、体制を作るのも難しい。不正対策の専門家は見つけるのが大変だ。社外に丸投げしようにもコンサルやベンダーは高価だし、その目利きをできる人もいない。自社で採用しようと思っても専門家はもともと数が少ないから見つけるのが難しく、採用も人づてで一本釣りするしかなかったりで、業界に明るくない新規参入者だと人脈がないのでそれも難しい。
金融ドメインの専門家はニッチで採用が難しいが、エンジニアのような比較的一般的な職でも採用は苦しい。望んでこの業界に来るエンジニアは多くないし金融業に理解のある人材は貴重。カネの扱いなんて地味で面倒そうだし業界の体質も古そうだしと、魅力的に見えないのは理解できる。ITベンダーのSEやプロジェクトマネージャーをやってましたみたいな人はときどき来るものの、技術がわかる人は少ない。決済のクリティカルな世界をわかってシステムを作れる人はさらに少ない。軽いwebサービスのノリで決済系をやるのは勘弁してほしい。それなりの設計をしよう。技術と金融ドメイン知識を兼ね備えた人なんて望むべくもないので諦めている。いるなら高給を出しても雇いたいけど。金融業界で仕事をしていてゼネラリストのありがたみがわかった。事業や企画、法律、財務、セールス、テクノロジーなど自分の専門分野を持ちながら他の分野にもある程度の見識がある人はとても貴重だ。そういう人がいるとチームが強くなって仕事も捗る。
閑話休題。金融業は表から見えやすい部分に比べてその裏の仕組みが多い業種の一つで、スタートアップの小さく早くという方向性とはマッチしにくい。裏側の仕組みを作るのに人も金も時間も必要になる上に、儲からない。あるいは儲かるようになるまでの道のりは長い。たとえば決済は装置産業であって、他の装置産業がそうであるように、決済も薄利多売が原則なので面を取ってボリュームを出さなくては商売にならない。SNSのようにネットワーク効果で一気にサービスが成長することも期待できないので地味なことを地道にやっていく覚悟がいる。個人向けの貸金は金融業の中でも儲けを出しやすい商売のひとつだが(だから金利差による収益が望めなくなった銀行は個人向けのカードローンに勤しんでいる)、やはり金とノウハウが必要で新興企業には手を出しにくいだろう。
メディアがFinTechだと騒いでも、実際はふつうの金融業で、だいたいどれも古くて枯れたサービスである。海外での盛り上がりを持ち出されたところで、金融業は基本的に自国内に閉じた産業なので、規制や環境が違いすぎる他国の例をそのまま持ち込むことは難しい(とはいえ参考にはなる)。スタートアップや他業からの参入は楽ではないし、わざわざ自分で金融業をやる必要性も高くない。そんなわけで旧態依然の部分が多く残る業界だとは思うけれども、だからこそ良い新規参入者が新しい風を吹き込んで業界が盛り上がってほしいと思っている。今回は残念だったけど、オリガミの関係者はお疲れさまでした。
焼きそば は 雇用契約上の問題からは擁護不可能だけど、blog にもあるように直にお客様を知る貴重な機会だから
「絶対、査定評価には入れない。あくまで任意。代休も用意する」とした上で、少し強めにプッシュするのは良いと思う
が、雇用契約には無いことさせるのに、追い出し部屋はやるとか、アカンやつですやんな
雇用契約にない事をやらせる=ゼネラリスト として育成し、可能な限り別ポジションを用意するってスタンスでなきゃ
どう言い訳することも出来ないはずだ
でもまぁそれよりも、個人的にはこっちのがキツイ、この会社で働くメリットとは・・・?
開発者はサーバのスペックも、何台で構成されているのかも、どのような場所に置かれているかも知ることができません。sshもできなければログも見れず、メトリクスのグラフを見ることすらできません。ちょっとしたバグの調査であるテーブルのレコード数を調べるのにも、発行するSQL文を添えた作業依頼書を承認リレーする必要がありました
そしたらプレミアム戻ったるわ、端金やし
とりとめもない駄文だし、こんな匿名の日記なんて誰も読まないし、主語の大きな文章だって思うのは自覚している。それでも思うところがあるので書きたい。
落合陽一さんの主張「日本にはカーストが向いている」が実現して、本当にカーストが導入されたとする。すると彼はそもそも大学教員にはなれないし、興味のままに研究なんてできないだろうし、親父さんと同じジャーナリストになることが決まっている。彼が、「日本にはカーストが向いている」というのなら、どうして親父さんと同じ道に進まなかったのだろうと疑問に思う。
せっかく自然科学で顕著な業績を残しているのだから、こんなことで炎上するのはもったいないなと思った。文化人枠として詳しくもない社会・政治・文化について語る方も語る方だけど、天才ならなんでもできるって思って使うテレビも嫌いだ。(炎上元はテレビではなくて本ってことは知ってる、変な文でごめん。)
話変わるけど、思うに日本ではまだまだゼネラリスト信仰が強いのだと思う。「優秀な研究者ならきっと社会制度について語っても良い意見を持っているだろう。」とか(盲目的な落合信者もこれに入る気がする)、民間企業の総合職採用、ポテンシャル採用とか。
公務員試験(行政職)なんかもそうだ。なぜ法学部と経済学部と別れていながら試験では法律と経済両方求めるのだろう。
地味な経歴で地味に生きている私にもとうとう増田に書くネタがでしました。
https://anond.hatelabo.jp/20181127235600
私がNTTを辞めたのは2年ほど前の話です。
NTTの力を使って地方創生を〜という今から振り返ればなんとお決まり文句だろうという動機で入社し、縁も所縁もない地方都市に赴任し、社会人生活を始めました。
大卒21万円くらいだったでしょうか。
1年目は何もかも目新しく、職場はおじさんおばさんばかりでしたが、ヒヨッコなりに楽しく仕事をしていました。
2年目で、税金の恐ろしさを身にしみて感じることになりました。社宅があるとはいえ、残業時間10時間未満で天引き後に手元に残るお金は10万円ほど。おじさん達との付き合いもあり、全く貯金できなかったけど、遊びまくっていました。
3年目で初めて転勤。内々の話が1月前にあったとはいえ、転勤の手続きで身動きが取れるのが1週間前というのはキツかったなぁ。
その後はそこそこ責任のある仕事を任され、額面480くらいだったかなぁ。スペシャリストよりも、ゼネラリストを求めるとかなんとかで、最初の職種とはまた違った業務をやっていました。
たまにパワハラの話を聞きましたが、社内的にどんどんパワハラ人材が淘汰されていたらしく(通報が多かった)、毒にも薬にもならない大量の凡人管理者が多かったと思います。
その中で一部の本社からやってくるバリバリ仕事のできるスマートなエリート管理者がぐるんぐるんと仕事を回しているのを見て、自分もいずれはこうなるのだ。と夢見たものです。
そんな私もその職場で2年目、来年は転勤のタイミングとなったところで、現嫁との結婚話が出ました。
このままいくと、転勤族なので彼女には仕事をやめていただくか、単身を選ぶことになります。
元々、社長になりたいとか、技術者として極めたいという思いもなかった私が選んだ道が、「退職して地方公務員になる」という道でした。
正直、嫁が地元企業で働いていれば、世帯年収はNTTのちょっとした管理者クラスと大差なく、単身した場合の生活コストの二重化による負担と比べれば、ちょっと勉強すれば転職できる地方公務員は大変魅力でした。
だけど実際やってみたら教員は超絶ゼネラリストだったのでもう無理
教員をやってみて体育会NGな自分がレッドリストレベルの少数派だと知った
教員を続けようとすると部活顧問で体育会系カルチャーが不可避になるのが残念すぎる
あと、生徒とはフラットに気軽に付き合いたいのだが、それは無理だった
クラスを「統治」する以上スクールカースト上位を意識しないと自分がサル山の最下位の序列になって、授業もできないし廊下を歩くこともできない
これまで自分は動物園でサル山を見て「獣は愚かだなあ」とおもってたんだが、人間の集まりはサル山だったんだな
学校が楽しくなかった
遠足は自宅を出てから「体調不良で...」と学校に電話してファミレスで時間をつぶした
いい経験になったよ
その中でも結構有名というか、研究内容を言ったら特定される分野なので詳細は省く。
GPAバトルを制し新進気鋭の研究室に入った俺を待ち受けていたのは、今考えても普通に訴訟もんだろというレベルのブラックな「現場」であった。
同業者の方はご存知と思うが、マテリアルというのは日本がかなり強い分野であり企業の注目度も高く、
なおかつ実用度が非常に高いため「金の成る木」としてバイオと並んで世界との競争が激しい分野でもある(らしい)
比較する先が世界なので、当然世界レベルの努力と実績を要求されることは入って知った。
20時間ぶっ続けでサンプル作った実験結果を当日のゼミで発表すると「もうちょっと綺麗に資料作れないの?」とか平気で言ってくる准教授。
真面目で頑張り屋なのにインパクトファクターを稼げずドクターを6年続けて鬱になった先輩。
めっちゃ上から目線で日本国の公的手続きの手助けを求めてくる外人ポスドク。
当たり前だがすべての研究は無償のボランティアであり、どころか金払って受ける教育なのだが、
求められるのは仕事としてのクオリティ。遊びでやってんじゃないんだよ!
頑張って書いた論文のファーストオーサーはもちろん…教授「俺だよ」
いろいろなことに嫌気がさした俺はアカデミックの道を早々に諦め就活を頑張ることにした。
教授からは「好きでやってる研究だろう。好きなことにすら不真面目な君が社会に出てやっていける訳がない(意訳:研究室で奴隷続けろ)」と全力で人格否定を受けつつ、
少子化の影響もあってか、まあまあ有名といえる程度の大手企業にどうにか滑り込むことができた。
今時小学生でもわかるだろというようなレベルの情報処理の授業、
中学生の国語でやるだろというようなレベルのビジネス作文の授業、
あらゆる授業を仕事として受けることになる。もちろんおちんぎんが発生する。
すべての課題を秒速でクリアし、定時より手前で帰る日々がしばらく続く。
あまりに簡単なので研修よりは同期とのレクリエーションが目的なのだろうと勝手に忖度していた。
ある程度の教育を終えると晴れて部署配属となる。部署はSE部隊。
情報系出身ではない俺だったが、趣味でプログラミングはかじっていたし興味もあった。
入ってすぐの仕事はあるシステム(社員が使っている自作ツール)の改修だった。
新卒に簡単な仕事を与えつつ、プログラミングスキルを伸ばしつつ、自分たちの仕事も効率化できる、という上手い采配である。
プログラミングはかじっていたとはいうものの、ゲームを作ろうとして挫折したり、あとはHelloWorldレベルくらいで、
まともに運用したのは精々MATLABのような特殊なものだけ。所謂プログラミング言語で利用者がいるソフトを触るのは初体験だった。
詰まっては調べを繰り返しながらも趣味の延長のような感じで楽しく取り組むことができ、上司の引いた工程の3分の1で完了した。
俺は平静を装いつつも内心歓喜した。
なにせ不真面目学生である俺は教授から駄目出しをくらったことしかなかったのだ。久々に得られた自己肯定感である。
これはいけると判断したのか、同じく社内ツール改修の仕事をいくつか振られる。
片付けていくうち、俺のPCスキルが先輩社員と比べても高い部類にいることに気付く。
自作ツールを社内LANで動かすとファイヤーウォールに引っかかったりなどするが、先輩社員がそれを対処できないのだ。
どうやらそういう感じで動かなくなり、放置されていた部分を俺が解決しているらしい。
だがWindowsのFWの設定なんてNasneでアニメを撮りためたりFPSの海外鯖に接続するようなヒキニートにとっては半ば常識である。
陽キャパリピっぽい先輩が知らなくても無理はないが、SE部隊で長年社会人やっておいてわからないことには軽く失望する。
プログラミングが派遣の仕事とは言っても使役する側に知識がないのではやはり困ると思う。
ちょうどその時、働き方改革とかいう名目で各職場が独自でやっていたシステムを統合し、
各営業所で独自に動いていた勤休登録システムが全社的に統一されることになった。
新しいシステムはUIもモダンで、前のよりぶっちゃけ使いやすくすぐに慣れた。
だが先輩は勝手がわからないらしく、俺が先輩に質問する回数が減るのと同時に、先輩が俺に質問する回数が増えた。
働き方改革の魔手は勤休にとどまらず、いろいろな社内システムが統合されてゆく。
頼られる頻度は増し、頼ってくる相手も先輩だけではなくなってきた。どこから噂を聞いたのか他部署の人からも質問の内線が来るのである。
上司に聞けや。知っとると思うがワイ新卒やぞ?と思いながら(つーか言いながら)回答する。
まあ新しいものには若い方が強いみたいな感覚は理解できるが同期に聞けよ←残念同期からも同じ内容の質問が飛んでくる‥現実です‥これが現実‥!
このあたりで自己肯定感よりぶっちゃけ不信感を感じることが多くなってくる。
確かに中学生以降は家族でも学校でもパソコンに強いニキではあったが、
まさか面接で選抜されたひとだけで構成されている筈の会社でパソコンに強いニキをやるとは思わなかったのだ。
まあそんな人が一人もいないはずがないので、多分、本当に詳しい人はうちではなく客先に居て、かつ忙しいということだろうと思うが。
さすがに面倒に感じていたある時、PukiWikiを社員が編集して公開できる神システムを見つける。
当然というべきか、数年前に何某が色々編集していた痕跡だけを残し、現在は廃墟と化していた。が、サービスは生きていた。
ゲームの攻略を頑張って書き込んでいた時代を思い出しつつ、新しい社内システムの利用法を懇切丁寧に解説するWikiを作る。
上司からは「その辺の社員100人より貴重」「絶対やめないでくれ」的な評価を賜る。
社内ツールの使い方記述しただけで褒められる異常事態に少しずつ価値観が麻痺してくる。
仕様書がないのはもちろん、そもそも社内環境でビルドできない、なんと.NETではないVBである。
当たり前のように1ファイル50kstepを超えるソースがずらずら並ぶ様は威圧感すら感じさせた。
上司を含めて誰もソケット通信が分からない中、元々チャットツールを作ろうとして失敗した経験のある俺は、
先輩が3人×3時間=9工数かけて解決しなかったあるバグをちょいとググっただけで10分で解決。
というようになんかやたらと活躍し、どうにかプロジェクトが終わるころには上司の評価は天元突破した。
地味に詳しい人は他にもいる(外にいて忙しい)ということもわかり推測は当たっている様だった。
会社に入って以降「君は社会ではやっていけない」と言った教授の言葉の信憑性は下がる一方である。
なにせ主観的にはヒキオタがヒキオタっぽいことをやっているだけで褒められるのだ。
募る違和感の中、経団連の会長室にメールが導入されたニュースと、そのコメントを見て気付いた。
俺は異世界転生したのだと。
そう、俺の就職先は、パソコン強いニキが崇め奉られる異世界だったのだ。
自席で堂々とYouTubeを見てたときには流石に上司に苦言を呈されたのだが
「ゼネラリストには情報収集も必要」と言い訳すると「おお…」「さすが村上君だ…」となって許された。(マジ)
ちなみにマーケット調査の名目で業務中YouTuberを見ることを冗談のつもりで提案したら、真面目に検討された。(マジ)
他の人にはありえないが俺だけ許されるところに落ち着くのではないだろうか。
うける。
正直言って危機感はある。
世界と戦うを標榜していただけあって確かに研究室のレベルは高かったと思う。非情報系でもプログラミングはできて当たり前だったし。
この会社は(最近、一定以上大きければどこもそうじゃないかと思うが)半官半民みたいなもんなので、皆どことなくのんびりと仕事をしているように見える。
その結果、当然ながら競争力が落ちる。落ちはするが、会社組織は存続し続ける。
そして存続し続ける会社の中には「異世界」が広がっているのである。
他の会社もそうだと思うが、各地で頑張ってる派遣プログラマーの方がよほど技術力が高い状態。
まあでも転生した側としては居心地いいのでこの異世界に骨を埋めるのも悪くないと思っている。
面接試験怖い!自分なんかが面接で受かるような会社ってどうせブラックでしょ?
そうだ!公務員試験を受けて学力で一度ふるいにかけられてから試験の成績で泊をつけて勝負すれば俺だってまともな仕事にありつけるぞ!
↑こういう事を考えて公務員試験を受けようとしている・受けてしまった適応障害の皆さん、残念ですが絶対にやめたほうがいいですこれは大間違いです。
1 手段の目的化が起こっている組織ですので、「手段(職場の村ルール)を事なかれ主義と前例周到(ただしルールが突然変わる)でやりきる」事が最終目標となります。
これが意味しているのは目的から手段を逆算することが不可能であることです。そして手段が目的を達成するために効率のいい方法となっていない事も多いです。目的が達成できても手段が予定通りでなければ叱られます。つまり「他人が指定したやり方に対して疑問を持っていもそれを封じ込んで、何でそうなっているのかも分からないルールを身につける過程で何度も理不尽な叱責を受ける」という事です。これを聞いて平気だというのなら、そういう人は公務員試験を受けるべきかも知れないですが、それがただの想像力の不足から来ている可能性を考慮して一度じっくり紙に描いて事細かに状況をイメージする事をおすすめします。
公務員という言葉を聞いて黙々と作業をしている姿を想像する人もいるでしょうが、実際は口を物凄く動かすことになる仕事です。役所の受付に回されれば様々な濃ゆい人達の相手をすることになります。事務室の奥に引きこもって働く場合でも、村ルールで動きまくっている上に何がやりたいのか分からん事ばかりしている職場においては「これってどういう意味で作られたどういう書類で、我々はどういう処理をする必要があるのですか?」という質問を頻繁にする必要がありますし、自分がその仲介役となって何重にも積み上がった伝言ゲームを完成させる必要が出てきます。そこで求められるコミュニケーション能力は面接試験が可愛く見えるほどです
3 案外実力主義です(鋼鉄の心臓があるなら別ですがあるのならばこの増田の1行目みたいな事は言わないはずです)
使えなーいオッサンもいますが使えなーいオッサンに対する当たりのキツさは尋常じゃないです。本当に容赦なく悪口が飛び交います。そして、一度使えないレッテルを貼られるとポジションを組織内で盥回しにされてしまうので年相応の能力が身につく機会は失われて何の強みもないゼネラリストの完全失敗作となり更に辛い思いをするループに入ります。クビにならないだけマシというのは事実ですが、同時にクビになる事がまず無いのですから一度「自分は本当にここに居ていいのか」と考えだしたら完全にドツボです。
とにかく他の会社で役立つような能力は身につきません。「どっかのお役所のよく分からんルールのごく一部に精通している」以外の能力が身につく機会が本当にないです。ビジネスマナーと電話対応の仕方ぐらいは覚えられるかも知れませんがそれが精一杯でしょう。よって公務員でいるのが辛くなって就活市場に居場所を求めてもまず上手くいかないでしょう。また、先程言ったように公務員はまずクビにならないので、それを辞めて出てきたという事はそれ相応に馴染めなかったのだというレッテルが付き纏います。どうせクビにならないならちょっと我慢して様子を見れば案外自分にあった職場だと思えたかもよと言われるのは確実でしょう。それに対する受け答えに求められる内容は、他の企業から転職した人間よりもずっと強いものとなります。
5 コンプライアンスを重視せよ(コンプライアンスを重視するとは言ってない)
最近は民間企業もコンプライアンスに非常にうるさくなってきてますが、公務員は昔からコンプライアンスにうるさかった事もあり今でも他より一段階はうるさいです。そして、同時に、コンプライアンスにうるさいはずなのにそれを平気で破ってきたことで生まれたどうしようもない空気の濃度も他より2段階はキツいです。コンプライアンスを大事にしましょうと言った舌の根も乾かぬうちにコンプライアンスなんて守ってたら仕事は出来ねえと平気で言います。書類に判子をもらって村社会ルールの中で自分の仕事を終える過程において、かなりの確率で「これはコンプライアンス違反なのでは?」と疑問符を浮かべながらも、「でも書類を通すことの方が優先順位は高いから」とその考えを飲み込みます。ときにはそんなのやらなくてもいいような状況でわざわざコンプライアンスを破りに行くような行為をしていく職員もいます。とにかく村社会的な空気の濃度が濃すぎて一個人や一集団では既に抗えない状況になっており、全員がそれに操られて自分からコンプライアンスをぶっ壊して回っているような状態なのです。そうでありながら同時に、「それはコンプライアンス違反じゃない?大丈夫?」と他人の仕事に口を出し、その対案として別の形でのコンプライアンス違反を行おうとします。矛盾の塊どころの騒ぎでない拗れっぷりです。
さて、社会適応能力に問題のある皆さん、こんな同調圧力と社会不正義と自己矛盾と八方塞がりのサラダボウルに飛び込む勇気はお有りで?
というかですね。
自分はこれからどうやってここから脱出すればいいんでしょうかね。
部署が変わるたびに石の上にも三年の精神で耐えるだけ耐えてから結論を出そうと先送りを続けているうちに結構な年齢になってしまったんですが、いい加減メンタルが限界に来てます……
マジでやめとけお前ら。
なんだろうこの文章。
読む相手のことを考えてない気配がするのだが、それがどこに原因が有るのかハッキリしない。
多分だけど、「他人はお前が重要だと思っていることに、お前ほどには興味がない。皆が興味のある所にちゃんとフォーカスしろ」って事なんだろうな。