はてなキーワード: ほとんどとは
古風な文学青年、というかそろそろ40超えてるのだが、とある明治の文豪をひたすら崇拝し、自らをその後継者と信じ、陳腐としかいいようのない文学論を書き続け、現代の小説を憎むこと甚だしく、というか実のところ戦後の小説はおそらく彼にはほとんど理解不能のようなのだが、ともかく現代社会と文化の堕落を嘆きつつ、でもテレビは大好きで、倉庫のバイトで日々の生活費を稼ぎ、たまに風邪をひくと嗚呼自分も啄木のように肺病で死ぬかもしれん、と布団の中で一人悲愴感をつのらせ、たまに女性から優しい言葉をかけられると彼女は自分と結婚したがっているのだと思い込み、とまあこう書くとかわいらしいのだけど、彼が掲示板やblogに書き続ける妙に意気軒高な文章を読んでいるとまず苦笑が、次いで嫌悪感と恐怖がじんわりとこみあげてきて、というのも彼はおそらく思春期の頃に設定した小さな輪の上をもう数十年ぐるぐると廻り続けていて、その徹底した他者の欠如と無知は動かしがたく、今後よほどの事がない限りその輪の中で彼は老いていくのだろうと考えざるをえないが、それをずっと観察し続けている自分の後ろにも、おそらく同じような陥穽がぽっかりと口を開けているに違いないと思うと、悲鳴をあげたくなるほど、恐ろしい。
http://anond.hatelabo.jp/20070304125017
危険性について書かれた記事がほとんどないのはなぜ?
「ほとんどない」は言い過ぎ。もしくは見ている所が少なすぎ。
それで因果関係がさっぱりわからない。
良ゲーならなにか選択とか行動したあとの自分のパラメータ変化が上手い具合に可視化されているもんだと思うが、
人生の場合はそれがさっぱりわからん。
勉強したところで成績が上がるわけじゃないし他の連中が自分以上に勉強してるかどうかもわからん。
それでフラグはどこなのよ?
たとえば元記事の人が上げている理由のうち
全てのキャラが深い人間性と歴史を持って登場する、圧倒的リアリティ。
グラフィックが綺麗すぎ。多分、無限×無限ピクセルで、毎秒無限フレームで動いてる。色も多分無限色使える。夕焼けとかマジありえねー美しさ。
BGMの種類がほぼ無限。選曲も自由。自分で作った曲を流すこともできる。
人間が作ったとは思えない、とんでもなく複雑で洗練されたシナリオ。
ネコっつー生き物が登場するんだけど、これがちょーかわいい。
食いきれねーほどの種類の料理があって、超うまいものが時々食える。
未だに明らかになってない謎が山盛り。
これらの要素は大抵は「素敵な売り文句につられて買ってみたらクソゲーでした」の要素であり
神ゲーになる理由には全くならないと思う。
経験談だから確実。しかも簡単な方法。
服装と髪型をオシャレにして男を口説くだけ。これだけで男とやれるよ。
どうせオシャレしたって変わらないって思ってるかもしれないけど(実際、私も高校時代まで思ってた)
髪型と服装変えれば見た目の9割が変わるんだからだいぶ変化がある。
私はファッション雑誌の服装真似て、髪型をオシャレな長髪にして色染めただけで男の見る目確実に変わったよ。見た目なんてそんなもん。
眉を細めたり、むだ毛を処理したりは各自必要だと思ったら。
ここまでやったら後は簡単。男を作るのが難しいと思われるかもしれないけど実はこれが一番簡単なんだ。
競争率の低い男を狙うだけ。つまりはオタク。いわゆる「キモオタ」って呼ばれる人たち。
そもそも周りに女なんていないからオシャレでカワイクしてればコミュニティにいるだけで注目されるし、ライバルも全くいない。
女に口説かれ慣れてないから落ちやすいよ。気が弱くて優しい男が多いから頼んだらけっこう簡単にやらせてくれる(もちろんいきなりでも全然OKだけど)。
それに普段(女と)遊んでないからデートの仕方なんて知らないし、「奢って当然」って態度取っておけば言う通りに金出す人結構多いよ。
容姿がアレだから嫌だって言うかもしれないけど容姿が悪くてもセックスの気持ちよさは変わらないよ。
私は体重が80kgぐらいのキモオタとやってたことあるけど69が大変だったくらいでクンニやチンコは全然気持ちよかった。相手がオタクだからできるアブノーマルなプレイもあるし。
私はそのキモオタとアニメのコスプレしてお互いキャラなりきりでセックスしたことあるけどそんなの相手がオタクじゃないとできないでしょ?
簡単に口説けるし、口説いたら従順。アブノーマルなセックスも楽しめる。こんないい男たちいないよ。
今は市場が荒らされ始めてるけどまだまだパイは大きい。私が大学生だったころはほとんど手がつけられてなくてやり放題だったけどね。
だってこの方法で約30人とセックスしたから。
ちなみに今は結婚して普通の夫婦やってる。相手は少年漫画家(「ネギま。」って漫画知らない?)
やりまくってたときに売れそうだなって目をつけた男。そういう特典もあるよん。
元:http://anond.hatelabo.jp/20070302173611
書いてて思った。
ありえねえ。
俺は一浪。妹は現役合格。そんで二歳差なので、ああそんな事態になったんだわさ。
んでね、祖父が先日亡くなりまして。当然ながら葬式があったんですけどね。そこで、院生経験と社会人経験で対人スキルや事務処理能力にここまで差が出るもんか、というのを痛感したわけですよ。にゃー。
別にそれで社会人コンプレックスになったりとかはないんだけどさ。
妹、おとなしい方でさ。「おとなしい」ってか、大学三年まで「対人恐怖症なんじゃねーのか?」って疑うくらいだったんだけどね。就活のときに頑張って、ちょっとマシになったとは感じてたけど、それがここまで進歩してるとはね。
兄ちゃんはというと……院生になった途端につるむ友達も減り(院のやつらとはほとんど研究の話しかしないし、ついでにいうと学部時代の彼女に卒業と同時に振られてしまったこともあったりなんかして)、おかげさまで学業はそれなりに順調なんだが、よく知らない人と普通に話すとか、事務処理をテキパキこなすとかがすっかりできない体になってしまったとですよ。学部時代はサークルの運営に噛んだりしてたのに、ダメダメ。あのころの自分が他人のよう。
ありがちなコースだけど、研究分野に関係あるNPOにでも関わってみるかなあ。数年後、教える立場で学生に接するようになったときに困りそうで不安だわ。学部時代にヘイトしていたような非コミュ教授にゃなりたくねぇしなー。
http://anond.hatelabo.jp/20070228225519
むかしは守護霊にまわるやつと生まれ変わるやつがいたんだけどさー。
なんつうの?活ける守護霊ってかんじ?
生まれ変わった後もさー、守護霊業続けてるからさ、大変だよ。
ただただ、文字通り運命の人の後ろをついてまわってるのになー。せちがらい世の中だよなー。
いわゆる"IT企業"で20人くらいしかいない会社なのに、アウトソーシング事業部なるものができて3ヶ月くらいになります。今までは受託で開発を行う案件がほとんどで、自分もその案件に色々関わってきていた。
でも、去年の12月に"アウトソーシング事業部"ってのができたんですよ。人を雇っては売り、雇っては売りのあの稼ぎ方です。今まで、うちの会社はベンチャーで小さいからこそ小回りが利くって利点を生かして、少数精鋭でやっているんだなーって思っていたんだけれど、いっぱい、いわゆる"IT業界の底辺"が住み着いてきてしまって、全然"少数精鋭"なんかじゃないんです。そういうことをやりはじめてから、精鋭っぽい人はどんどん辞めていって、、ぼくが頼りにしていたプログラマーの人も先日辞めてしまいました。ぼくがいま抱えているプロジェクトも、そのプログラマーの人の能力を見込んで青写真を描いていた部分があって、非常に困っています。で、人が足りないってから、代わりの人がやってきました。さえない人です。ほぼ未経験だそうです。すざけんな(^o^`)
営業が無駄に仕事を取ってきて、社内に仕事ができる人が足りなくなってきているのに、うちの会社ときたら他の会社に人材を提供しようだなんて考えているんです。で、社内ですべき仕事をするのは、派遣さんというか出向というか、黒い人材の人だったりします。
金貸しなのに自転車操業\(^o^)/
借りては貸し、借りては貸しです
たくさんブクマされてた http://rapeme.org/mt/archives/48/index.html
彼に見せたら、「ほとんどやったことあるぞ。気がつかなかった?」と。
気がつかなくてゴメン。
http://anond.hatelabo.jp/20070228145049
自分の生活が楽しくなるように頑張って生きようと心がけてるのだけど(部屋に花を絶やさないとか、週に一度は友人と飲む時間を作るとか、笑顔を忘れないようにするとか、仕事になあなあさを持ち込まないとか、そんな細かいルールびっちり決めて)そこが好きだって言われて告られるととてもキモチワルイ。私が自分の生活のためにしていることが、誰かの性欲増進にお役立ちしていたという事が鳥肌モノ。
好きだって感情は性欲だけではないのは分かっているけれど、好きだ付き合ってくれ≒セックス出来る関係に という符号があるようで「花を部屋に絶やさないようにしてるところとか、好きで」とか言われた日には「私の自分のための楽しみがアンタの性欲に繋がるなんてイヤ!絶対イヤ!」と半分ヒステリーのようになって花を捨ててしまう。
ほとんどビョーキだな、いいがかりだよな、とは思うけれど、とにかく自分に性欲を向けられることが気持ち悪い。告られたりした日にはウエってなる。なんとかなんないか。これ。
3 内容の取扱い
(4) 内容の「B量と測定」の(1)のイ及び「C図形」の(1)のエについては,円周率としては3.14を用いるが,目的に応じて3を用いて処理できるよう配慮するものとする。
というか、これはあくまで学習指導要領で定める「最低基準(ミニマム・リクワイアメント)」で、別に3と教えようが3.14と教えようが、さらに言えば3.14159265...でも全然構わないわけですよ。
文科省内には抵抗もあるみたいだけど(自分とこの利権だからね)、少なくとも法律上は学習指導要領で定められている以上のことを教えるのは規制されていないので、3に不満があれば現場の教師が3.14と教えれば良いだけ。教科書についても、「発展的内容」のマークをつければ検定ではねられることはないという見解が示されてるしね。これも「ゆとり」批判に文科省がビビった結果であると報道されたけど、実質的に教育の「分権」を認めるに等しい、ということを指摘したメディアはほとんど無かった。
結局、一番の問題は、「お上」の顔を伺うやり方でしか教育方針を決められない現場の教師と教育委員会なんだけど、そこが指摘されることはついぞ無かったね。例えば、「教育方針は現場が自分で決める」という方向を推し進めるなら、何かと問題になる教科書検定を廃止して複数の民間の機関がガイドラインを出し個別に認証する形にする、という施策もありえたわけだが・・・結局、「ゆとり」が騒がれたことで一番得をしたのは、文科省の保守的な官僚だったりするわけですよ。
私の場合
小学校:友達はたいてい自転車でいける範囲に住んでたし、それなりに遊びにいったりもした。でもたいてい集合は空き地か公園だな。遊ぶなら外って感じだった。
中学高校:電車通学をするようになって友達の部屋へ行くことはあまりなくなった。定期券から外れたところにある友達の部屋に行くのもなんだかね。部活もあるし。行くならみんなで街。あるいはカラオケボックス。
大学:東京で一人暮らしするようになった。友人にも一人暮らしの人が多くなる。お金もかかからないし友達の部屋にいることが多くなる。泊まることも増える。部屋で飲んだほうが安い。
世の中には能力のない人がいる、と言ってもそれは実際には主観的なものが多いんだけど。
それを認識するきっかけはいろいろ。周りにどう考えても自分よりうまくいくことが多い人がいたり、自分と同じ程度に出来るくらいの人なのになぜか評価されたり。
それが、人によって出来る出来ない、という範囲の違いに現れるので、こんな簡単なことが出来ない、と言う人がいっぱい出てくる。
前述の通り、実際ほとんど出来てるのにあとちょっとのコツとかタイミングがわからないだけで出来ない人も多いんだが、まあそれはおいといて、そういうのが積み重なると、世の中努力ではどうにもならないことが多い、という認識になる。
実際「偶然近くにいたから」みたいな理由でうまくいくことも多いからね。そういうことが多い内容、もしくはうまくいったときのインセンティブがものすごく大きい物事については占いや宗教を信じる人が増える。
芸能界やスポーツ界に占いやジンクスを信じる人が多いこと、恋愛や受験に関して神頼みする心境、そして一部の人が自分の能力不足を運に求めるのはそういう部分から来る。
残念ながら、科学はその点を救えない。環境は作るけど気付きは与えないから。
http://anond.hatelabo.jp/20070228104407 を読んでふと思ったことを。
2ちゃんねるのVIPという板では固定ハンドルをつけるとなんらかの嫌悪感を示される
そのほかの板でのコテハンはVIPでのような嫌悪感を示されることはほとんど無く尊敬すら集めてたような覚えがある
他の板では何年もスレ落ちることは無く固定ハンドルを付けその発言に信頼みたいのを蓄積していけると思う
しかしVIPで固定をつけるとレスを無視されたり脊髄反射的にいくつも「死ね」などレスされ
固定が発生させるのを防ぐのか
どうしてVIPはそんな土壌なんだ
追記:なにやら、ほかの板でもコテハン叩きがあるらしい
実際見て無いからわからんが
http://anond.hatelabo.jp/20070227205843
いつからだろう? 友達のおうちにあそびにいったりしなくなったなー。
中学生のとき6畳の部屋にクラスの半分20名+3人ぐらいの子を呼んでアーーってなったことがある。
写真とっておけばよかったな。
大人になっても気軽に遊びに行きたいな。wiiやらせてよ!とか言って。
いま友達の部屋に入る機会はほとんどないや。さみしいな。
「お近くにおいでの節はぜひお立ち寄りください。」というお手紙はあるけど、あれってほんとうにいっていいのかな?
お花はね、小鉢をいくつか大鉢に植え替えて道路際においてたんだ。
それがひとつ根っこごと引っこ抜かれててちょい先の道路わきにポツンと。
隣のおっちゃんがあの花おたくのじゃないの?って教えてくれたんだ。
ん??。
一番心が痛まないケースを考えてみる。
まだちいさい子が親の後をテトテト歩いてて花に興味をもつ。
ひっぱってみたら抜けたので親に見せる。
親がどうしていいかわからずそばの地面に置く。
うん。これならまだ納得できるか。
そっと戻されても根っこが浮いちゃってたら花に水がいかないしね。
毎日、恥辱にまみれながら生きている。誰が悪いわけではない、自分が悪い。バスに乗り遅れてしまった以上、時間がどんなにかかっても、遠回りしてでも、行けるところまでは行くしかない。けれど忍びがたき恥を抱えたまま、あてもなく右往左往することにもどうやら疲れてきてしまったようだ。分別は若さと引き換えに与えられるが、それに見合うものを何ひとつ用意できなかった者には、ほとんど最後通告のようなものでしかない。
iPod と NW(Net Walkman)を併用してると困る点がある。ダウンロード購入した曲が互いに聴けないのだ。先にiPodを使っていたため、ほとんどはiTMSで買ってるのだが、MORA(簡単に言うとSONYのiTMS)にしかおいてない曲もあるので、全てiTMSでまかなうことができない。そのため、どちらで買った曲かによって聞く機器が違ってしまうという困ったことになってしまうのだ。
先日、街を歩いていたら面白い商品が売っていた。銀色の丸い板に音楽が記録されているというのだ。専用の機械とその円盤があれば音が聞けるとのこと。しかも、PC、iPod、NWのどれにでも、何度でもデータを転送する事ができるという。これは便利だ。凄い。技術の進歩というのは凄い物だ。
音楽配信の世界も旧態然とした囲い込みメソッドの上であぐらをかいたままでは、この新しい技術に足下をすくわれる日もそう遠くないだろう。
彼が嫌われている理由はなんだろう、色々考えられるけど
パッと思いつくのは上には媚びへつらって、下には高圧的だからだと思う。
上から見れば、おべんちゃらばかり言いやがって、だし
下から見れば、人によって態度変えやがって、だし。
会社の同僚に大げさでなくほとんどの人に「嫌われてる」人がいる。
ぶっちゃけ、そんなに大勢の人に嫌われてる人ってはじめて見る。
その人、嫌われてることはなんとなく自覚してるらしい。人にプレゼント攻撃して必死に味方を作ろうとしてる。
モノよりココロだよねぇ。
嫌われる人のキーワードってなんだろう??
交通事故にあって、脳の聴覚を司る部分が傷んでしまって、音が聞こえなくなった人が、しばらくすると色彩感覚が異常に研ぎ澄まされて、素晴らしい絵を描くようになった。とかいうTVニュースが昔やってたのを思い出したよ。音が聞こえなくなったぶん、日常生活を送るのに必要な情報を得るために、視覚に頼るようになって、その部分が強化されたのではないかって説明がされてた。
極端に、頭いいとか、空気が読めるとか、体力があるとか、努力できるとか、そういう才能っていわれるもののほとんどは、自分の中の欠落を埋め合わせるために、代わりの部分が過剰になってしまったことに起因している気がする。もの凄い才能があるなって思う人はどっか「欠けてる」感じがするんだよね。
天才とバカは紙一重とかいうのはこういうところと関係してるのかな。
脳科学とか、そういう専門的なことは全然知らないのでアレだけども。
大半がサークルに教習、バイトといった春休みを過ごしているかに見える。
じゃあそれ以外の日は?
真面目に勉強してる学生なんて1万人に一人ぐらいなもんだろう。
実際はほとんど家にひきこもりyoutube見たり、mixiで一見楽しく過ごしているように書いてるんじゃないか?
いつだって誰か存在を確かめたいけど、メールするほどの友達もいないし実際に人に会うのは面倒
そしてmixiやら2chに手をだしてそんな欲求を仮に満たす。
午前中に起きることなんて稀
まぁ毎日こんな感じとまでは言わない
おれも1週間のうち2日ぐらいはこんな状況
むなしい気分になるな
「いつまでもこんなことしてらんないの、わかってる?」
喫茶店の奥まった席で彼女から詰問されて、ぼくはようやくぬるくなったコーヒーに口をつけた。この話題は何度目だろう。ありがちなループに心が安らぐ。しかし彼女はそうではない。ぼくにとってループをいやがるのはいつも女性だった。もしもぼくがヒキコモリだったとしたら、きっと母親が同じような顔をして、その科白を言うのは間違いない。いや、これは個人的な体験に基づいたぼくの思い込みだった。ただ単にぼくが高校生のころ、ひきこもっていたというだけ。
「いいかげん現実をみてよ。おかしいと思わないの? いつまでも学生気分で。同じことを繰り返して」
そのあたりの感覚が、ぼくにはよくわからない。ぼくはループに慣れっこだった。考えてもごらんよ。日々の営みなんてループのようなものだよ。食って、働いて、寝て、ときどき遊んで、挫折して。少なくとも表面上は、そういうことになってる。自分の尻尾を追いかけてくるくるとその場を回る犬みたいにしていたら、いつの間にか別のループに移行してる。それをぼくらは前進と呼ぶんだ。だから慣れなきゃいけない。楽しめるようになったら最高だ。すべてはループ「みたい」なものだよ。
「あなたはきっと、それで満足なのよね。独りで楽しんで。でもわたしは違うの。もう耐えられない」
そう、ぼくは楽しい。ループが楽しくて仕方がない。でも、他のひとは違う。彼らには善いループと悪いループがある。幸福がいつまでも続きますようにと星に願う。そしてわたしを不幸の螺旋に留め置かないでと嗚咽する。でも、ぼくは違う。ロールプレイングゲームのダンジョンにある無限ループの通路を歩いているような気分でいる。正解や幸福なんてとくに重要じゃないんだ。旅が終わらなければ――キミと辛い道程をループできればそれでいいんだ。そうすれば必ずキミも楽しくなるよ。辛いとかかなしいではなくてループそのものが快感になるよ。
「ねえ? ちゃんと考えてよ、将来のこと。ねえ? わたしのこと……てる?」
彼女のか細い声に少し胸が痛んだ。ごめんよ。大丈夫。ぼくだって常識的な生活というのがわからないわけじゃないんだ。そう、楽しかろうといつまでもループしてはいられない。いくらループと言えど永遠じゃないんだ。ぼくらは生身の人間で、あのダンジョンの無限ループを歩きつづけるには脆弱過ぎた。いや、画面の中の彼らにだってできないだろう。やがてアイテムとマジックポイントが尽き回復できなくなり雑魚キャラにやられてループは停止する。ああ、ごめんよ。キミをループを断ち切る雑魚キャラに見立てているわけじゃないんだ。だからループ「みたい」なものなんだ。いずれ別のループに移るのさ。
「はぐらかさないでよ。わたしたちもう終わり? 終わりなのかもね。ううん。わたしは終わらせたい。このダラダラした関係を。一刻も早く」
早口で捲したて、彼女は席から立った。目尻に涙を浮かべてぼくを一瞥したかと思うと、すぐに背を向けて歩きだす。いつものループが音を立てて崩れだす。ちょっと待ってよ。ぼくが叫ぶと、彼女は歩みを速める。ぼくは慌てて彼女を追った。へそくりの二千円札をウェイトレスの手にねじ込むようにして握らせ、ぼくは駆けだした。コーヒー二杯に奮発したことを後悔する間もなく、彼女の背中にぼくは迫る。カランコロンと扉についた鐘が鳴る。彼女の身体のほとんどすべてが外に出ていて、辛うじて店内に残っていた彼女の左手をぼくは右手で握った。
「ひゃ」
と、彼女は素っ頓狂な声をあげたけれど、こちらを振り向くこともしなければ手を振り解きもしなかった。
「え?」
彼女が驚くのと同時に、出し抜けにぼくの背後に誰かが立った。ぼくは振りかえることなく咄嗟に、空いている左手を後ろにむかって素早く伸べた。左手がきゅ、と柔らかい感触に包まれる。よく馴染んだ感触だった。
ひと呼吸おいて、ぼくは顔だけで振り向いた。そこには唖然とした表情の彼女がぼくの左手を握って立っていた。よく見ると彼女の左手はぷっつりとなくなっていて、それはたぶん、ぼくの右手が握っているのだった。しっかりと。彼女が少し左手を動かすと、ぼくの右手が向こうに見える。
おそらく間の抜けた顔をしているであろうぼくは、間の抜けたことを思うのだった。
これがぼくのあたらしいループ。移動したんだ。たぶんこれもループ「みたい」なもので、いつか終わってしまうのかもしれない。けど、どうでもいいんだ、そんなこと。これがぼくの大切なループ。だから大好きだ。ぼくはループが大好きだから。
ぼくは彼女に微笑みかけた。彼女は意味不明と感情を顔に浮かべながら、ひきつった笑みをこちらへ投げた。
「あのー寒いんで閉めてもらえますかー」
ウェイトレスに注意された。でも、ぼくには何も聞こえなかった。頬が熱くなるのがわかった。
ループした。彼女さえいればループできるんだ。