はてなキーワード: 芸能事務所とは
ここ数年、アイドルグループが乱立したり、アイドル物のアニメが流行ったりと、とにかくアイドルにまつわる物が売れている。しかし、マネージャーにスポットライトが当てられる事はほぼない。
アニメで描かれているマネージャーの仕事も現実からかけ離れている。というわけで、芸能事務所でマネージャーを4年やっていた俺がマネージャーの仕事について書いてみようと思う。
4. 事務業務
多分、1~4は、マネージャーと聞いて、普通の人が想像する仕事だろうし、ネットで調べれば腐るほど情報が出てくる。ここで話したいのは、5.ストーカーからタレントを守る。これは今まで殆ど
語られてこなかった事だから、今回書いてみようと思う。当然ながらタレントにはファンが沢山いる。純粋に応援してくれるファンも多いけど、中には迷惑行為をするストーカーもいる。そんな
ストーカーからタレントを守るのもマネージャーの大切な役割だ。では、ストーカーはどんな方法でタレントにアプローチするのか?
一番多いのが、ファンレターに色々仕込む奴。タレントの写真と自分の写真を合成して送ってくる奴はまだ可愛いもので、中には使用済みのコンドー○を送ってくる奴や、爪や髪の毛を送ってくる奴
もいた。とにかく彼(彼女)らの行動は意味不明なのだ。次に多いのが、コンサートやイベント終了後の出待ち。どの事務所でもそうだと思うが、危険行為を及んだ奴は出禁か、ブラックリストに入れて
スタッフが監視の目を光らせているが、ストーカーはそんなのおかまいなし。あらゆる手段を使って潜り込んで「接触」しようとする。だから、大抵の場合は裏口から出たり、ダミーの車を何台か用意
して、どの車にタレントが乗っているかわからないようにする。(やりすぎだと思うだろうが、車を尾行するなんて当たり前のようにやってくる)
それでも中にはタレントの住所を突き止めるストーカーもいる。そうなった場合が一番危険。彼らはゴミ収集所からタレントのゴミを見つけ出したり、タレントの車に合成写真を貼ったりする。
中にはタレントが住んでいるマンションの近くに土地を買った猛者までいた。
そういう連中からタレントを守る事もマネージャーの大切な仕事のうちの一つなんだが、とにかく気を遣う。何千通とくるファンレターを全部読み、不審なファンレターを逐一チェックする。コンサー
トやイベント終了後は尾行されてないかバックミラーを常にチェックする。不審者がいるとタレントが言えばマンションに真夜中でも飛んで行く。
ナインティナインのオールナイトニッポンのリスナーになって10数年たつ。ヘビーリスナーとまではいかないが、ちょっとしたリスナーだ。なので、昨今の岡村さん叩きは見ていてむかつく。それあなたの感情論ですよねといわれたら、もうそうだとしか言い様がない。
「嫌なら見るな」。たしかにラジオでそう言った。なんのことかピンときてない人に説明すると、めちゃイケをはじめとしたテレビ番組に寄せられる苦情にたいして岡村さんが発言した一文だ。これが「フジテレビは韓流ドラマばっかり放送する」>「韓国は嫌いだから見ません」>「韓流ドラマばかり流すフジテレビは見ません」>「フジテレビは嫌だから見ません」という風潮になっている。すでにフジテレビは韓流ドラマの放送は視聴率の低下か、それとも世間の嫌韓をとらえてか自粛しており、改めて「反フジテレビ」の流れを見てみると、最初の目的をとうに忘れていることがわかる。
こんな暴走気味な言葉を持って、だ。大手ニュースサイトであるオレ的ゲーム速報@JINではこのような記事が書かれている。
○岡村隆史さんが広瀬すずへの批判にコメント・・・「批判してる人の仕事は何?お前ら関係あらへんがな!」
http://jin115.com/archives/52086667.html
記事の中身はオレ的~という時点で見るまでもなくひどい。ニュースソースはテレビ・ラジオの都合のいいところだけ抜粋するカンタンなお仕事で有名なLivedoor芸能ニュース。そこからさらにオレ的~で記事の中身を抜粋。この記事の反応として、どこから持ってきたんだかわからない批判ばかりを載せ、最後に嫌なら見るなを連呼し〆。
上記の説明文を見て、それでも素直に「いや、岡村さんが悪いでしょ」とか言うひとがいたら、それは完全にイカれている。というかオレ的~のコメント欄は700コメントオーバー。イカれた人がこんなにも。わーい。
さて、ツッコミどころは多いが、3つの点が素直に気持ち悪いと感じた。
----------------------------------------------------
・Livedoor芸能ニュースをまともに見るバカ(JIN筆頭に)
----------------------------------------------------
Livedoor芸能ニュースは先ほども述べたとおり、テレビやラジオであったことを垂れ流し、なんなら少し悪意を持って書く。1週間ほどLivedoor芸能ニュースを見ていれば十分わかる。見出しは煽れば煽るほどいい。芸人がスベったら「苦笑した」とか付け加えてより寂しい感じを出せばひとつの記事が出来る。なんかいいことを言ったら「スタジオが鎮まりかえった」とか書けばまた一本記事が出来る。と、こんな具合である。テレビ・ラジオのソースが9割。それをニュースとして扱う。どっかの芸能事務所から怒られても仕方ないくらい、悪意に満ちている。
今回の岡村さんの記事は、オールナイトニッポンを聴き、煽りたいだけ煽って記事を書いている。ニュースではない、ただの日記だ。増田のほうがよりプライド持っているので格調高い。
話半分で聴き、Livedoorニュースはバカだなぁ、とか自分の思考を挟ませた上、脳みその片隅においやる。それが正しい見方。
しかしそうはせず、Livedoorニュースをまともに受け取るバカがJINだ。
--------------------------------
--------------------------------
先述の意味をなくした「嫌なら見るな」を連呼するAAとともに「まぁ、そうなんだけど・・・ それ言っちゃったら何も言えなくなるような 確かに広瀬すずさんへの批判すげーなとは思うけどねぇ 岡村さんがそれ言っちゃうと・・・ねぇ・・・」と謎の問いかけで〆。「ねぇ」じゃねぇよバカ。「嫌なら見るな」言いたいだけじゃねぇか。
恣意的な記事を作っておきながら、本人は善人面してしらばっくれる。コメント欄は煽られてよく燃える。そこにはエンターテインメントもクソもない。岡村さんや広瀬すずさんがどういう意見だろうとも関係ない。PVが全てだ。
--------------------------
--------------------------
リスナーとして言わせてもらうが、まず岡村さんはラジオをひとつの「番組」として持っている。当たり前だ。個人のブログなどではない。プロの芸人として楽しませるためにやっている。ラジオのワンコーナーで昨今ヤフー!ニュースに取り上げられることでご意見番みたいな位置に持ち上げられて、さらにそれがツイッターやまとめサイトで炎上していることも承知の上で、エンターテインメントとしてやっている。それがわかってもらえる土壌がラジオであり、リスナーである。
しかし、ラジオの発言を無理やり引っ張りだしたあげく、さらにはそこからさらにオオカミ少年みたいなやつがあたりにふれまわる。ラジオのことを知らない人がそのニュースにふれ、カン違いして「また岡村が偉そうなこと言ってるよ」なんて思うのは当たり前だ。だってそう仕組んだやつが、少なくともLivedoorニュース、JINの両名がいるのだから。
長くなった。
まとめると、ソースがすべてとは言わないがちゃんと自分で見聞きし、判断してほしい。叩くならその上でたたけ。もっとわかりやすく言うならLivedoorニュースとかJINとかばっかに頼らないでテレビ・ラジオなどのメディアに触れるといい。「そういうのは嫌だから見ません。だって岡村が言ってたもん」とか言うひとは、LivedoorニュースとかJINとか今あなたが見てる記事とかも見てるんじゃない。眼と耳をふさいで、人の言うことばっか信じて思考を停止させてろ。都合のいいときだけメディアにすりよっていくんじゃねぇ。
だけど、ある番組での周りのスタッフを軽視する発言をしたことで、ネットで叩かれ、謝罪することになった。
配慮にかけた行動ではあったが、それよりも気になったのは、なぜそれがOAされてしまったのか、だ。
この問題発言は、普通に考えても炎上することは目に見えていたのに。
OAされたのは老舗番組であり、恐らくそれを編集するスタッフ、プロデューサーは、この業界では相当の経験年数を経ているだろう。
次の2つの可能性が考えられる。
①尺が足りなすぎて、使わざるをえなかった
①だが、テレビはその構造上、時間に制約される。だから、つまらない部分は普通カットするところも、時間の都合上OAしてしまう場合がある。
②について。広瀬すずの発言をきいたスタッフ、プロデューサーの怒りをかって、炎上することを見込んでのOA。まさしくリベンジポルノ。
広瀬すずの芸能事務所とフジテレビの力関係はわからないが、ホリプロとかなら間違いなく編集に関わったスタッフに何かあるだろう。
以上、邪推でした。
付き合いだしたのも別れたのも中学生の頃だった。
転勤族であった僕にとって彼女は最も古い友人であり、中学を卒業して別々の高校に進んでからも数年に1度食事をしたりたまに電話をしたりの仲なので、電話がかかってくること自体は珍しいことではない。
今までの電話でも彼女の仕事の多忙さを聞くことが多かったのだが、もうすぐ30歳を迎えてしまうという焦りが昨日ははっきりと感じられた。
かと言って性格も悪くなく、少し愚痴っぽいことを除けば人間的にも魅力的だと思う。
ただ恋愛に関しては不器用で、数年前に5年間程度付き合った彼氏と別れてからは恋愛をほとんどしていないらしい。
僕も数年間付き合った彼女に振られた後、たいした恋愛ができていない。
おそらく「久しぶりに会おう」と約束した食事の場で、付き合うことを切り出せば僕達は付き合うのかもしれない。
僕にとっても、これはきっと喜ばしいことなんだと思う。
新しい恋愛を億劫に感じてしまっている現状において突如現れたぼたもちだ。
初めて付き合った女性と長い時を超えて再度結ばれる、ってのもストーリーとしては出来過ぎなくらいだ。
しかしただなんとなく、彼女は僕を僕としてではなく「結婚できそうな人」として連絡してきたんじゃないか、言葉を選ばず言えば誰でも良かったんじゃないか、という思いが拭えなくてなんだか複雑だ。
今の彼女はとても疲れている。
"僕"とのではなく。
これを見てすごいタイミングだな、と思って書いてみた。
結局、不自然な言動をしたのは独身寮に住んでいた田中一人だった。翌日から俺は彼の寮の前に張り込みを始めた。朝、日の出前に起きてチャリで一時間かけて彼の最寄り駅まで。チャリをそこに停めると家の前まで歩く。そこで彼が起き出して出社するのを待つ。彼が家を出ると、その後をつけて一緒に職場まで。あとは退社を近くの喫茶店で一日待つ。彼が退社すると一緒に帰宅して、それからは彼が眠るまで夜中まで張り込み。終電もない時間になるからチャリで事務所まで帰ってくる。この生活を一週間続けた。睡眠時間は平均4時間ほどになった。正直堪える。
何の成果も上がらず迎えた週末。俺はやはり朝から張り込みを続けていた。午前中は特に動きも無かったが、昼過ぎにどこかに出かけた。慌てて後をつける。最寄り駅から電車に乗り五駅先で降りた。駅から歩くこと十分。彼はうらぶれた雑居ビルに入っていった。
エレベーター前の案内を見ると二階に『光の華』という宗教法人が事務所を構えているらしい。田中は四時間ほどそこで過ごし、自分の家に帰った。それからは外出することなく就寝した。
* * *
田中の就寝を見届けてから事務所に帰ってきた俺は、早速ネットで『光の華』という宗教団体について調べてみた。最近規模を急激に拡大している新興宗教だという。その信者は多岐に渡り、一般人のみならず芸能界、司法、警察機構、政界にも少なからぬ信者がいるそうだ。
教祖は中野興右衛門という人物で、45歳。バブル崩壊後、経済的に荒廃した日本を離れ、インドで十年間ブッダもかくやといった荒行を積み超自然的な能力を身につけたらしい。どんな人物なのか写真でもないものかと検索してみたが、一つも見つからなかった。なんでも、神秘性を保つために写真の類は一切撮っていないらしい。この情報化の時代に写真の一枚もないなんて、神秘性を通り越して不気味だ。まあ、逆にSNSで今日の昼に何を食べたとか、誰と会ったとか、日常を垂れ流している宗教の教祖なんていたら、それはそれで嫌だけれど。
今度はこの宗教と関係があると言われている人物を検索してみる。真偽は不明だが、ネット上のゴシップが大量に出てくる。あまり芸能界に詳しくない俺でも知った名前がちらほら見える。高橋圭一の名前も見つかった。これで田中との繋がりが何なのか分かった。きっとこの宗教を通して関係があったのだろう。
関連サイトを見るともなしにブラウジングしていると、一人のアイドルが目に留まる。西織あいか。19歳。明るい髪と、意思の強そうなぱっちりした猫のような瞳が印象的だ。売り出し中の駆け出しアイドルらしく、テレビで見たことはないが、かわいらしい。正直タイプだ。所属は堀川プロダクション。
高橋圭一も所属は堀川プロダクションだった。同じ事務所で同じ宗教団体に属している芸能人二人。怪しい。
「確かめてみるか」
* * *
堀川プロダクションは中堅どころの芸能事務所だ。俺は事務所の入ったビルの向かいにある古本屋から、人の出入りを監視していた。まるで芸能人の追っかけになった気分だ。たまたま窓際の棚に陳列されていた、興味もない競馬マンガを立ち読みしながら待つこと三時間。サングラスで顔を隠しているが、西織あいかと思しき人物が事務所から外に出てきた。
急いで古本屋を出る。彼女は通りの角を曲がるところだった。見失わないよう小走りで後を追う。しばらく後をつけ、人通りが途絶えたのを確認して声をかけた。
「西織あいかだな」
「ファンの方? こういうの困るんですけど」
と、不機嫌も露に言った。これで本当にアイドルが務まるのだろうかと、他人ごとながら心配になってくる。
俺の話を聞いているのか聞いていないのか、はぁ~、と大きなため息をついたかと思うと、バックから携帯を取り出した。
「もしもし、マネージャーさん? ちょっと今すぐ来て欲しいんですけど……」
彼女は有無をいわさず事務所に連絡を取り始めた。問題になるのは困る。焦った俺はとっさに、彼女の手から携帯を叩き落とした。
「ちょ……もがっ!」
背中から手を回して羽交い締めにし、騒がれないよう口元を押さえる。
俺は囁くように言った。携帯からはマネージャーと思しき男が、どうした!とか叫ぶ声が聞こえている。大事になるとまずい。
彼女はしばらくもがもが暴れていたが、観念したのかやがて大人しくなった。
「よし。そのまま大人しくしてろよ」
口元から手をどけても、騒ぎ出す様子はない。安心して羽交い締めにしていた力を抜いたら、彼女の体はずるりと腕の中から滑り落ちていった。
「え……」
見れば彼女はぴくりともせずに地面の上に横たわっている。まさか。まさか。
「し、死んでる……」
* * *
佐々木探偵事務所。占い屋の看板を下ろして、俺は事務所に新しい看板を掲げた。浮気調査專門の探偵をやることにした。人探しや素行調査も請け負おうかと思ったが、やはり浮気だ。なにせ浮気調査なら、調査対象は依頼主の夫か妻なのだから探す必要はない。それに情事の現場を押さえるまでもなく、浮気相手と二人でいる様子を目にさえすれば、二人が不倫の関係にあるかどうか知ることができる。簡単な仕事だ。
俺は女の写真を一目見て言った。
「やっぱりそうですか……」
神妙にうなずく依頼主の男。
「まあ、長年のカンってやつですかね」
俺の能力は写真にも有効だ。姿さえ映っていれば問題ない。ただ、その繋がりが誰に向かっているかは分からないが。
写真には20代後半の女の上半身が映っている。背中まである黒髪で、美人に入るか入らないか微妙な顔つきの女だ。写真の中の彼女から、ドロドロしたどす黒い関係が何処かへ伸びている。おそらく、繋がった先は浮気相手だ。
依頼主の旦那へも白い色の細い関係が伸びているが、いかにも弱々しい。茹で過ぎた素麺みたいだ。逆に旦那から妻には太くがっしりした関係が伸びている。二人の関係のちぐはぐさが忍ばれる。
俺は依頼主と契約内容を確認し、前金として10万円を受け取った。一日につき1万円。10日分だ。浮気相手が見つかった場合は、成功報酬として5万円貰うことになっている。10日かかると言ってあるが、そんなにかかりはしないだろう。チョロい商売だ。
次の日から、早速俺は依頼主の家の前で張り込みを始めた。小奇麗だが小さな賃貸マンション。子供が生まれたら引っ越すつもりでいたらしいが、未だに子宝に恵まれておらす、その機会がないのだとか。依頼主の部屋は4階、右から2番目。近所の公園のベンチに陣取って、人の出入りがないか注視している。俺は視力は良い方なので、裸眼で観察できる。怪しむ人も居ないだろう。
初日は鳩にエサをやったり、近所のおじいさんと世間話をするだけで一日が終わった。依頼主の部屋には、監視対象のママ友が訪ねたのみで、男の出入りはなかった。次の日、監視対象は一度買い物に出ただけで、特に人と会う様子もなかった。
翌日。張り込みを始めてから三日目。監視対象は昼前にめかし込んで出かけた。お、これは、と思って後をつける。JRと地下鉄を乗り換えること40分。彼女は都心のビジネスホテルに入っていった。一階がレストランになってるやつだ。
少し時間を開けて俺もホテルへ入る。彼女はレストランで男と会っていた。なんとも生き生きとした、女の顔で喋っている。二人は黒く濁った粘着く関係で繋がっていた。間違いない。彼が浮気相手だろう。
俺はスマートフォンで二人の写真を取り、ホテルを出た。依頼主は離婚のための証拠集めではなく、浮気を止めさせるための証拠が欲しいだけだそうだから、これで十分だろう。後はあの男の身元を調べれば一丁上がりだ。
それから俺は男の方の後をつけ、住所や勤め先を調べあげた。報告書をまとめて依頼主に提出するまで五日。成功報酬を受け取って15万の売上だ。悪くない。悪くないのだが、最初の300万のインパクトが強すぎたせいか、どうも味気なく感じる。思っていたより楽な仕事じゃない。丸一日じっと張り込んでるのも、体は疲れない割に精神の疲労がひどい。
もっと割のいい稼ぎ方はないものか。なんて考えながら、ぼーっとテレビを観ていたら、ニュース番組が始まった。経済サミットの開催。各国がなにがしに合意。閣僚の問題発言。批判を強める野党。連日の猛暑。アイス商戦の激化。うんぬん。
「次のニュースです。日本犯罪史上最悪とも呼ばれた、都内連続児童誘拐殺人事件の容疑者として、芸能事務所、堀川プロダクション所属の男が逮捕されました。逮捕されたのは、タレントの『タカミー』として知られる高橋圭一容疑者31歳です。警察によりますと、先月末から『先月行方不明になった女児と一緒に居たのを見た』といった複数の目撃証言が寄せられ、高橋容疑者の自宅の家宅捜索に踏み切った所、行方不明になった女児の物と思われる衣服を押収したとのことです。高橋容疑者は容疑を認めているとのことです」
幼い女の子だけを狙って誘拐し、性的な暴行をくわえた上に残忍な方法で殺害するという、常軌を逸する凶悪犯罪の犯人が捕まったらしい。それだけでもニュースバリューは高いのに、しかも犯人は芸能人。人気絶頂のバンドマンだ。番組は長々と時間を取って、事件の経緯を伝えていた。しかし、俺はそれとは違った意味で画面に釘付けになった。
「それにしても、なぜ、高橋容疑者はこのような犯罪に手を染めたのでしょう?」
アナウンサーに話しをふられたコメンテーターが分かったような解説を始める。やれ容疑者はバンドマンとしては珍しくオタク趣味で有名だった、マンガやアニメの影響だ、うんぬん。そういうテンプレートがあるのかなと思わせる、テンプレ通りの解説だ。
それはともかく、気になることがある。画面に高橋容疑者の映像が映る度に、俺の目には彼の持つ人間関係が見えている。さすが芸能人だけあって、すごい数の繋がりがある。彼から四方八方に伸びる関係のうち、見慣れない種類の関係があるのだ。彼の体には、無数の手錠つなげて作った鎖が巻き付いている。まさか警察がこんな拘束の仕方をするわけがないから、これは俺の目にしか見えていない、繋がりの一種だろう。その鎖の一方は画面の外の何処かへと伸びている。誰と繋がっているのかは分からないが、かなり強い関係だ。これは、何だろう?
ひらめくものがあった。これはもしや、この事件には彼の他にも共犯者がいるということではないか? おそらく警察も気づいていない。犯人が犯行を自白して一件落着したと思っている。つまり、共犯者の存在は俺しか知らない。そいつを見つけてやれば……
瞬間、脳裏に映像が瞬く。
『史上最悪の難事件を解決!』
新聞や雑誌が俺の活躍を伝え、一躍有名人に。探偵業の合間に芸能活動なんかして、バラエティーやらCMやらに引っ張りだこ。
「これだ!」
俺は事務所で一人、拳を突き上げた。待ってろよ共犯者、待ってろよ俺のセレブレティライフ!
* * *
いかにもスカウトですみたいなカメラを持ったお兄さんに声をかけられた。
人材発掘会社のカメラマンを名乗るお兄さん(名刺くれた)曰く「有職者限定で雑誌の街角スナップコーナーに出る人を探していて、スタイルがいいと思って声をかけた。この場で写真を撮って一次選考をして、翌営業日に結果を連絡する」とのこと。学生で単発のバイトしかしていないことを告げつつ、簡単なエントリーシート(名前・身長・電話番号くらい)を書いて写真を撮られて別れた。
ちなみに私は、顔は十人並み、脚は長いと言われることもある、身長は160cm台、BMIは20を切るくらいの20代前半の女性である。これといって目を引くところはないだろうが、ときどき今回みたいなスカウトを受けることがある(怪しいのでだいたい受け流す)。
今回のスカウトも正直怪しい。しかしたまには口車に乗ってみてもいいかもしれない、とも思った。
翌営業日、その人材発掘会社とやらから電話がかかってきた。一次選考は通過したらしい。二次選考は雑誌サイドの選考になるらしく、その説明をしたいので営業所に来られる日を教えて欲しい、と。直近で空いている日に行くことにした。
営業所に行くと、アンケート的なものを書かされた。撮影経験の有無とかいろいろな項目があった気がする。説明を待つ間、たぶん私より若いだろう女の子が説明を受けているのをなんとなく聞いていた。
しばらくするとこの間とは違うお兄さんが出てきて、選考の説明を始めた、のだが。「有職者」と言うにはバイトの回数が足りないことが判明した(月8回くらい働いていないといけないらしい。知らねぇよ)。となると今回の雑誌のスナップモデルには応募できない。
すると、「うちの人材発掘会社から人材を紹介している芸能事務所に興味はあるか」と聞かれた。こうなったら徹底的に口車に乗ってやらぁ。
「なくはないです」
「じゃあ、担当者を呼んでの説明会に来てもらいたいので、空いている日を教えてください」
「○曜日のXX時ですね、わかりました」
今度は事務所のアンケートを書かされた。撮影とかしてないのに、「撮影をしてみてどうだったか」などの項目があったのでスルーした。
今回出てきたのはまた新たなお兄さんだった。イケメン。事務所の仕事をしながら、所属して俳優をやっているのだという。
街頭で書いた用紙と前回書いた用紙と今回書いた用紙を見ながら、イケメンが話を始めた。
「今日はうちの事務所に登録するかしないかの話をします。話が終わったら即決してもらいます。すぐに決断できない人は芸能の世界にはいらない(以下、説得力を増す話)」
この時点で、登録料とかレッスン料とかを払わせる手口だと思った。だがどんな話が展開されるのかは聞いてみたい。
「実家です」
「だったら、芸能やるって言ったら親御さん心配しない? 成人だから自分で決めることだけど、親に反対されたからやめる、ってくらいなんだったら、今ここで断ってください。例えば大好きな彼氏がいて、結婚したいと思ったけど親に反対されたら諦める? 諦めないでしょ?」
なんだその喩えは。
そしてまた怪しいッ! 「親に反対されたので」って理由で後から辞めるという選択肢を封じに来ているッ!
説明が始まった。
「今回、この説明会にはみんなを呼んでいるわけじゃないんですよ。興味があっても呼ばれない人もいるし、興味がなくても呼ばれてる人もいる。なんでかわかりますか?」
「わかりません」
「うちの事務所で確保している枠(事務所への最大在籍人数?)は多くないので、良い人材だけをこの説明会に呼んでくださいって、人材発掘会社にお願いしてるんですよ。もちろん芸能をやることを強制することはできないけれど、こないだ話した担当者が、○○さん(筆者)を見込んで、この説明会に呼んだってことなんで、それはわかっていてください」
「はあ」
これも怪しいッ! 「あなたは特別ですよ」ってのを匂わせて虚栄心をくすぐる手法!
仕事の内容についての説明内容は長いので端折る。
などなどの話を聞いた。実際の仕事の依頼例なども交えつつ。それなりに面白かった。
私には言いたいことがあったのだが、タイミングを逸していた。一段落したら聞いてみようと思っていたら、ちょうどよくイケメンが話を振ってくれた。
「そういえば聞き忘れてたんだけど、どこの大学ですか」
「某大です」
「そうなんだ! 学部は?」
「医学部です」
「えっ」
「卒業したら2年間は初期研修をしなくちゃいけなくて(医師法第16条の2)、その間は研修に専念することが求められている(医師法第16条の3)ので、どこの病院でもアルバイト禁止なんですよ(法律で禁じられているアルバイト診療だけでなく、アルバイト全般)。なので、芸能をやるにしても学生の間だけだと思っているんですけど、それって可能ですか」
「みんな芸名を使うから、職場とか周りにはバレないよ。人間って不思議なもので、例えば○○さんの写真が雑誌に載っていても、名前が違ったら『○○さんにすごく似てる』で終わるんだよね」
「はあ……」
そういう問題かよ。
そして話は佳境に入る。
「それで、事務所に登録するとき、お金がかかる事務所とかからない事務所があるんだよね。うちはどっちだと思う?」
「その聞き方ならかからないんじゃないですか?」
「いや、うちはかかるんだ」
「ほう」
「お金がかかる事務所とかからない事務所の違いは、マネージャーが付くか付かないか。マネージャーが付かないところだと、仕事は自分で取ってこなきゃいけないし、その仕事のギャラは事務所と折半」
「それは馬鹿みたいですね」
「マネージャーが付く事務所だと、これこれこういう(※忘れた)お金がかかって、大手だと数十万とか百何十万とかするところもある」
「ほう」
「でもうちではこのお金はもらってない」
「はい?」
話が見えなくなってきたぞ。
「うちでは、このシステムを維持するところにかかるお金は事務所持ちにしてる。でも、宣材にかかるお金39000円と、レッスンを受けるための入会金60000円の計99000円は、個人に属するものだから負担してもらってる。クレジットで払ってもらって、クレジット会社への支払いは月5000円って子が多いかな」
「はあ」
10万か。これくらいなら払う人いるんだろうな。
「うちでは、ワークショップ(講師が仕事を持っていて、仕事をくれるかもしれないレッスンのことらしい)を1回3500円(安いらしい)で受けられる。その環境づくりのためのお金がこの60000円」
「はぁ」
「で、1年間使える宣材を撮って、これでクライアントに売り込んだりする」
「いや、それは無料」
「ほう」
なんだか疲れてきたしやっぱり胡散臭いので、ちょっとやめておこうかな的意思の表示を始める。ここも長いので端折る。
「いやー、そこまでのお金を払ってやるもんかなってのがちょっとあって」
「はあ」
「喩えるなら今はこういう状況。浜辺を歩いていて、沖の方に島が見える。そこには見たこともない世界があるけれど、自分で泳いでいくことができないのはわかってる。そこにちょうどよく船が通りかかっていて、それに乗るか乗らないか。乗らないならふーんそっか、もったいないねって」
「はあ」
「言っちゃ悪いけど、女の人が何もしないで綺麗でいられるタイムリミットは2X歳(※筆者の年齢)だよ」
「はあ」
「何に悩んでるの? 例えばかかるお金が0だったらやる?」
「趣味程度ならやるかもしれませんけどね」
こうやって話している間に、この兄ちゃんは手に持っている紙を筒状にしていじっている。いやそれ私が書いたやつですよね。話している相手が書いたアンケートを丸めていじってる社会人初めて見たよ私。
「自分には本分があって、新しくその『趣味』を加えるだけのキャパがあるかも不安です。それに、それだけのお金を払ってやるくらいなら、自分の本分に時間を使ったほうがいいなって思います」
「そりゃそうだよ、でも」
「本分を趣味にする感じで」
「それは趣味って言わないよ」
「時間とってすみませんでした、でもそんなんじゃ何も始められないよ」
と言いながら兄ちゃんは事務所の奥へ去って行った。帰っていいと言いに戻ってくるかと思ったけれど戻ってこなかった。
常識人である私は、せめて声をかけて帰ろうかと思って事務所の奥を覗いた。しかしどこにいるかわからなかったし、待ってろと言われてなかったことを思い出して帰ることにした。
営業所から出て歩きながら、2時間かけて何やってるんだ自分、と思った。しかし、話を聞くだけ聞いたのは面白い経験だったかもしれない。
もしかしたら、この事務所は悪質な事務所ではないのかもしれない。けれど、相手に「怪しい」と思われたら、こういう商売は負けだ。
やっぱり、そうそううまい話は転がっていないんだな。人の夢で飯を食う商売もあるんだな。みんな気をつけようぜ!
以下追記。
予想外に多くの反応をいただいて驚いています。読んでくださった皆さんに何らかの形でお役に立てば光栄です。
ブコメをいただいたので全てにではないですがお返事を。
id:hisawooo “怪しいッ! これは怪しいッ!”ジョジョっぽくてかわいい。ジョジョ子力高い。
ありがとうございます。頑張ります。
有識者限定の街角スナップコーナー、見てみたいようなやめておきたいような。
id:eurisko1 うーみゅ。これかなり前からあった手口。増田医学生よ、今後へんな奴らからの連絡に気をつけろ。本業に邁進されよ。
知らない番号からの電話は留守電がなければ無視する主義です。一番大事なのはやっぱり本業ですね。精進します。
id:catbears 利用されることを望んでいる人は他人に利用されることが本望だという事の他力本願を推して知るべしとか、チャンスは巡ってくるのを待つのではなく与えるもの、みたいな話にはならないのか。
何をおっしゃりたいのかよくわかりませんでした。すみません。
id:ophites 自分の頭の良さを過信してる感がちょっと危うい。断って帰ろうとしたら怖いお兄さん数人に囲まれて、おいおいお姉ちゃん社会ナメてもらっちゃ困るよ、とかなっても切り抜ける自信はあった?怪しいとこは行かぬが最善
まさにおっしゃる通りで、自分の頭のキレを過信気味でした。他に説明を受けている人がいたので、彼女らが見ている前では危ない目にあわないだろうと判断しましたが、行ってからの判断では遅いですね。そもそも行かないのが一番ですし、行くにしても筋肉を付けてからの方がよさそうです。
世の中怖いですね。こういう商売って儲かるんでしょうかね。
>文章や頭をお褒めくださった皆さま
恐縮です!
筆者は一瞬だけモバマスに手を出して、課金しそうな自分が恐ろしくて手を引いたことがあります。渋谷凛ちゃんかわいいですよね。
不快感を感じる。
docomoは殿様商売らしく企業の格を気にして二流芸能人なんか使わないよ?
品のいい当り障りのないCMしかしないよ?っていう気がありありだし、
auは逆に芸能人の格が落ちすぎ、芸能事務所にお願いされすぎ、CMのクオリティ低すぎ。
softbankはたぶん好感度を上げてれば契約数は伸びると言いたいのか?
3社ともクリエイティブでもない訴求力もない何をコマーシャルしたいのかよく分からないCMになってる。
面白いなーと思うCMは大抵海外進出してる企業や外資系だったりするし、
CMにすら国内でオママゴトしてる企業のウンコさが如実に出てるんだなと思うわ。
追記:伝わってるなってやつと好きなやつをぱっと挙げると、
内容を覚えてて伝わるやつはmicrosoftのsurfaceとか、LINEとか。パチンコ屋みたいな事実を淡々と述べる系も頭に残る。
好きなのはLEXUSとかCANONの一眼レフとか、国内だけど倒れるだけで腹筋ワンダーコアは好きだな。
文章力なくてスイマセン。
読んでいて思い出した
ぼかして話すが 僕の知人がサクラ?の仕事をしていたことがある
かなりの美形だと思うのだがどうもあまり売れなかったらしい
数年後僕になぜか服を借りにくるようになった
最初は黙って貸していたが僕の母が気味悪がるようになった
結局母が問いつめたらしく彼は仕事内容を白状したそうだ
彼はニュースのインタビューや視聴者参加型番組、CMなどに素人として出演していた
役に合わせて僕の家に服を借りにきていた訳だ
どこのテレビ局か? 何のインタビューかは知らされていないらしい
なぜニュースのインタビューに映る人は判を押したようにバカな事を、テレビのいかにも喜びそうな事をいうのだろう?
と以前から思っていたのだがこれで納得がいった
芸能事務所に応募するならMustだな!
必ず娘に与えておくべき知識だ。
Aさんの事例(細部は変えてあります)
都内の大学に通うAさんは駅前で友達と待ち合わせをしているときに、芸能スカウトと称する人物からスカウトされました。
そのスカウトに連れられて事務所に行くと、うまくあれこれと言いくるめられて契約を交わし、
家に帰ってきてから怖くなって、契約を取り消そうと思い、数日後、その事務所に出かけました。
しかし、今さら遅いと言われ、高額な違約金をちらつかされ、さらにその場でレイプまがいの行為を受け、
その模様をビデオカメラに撮られました。
相談する相手もおらず、結局、複数回、アダルトビデオに出演させられてしまいました。
その後、弁護士に相談して、AV販売会社等に、出演作品の回収、販売中止を求めましたが、
会社側はその求めに応じていません。被害者のAさんはその後、心身ともに深く傷つき、大学も続けられなくなりました。
Bさんの事例(細部は変えてあります)
都内の大学に通うBさん(19才)は、駅のホームで芸能スカウトと称する人物から
名刺に書いてあるホームページを見ると、何名かのアーティストが登録され、
特に怪しい会社ではなかったので、以前から憧れていたアイドルになれると思い、信用することにしました。
その後、芸能事務所の人から、アイドルとしてデビューするためとして、歌のレッスンや、
フィットネスクラブに通ってダイエットをしたりしました。これらの費用は芸能事務所持ちでした。
20才になったある日、都心に住むように言われ、芸能事務所が指定するマンションを借りるように言われました。
自分で払える額ではありませんでしたが、初期費用はすべて事務所が肩代わりするし、
来月から仕事がはじまるからそれで支払えばよいと言われ、賃貸契約書にサインをして引越しました。
その数日後「オーディションが決まった」から行くようにとの指示がありました。
ところがオーディション会場に行くと、それがアダルトビデオの面接であることを知りました。
そこでは、本番はできるのか、アナルセックスはできるかなどを聞かれましたが、どうしたら良いのか全くわからず、
知らない人たちに囲まれ、勝手にいろいろな事が決められ、最後にはトップレス姿の写真を撮られました。
帰宅してから怖くなって、スマートフォンで検索して支援団体を探して助けを求めました。
数日間連絡を取らないでいると芸能事務所の人たちが、
違約金のことや親や学校に言うぞと電話やメールで脅してきましたが、
支援団体のスタッフといっしょに対処し、マンションも引き払いました。
またAV出演契約についても弁護士と相談し、相手方と交渉して、
違約金を払うことなく出演をしなくてもすむようになりました。
Aさんの場合、出演させられる前に相談する相手がいなかったために、結局、AVに出演させられました。
匿名ダイアリーだからなおさら言えるが、私はアル中からの回復者です。
それで思うのだが、「酒を飲めるのは大人の証だ」とは世間ではよく言うし、未成年者のうちには少なからず飲酒に憧れている者もいます。
ですが、本当は、酒を飲まなくなってからが大人なのだと思うのです。
酒を飲んでストレスから一時逃避するのは、結局は容易です。どうせ人は弱いのですから、なにかしらの逃避手段を求めるものなのでしょう。酒を飲まないとコミュニケーションが取れないという社会気質すらあります(これは異常な社会ですが)。
とはいえ、ストレスやストレス要因と向き合って付き合っていくからこそ大人らしいと思います。弁証法的に言えば、酒を飲めない未成年→酒を飲む成年→酒を飲まない成年、というように成長をしているのだとも思います。
ついでに真実を言ってしまいますが(みもふたもないですが)、パチンコ・パチスロが金払いがいいのは、中毒(アディクション)を利用しているビジネスだからです。少なからず賭博中毒者がいます。
同じように、酒やタバコも金払いがいい、それは言うまでもなく、中毒だからです。
ソーシャルゲームだの、(少し前まではネトゲというもののほうが一般的でしたが、)あれも中毒ビジネスだからで、また、キャリア決済で、カネを払う人間(保護者)とプレイヤー(子ども)が異なるという場合が少なくないから、随分と売上を伸ばしたわけでしょう。
AKB48が売れた(らしい)のも、あれも中毒ビジネスであるところも大きかったからで、世間的な診断名でいうと「境界性人格障害」だと言われる層が多額のカネをつぎ込んでいます。それはおそらく、世の中にどこか絶望しているから、アイドルにでも希望をもちたいのでしょう。
「声優になりたい」だの「歌手になりたい」だの「アイドルになりたい」だのと言う若者も少なくなく、なったところで多くは所得が少ないし、実際には養成所ビジネスのたぐいが随分と売上をあげている(まあそれでもラムズとか潰れたし(苦笑))。子どもを子役スターにしたいだとか言う親もいて芸能事務所に入れるのもいますが、そうやって子役タレントを養成しますだとかなんだとか言って、ある種の人材派遣業(芸能というよりも頭数の提供)みたいなことをやっていて、芸能事務所でというよりもなんか異なるところで売上をあげていたりします。
真実を言うとみもふたもないのですが、そういうものなのでしょう。真実を言ってくれる人は世間では必ずしもおらず、むしろ隠蔽している人や企業やマスコミが多いのですけれどね。
女性はいつでも男性を社会的抹殺可能なように法整備された時代。3次元恋愛はイケメンやコミュ力などを備えた者だけに限られるようになった。抹殺するためであれば、その気になれば因果律すらも歪曲可能なほど強力であった。
メディアや整形外科、美容品企業、芸能事務所などのアジテートするアイドルブームや美容ブームは「美は正義、醜は悪」との価値観を喧伝しつづけ、それを加速させている。
3次元から追いやられたものたちは新たなフロンティア「2次元」にその居場所を見出し、その満たされない欲求をバーチャルに消化するようになるのは必然であった。
通勤電車に「愛、おぼえていますか」とか流せばいいんじゃないかな。男と女に分かれて戦争してるところとかそっくりだし。
※ただしイケメンに限る。 というのはネタでもなんでもなく、社会問題の影響下にある者の率直でささやかな反抗、社会風刺である。
小林すすむさんが俳優として食えるようになったのは島田紳助さんのおかげのはず。
1991年頃仕事がなくて苦しかったのを、紳助さんが自分の経営してる芸能事務所に所属させていた。
そして小林すすむさんが俳優としての露出が増えたのは"踊る"からだと思うんだけど、
同じように紳助さんにお世話になっていた遠山俊也さんも"踊る"に出てから露出が増えたはず。
"踊る"のスタッフと紳助さんって何かつながりがあったのかな?
でもネットで調べても、紳助さんが経営していた芸能事務所に関する情報がまったくない。
たしかに"人間マンダラ"の中でそのような話をしていたんだけど。
元々は"土建屋よしゆき"さんのように友達の素人が芸能活動するためのマネジメントをやってた会社だったと思う。
高原兄さんとか、遊民社が解散した後の松澤一之さんとかも所属してたはず。
遠山さんは、遊民社の解散時に野田秀樹さんに頼まれて面倒をみることになった、って言ってたと思うんだけど。
彼のこのような"情の深さ"というのはもっと評価されてもいいと思う。
文芸系(多くがラノベ)の専門学校の体験入学やオープンキャンパスに行ってきた。「専門学校 ラノベ」でググると上位に表示されるような有名な学校に3つほど。
噂には聞いていたけど、酷い。正視に耐えない。
体験入学に申し込むと、頼んでもいないのに大量のパンフが送られてくる。
そのパンフに載っている在校生の作文が酷い。あと、HPに載っているのも同様に酷い。
文法がおかしい。文章の巧拙以前に、日本語がおかしい。外国人留学生の方がよっぽどまともな文章書く。
「プロ講師がキミを指導する!」なんて宣伝してるけど、ほとんどが無名作家。
そういう自称プロ作家と話したのだけど、あの人たちまるで教養がない。
あまりにもモノを知らないから、「ラノベの角川一強は半端ないですよね」とレベル低めに話題ふると、「え!? 角川ってそんな凄いんですか?」
もう、帰っていいですか?
カリキュラムも酷い。
2年間で文章の読み書きを習う。ガチで寺子屋レベルの低級な文章作法を学ぶ。
卒業する時に長編小説を1つ書き上げるのが目標で、在学中はほとんど小説なんて書かないし、添削もされない。
というか書けない。
どの専門学校のパンフにも判で押したように“ノーパソを開いてWordで小説を書いている学生"の写真が載っている。
小説執筆経験のない人間が入学してくることがよく分かる。物書きはプレーンテキスト形式で、テキストエディタ使って書くよ。
中島らもが生前「コピーライターの養成所は筋者が経営する芸能事務所並みに胡散臭い」って言ってたけど、ラノベの専門学校にも同じことが言える。
twitterで知ったが、映画キャプテンハーロックのマスコミ向け試写会で映画評論家の樋口尚文さんがぶちぎれたそうだ。
https://twitter.com/AoiKunio/status/359164717597601792
ご本人のツイートは消えているんだけれど、
「今日は試写室が狭いのでマスコミの方ではない一本どっこのライターの方は出ていってくれ」
と言われたそうだ。
映画の宣伝部は、基本的に試写会に来てくれたライターを帰すことはない。
マスコミ用の試写会は、映画を紹介しようと検討している媒体の編集部や、ライターの方に観てもらうことが
一番の優先順位だからだ。そのライターが社員かフリーかは関係ない。
ハーロックの公開は9/7。公開日近く発売の雑誌はもう締切りも近い。キャパが50〜60の狭い試写室が混むのはこのころだ。
「媒体編集部、ライターの方以外はご遠慮下さい」と言って、代理店や、営業マン、映画の関係者とかを帰すことはたまにある。
この業種が公開一ヶ月前にふらっと映画を観たって、何か仕事になる訳でもない。彼らが無駄に座席を潰すことで、編集部やライターの席がなくなるのを防ぐためだ。
思うに、試写会の受付で、樋口さんは電通の名刺を出したのではないだろうか。
彼が映画評論家であることを知らなかった残念な宣伝部が、(ぼくは、樋口さんが気に食わなかったのはここだと思うんだけれど)
「電通クリエーティブ局?今日じゃなくても大丈夫だろう・・・ごめんなさい」と思い、声かけちゃったんだと思う。
それで忙しい中わざわざ試写に行った樋口さんは、「この俺に出て行けだと!」とぶちぎれたのだと思っている。
樋口さんを知らなかったのはまずいし、映画会社は反省するべきだけれど、
試写会で「フリーライターは出ていってくれ」と言うはずはないので思ったことを書いてしまった。
樋口さん、間違っていたらごめんなさい。
ちなみに混んでいる時期の試写会に来てもらって困るのは
広告、タイアップに関わる代理店や関連企業のひとたちは、もっと早いスケジュールの試写で
観るのが普通だ。早目に観ておかないと仕事が進められないからだ。
公開一ヶ月前に来るこの業種の人たちは、重要ではない。
今現在、お仕事がない方々が席を埋めてしまうのは、観てもらわないとまずい人たちの席がなくなるので困る。
観てもらわないとまずい人たちは忙しいので、ぎりぎりに来ることが多い。