はてなキーワード: 班目 春樹とは
http://ponpo.jp/madarame/を見てあまりに腹立たしかったので増田に書かせてもらう。
どうやら彼がこのページで言いたいことは次の点に集約されると思われる。
これが大学教授などを歴任して退官した人間のいうことだと思うとめまいがする。
そもそも原子力工学というのは、明らかに国策のための学問である。サイエンスとしては原子核物理という分野が存在していることからも明らかであろう。
(たとえば新元素発見は記憶に新しい。あのように加速した原子核ビームをぶつけて反応を見ることは核力を探る上で重要であるそうだ。また原発関連のtwitterで有名になった早野氏も本業はCERNでエキゾチック原子核を作っている。これも核力を見る上で重要らしい。いずれにせよ、両者とも原子力工学とはほとんど関係ない)
したがって、
の時点で、彼はその役割を十分理解しなくてはならなかった。もちろんこれはこのような人間を採用してしまった東京大学工学系研究科の責任であるとも言えるし、あるいはまともな人材がいないことの証左なのかもしれない。
そして、一度国策の学問に携わる身になり禄を食む以上、常にあらゆる可能性を考慮し、当事者としての責任の重さを理解しなくてはならない。実際科研費のサイト(https://kaken.nii.ac.jp/d/r/80092336.ja.html)を見れば
なのだそうだ。この題目で09年からの科研費を通しておきながらバカの一つ覚えのように「菅が悪い」とは呆れて物が言えない。
その場でなぜリーダーシップが取れなかったのか。なんのための研究をしていたのか。反省すべきはその点に尽きる。
ブコメを見ると、「大学の先生ってそんなもんじゃないの」という意見も散見された。いやいやいや、待ってくれよという話である。仮にも天下の東大である。
「そんなもの」で済まされるような人材をとってしまうこと自体許されない。もし彼があくまでもこの他人事のような姿勢を貫き通すのであれば東京大学の原子力国際専攻は直ちに解散すべきである。
そもそも東京大学、旧東京帝国大学は国のリーダーを輩出するためにできた大学である。明治維新から十年も経つ前、西洋列強に比べ悲しいほどの国力しかなかった時代に、それでも高等教育機関は必要だと既存の機関をまとめて作られた。
このような責任感のかけらもない人間がいたという惨状を知ったら、明治の元勲も草葉の陰で泣いているだろう。右巻きの人ほど斑目を糾弾すべきではないか。古き好き日本の伝統はどうしたんだ。
当時、(原子力は専門ではなくとも)原発由来の放射線の影響などを見積もり、それをわかりやすく世間に伝えようとした大学教員が多かったことを思い出すと、ますます斑目氏の無能さが浮き上がる。
積極的に発言していた人としては東大の早野氏、押川氏や学習院の田崎氏など、物理畑の人が多かったように記憶している。彼らは(特に早野氏以外など)原子力はおろか放射能測定すら学生実験以来の経験であったことは想像に難くない。
それでもなお、彼らが普段から国民の血税を使って研究活動を行っているのだからという理由で、自分たちの研究時間を削って文献を読み、なるべく正しい情報を伝えることで社会に貢献しようとしたわけである。
もちろん「メルトダウンは起きない」だとか、一部失言があったことは確かであるが、それでも何もしなかった当事者の斑目氏とは雲泥の差である。今日斑目氏のウェブページを見るにいたり彼らが如何に良心的であったか、を理解した。
もちろん例えば物理畑の人は普段何の役にも立たないことをやっているのだから非常時は何かをしなくてはいけないと思っただとか、少なくとも斑目氏たちの原子力工学よりは彼らのほうが基礎学力が高いだとかの副次的な要因はあるだろうけれども、エリートたるもの、かくあるべきではないのか。
斑目氏は、今現在はさぞや気分よく毎日を過ごされていることだろう。
とりあえず菅が悪いと言っておけば、みなから同情を買うことができる。時の政権も、民主党を批判できればそれ以上のことはしたがらない。
だがそれでよいのか。彼にもし一欠片でも良心が残っているならば、現状の原子力行政をまともなものにする努力を行うべきである。メディアに出たりマンガを書いたりして菅が悪いと言っている場合ではない。