はてなキーワード: 沈殿とは
これは半分釣りです。業界関係といっても日が浅く、決して専門に勉強しているわけではないのです。ここからより詳しい増田がでてくることを期待します。
最近、水道関連で立て続けにニュースがありましたね。浄水業界に少しだけ関わっているのでちょっとだけ。
まず、水道事業は古くから各自治体が主導であり、地域ごとに歴史や文化やしがらみがあります。なのであなたの地域では当てはまらないケースは多々あると思いますし、自分の知るものがマイナーだってケースもあるはずです。
水を生産する浄水場においては、主に以下の薬剤を使うのが一般的だと思います。
濃硫酸や苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)。今回の事件(https://gigazine.net/news/20210209-hacker-poison-water-supply/)で入れられたのはこのph調整剤の一つ。硫酸はアルカリ性のものを酸性へ、苛性ソーダは酸性をアルカリ性に中和させます。濃硫酸というとどこぞの高校生探偵を思い浮かべやすいのですが、実際に添加されている量は僅かなので人体に影響はありません。もちろん水酸化ナトリウムも微量なら問題ないのですが、今回のハッキングのように大量に添加されると危険です。
PAC(ポリ塩化アルミニウム)。これを添加すると効率的に泥などの汚れが凝集して塊になり沈殿します。水道水は法律によって厳しく規制されているので、濁り(濁度)が高くなると大問題となります。
次亜塩素酸ナトリウムなど。これによって細菌等を殺します。塩素と呼ばれるものの元です。水道法によって蛇口からでる遊離塩素の濃度は0.1mg/L以上となっています。
さらにここに臭気等取り除く粉末活性炭を時期によっていれたり、オゾンで殺菌もします。
苛性ソーダについてですが、通常の川の水はアルカリ性によっているため濃硫酸だけで済ますケースが多いと思います。自分の知る浄水場でも苛性ソーダは単に保存されているだけでずっと使われていません。硫酸が過剰に添加されてしまうケースでの中和が主な目的かと思います。仮に川が酸性によっても、次亜塩素酸ナトリウムがアルカリ性なので中和されてしまうでしょう。
この冬は自分の地域で雨が少なく、川のアルカリ度が高い傾向にあります。なので硫酸が活躍しても苛性ソーダはまず使われないでしょう。事故がなければ。
大丈夫です。水に対して極々微量ですから。薬品は、主に濁りのもとを取り除き細菌や微生物を殺してきちんと飲める水にするためのものです。これがなければ日本の多くの家庭では水道水をそのまま飲めなくなります。
水道水は法律によって厳しく規制されています。殆どの人には、味・匂い・濁り・残留塩素が大事かと思います。そこに細菌や微生物、各種化学物質等の基準が設けられています。浄水場ではほぼ毎日検査をして基準にあっているかを確認しており、安心して飲めるように配慮しているとのことです。
この基準も国際的にはかなり抑えたものらしく、それで健康に害がでるなら別な要因を疑うべきかと。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/kijun/kijunchi.html
大昔は残留塩素がかなりある状態で送り届けていたそうです。しかし、いまは味や臭気を気にする人が増えたこともあって、そのままでも美味しく飲めるようにだいぶ薬品の量を変えている自治体が多いそうです。もちろんそれでも水質基準はクリアしています。洗濯に使うような水でも平気で飲めるのはかなり恵まれていると思います。
わかりませんが、日本の浄水設備の一部はリモートになっていると聞きます。浄水事業はどこも人手不足なので設備の一部は民間に委託したりリモートが常態化するでしょう。お金もなく設備が古いままなケースも有り水道管の破裂は今後も増えるでしょう。水質測定装置が故障しても直せなかったりすると大変です。管が破裂したところの職員は復旧まで徹夜だそうです。ハッキングよりそちらのほうが心配です。
主な水道施設は「取水場」「浄水場」「配水場」なのですが、わかりやすい浄水場を簡単に。
設備や能力は浄水場ごとに千差万別です。近くの浄水場同士で全く違う浄水設備なんてのもみます。そっくりなものを探すのも大変かと思います。自治体による運営が基本なので仕方ないんです。
https://www.kitachiba-water.or.jp/site/facility/1035.html
簡単に言えば、水に薬剤をまぜて汚れをろ過して消毒する、という単純な仕組みです。
そうするとこの着水井という場所に集められます。ない場合もあります。
ここで凝集剤やpH調整剤や消毒剤が投入されます。機械で急速に混ぜたり、滝状にして混ぜることもあります。接触地と呼ばれるケースもあります。別にここだけでなく色んな場所で薬剤を注入するのですが最初に入れるのはここですかね。
取水場によって水源の汚れはある程度除去されていますが、それでもかなり濁っています。その濁りは凝集剤によってフロックと呼ばれる塊に成長し、沈でん池でゆっくりと沈んでいきます。沈んだ汚れは一箇所にまとまり最終的には脱水されて適切に処分されます。フロック形成池は縦移動か横移動のどちらかのケースが多いようです。ゆっくりと長距離を移動することでフロックは成長します。沈でん池の中には傾斜板という斜めになった大量の板が配置されており(ない場合もあります)、そこを通過する過程でフロックが比較的澄んだ水と分離していきます。
見学してみるとわかりますが、単に水を流しているだけでよくここまで汚れが落ちるなと感心します。
ここは匂いや様々な有害物質を取り除く場所です。オゾンや生活性炭等によって、匂い物質やトリハロメタン等が取り除かれます。この高度浄水施設は急速濾過池の前後どちらかに設置されているケースが殆どです。北千葉は急速ろ過の前段階で処理していますね。高度浄水処理施設自体がない場合もあります。
殆どの浄水施設にはこの「急速ろ過池」があり浄水施設の要です。ようは砂や砂利を使って水をろ過する装置です。重力式といって水を上から注いでろ過するのが一般的だと思います。浄水施設を航空写真で見たときに並んでいるどでかい四角形の水槽の半分はこの急速ろ過池です。残りの半分はフロック形成池や沈でん池。
急速ろ過池には色んなタイプがあって、機械でぐるぐるかき回す奴もあるそうですがメンテナンスが厳しいとか。
急速ろ過池と反対に緩やかに濾過するのが「緩速ろ過方式」。東京都の一部にあるそうです。これは微生物の力を使って広大な土地を用いる古い手法だそうで、今でもやっているところは少ないとか。他にも膜を使ったろ過装置もあるらしいのですが、それはよく知りません。
なお、ブラック・エンジェルズという漫画でろ過池に浮いているシーンが有りましたが、あれってまだろ過の前の濁った水なので全然きれいではありません。
きれいにした水をためておく場所です。大抵は地下に埋まっているはず。ここに至るまでに何度か消毒剤が添加されたりします。濾過の過程で薬剤も同時に失活するので。最終的にここからポンプによって配水池に飲水が送られます。
全部を通った水は驚くほどきれいです。高度浄水処理を通らなくとも、大抵は薬剤と沈でん池と急速ろ過だけで結構きれいになるそうです。もちろん水源や季節に大きく依存するのですが。
でも大抵の浄水処理ってかなり単純な作りで、こんな程度で濁った水を飲めるようになるのか?って思います。でもちゃんと飲めるのは凄いことなんですよ。
そもそも皆さんが日常的に利用している水道は色々な種類があります。殆どの家庭の蛇口からでるのは浄水場で作られた水ですが、実際は浄水場から直接送られているケースはそれほど多くないと思います。浄水場で作られた水が各家庭に送られる前に、大抵は配水池(配水場)等に入り、そこからさらに消毒剤を添加して各家庭に給水されています。つまり浄水場は工場ではあり、家庭に届く前に卸し問屋である配水池を経由しているわけです。
時々水道管が破裂するケースがあります。しかし水道管と言ってもその区別は「導水管」「送水管」「配水管」「給水管」と別れています。どれが破裂するかで管轄がぜんぜん違うのです。
導水管は水源から浄水場のあいだまで。ここを受け持つところは浄水場とは別なケースが大半かと思います。
送水管は浄水場と配水池の間にある管です。浄水場が所有する管です。
配水管は配水池送られる管で、各自治体の受け持ちです。
去年の年末に発生した千葉県富津市の水道管破裂事件は、送水管によるものでした。つまり管轄は浄水施設を持つかずさ水道広域連合企業団。地下深くにあるため難航したようです。気の毒に。なおどこの自治体や浄水場でも管の老朽化は深刻です。特に送水管は圧力が高くて太い所が多いため、破裂したときのリスクも高いでしょう。配水場に水を送れないので断水の範囲が非常に広くなります。
浄水場で作られた水が各配水池に送られる過程で、塩素の濃度は低下します。浄水場の送り出した水が0.6mg/Lの塩素濃度だとすると、15km離れた配水池にたどり着くと0.4mg/Lくらいまで低下します。これは管の状況や施設ごとに違ってくるので概算です。水道基準的にはそれで大丈夫ですが、そこからさらに各家庭に配るため、配水池を管理する自治体によって改めて消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム)が添加されるようです。なので「浄水場に近いと塩素が濃い」は必ずしも当てになりません。自治体や場所によります。単純に配水池から遠いほど残塩は減るでしょう。
水道事業はお金になりません。そんなところに民間がくるメリットが全然わかりません。優秀な人を沢山雇って送水管をどんどん改修して計器を新しくしてトラブルにも即時対応してくれるならいいでしょう。でも水道料金が高くなるのは否めません。皆さんの飲料水は公務員の安月給(たぶん)で支えられています。
苛性ソーダの事件で水道水に多くの薬剤が入っていると知った人は多いはずです。水に携わる人からすると、水道水は工業製品と言っていいと思います。どの過程でも水質には気を配っていますし、薬剤やオゾンや活性炭をたくさん使います。その上で安全でおいしい水を安価で供給するのって凄いと思うんですよね。管理している人たちは大変でしょうけど。
大学で工業を習っている人は、地元の水道事業に携わるのも手かと思います。
もう一度いいますが、水道水の工程は自治体によって千差万別なので今いったことが全てではなく、間違いも当然あると思います。
いまは多くの浄水場が見学を見合わせ中ですが、非常事態が解禁されてコロナが収束したなら再開されるかもしれません。
そうしたときにそれぞれの浄水場や配水池等の違いを見比べると、地域毎の特徴がわかって面白いと思います。
勉強がてら書いてみました。
俺には最低な趣味がある。それは他人のもめ事を見るとこだ。自分よりも低い(と思っている)ことを、見ることで愉悦に浸ることができる。
特に仕事がうまくいかないとき、なんとなくむしゃくしゃしたときなど、説明できないモヤモヤな気持ちが沈殿してしてしまった場合にそれらを見るとスカッとする。
その下世話な話題を俺に提供してくれているのはツイフェミと呼ばれる人とその反対陣営だ。
宇崎ちゃん、これフェミ騒動、ATUGIなど、本当にかきこみ一つ一つが哀れで仕方ない。そもそもtwitterの限られた文字数だけで、相手をねじ伏せようとしている様が本当に滑稽だ。それが本当にできると思っているのならただの馬鹿だ。
ちなみにこの文章は突発的に書いたので整合性やらは皆無だ。そもそも俺は文章の力で人は変えられないと思っている。それができる音は一握りの天才で、少なくとも俺らやお前らじゃない。
それができると思って限られたスペースで活動していること自体が知能の欠如と言えるだろう。
最初に言っておくが男女平等であることに不平不満があるわけでなく。むしろそれが遵守されるべきだと考えている。
ただ、男女が完全な平等というのは懐疑的だ。だってそうだろう。男には男性器が女性には女性器がついているし、身体能力だってまるで違う(Tに関してはあまり知見がないので、ここで突っ込まれても困るから、ここでは生物学上的ということにしてほしい)。
そもそもこんな長々とした文章を書いているのに、読者に100パーセント理解できてもらえないだろうな、変な文章書いてるな、話の芯がないなと思っているのに、なぜあいつらは自信満々に自分の言葉という力を信じているんだろうか?
そんでもって、最近趣味でツイフェミさんたちを見ていると思うことがある。
ジェンダーギャップが低いことを叫んでいる人は、本当にそれらが何の数値であるか、どういった意図があるのか知っているんだろうか。俺も数回1-2回ほどなにかしらのそういった資料を読んだだけなので、詳しいとは言えないけれども、それでもなお「ジェンダーギャップがー!」と伝家の宝刀のようにそれを振りかざす姿は、本当に人として哀れに感じる。
あとは「私と話したいならフェミニズムを事前に勉強してこい」という書き込みをよく見かける。これを書き込んでいる奴ってのは本当にtwitterの中にしか居場所がないのかなと思う。世間じゃフェミニスト=レディーファースト推進委員会位の認識だぞ。少なくとも田舎じゃそうだ。証拠出せって?それは私がエビデンスだから(笑)。反対意見を書いたり上げ足をとったりするやつも本当にどうしようもないけど、興味を持ってくれてるだけありがたいと思えよ。お前らの思想なんて今晩の献立以下の価値しかないことを認識しろ。街で駅前でビラを配るほうがよっぽど有益と思う。それができないなら、反対意見をねじ伏せるようなロジックを組み立てろよ。それができないんだったら、昨日の味方は100人だったけど、今日納得してもらって101人になったっていう草の根運動でもしてろよ。本当に無能集団。
これもよく言われてるけど一人一派ってなんだよ?馬鹿かよ。お前らは強固に結びつかなくちゃいけないのに、それを自分たちでバラバラにしてどうすんの?
最後にツイフェミさんを見てこれは思うんだけど、お前らって最終的に何をなにしとげたいの?全然ピンとこないんだけど。石川優実さんって正直嫌いなんだけど、Kutuuというわかりやすい指標を出してることだけは本当にありがたいなって思ってる。ほかの奴らもそこだけ見習え。世界平和を叫ぶ子供たちと同レベルだぞ。純真さがないだけかえって悪いわ。
あと、ここからはツイフェミさんに反対意見を言っている奴ら。正直に言うと俺もそっち側だと思う。でも、アニメアイコンや画像の無断転載してるような奴が言っても、説得力皆無だぞ。面白おかしく、煽りで版権のコラ画像使ったりするのって、お前らのほうが正直モラルを疑う。みんな使ってるからっていいっていうやつは、もう勘弁してくれ。そんな奴らは面白おかしく毎日あったくだらない出来事を書き込んでろよ。そういうもんだろ。
ツイフェミ側とお前らだったら、お前らのほうが犯罪者だからな。少なくとも、公平にジャッジするとツイフェミ側はそういった、お前らが軽んじている一線を遵守している奴は多いぞ。犯罪者が表現の自由を叫ぶなよ。馬鹿か。愚かすぎる。そこだけはフェミさんがいうように価値観のアップデートしとけよ。
全く関係ないけど、お前らがそういった権利関係ガバガバなムーブが、創作物が軽んじられている原因になっていることを自覚しろ。
このクソどもが。
虫になると、暗くて、湿っぽい場所が落ち着いてくるようになる。
もう何日も変えていない薄ら脂の匂いのするベッドのシーツの上で、何もしないで、ただ横たえている。時折、閉じたカーテンの隙間から部屋の白い壁に差した陽を見やっては、窓の外に耳を傾ける。出発の気怠さ、たわいもない愚痴、来月に予定された仕事の準備。そんなつまらないけれど、今の私に取っては尊い繰り返しの風景を、閉め切った部屋の中で想像する。足音の数だけ、小さな世界がそこに存在していている。その小さな世界は一個一個がゆっくりと連動して、小さな波と大きな波の揺らぎを生み出していて、一つの水塊を作り出しているみたいだ。私はその水塊の底で沈殿した残滓のように、鈍くたゆたっていた。
差し込む陽が徐々に小麦色の煌めきを帯びてきてそれがだんだんと薄紫色に昏れていくころ、私はまだ薄汚れたシーツの上でうなだれているだけだった。いつの頃からか私は、歴然と白く差し込んでいた陽がみるみるうちに滲みはじめ夜の色になっていく瞬間が苦手になってしまった。その光の変貌が、なぜか「私にはなにもない」と私自身に突きつけるように感じたからであった。どんなに気持ちよく昼寝していたとしても、目覚めたときに、陽の光の移ろいを眺めていると、私はカモメの鳴く夕方の海岸に一人ぽつんといるような気分になるのであった。
けれど、壁に差す陽が一筋もなくなって暗闇に包まれると、私は日中のことを忘却の箱へ押し込んで攻略できることを思い出し、活力が湧いてくるのであった。なにか前に買った食べられるものを漁りそれを頬張る。すると、食べた後だというのにかえってお腹が減ってくるので近くのコンビニへ足を運ぶのであった。
目から咲いた花を毟りとり風に泳がせる。立つ。木の下にいる。土からモグラが出てくる。三顧の礼。絵画じみた風景。枠がある。木の枠。それを包むアジア風の男。眉を言っている。赤、黄、紫、羽のようなものが背後で舞っていてしかしテクスチャーが一定していない。汗。表面とは違う面にある汗。柔らかくて甘い。右下にいる青いキャラクター。目がクリクリしてる。映像なんて不要ではないか。面。そこに降り立つ。夕日を背に隆起するパラパラした図形群。青い筋が空に延びている。拡大された顔。顔毛。裏側は灰色。人も物も縦線で描かれている。手術室や砂漠やギャンブル場のような空間で。黄色。緑。目。沈殿する闇を犬がモグモグ食べている。開いた口からギラリと覗く歯、黄色に変色、こびり付いた茶色い垢、体毛の奥まで見えている。馬が本気を出せば戻せそうな具合に腸を引きずって歩いている。緑と黒の二色。後ろ足がズブズブと泥沼にハマっている。沼は表面が鈍く光を反射しながら底の淀みを予感させつつもあくまで平面的な質感として耐えている。悔しいようないななき。その身体が2つに割れる。龍や烏や虎の各パーツが黒板の上で回転している。徐に止めると機械ばかりが捲れ上がる。まるで夜空だ。教室の後方にいる。前方、机と椅子とを小さくて紫色の小人が一糸乱れぬ動きで何かを踊っている。肌が汚い。文字が横から流れてくる。「ま」と「よ」をドッキングさせたようなものを一例として読むことができない。意味が顔の上を滑っていくようだ。左右をズラリと家来のように並ぶロボット。比較的曲線めいている。後ろには赤くて大きい海老と蟹の中間のようなもの、点滅している。びっしりと埋め尽くされたイボを見つめる。食べる。何を。蛙になっている。戦時中みたいなカンカン帽を被っている。S,S,S,皿を食べてしまえば良い。誰でもない誰かに猫の耳が生えている。実際の空間ではない空間か。目が光る、複数の。いや3つだ。スキーをしている。ぐっと引きで映され角度に目が眩む。ミニチュアめいている。山に雲が貼り付いている。膨らんだペットボトル、一度中が取り出されフィギュアを詰められたプリングルスの箱。予感。なぜか時計を見つめていた。目が右に寄るのが止まらなくなる。髪だ髪の密度が低くなる。下半身は車。黄色い背景。壁と地面が一体化して表面が蠢いている。波打ち奥の面が暗示される。
私は初めて、胃がん検診を受けることにした。
家族がよく、バリウムだの白いうんこだの言っていたのは知っていたけど、それ以上の知識はなかった。
・バリウムがまずい、飲みにくい
・発泡剤も同時に飲むが、ゲップ不可避なのにゲップNG
・水が足りないと腸でバリウムが固まる
・なので早くうんこにしないと大変なことになる
・下剤も飲むのでゲリと腹痛で大変なことになる
・気持ち悪くなる、下手したら吐く
ビビった私はスーパーにかけこみ、とりあえずヨーグルトとミルミルと麦茶を購入して検診に持参することにした。
検診当日。ビクビクしながら順番を待った。
待ち時間に流れている胃がん検診VTRを熱心に鑑賞し、その時に備える。
途中、待っていた人が「私最後にうんこしたの3日前だけど大丈夫ですか?」と聞いていた。
検診の人「いつもそれくらいなの?」
3日前の人「はい」
そんな体質なので私は下剤を飲んだことが一度しかない。子供の頃、家にあったコーラックという便秘薬を、ピンクでかわいいからなんとなく飲んでみたら、すさまじいうんこに襲われたのだ。腸がうんこに向けて全力出してるのを感じるぜん動運動だった。
検診VTRでは、「下剤の効き目は穏やかです」と言っていたが、私は懐疑的であった。それは、世の食が細く油分も食物繊維も乳製品も摂らない便秘症でコーラックを飲むような女性の話であって、毎日排便している私にはめちゃくちゃ効いてしまうのでは、と怖くなった。
いよいよ名前を呼ばれた。
検診の人がジューススタンドにあるようなミキサーで、沈殿したバリウムをギューンとかくはんした。紙コップに、白い液体がなみなみとつがれる。垂れるから、とティッシュを渡される。これ発泡剤、下の奥に置いたらバリウムですぐ飲み込んでね、すぐだよ、と念を押されて手渡される顆粒。私は意を決してざっと顆粒を置き、バリウムを口にした。
?
別にまずくねーな。
不思議な食感で、頭でイメージするスピードと口の中のバリウム液の広がるスピードにズレがある。さらっとしてるようでどろっとしてる、強いて言うならカスピ海ヨーグルトみたいな弾力のあるどろっと感というか。
隣で、早く飲みこんで、飲んだ?と聞こえ慌てて飲み込んだ。口の奥で何かが膨らんで消えた。飲んだ?とまた聞かれて、うなずいた。
何かに似ているな。私の苦手なビールみたいだな。と思いながらコップに残されたバリウムをぐびぐび飲んだ。
胃の中で何かが膨らんでいるが、想像より不快感はかなり少ない。拍子抜けしながら、診断の機械に乗った。
どこからか聞こえてくる、医師の「右に回ってー」の指示通り、グルグル回転する。機械自体も大きく傾斜して、腕の力で踏ん張る。回転時に髪が邪魔で、髪を結んでこなかったのを後悔した。
お疲れ様でしたー、と言われ部屋を出ると、検診の人から「口の周り真っ白だからこれで拭いてね、全然問題ないですね」と言われ、おしぼりと下剤とペットボトルの水を渡される。真っ白?と思って鏡を見ると、唇は真っ白だし口の端の両側から白い筋に垂れて乾いていた。恥ずかしい。
おしぼりでぬぐうとすぐに落ちて安心した。下剤を飲むのは怖かったが、その場で飲む雰囲気に押されて服用した。水も半分くらい一気に飲んだ。
外に出て、持参したミルミルを飲んだ。砂糖が足りない気がして、自販機でなっちゃんりんごを買って飲んだ。
家でうどんでも食べようと思っていたが、思いの外膨満感が強く、パンで軽く済ませようと思って帰り際に購入。
ゲップがようやく出たが、炭酸飲んだ後の目に染みるようなゲップだった。
家について、結局うどんを食べた。氷えのきを食べると大量にうんこが出るので、氷えのきも多めに入れた。
うんこはだいたい、8から10時間後、と書いてあった。色は真っ白ではなくて、白が混じった色らしい。したらよく見ないと分からないかもなと思った。
その後、膨満感はあるものの体調は至って普通で、これなら仕事に戻って良かったな、と思った。
3時間後くらいだろうか。
あれ、うんこかも。と思ってトイレに行った。腹は痛くなかったので、いつものうんこか、と思ってしてみた。よく見ないで流してしまったが、すぐにまた便意があったので今度はよく見てみようとのぞきこんだ。
そこには、真っ白なヘビみたいなのがいた。
えっ、真っ白じゃん。
しばしその異質な白さに圧倒されたが、あ、早く流さないと流れないんだった、と思い流した。あっさり流れていった。
それを何度か繰り返し、やがてシャバシャバ状態になった。なぜか腹は痛くなく、軽い便意しかないのに勢いがいいから、気をつけていないと、もらしてしまいそうになる。
痛くはないがゲリを繰り返していることに変わりないので、脱水症状にならぬよう麦茶を飲み続けた。
1時間くらいでゲリは止まった。なるほど、効き目が穏やかとはこういう感じのことを指すのか、と思った。
ゲリが止まると、うんこが出なくなった。
まぁ、普通のご飯にすれば出るだろうと思い、ご飯と焼肉を焼いて食べた。
次の日の朝。ヨーグルトにフルーツ酢をかけたものを食べると、必ずうんこが出るので、それを食べた。
昼になっても、うんこは出ない。
ネットで調べると、ある大学病院の論文が出てきて、その患者は下剤を飲んでうんこをしたが、その後うんこが出ず、手術で取ったという論文だった。
まさか、、、と思い、さらにミルミルやらこんにゃくやら氷えのきを食べた。
さらに次の日、ようやくうんこが出た。同じく真っ白だ。良かった〜と思い、流すと、
流れない。
あれ?と思い、もう一回、長めに流す。
流れない。
仕方ないので、トイレブラシで粉砕して、流した。でも奥の方にいるのが見える。
まぁ、水に浸かってるし、いつかバラバラになって流れんだろ。と思い、ほっておくことにした。
しかし、いつものうんこは流れるが、バリウムうんこは流れない。毎度、限界の長さまでレバーをひねり、水を流し切って3日目、ようやく目の前から消えた。
私は思った。
もし、職場など毎日自分が滞在しているようなところでバリウムうんこをした場合、どうなっていただろうか。
私は職場の人に健康診断でバリウムを飲む話をしていた。奇妙な白い物体が流れないのを見て、診断を受けたことのない若者は騒ぐかもしれない。あいつのだよ、ってわかるではないか。おそろしい。
結論を述べる。
地方のブドウ農家さんが作ったお酒らしくてウェブサイトに生産者の顔写真付きで説明が書かれてる丁寧なやつ。
普通のお酒よりもちょっと高いんだけど、綺麗な紫色で香りも良くてしかもブドウが一粒浮いてる!オシャレ!
普段はビールか日本酒、ワインばっかりだから、たまには甘いのをと思ってこれにした。
すごく美味しくてアルコール度数が7%だからそこまで酔っ払うほどでもないけど夜中に本読みながらチビチビ飲んでたの。
たぶん2週間ぐらいかけて飲んでた。それで今日とうとう最後の150mlぐらいになって少し惜しい気持ちになりながらグラスについだら
ドロッドロのブドウの果肉が出てきたの!薄めのジャムか!っていうぐらい濃い液体が出てきたの!
瓶底にめちゃくちゃ果肉が溜まってたんだよね・・・。もしやと思ってラベル読んだら「成分が沈殿するからよく振ってお召し上がりください」だって・・・。
軽く振ったらずいぶん濁った酒であれだけ「うまいうまい」言って飲んでたのに実はお酒のポテンシャルを発揮できてなかったってことだよね。
あれが上澄みだったら沈殿物はどんなことになっているんだ…
心に余裕がなくなると「お前のようなクズは死んでしまえ」という声が聞こえくる。
私が社会的弱者だった当時は職場で「使えねー」「死ね」「生きてる価値がない」「同じこと二度言わせんな」と言われ続けてきた後遺症だ。
スキルがないクズには何をしてもいいというマッチョイズム、富を持たない者に人権を認めぬ資本主義、都合が悪すぎて存在しないものとして扱っている連中が目に映ること自体すらも忌み嫌う日本社会の構造そのものが、個々人の人格すらも支配して私を攻撃していた。
今でこそハラスメントに対する罰則の厳しさや、私自身の立場の向上により昔ほどは純粋な人権侵害を向けられることはなくなったが……それでもあの頃のトラウマが蘇ると、誰かの言った嫌味の中に「死ね」という言葉を見出してしまう。
そもそもをして今の世の中においてハラスメント対策が取られているのは、ハラスメントを行う者が最大の社会的弱者となるからであり、結局はルールが変わっただけで社会的弱者は強者によって攻撃されていいという不文律に変化は起きていないように見える。
弱者を攻撃した強者が明日の弱者にならないシチュエーションにおいては、変わることなく弱者は強者によって攻撃を受けているし、その正しさを誰も疑っていない(正論によるリンチ行為をはてなで見ない日があるだろうか?)
そんな世の中にいると、心の奥に沈殿させることが出来た「死ね」の言葉が消滅することは決してない。
いつまでも残り続ける。
ふとした拍子に心がかき回されると、かつて投げつけられた「死ね」が頭の中で暴れだす。
ソレに対してある種の防衛本能が機能することにより今度は私自身が「死ね」を撒き散らしてしまう。
飛んできた「死ね」を受け止め続けて死なないためには、自分も殺意によって武装する以外にない、そんな状況を人生において味わいすぎたのだ。
相手が強者であれば、それは単なる無謀な喧嘩で済むが、相手が弱者であったなら私が一方的に「死ね」をぶつけるだけでその場が終わりかねない。
死ね。
死んでしまえ。
終わらないループだ。
殺し合うしかねえ。
もうダメだ。
オレの心をどう修復すればいいんだ。
ふざけやがって。
殺してやる。
てめーらそこに並べ。
殺してやるよ!
俺が今から!
全員殺す!
死ね!
ふー……ふー……
あのゲームはなんつうかメチャクチャコンパイルハートっぽいんだよ。
ゲハ戦争モチーフにしてゲハオタクとかゲハブログとか元ネタにしたモンスターまで出てくる今どきのネットの沈殿物を固めて作った煮こごりに砂糖まぶしたようなあの作品だよ。
そこを意識して今回の手塚治虫ゲーを見ればなるほどこいつはゲーム会社の色がよく出てらぁと感心するもんさ。
原作へのリスペクトがちょっと足りてないとかキャラデザがお抱え絵師の手癖だけで描かれてるとかさ。
ストーリーもゲームとしても微妙そうで女の子の可愛さと微妙な性格の悪さから来る不快感をスパイスとして楽しめなきゃついてけなそうなオーラとか。
そういうの全部含めてコンパイルハートなんだよ。
天下の手塚治虫をパロディしてるゲームだって所にばかり注目して誰が作ったのかなんて全く考えてない意見の多さにはうんざりするね。
そして何より、そうやって上っ面だけ見てワーワー騒いで炎上させてバズらせた時点で「コンパイルハートのいつもの手口」に見事にはまってるのさ。
そうしてネット中から不快感情を向けられているのを見て、そういった胸糞ゲーが大好物の連中がこのゲームに期待を寄せていくんだ。
悲しいけどさ、君らは完全に掌の上で踊った形になるんだよ。
俺は悔しいね。
こんなクソゲーばかり作ってて名前を忘れられつつ有るような会社の事を知らなきゃ回避できないような罠が、その知名度の低さを利用して大いに成功している光景がさ。
これに対して「お前ら、コンパイルハートの名前をよく覚えておけ。コンパイルじゃねーぞ。全く別の会社なんだ」と啓蒙ごっこでも始めようものなら、いよいよアイツラにとっちゃ大成功さ。
全く……反吐が出やがる……。
それで何が問題なんだろうか。
いいや間違いなく問題があるのだ。
空気が淀んでいくんだ。
何故ならネットには自浄作用が全くと言っていいほどないからだ。
葛飾北斎は生涯で何十回と引っ越しを繰り返したというがそれは何故か、それは彼に掃除の才能がなかったからだろう。
そしてインターネットという空間もまた掃除をする才能がまったくないのだ。
出来るのは粛清だけだ。
空間に沈殿した意思が集まって出来た巨大な何か同士がぶつかりあって自分達以外を排除しようとしあう行為の果てにあるのは破滅だけだ。
新陳代謝を諦めて老朽化することを受け入れるだけになったコミュニティに未来はない。
そして実際に、未来が生まれえないままただひたすら同じことだけを繰り返すようになり、それに付き合いきれなくなった人間から順に朽ち果てていくのである。
そして今もそうした衰退は進んでいる。
濁りきったエネルギーが渦を巻いて自分達以外の全てを弾き出そうと動き出している。
実際、Twitterは明らかに変化を拒絶するようになっている。
最初期と違い変化を受け入れる余裕を失いきっている。
そしてそれぞれが接点を失い始めている。
だが新天地がどこにもない。
気づけば次々と新天地が生まれていた時代のインターネットは何処に行ったのか。
この世界にはもう新しいサービスが生まれないんじゃなかろうか。
いいや試しに手を動かしてみよう「インターネット サービス」でグーグル先生に相談だ。
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クソッ!俺を舐めやがって!