はてなキーワード: 桜ノ宮とは
新型コロナウイルス感染症が猛威を奮っているさなかではあるけれど、これまでの人生で屈指の贅沢体験をしたので書いてみます。
まず、宝塚歌劇団雪組トップスター、望海風斗さんをご存知でしょうか。
妻がドはまりしている宝塚のなかでももっとも気に入っているスターのひとりでいま最もチケットがとれないと言われているスターです。その望海風斗さんの退団公演が今年の1月1日(正月!)からはじまっているのですが、退団公演ということもあって、ファンクラブに入会している方でもチケットをとるのに難儀しているそうです。妻もチケットをとろうとさまざまな経路で応募したり模索したなかで唯一、だめもとで応募していた旅行会社の宿泊プランとセットが2席分とれたというところから今回のはなしがはじまります。
うちには0歳児がいるので最初は自分が家で面倒をみて友達と行くのだとばかり思っていたけれどチャイルドルームに預けられるからということで一緒に行くことにしました。自分よりも強く観たいと思っているファンにも取れない人がいると思うと申し訳なさを感じつつも当代随一のスターの舞台を観る最初で最後のチャンスという思いです。
自分は大劇場は観劇するのは初めてですが(観劇する妻に同行してロビーで本を読んで時間をつぶしたことはある)、よくよく聞いてみるとこれがなんとSS席でかつ、セットになっている宿泊というのも帝国ホテル大阪。
帝国ホテルといえば、日本でもっとも格式の高いホテルのひとつ。一度、東京で間に合わせで日比谷の帝国ホテルのロビーにいたときはその異常な空間ぷりその場にいる人間の立ち居振る舞いから階層の違いを実感したのを憶えています
ちなみに、大阪帝国ホテルはまったく別で道頓堀そばのビジネスホテルなのでご注意ください。大阪帝国とは・・・。
そんなこんなで観た雪組公演「fff フォルティッシッシモ」はなかなかよい作品でした。
ストーリーは、音楽家ベートーヴェンは失恋や孤独、失聴に苦しみつつも、なぜ交響曲9番歓喜をつくることができたのか、というもの。そんなに構えずに観に行ったんだけれど、とてもよい人間賛歌でした。ネタバレになるので詳しくは書かないけれど、これは演劇でしか表現できないだろうという仕掛けがいくつかあっておもしろい。あるシーンでの2人のセリフは、Linuxをつくり世界を変えたリーナス・トーバルズの「それがぼくには楽しかったから」を彷彿とさせました。
シルクロードをテーマとしたレビュー(宝塚では、ストーリーの演目と合わせてストーリーがほぼないレビューと呼ばれるショーが上演されるのが定番なのです)は音楽提供を菅野よう子がつとめなかなか見ごたえ聞きごたえがある。これは、チャイナドレスのシーンがインパクトがあってすごかったのとグレーのサテン地の変わったスーツがかっこよかった。
そしてSS席ということで席が前から一桁列目。めちゃめちゃ近い。出演者をほんと間近にみることができてDVDでは気付けなかった衣擦れ音や舞台後方でのざわめき、スポットライトにゆれるミスト、また月並みだけれど息遣いまでも感じることができました。銀橋(という観客席に一番近い細い舞台)を通る出演者のライトを受けてきらめく装飾の細かさや顔の小ささなど、観劇に際して得る情報量がDVDとは桁違いです。ただ、近すぎるからか音響の問題か、声が逆に聞き取りにくいシーンもありましたが。
あと、近くのSS席の観客が何度か同じタイミングでサッとオペラグラスをとりだしたり、拍手タイミングがわからなかったり、幕間に泣いている方がいらっしゃたりと普通じゃない感がありました。
緊急事態宣言下でどうなるかはわかりませんが本公演については2月8日(月)に楽天TVでLIVE配信があるので興味があればご覧ください。
https://tv.rakuten.co.jp/content/366230/
そんな観劇中、我が子は4時間4千円で預かってもらったチャイルドルームにて機嫌よく過ごしていたとのことで安心。駐車場からも劇場からも近くたいへん便利です。しゅっとピックアップして、桜ノ宮の帝国ホテル大阪へ。
観劇後の夕食については0歳児がいる上に、新型コロナウイルスもあって外には食べに行けないので悩んだのですが、せっかく帝国ホテルに行くということとSS席で気も大きくなっているところ張り込みました。
ホテルには前首相の桜の会で話題になったあの久兵衛があるので握りをテイクアウトして部屋で食べようかと思ったのですが、参照していたネット上のメニューが古く握りの持ち帰りはしていないとのこと、さらに、一つしかない個室があいているとのことでここを予約。個室は最低でも16,500円(サービス料別)の握りのコースからということでしたが子がこれから動き回るようになると行けるお店も相当に限られるだろうことから自分を納得させて決行。
これは最高でした・・・。四畳半ほどの掘り炬燵で子がいても気にせず食べることができました。
特に、見た目も美しいさより、吸いつくようなすみいか、未知の味がした寒ブリ、直球のうに、味がする甘鯛(?)、ほっとするような煮はまぐり、異様な旨さのある大トロの炙り、謎のねっとりとした半生のえび、端正なカツオ、箸休めのダイコン、塩味の穴子もたれの穴子も充実。かっぱ巻きと鉄火巻もよい。
大阪府の要請で21時閉店とのことでややせわしなかったのですが、濃い時間でした。。ビールも日本酒もよい。
うっかり持ち帰りの太巻も頼んでしまってお会計は45000円を越えてしまいました。2人で食べに行ってのぶっちぎりの新記録です(次点は入籍した日に訪れたイタリアンで9000円のコースを頼んだものの妻がワインを飲みまくって3.3万円となった日でしたがこれは3-4時間くらいいたので時間別では圧倒的)。
さらに最後までお店にいたことで板前さんに家族写真も撮っていただけました。
ここの撮影の合図はめちゃめちゃ笑えます。久兵衛経験者の一部しか知らないだろうので心の中にしまっておきます。
そして泊まった帝国ホテル。チェックインして部屋に荷物をおいてすぐ久兵衛にいったのでよくみれなかったけれど、部屋もよいしフロントの方の対応もさりげなく素敵で気持ち良い。
頼んでいたベビーベッドもテレビの前に鎮座されているし布団もしっかりしていてよい。
お風呂も熱くて広くてよかった。妻は買ってきたビールを4缶ほどあけてご機嫌。
自分は泊まるところどこでもよいと思っていたけれど、ハイブランドなホテルはちょっと違う。分不相応感の居心地の悪さはありますが。
ちなみに、ホテルの案内で知ったけれど、ルームサービスでコース料理5,600円、久兵衛のにぎりも7,300円からあるので(それぞれサービス料が+10%)、なにかハレの日にコロナの影響を避けて非日常を過ごすのによいかもしれません。
朝食は11時まで、事前にお願いすれば部屋に運んでもらうことも可能だったけれど、混んでそうな時間をさけて10時半ごろにいきました。ゆっくりできて便利。オムレツが火入れも完璧なうえにケチャップが別添えなのが高得点です。ただ、パンとコーヒーは凡庸な印象。あとあと、すらっとしたカトラリーがよかったので調べると燕市のトーダイさんとのこと。チェックアウトも12時だったのでゆっくり過ごせました。
宝塚と帝国ホテルのセット券は妻のポケットマネーから支出されており、金額は教えてもらえていませんが24時間で異常な額のお金を使ってしまいました。ただ、充実した時間でした。新型コロナウイルス感染症と戦っている医療現場、行政のみなさま、経営や生活に大きな影響を受けている観光や小売りや関係産業の方々には悪いと思いつつの消費です。これが今年の贅沢納めかもしれません。しかし寿司がうまかった・・・。
個性豊かなキャラクター達と,喫茶スティーノで繰り広げられるドタバタ喫茶店コメディ。
ブレンド・Sは安定と安寧を求めるきらら難民達の次の安息の地となるかに思われた。
目つきの悪さに悩む少女,桜ノ宮苺香はひょんなことから金髪の外国人ディーノと出会う。
海外留学を目指しバイトを探していた苺香は,彼の経営する喫茶スティーノで雇ってもらうことになる。
しかし喫茶スティーノはツンデレ,妹など「属性」を演じて男性客相手に接客するコスプレ喫茶だった。
ディーノに一目惚れされた苺香は,彼のリクエストでドSキャラを演じながら働くことになる。
大多数のきらら難民は男キャラディーノの存在に戸惑いを隠せなかったことだろう。
きらら作品という絶対不可侵の領域に男キャラが登場し,主人公に一目惚れする。
あまつさえそうしたキャラに主人公が淡い恋愛感情を抱き,あろうことか,第一話のラストでは彼の頬にキスをする。
男キャラの存在は恋愛耐性のないきらら難民に恐怖を植え付けた。
もしもごちうさやきんモザのようなきらら世界に男が現れたら,というシミュレーションに他ならない。
こうした思考実験は今までも心無い一部の過激派により同人活動を通じて行われてきた。
個人の妄想であり,本来のきらら世界に影響を及ぼすことはない。
しかしブレンド・Sの世界においてはそれこそが現実であり,そんな世界がプロのクリエイター達によって緻密に描かれる。
アニメーションがハイクオリティであるがゆえにシミュレーションとしての精度は増し,我々の精神世界にリアルなきらら世界のパラレルワールドを形成する。
パラレルワールドの存在は逃れられない呪いとなって,永遠に我々を苦しめる。
「好みに合わないなら視聴を止めればいい」あなたはそう言うかも知れない。
確かに,アニメーションで描かれる世界観の好みは通常その人にとっての作品に対する評価のみにつながる。
ブレンド・Sの衝撃は自作品世界のみならず,きらら世界全体に深刻なダメージを与えた。
過去,現在,未来。ブレンド・Sの存在はすべてのきらら作品に対する疑心暗鬼と信用不安をもたらす。
もしもラビットハウスにココアたちと同世代の男キャラが入店したら。
もしもイーグルジャンプのキャラ班にやり手の男キャラが新卒入社したら。
もしも情報処理部に。もしも棗屋に。もしも。もしも。
ブレンド・Sの登場は我々の精神世界におけるきらら崇拝の消滅を意味する。