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2014-11-12

アメリカ大学統計教科書日本人イルカ食の健康リスク問題

アメリカ生活していて、クジライルカ漁について「The Cove見たよ!」などと時々聞かれることがあるのですが、

大学で受講している統計の授業の教科書http://www.amazon.com/dp/1478217200

の例題 (p.226) で、太地町イルカ漁についてやや唐突に取り上げられているのを見つけてしまい、

いろいろ疑問がでてきてしまったので備忘録代わりにメモしておきたいと思います


教科書記述をざっくりまとめると、


* イルカ食物連鎖の頂点にいるので、水銀などの濃縮現象がおきます

* 特にこれは、とき学校給食イルカ提供している日本問題になります

* 19のハナクジラ筋肉サンプルに含まれ水銀量を調査したところ、ハナクジラには、

95%のconfidence intervalにおいて平均3.29-5.51µg/wg (wet gram)の水銀が含まれている、

という結果になりました。

* その日本は0.4µg/wgを規制値にしています


ということが書いてあって、これってアメリカ人から見たら、日本が①イルカを食べているだけでなく、

水銀含有量の多いイルカ給食に出している、③規制をしているにも関わらずそれに反する

イルカ給食に出している、というおかしなことになってしまう?と思いちょっと調べてみたのですが、


どうやら、


* 太地町では給食イルカ肉が提供されていたこともあるが、現在は行われていない

* 追い込み漁が行われている太地町人口日本人口の0.0024%であり (3000/127,000,000)、

  日本全国で漁や給食での提供が行われている(た)かのような記述は誤り

* 日本人は約10000年前からイルカ漁をおこなってきた。捕鯨イルカ含む)は日本古来から文化である

* 太地町で主にとられているのはスジイルカである(例題で扱われているのはハナクジラ統計


ということは言えそうな感じがするのですが、調べているうちにちょっとよくわからなくなってきました


まず、0.4g という例題にあった”政府基準”なのですが、どうやらこちらの魚介類

暫定的規制値(昭和48年厚生省(当時)環境衛生局長通達)←かなり古い

http://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/gyokai/g_kenko/busitu/02g_kanri_soti.html

意味しているようで、そこには、総水銀の暫定規制値として0.4µg/gが記載されており

例外としてクロマグロ等の記載はあるものの、クジライルカについての文言はない)、

また「暫定規制値を超える魚を流通させないよう効果的に運用」という文言がありました

(疑問1:この通達がまだ活きているか不明pdf: http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/hyouka/files/report12.pdf )、



一方、愛知県HP によれば、バンドウイルカゴンドウイルカについて、

厚生労働省水銀に関する基準の0.4µg/g をかなりオーバーする20.8 やら7.1やらという数字が並んでいて、

* イルカ等の水銀含有量(http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/3f/gyo_hg2.html



水銀に関する健康基準について言えば、WHO基準で 1.6 µg/kg体重/ weekということのようなので

 (http://jccu.coop/food-safety/qa/qa02_02.html )、体重50kgの人でざっくり 330 µg/month

ということになるところ、 愛知県の先の統計によれば、1ヶ月あたりざっくりバンドウイルカ16.5gまで、

教科書にあるハナゴンドウであれば 60gまではok、という計算になりそうです。

(16.5g/月って、ほぼダメなんじゃ、、)


気になるのが、水銀含有量 0.4µg/g までという当時の厚生省の暫定基準が活きているとすれば、

たとえばバンドウイルカ20.8µg/g という高めの数字が出ているところ、

市場に回っているとすれば(疑問2:実際にイルカ市場にどれくらい出回っているのか)

それは規制との関係でどういうタテツケになっているのか(疑問3)ということ。




そんなことを思っていたら、日本生協連のページにて、クジライルカについては、

表示があまりちゃんとされていないので心配です、みたいなことが書いてあって、

数字を見るに結構割合でちゃんと表示がされてないようなのですが

(どうやって調べているのか分かりませんが、イルカの種類によっては100%不適正な鯨種表示だったりします)、

そんな感じで大丈夫なんでしょうか(疑問4)という更なる疑問がうまれてきてしまいました。


* 不正表示比率について(http://jccu.coop/food-safety/qa/qa02_02.html


漁については日本政府見解のとおり(http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b186038.htm

だと思いますし、食用にすることについても授業で扱わなければ正直調べてみることもなかったと思うのですが、

ごく一部の港でしか水揚げされてないみたいだし流通限定的なので、食べるなら自己責任でどうぞ、

という判断なのか、規制ってどうあるべきなんだろうなぁ、と、授業の合間にふと思ったのでした。

 
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