はてなキーワード: 政府支出とは
ガースー政権がコロナによる経済的損失の補償をケチっていることは有名だろう
諸外国と比較した場合にも、支出の大部分は安倍政権により決定されたものであり、
ガースー政権が経済対策用の支出として認めた予算額は非常に少ない
(しかもその大部分を直接的な補償でなく産業構造転換ための費用としている)
さてさて、ではガースー政権はどのような意図を持ってこんなに補償をケチっているのだろうか?
表向きは支出を拡大しすぎると税収で賄いきれず、将来的には国民の負担になるためであるが、これはウソである。
理由その1は、現時点で失業者が発生した場合、その失業者たちは税金を収めなくなるので、将来的に税収が低下する。
そのため、現時点での政府支出の削減分は将来の一人当たり税負担の増大となるため、補償をケチっても国民の将来の税負担が軽減されるとは限らない。
理由その2は、政府は支出の全てを税金で賄う必要がないからである。この辺の話は承知している人も多いと思われる。
MMTと呼んでも構わないが、別にMMTでなく標準的な経済学の範疇で充分に説明できる。
政府は高級官僚がこの辺の理屈がわかっていないのかというと、俺はわかっていると思っている
わかっていて、別の意図のためにあえて、国民の誤解を利用して強弁しているのだろう。
おそらく財務省が産業構造の転換を狙っている。中小自営業者をさっさと潰したいのだろう
日本では中小企業支援の観点から税制上、中小自営業者は非常に優遇されており、
個々の自営業者も節税ノウハウをたくさん身につけているため、非常に税金面で補足しづらい。
そこで中小事業者をこの機会に一掃してしまい、大手企業やパソナのような派遣会社に転職させてしまおうという魂胆であろう
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00 | 161 | 16005 | 99.4 | 45 |
01 | 237 | 21890 | 92.4 | 35 |
02 | 107 | 7282 | 68.1 | 30 |
03 | 49 | 7456 | 152.2 | 51 |
04 | 44 | 6707 | 152.4 | 81.5 |
05 | 19 | 3265 | 171.8 | 93 |
06 | 7 | 535 | 76.4 | 16 |
07 | 32 | 1102 | 34.4 | 21 |
08 | 19 | 2198 | 115.7 | 24 |
09 | 91 | 7410 | 81.4 | 35 |
10 | 101 | 6479 | 64.1 | 44 |
11 | 108 | 7515 | 69.6 | 38 |
12 | 167 | 12920 | 77.4 | 32 |
13 | 167 | 14305 | 85.7 | 35 |
14 | 110 | 14300 | 130.0 | 46.5 |
15 | 124 | 20649 | 166.5 | 34.5 |
16 | 97 | 9435 | 97.3 | 36 |
17 | 96 | 14783 | 154.0 | 36 |
18 | 185 | 12420 | 67.1 | 35 |
19 | 170 | 14166 | 83.3 | 30 |
20 | 153 | 8677 | 56.7 | 32 |
21 | 173 | 22579 | 130.5 | 57 |
22 | 201 | 17112 | 85.1 | 50 |
23 | 192 | 18244 | 95.0 | 44.5 |
1日 | 2810 | 267434 | 95.2 | 37 |
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財政破綻は自国通貨の問題じゃなくて、経常赤字からの外貨借金の問題。
最終的には企業が家計の貯蓄近く資金調達して設備研究投資をしている状態に導けば財政均衡に近くなる。
むしろ、政府緊縮で基礎萌芽研究をしないことと、企業が金を貯め込んで設備研究投資をしない状況を作ったほうが、産業が弱まって経常赤字化し、財政破綻する。現に今日本は貿易赤字をちらほら出すぐらいにまで産業は劣化している。
使ったら減税貯め込んだら増税で、企業が設備研究投資して、資金不足に回ってから、徐々に政府支出を減らしていくべきだった。(一部修正)
資金の需要(資金調達しての支出、資金不足)と供給(貯蓄、資金余剰)は一致する。
家計、企業がともに資金余剰で、政府が中立=財政均衡はありえない。
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00 | 98 | 17436 | 177.9 | 42 |
01 | 116 | 7681 | 66.2 | 40 |
02 | 65 | 8644 | 133.0 | 55 |
03 | 26 | 7524 | 289.4 | 55.5 |
04 | 18 | 1873 | 104.1 | 79.5 |
05 | 8 | 1231 | 153.9 | 62.5 |
06 | 24 | 6080 | 253.3 | 88.5 |
07 | 27 | 6837 | 253.2 | 55 |
08 | 34 | 6085 | 179.0 | 71 |
09 | 77 | 10677 | 138.7 | 45 |
10 | 87 | 6741 | 77.5 | 50 |
11 | 149 | 14401 | 96.7 | 43 |
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13 | 121 | 11178 | 92.4 | 42 |
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19 | 122 | 13688 | 112.2 | 41 |
20 | 151 | 13379 | 88.6 | 53 |
21 | 126 | 9129 | 72.5 | 35 |
22 | 142 | 9969 | 70.2 | 32 |
23 | 137 | 9779 | 71.4 | 40 |
1日 | 2297 | 226394 | 98.6 | 40 |
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いやいや、どう考えてもケチってるぞ
まずGDPギャップ40兆円という試算に対して、政府支出は真水で20兆円ほどだからな、半額しか出してない
流石に支出0かマイナスは今の状況では不可能だが、それでもなんとか支出を絞りたい意図は明白
アメリカなら80兆円出すか100兆円出すかで与野党がケンカしてる場面
携帯会社が独占企業により談合カルテルのクソ業界であることは俺も認める
しかし、菅が民間企業に圧力をかけて料金を下げさせることにご執心している姿はクソだ
そもそも、抜本的な問題の捉え方は、携帯料金が高すぎることでなく、
日本人の給与が上がらないこと、可処分所得に至っては下がっていることである
日本人の給与が平均的に向上していけば、携帯料金なんて些末な話だったのではないか?
(まあそれに合わせて値上げということもありうるが、そもそもの話は変わらない)
政府が民間企業に圧力かけて価格統制を行うというのは、計画経済じゃあるまいし、違うと思う
バタバタと企業が倒産が増え、失業率も高くなってきているので、本当に有効な経済対策があるのかが知りたい。
地域振興を配っても日常的に使う消費金額以上にできないと意味がない。
数割しか消費されないのだったら、それを見越してお金を配るのもありなのか?
前回の給付金だと、そのまま車の税金に取られたとか、そういう話が多く聞かれ、+αでの消費にあまりつながっていなかったように思う。
政府支出は日本のどこかにあるので、めぐりめぐって効果がある、と言われるのだが、海外に流れていないのかという疑問がある。
使い道がないからS&P500につぎ込んでおくか、といった具合だ。
前回の給付金で、それなりにお金が流れたはずだが、どこに流れていったのか。
一部は銀行の口座に残っているのだろうが、銀行はそこからどこにお金を流していったのか。
株価が上がっているので一部流れ込んでいるのだろうなと想像はできるのだが、経済対策としてはダメだろう。
元増田です。
株というよりは、債務、やはり借金は借金です。法律上は返済義務があります。話題のMMTがどう考えているのか、元増田はMMTの教科書を読んだことがないので理解していないのですが、マーケットや財政状況を無視して、いくらでも借金してよいとは考えていません。1982年のメキシコ、1987年のブラジル、1998年のロシア、2001年、2014年のアルゼンチン、2008年のエクアドル、2015年のギリシャなど、借金が返せずに国がひどいことになった例は歴史上いくつかあります。
ただ、企業でも少しの借金で倒産する会社もあれば、たくさん借金していても好調な会社があります。例えばアップルは有利子負債がとても多い会社ですが、だからと言ってアップルの経営について、債務残高が高いから危険だ、あんな会社に融資はできないとは誰も思っていませんよね。アップルの株はこの数年ですごく上がっていますし、アップルの社債の金利は極めて低いままです。それはアップルはiPhoneという安定的なキャッシュフローを供給してくれるビジネスがあるから、返済されないリスクはほとんどない、借り換えも利払いも問題ないと投資家が判断しているからです。国債の場合、国内で消化されていればますますです。償還されてもそれは国内に戻るからです。その際に民間に資金需要が旺盛ならば、償還を受けた投資家は国に貸してくれないかも知れませんが、そのような状況とはすなわち景気がよいということですから、国は税収で経費を賄うことができます。国債が政府機関、例えば中央銀行が保有していればさらに償還には問題ありません。なぜなら政府が支払った分はそのまま政府に戻ってくるからです。日本国債はほとんど国内で保有され、半分近くは日銀が保有しています。
企業の営業利益は、国でいえば一定期間の付加価値、GDPがそれに相当します。GDPをすべて債務の返済に充てることができないのと同じく、借金も全額直ちに返済しなければならないものではないので、対GDP比で注目すべきは、債務残高ではなく、GDPの増え方に対する利払い、もっと言うと政府機関―典型は中央銀行-保有分を除いた利払いなのです(これは元増田のオリジナルではなくて標準的なマクロ経済学の教科書の教えるところです。)。GDPが増える以上に利払いが上昇していなければ、マーケットは発行体の支払いは問題ないと判断し、残高が多くても借り換えに際しても問題が生じず、金利の上昇もないのです。逆に残高がゼロでも利払いがGDPの増え方と比較して増加していれば、持続性に問題が生じます。だから、元増田で書いたとおり、順調に借り換えができているものを無理にゼロにする必要はないし、その条件で貸してくれる人がいるのに期間に上限を決める必要はないし、毎年の予算に借り換え分を計上すると、かえって予算にとって何が負担になっているのかが正確にわからなくなるのです。ちなみに解散価値(国が解散したら大変ですが)、資産、すなわちストックで見ても問題ありません。日本は世界最大の債権大国です。
日本国債の利払い負担は現在9兆円弱、これはGDPが350兆円程度であった昭和50年代末-60年ごろと同じです。現在のGDPは560兆円。350万円の年収で年間9万円の利子を払うのに比べれば、560万円の年収で年間9万円を返済する(しかもうち4万円程度はそのまま収入になる)方が負担が軽いのは自明ですから、すべてのマスコミが日本は借金で沈没すると騒いでも、これまで借り換えに支障が生じたことは全くありませんし、金利も低下しています。債務の負担は今、著しく低いのです。
ご参考になれば。少々口の悪い人ですが
what's more, since the debt to GDP gang never look at the implicit debt created by government-granted patent and copyright monopolies, they are measuring nothing. Give them only ridicule, that is what they deserve
https://twitter.com/DeanBaker13/status/1232786049279021057
債務の持続可能性は名目成長率と利子率の関係を探ることによってあきらかになるとされています。
財政赤字が政府債務を増大させることは、必然でありあきらかなことのように思えます。しかしながら、この法則にはひとつの例外があります。Fed(連邦準備制度)が政府支出によってファイナンスされる拡張的財政政策を、発行された政府債券を購入することによって調和するときがそれです。Fedによって保有されている政府債務が増大しても、家計、非金融法人、民間企業、外国人によって保有される政府債務は増大しないということです 。このチャプターのもっとも重要なレッスンは、政府債務を購入するFedの能力が、そういう政策を取らなかった場合に取り逃したであろう、財政政策における行動範囲を提供する、ということです。
…アメリカ合衆国かどこかの国の財政赤字(deficit)が多すぎるか否か、私たちはどのように判断することができるでしょうか。問題にすべきは赤字がゼロかどうかではなく、むしろ、未払いの名目公的債務(D)の名目GDP(PY)に対する割合の安定性の基準がどうあるべきか、ということです。連邦政府の赤字は巨額になり得ますが、D/PYレシオは債務の増加にも関わらず安定的に保つことが可能です。
名目財政赤字は債務の変化(△D)に等しくなります。では、財政赤字はどこまで大きくなり、かつ債務対GDP比、D/PYは安定を保つことができるでしょうか? 債務対GDP比の増加率がゼロであり続ける限り、安定的であり続けるでしょう。
それゆえ、私たちのタスクは、いかなる額の財政赤字が債務対GDP比の増加率をゼロにするか、決定することです。私たちは、債務対GDP比(D/PY)の増加率が、債務の増加率(d)とGDP名目成長率(p+y)の差である点に留意することから始めます。
D/PY増加率=d-(p+y) (6)
債務対GDP比の安定のためには、私たちは債務の増加率と名目GDP成長率(p+y)を等しくする必要があります。
d=p+y (7)
もし私たちが等式の両辺(7)を債務(D)の拡大により増加させた場合、私たちは許容可能な赤字(すなわち追加される債務)を獲得することになります。その分の赤字を増やしても、債務の対名目GDP比はコンスタントに保たれているのです。
dD=(p+y)D (0.05)(9,000billionドル)=450billionドル (8)
このシンプルに表現された(8)は、驚くべき結論を導き出します。債務対GDP比は、もし赤字が未払いの債務にGDP名目成長率をかけたものと等しければ、一定に保たれるのです。数値をいれた例によると、連邦政府の2010年末時点の純債務は約9兆円でした。もしもGDPの名目成長率を5%と仮定すると、許容可能な赤字は4,500億ドルです。現在の財政赤字は2009年-2010年よりもはるかに大きな額ですが、それは債務対GDP比がこの期間に急速に増大したのかをあきらかにしています。
2008年から2010年、さらにその後の債務対GDP比の急上昇は、政治家と評論家の間で、オバマ政権が2009年から2010年に実施した初期の財政刺激プログラムを超えてさらなる財政出動をすることの実現可能性をめぐって、大論争を引き起こしました。"財政タカ派"は公的純債務(debt)の対GDP比の急上昇を指摘し、債務対GDP比の爆発を避けるために財政赤字(deficit)は削減しなければならないと主張しました。"財政ハト派"は高い失業率と弱い需要のもとではさらなる財政刺激が必要とされていると反論しました。実際のところ、金融政策の効果が弱体化した状況では、財政政策は唯一残されたツールだったのです。
財政赤字は2つのパートに分類することができます。基礎的赤字と未払いの純公的債務に対する利払いです。順番に、基礎的赤字は税収からtransfer paymentと利払い以外の政府支出を控除したものと等しくなります。2010年における多額の財政赤字は、多額の基礎的赤字と多額の純債務に対する利払いの合計によるものです。
しかしながら、債務がゼロと仮定しても、利払いの負担は、債務支払い可能なための条件(solvency condition)を満たさなければ、歯止めの利かない純債務対GDP比の上昇を引き起こすのです。この条件について、政府は、名目成長率(p+y)が現在の名目利子率に等しいかそれを上まわっていれば、政府証券を発行することにより、永久的に、債務対GDP比を上昇させることなく、利払いの請求を満たすことができる、と定義することができます。2010年末の純債務(net debt)が大まかに9兆ドル、という上記の例に戻りましょう。政府は等式(8)で示されているとおり、債務対GDP比を増加させることなく4500億ドルの赤字を出すことができます。その赤字のうちから、財務省証券の利払いのためにいくら支払わなければならないのでしょうか?もし利子率が5%で、等式で仮定された名目成長率と等しいとすれば、純債務に対する利払いは0.05×9兆ドル、すなわち4500億ドルです。このとおり、政府は利払いコストの全部を、4500億ドルの財務省証券を新たに発行することにより、債務対GDP比を増大させることなく、基礎的財政赤字をゼロとしたまま、支払うことができるのです。
Gordon, Robert J. "Macroeconomics: Twelfth Edition" (April 18, 2011) 、Chapter6 The Government Budget, the Government Debt, and the Limitations of Fiscal Policy
"国債返済を「予算外」一時検討 会計分け単年度収支明瞭に/さらに財政規律ゆるむ懸念 財務省" 朝日新聞 2020年2月18日 5時00分
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14369120.html
財務省が、国の財政制度の抜本見直しを一時検討していたことがわかった。財政の現状と健全化の進み具合を一般会計予算上で見えやすくし、健全化目標の達成を促すためとされる。ただ、具体策としてあがった国の借金となる赤字国債の返済ルールの見直しなどに対し、逆に規律がさらに緩みかねないとの慎重な声も省内で強かった模様だ。
日本は「60年償還ルール」があるので、財政赤字であっても国債を最長60年で償還する必要があります。公債については発行、償還とも予算に計上され、借換債を発行する場合も一般会計からの償還費の繰入れにより財源を確保しなければなりません。だから諸外国で実行ないし検討されている100年債等の超長期債の発行もできないし、毎年の予算に国債の利払費のみならず償還費も計上されます。その結果、日本の予算の国債依存度は高くなり、それが財政が危機的だという論拠とされ、マスコミの全部、政党もほぼすべてが財政再建の必要性を強調するという現在の状況を作っています。
しかしながら、このようなルールを採用しているのは、先進国-私が確実に言えるのは、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア-では日本だけです。ドイツを除く各国では予算に計上されるのは利払いだけで、公債の発行、償還とも予算には計上されません。またドイツも含め償還のルールはありません。財政黒字になれば償還しますが、そうでなければ国債を発行する。それだけです。したがって債務残高は維持されたまま継続的に借り換えされます。例によって「財政規律」を心配する朝日新聞は、「過去の債務が特別会計で『塩漬け』になり、見えにくくなることも懸念材料だ。」などという識者の声を紹介していますが、過去の債務は「塩漬け」にするのが普通なのです。なおドイツは憲法で原則財政均衡を義務付けていますが、それを可能にする特殊なマクロ経済環境については省略します。
政府債務が発生すれば同額の民間の債権(債券)が発生し、さらに国内で消化されていれば償還時に国の資産の国外流失も起きず、あらたに国債を発行して調達することに何の問題もないのですから、日本以外の国がそのような処理をしているのは極めて合理的です。それを残高ゼロにしようとすると、財政支出は縮小し、国債の一部を中央銀行が保有していれば流動性も縮小することになります。要するに、国の借金を減らすのと引き換えに、ISカーブとLMカーブを同時に左に引っ張って、わざわざ不景気にすることを義務付けているのがこのルールで、当然のことながらわが国もそれを守ることができず、ほぼ毎年赤字国債を発行しているので、日本の財政は悪く見え、プライマリーバランスを達成しないと国がひっくり返るなどという議論が横行しているのです。日本の識者はなぜ借金だらけなのに金利が上がらないのか、変だ変だと連発しますが、マーケットが変なのではなくて、ルールが変なのです。
諸外国と同様のルールで計算すれば予算に占める国債関連費は10%程度で(8.8兆円÷86.8兆円)、先日、The Wall Street Journalも指摘したとおり、日銀保有分をオフセットした純利払いの負担はGDPの1%未満で-日銀は剰余金のうち準備金と出資者に対する配当以外はすべて国庫に納付しなければならず、それは一般会計の歳入になります。Fedも財務省に戻していますし、これはどこの国の中央銀行も同じです。通貨発行権を認められた組織ですから当然です。だから利払いの対GDP比を計算する場合はその部分はオフセットすべきです。-これは先進国最低レベルです。どうです?がっつり財政出動しても問題ないって思えるでしょ?
消費税増税と新型コロナウイルスで経済が急速に縮小しています。観光業、飲食店、ホテル、派遣社員、みんなこのままでは首をくくることになるのでは、と思い詰めるほど困っています。他方、政府の資金調達コストは10年債でマイナス0.155%、30年債でも0.3%以下です。今、投資家は金を払って政府に長期資金を貸し付けているのです。こんなおかしなルールはさっさと変更して、がっつり財政出動をしなさい。こんな時にお金を借りて民に配らない政府なんて、存在意義がありませんよ!
(追記)
"いつもだったら無条件で賛成するんだけど、今回は中国との貿易に支障が出ていて、供給不足が生じうるんじゃないかというのが怖い"
https://b.hatena.ne.jp/entry/4682193618112679330/comment/allezvous
一理ある指摘です。私もサプライチェーンの破壊による供給不足が、これまでの日本経済の苦境=需要不足とは違った側面をもたらしうる、政府支出が潜在GDPを超えたところでなお作用し、民間投資を押し出す、悪い物価上昇をもたらす可能性は微かに意識しています。東日本大震災で生産設備が壊滅したときも需給ギャップはマイナスのままだったので可能性は極めて低いとは思いますが。いずれにせよ支出の規模と内容は(例えばパソコンを買って生徒に配るなんていうのは、教育的な意義はともかく経済政策としては悪手でしょう)、状況を見て、と言うことになります。
"れいわ新選組と立憲民主党 どちらが正しいか (自民党とどちらが正しいかも追記しました) " https://anond.hatelabo.jp/20190622204530
"金融政策はこれからもマクロ経済の安定化ツールであり続けることができるのか サマーズとクルーグマンのツイートより" https://anond.hatelabo.jp/20190824134241
"国土強靱化いつやるの?今でしょう!" https://anond.hatelabo.jp/20191014111057
"お金が余ると財政健全化できない?そんなバカなことあるか!...あるんです " https://anond.hatelabo.jp/20191111070842
"長期停滞下の経済政策" https://anond.hatelabo.jp/20191208114156
"財務省さん、5年前にはなんて言ってたっけ? " https://anond.hatelabo.jp/20191213120042
サマーズ氏はこれまで唱えた仮説を学術論文で補強するなどしているが、主張の大筋は変わらない。第1に先進国では需要が構造的に不足しており、ケインズ的な景気循環への対応では不十分だ。第2に金融政策の効果は日本や欧州の例をみても特に小さく、これは経済の需給にとって中立な「自然利子率」そのものが急低下しているためと推測される。追加の金融緩和余地も小さく、金融の仲介機能を妨げるので、経済にとってもむしろマイナスかもしれない。その一方で、第3に財政政策は成長率の押し上げに効果を発揮してきた。低金利を生かして支出を拡大すべきであり、環境関連投資の拡大や、企業の設備投資を促す施策が有効だ――。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51594960Q9A031C1I00000/
最近日本経済新聞でラリー・サマーズの長期停滞論が何度か取り上げられています。これも文字で読むよりはISカーブを使うと分かりやすいと思います。みなさん、お手元の紙の縦軸にrを、横軸にYをとって、右下がりのISカーブを描いてください。横軸の適当な場所にY1を取って、上に向かって伸ばしてください。ISカーブと交差する箇所から左に向かって線をひいて縦軸とぶつかる場所にr1と書いてください。Y1が潜在GDP、r1が自然利子率です。縦軸のr1の上の適当なところに点をとって0(ゼロ)と書いてください。ISカーブや潜在GDPの説明は省きます。
現実の財市場はISカーブで示されますが、これが潜在GDP(Y1)と一致する水準が"自然利子率"(r1)です。サマーズのいう「長期停滞(Secular Stagnation)」とはr1<0の状態をいいます
総需要(=C+I+G+NX)<潜在GDPの場合(これを放置するとデフレが進行しリストラが始まります)、利子率(r)を低下させて投資(I)を増やせば総需要も増えて総需要=潜在GDPとなりますが、0>r1の場合は、金融緩和をやり尽くして現実の利子率をr1にしたら、もう金融政策はすることがなくなります
Y=C+I+G+NX<Y1で、Iを増やせないとしたら、方法は3つしかありません。
ドイツのようにNX(純輸出)を増やす。もっともこれがいくらでもできるのはドイツのように為替レートや貿易障壁など交易条件が制度的に有利に設定されている場合に限られますし、他国のNXを削っているので、世界中が長期停滞に陥っていれば他国を貧乏にするものすごく迷惑な方法です。サマーズが国際協調の立場からドイツを国際的に監視せよと主張しているのはそのせいです(※1)。
日本のようにG(政府支出)を増やす。トランプ政権のように減税でC(消費)を増やす。いずれも財政は悪化します。
あるいは下げられないはずの利子率(r)をさらに下げ、その効果をIではなくてバブルにつなげてCを増やすという方法もあります。サマーズは金融危機前はバブルのおかげでY=Y1が達成できていたとみています(※2)。
日本経済新聞の記事で「第1に」「第2に」「第3に」と並べられてる内容については、需要が構造的に不足して自然利子率がゼロ以下になっているので、金融政策は無効で、財政支出しかないでしょう、せっかく財政支出をするなら長期的な成長につながるようなものに出しなさいとまとめた方がわかりやすいでしょう。
いずれにせよ、かつてのケインズのようにまったく新しい経済政策を誰かが発見するか、科学技術上の大発明があらたな需要を作り出してくれるまでは(いつになるかはわかりませんが・・・ロバート・ゴードンは、AIやロボットも家電製品や自動車ほどじゃない、あんなすごい発明は今後も無理でしょ、としていますが(※3)、技術が需要に結びつくのには時間がかかるのだからまだわからない、という意見もあります)、バブルで金融システムをリスクに晒すか、減税か大規模財政支出で財政破綻のリスクを高めるか―今は高くないですが―どれかしかないのです(もちろん、みんなで貧しく生きようというのもあります。)。
なお、減税といってもCに与える影響はさまざまですが、一般的に貧乏な人の方がMPC(限界消費性向)が高いうえ、日本の低所得者の所得税の負担は既に低いので、するなら消費税減税でしょう。今主張しているのはれいわ新選組です。
安部政権は国と地方あわせて13兆円の財政支出をまとめようとしています。但し、その年のGDPだけかさ上げしてあとはさっぱりといったものではなく(典型的なのは誰も来ないコンサートホールなど)、地球温暖化対策のように社会的に意義がありかつ外部不経済を解消するとか、潜在GDPを長期的にあげるような有用な支出が必要です。私は何が有用な支出なのか、例えば小中学生にパソコン一人1台用意するのが良いか悪いかさっぱりわからないので、マスコミでその点をしっかり議論をしてほしいのですが、残念ながら日本は主要な野党が経済に関心が薄いうえ、主要な新聞はそもそも財政支出の拡大に反対しているので、安部政権に丸投げ状態です。
※1 "Global economy is at risk from a monetary policy black hole" By Lawrence H. Summers , Financial Times, OCTOBER 12 2019
https://www.ft.com/content/0d585c88-ebfc-11e9-aefb-a946d2463e4b
その他ドイツの事情についてはマーティン・ウルフ"日本化しないドイツの幸運" 日本経済新聞(フィナンシャルタイムズ)2019年11月1日 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO51634760R31C19A0TCR000/
※2 "もしもあなたが少し過去を振り返り、金融危機以前の経済について調べたら、ちょっと奇妙なことに気づくでしょう。多くの人が当時の金融政策はユルユルすぎたと信じています。みんなあの頃は膨大かつ過剰な貸付けが行なわれていたのだという意見に賛成しています。ほとんどすべての人が、家計が保有していた富はバブルだったと考えています。過剰なお金、過剰な債務、過大な資産・・・でもそんなに景気良かったでしょうか?設備はめいっぱい稼働していたわけではありません。失業はすさまじい低水準だったというわけでもない。インフレなんてまったくなかった。そう、どういうわけかグレート・バブルですら総需要を過剰にするにはまったく足りなかったのです。" IMF Fourteenth Annual Research Conference in Honor of Stanley Fischer Washington, DC November 8, 2013
http://larrysummers.com/imf-fourteenth-annual-research-conference-in-honor-of-stanley-fischer/
※3 ロバート・J・ゴードン「アメリカ経済-成長の終焉」(日経BP・2018年)
https://www.amazon.co.jp/dp/B07KWMYP13/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1
"れいわ新選組と立憲民主党 どちらが正しいか (自民党とどちらが正しいかも追記しました) "
https://anond.hatelabo.jp/20190622204530
"金融政策はこれからもマクロ経済の安定化ツールであり続けることができるのか サマーズとクルーグマンのツイートより"
https://anond.hatelabo.jp/20190824134241
https://anond.hatelabo.jp/20191014111057
"資金循環 ゆがみ拡大 借金、政府に偏在 日米欧企業カネ余り-チャートは語る"日本経済新聞2019年11月10日
"ピーターソン国際経済研究所のオリビエ・ブランシャール氏は金利が成長率より低い現状では財政赤字の許容度が高まると説いた。"
"上智大学の中里透准教授は「経済低迷を放置すればデフレに陥る。経済政策として財政健全化は選択しにくい」"
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO5185015006112019MM8000?disablepcview
なぜお金があまると、貯蓄が過剰だと財政健全化できないんでしょう?
Ys = Yd, Y = C + I + G + NX という等式からスタートします。
前者は生産、分配(所得)、支出面からみたGDPの三面等価より総供給Ys=総需要Yd、後者はYが所得、Cが消費、Iが投資、Gが政府支出、NXがX-M、経常収支でプラスなら黒字です。これはマクロ経済学の基本なので、分からない人は教科書などで確認しておきましょう。
Y - C - I = G + NX
左辺はY、つまりその期間に生産された財・サービスから消費と投資(いずれも家計がする場合、企業がする場合があります)を除いたものですから民間部門の貯蓄です。つまり民間部門の貯蓄は政府支出と経常収支の黒字の合計に等しいということです。
もちろん消費も投資も政府支出も、異なる経済主体が独自の判断ですることなので、当期に直ちに等しくなるとは限りません。事後的に等しくなる方向で経済が動くという意味です。Ys > Yd 、つまり供給過多で生産された物・サービスから売れ残りが生じても、長期間でみれば価格調整メカニズムが働いて、Ys = Yd となるのかも知れません(この考え方を"セイの法則"といいます。)。しかしながら短期間で観察すると価格調整メカニズムが働くといっても限度があります。売れ残りが生じるとなると、企業は次年度はむしろ生産する数量を減らすでしょう。つまり、少なくとも短期間でみると需要が供給を規定しているのです(この考え方を"有効需要の原理"といいます。これはケインズの発見とされています。)。
では民間貯蓄が過剰な場合に経済を縮小しないで左辺と右辺を均衡させるにはどうしたらいいでしょう?
まずIを大きくする、つまり投資を増やす方法があります。全体としてのIは利子率rの関数とされているので(これを"投資関数"といいます。)、貨幣供給を増やして金利を下げることです。ただし利子率が10%もあればいいのですが、下げて下げてゼロかゼロ近辺に達した場合は、これより下には下げられないか、下げられたとしても(注1)Iを増やす効果は限定的です(この状態を「ゼロ金利制約」「流動性の罠」といいます。)(注2)。そもそも過剰貯蓄とは本来は資金不足で、つまりお金を借りて商売をしていた企業が資金余剰に転じたから生じた現象で(家計はもともと資金余剰です。)、企業が資金余剰というのはお金の借り手がいないということですから、そういう現象が生じた時点で利子率はかなり低いのです。
次にNXを増やす方法があります。ただ、この方法は他国との軋轢の原因になるうえ、貿易黒字は通貨高を招き国際競争力の低下を来たすので、ドイツのように特殊な国際環境でもない限り増やすといっても限度があります(注3)。
残った方法はCを増やす、つまり減税か、Gを増やす、つまり政府支出の拡大です。いずれも財政状況は悪化します。中里准教授が「経済政策として財政健全化は選択しにくい」というのはこのようなメカニズムを指しています。いくらお金があっても誰かが使わないと所得は産まれないのです。
財政健全化というのはマクロ経済的にいうと貧しくなれというのと同義です。もちろん少子高齢化ならやむをえないとか、むしろ経済成長にとらわれない里山資本主義でいくのだ、というのもひとつの生き方、選択だと思いますが、それならそれで正直にそういうべきで、財政健全化したらみんなが安心して豊かになってという説明はどうかと思います。
(注1) 銀行間の借入れ金利に働きかけることにより銀行が家計や企業に貸す出す貸出金利を間接的に下げる「伝統的な金融政策」に対して、ゼロ近辺に達したインターバンクレートからターゲットを変えて、ターム・プレミアムとリスク・プレミアムによってそれより高く設定されている長期金利を下げることを狙うのが、いわゆる「非伝統的な金融政策」です。貸出金利の指標商品である長期国債を大量に購入する、MBSやETFなどのリスク資産を購入してリスク・プレミアムを下げる、インフレ目標と金融政策の先行きを示して期待インフレ率を上げる、などの方法があります。
(注2) 近時、低すぎる利子率は弊害を産む可能性があることが指摘されています。"金融政策はこれからもマクロ経済の安定化ツールであり続けることができるのか サマーズとクルーグマンのツイートより"、ラリー・サマーズのいくつかのツイートを参照。https://anond.hatelabo.jp/20190824134241
(注3) ドイツの事情についてはマーティン・ウルフ「日本化しないドイツの幸運」フィナンシャル・タイムズ、日本経済新聞2019年11月1日がよくまとまっています。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO51634760R31C19A0TCR000/
"れいわ新選組と立憲民主党 どちらが正しいか (自民党とどちらが正しいかも追記しました) "
https://anond.hatelabo.jp/20190622204530
"金融政策はこれからもマクロ経済の安定化ツールであり続けることができるのか サマーズとクルーグマンのツイートより"
https://www.newsweekjapan.jp/noguchi/2019/07/mmt2.php
への批判
筆者は貨幣供給を内生的、外生的とよんでいて、その対立だと述べている。ただ、内生的、外生的というのが、何を指しているのかいまいちわからなかった。
内生的操作をベースマネーでの操作、外生的というのを、金利操作を通じた信用乗数操作なのかなとは感じるが。
マネーサプライ×貨幣の流通速度=国内総生産(=総需要=総供給)−②
の式がある。
信用乗数は、銀行が融資を増やすこと(信用創造)による通貨増(銀行が預けられた金を元に、貸出をしても預けられた金は銀行にあり、預金者が自由に使える。よって、貸出分と、預けた分で金の量は増えてる)
貨幣の流通速度は通貨が取引に回される回転数。金の回転のこと。
中央銀行はベースマネーを操作できる。ただし、日本全体での貨幣量であるとマネーサプライである。
信用乗数は本来、金利の調整である。ただ、金利というのも金の需要(資金調達)と供給(貯蓄)のバランスでは本来決められる。
現在、金利が非常に低くても、融資、増資など資金調達が増えない状態にある。IS-LM分析(I:投資,S:貯蓄,L:流動性選好,S:貨幣供給)に見ると、金利が低いため、LM線が水平の部分にかかっていて、
融資による信用創造が起きない。だから、外生的操作も機能しなくなっている。リーマン・ショック後、世界各国は内生的操作であるベースマネー操作をした。そんなことをしたらハイパーインフレになってしまう!と言われた。実際には、マイルドインフレ自体も成せていないが、それ以前のデフレからは少し抜けた。
さて、この状況を見て、流動性の罠だから、外生的操作(信用乗数操作)は限界で、内生的操作(ベースマネー増加)が意味がある。という議論だ。
という論が強くなった。だから、それが内生的、外生的の議論であろう。内生的、外生的が、僕の想像した定義と合っていればだが。
なので、筆者のIS-LM分析は間違ってると思う。ゼロ金利に近いがLM曲線が横に寝ている状態にあるから利子率が上昇しないってこと。現在のLM曲線は流動性の罠の水平と見るべきだろう。
まあ、日本ではマイルドインフレを成せなかったのは消費税増税の悪影響もあったが。
さて、ここで、ベースマネー、信用乗数、貨幣の流通速度の統計を見てみよう。(画像貼れないので各々検索ぅ!)
ベースマネー急上昇、信用乗数低下、貨幣の流通速度低下。が起きている。
だが、もう一度①,②の式へ戻ってみよう。
インフレ、デフレは、あくまで総需要、総供給の関係とすると、②式が重要。そして、貨幣の流通速度は定数だと考えられていたが、実際は変数で、低下している。
貨幣の流通速度側の対策もしないとならない。そして、政府支出自体が貨幣の流通速度の一要素なので、最終的な総需要、総供給に影響を及ぼせるということ。つまり、マイルドインフレに導けるということだ。
だからこそのマネタリスト批判ということもあるだろう。マネタリストは、数量貨幣説を持ち出すが数量貨幣説はまさに①.②の式であり、最後の貨幣の流通速度まで関わってこそ意味があるものだからだ。
貨幣の流通速度が低下している基では成り立たない。マネーサプライと貨幣の流通速度を同時に対策しないとならないということだ。そこで、マネーサプライ偏重のマネタリストが批判されているのだろう。数量貨幣説を根拠にしつつ、貨幣の流通速度が定数だという誤った仮説をもって、数量貨幣説を無視しているから。
なので、現在の金利をそのまま維持するように誘導して、ベースマネー、及び、貨幣の流通速度の対策両方をすることになる。それが、ベースマネーを発行させての財政出動だ。
というのが、筆者への批判。
ただし、僕もMMTも完全に賛同しているわけではない。新自由主義に比べればはるかに良いとは思っているが。
ひとつは、輸入、及び外貨借金の増大に対する影響。もうひとつは、IS-LMのL:流動性選好の問題だ。
資金過不足統計上(貯蓄投資バランス、ISバランス内部)の振る舞いから示す。
ISバランス上、政府が資金不足=資金需要=資金調達=ISバランス投資と、他の主体が資金余剰=資金供給=ISバランス貯蓄は一致する。
(この式の理由はマクロ経済学の入門の本、サイトならならどこにも書いてるから、ISバランス、貯蓄、投資あたりで検索ぅ)
MMTによる財政出動は、ISバランス上、国内の預金を元に政府が国債を発行するのと変わりがない。なので、政府が資金不足側にかたよる。そうすると、他の主体である家計、企業、海外が資金余剰側にかたよる
別の言い方をすれば、政府が支出して、国内企業、家計が儲かれば、いろんなことに金を使って、最終的には誰かの懐に落ち着くよね。ということ。
国内家計、国内企業ならいいのだが、海外から物を買うとなると少し問題がある。というのは、日本の家計、企業はあくまで日本円で買ってるが、海外相手にはそれを外貨に変えて、支払ってるからだ。
また、輸入が輸出より大きい時は外貨を借金で調達している。財サービス、利益収入などをひっくるめて、海外の収支全部の合計を経常収支という。差分で赤字が出た時は自国通貨が流れ出ているか、借金をしているかのどちらか。
まあ、なので、基軸通貨国であるアメリカはMMTによる財政政策に躊躇することはない。自国通貨が海外に流れでても、発行すりゃいいだけだから痛くも痒くもない。
この外貨による借金(経常赤字)が積み重なると、やばい財政破綻となる。ギリシャ、アルゼンチンなどは経常赤字の積み重ねで、もうこれ以上借金ができないという時に輸入が急ブレーキがかかり、自国通貨が下落した。
なので、日本国民、日本企業があくまで、日本製品を選び続けるぐらい日本企業が強くないとならない。
これは何かというと、銀行預金にして、銀行が貸し出すなり、あるいは、誰かの出資依頼に答えて出資するか、あるいは銀行にためておくかの問題だ。
金利が低下すると、融資、出資しても焦げ付いて意味がない可能性があるので、誰かの資金需要に答えずに貯めこむままでいておく。
というしてん。ただ、僕はここに、フリーハンドの法人税減税、累進所得税減税の影響も絡んでいる。
富裕層は必需品は買っているから、金を貯めこむ比率が高まる。企業はそもそも消費の主体ではない。適切な設備投資案件がないと思えば貯めこんでしまう。
そういう特性があるのにバカバカこの貯めこむ主体を減税してきた。
だから、流動性選好で金利が低下したという影響に加えて、そもそも流動性選好で、LM曲線を寝かす働きが
フリーハンドの法人税減税、累進所得税減税にあるのではないか?というのもある。
とすると、あくまで、法人税減税、累進所得税減税をやめて、元に戻す。ただし、具体的に何か設備投資に繋がる支出や消費であれば減税するという形にして、LM曲線の流動性選好を操作してやる必要もあると思う。
先の、日本国民、日本企業が日本製品を選び続けるぐらい強ければ財政破綻は起きないと述べた。だが、フリーハンドの法人税減税は、設備投資低下につながっている。
経常収支は黒字だが、貿易収支は赤字を出すようになっている。液晶が敗れ、液晶の次の技術である有機ELは液晶で地場を作って有機ELにかけた海外の会社のものになりました。
リチウムイオン蓄電池も日本負け気味だし、この感じだと、リチウムイオン蓄電池で地場をつくた会社が全固体電池でも勝つのかもねと思ってる。
本当にこれだけ。
近年の売り手市場のおかげで良い就職ができた若者たちは一生自民党に投票し続けるぐらい感謝している。
だから僕は、野党が若者に支持されるためにさらに若者の雇用を改善する政策にコミットして欲しい。
既に自力で良い勤め先を見つけた都会の賢い若者だけでなく、自民党が移民を入れることで切り捨てようとしている田舎の低学歴・低職歴・低スキルの若者でも妻子を養えるほどの収入を得られるように。
具体的に思いついたのは、ボンクラでも仕事が見つかった昭和を再現して、たくさん人を雇う土建業や製造業に仕事を回す公共事業の拡大だ。
日本人の若者を雇った数と支払った賃金に応じて入札できる仕組みにして、企業が若者を片っ端から雇って子供を育てられるだけの稼ぎになるまで政府が仕事を作り続けると約束する。
財源は国債で賄う。この政府支出のおかげで仕事に就けた若者や生まれることのできた子供が将来返済するのだから、これは正義にかなっている。
これも経済の話。
医師の割合はOECD加盟国では最下位レベル(http://diamond.jp/articles/-/7830)であり、過剰供給などとはとても言えない状態であることは明白なのにね。
過剰供給などとぬかす輩はおそらく日本は対GDP比で医療支出が高い云々と言うのだろうが、それは高齢化のせいで患者数が増えてるからであって支出が多いから医師が多いということを現しているわけではない。
患者が多いならその分、医師を増やさないといけないというのが道理なわけで、これを放置すれば現場は当然ブラック化してしまう。
そうならないためには、さらに医療支出を増やして医師数を増やさなければならないのだけど、日本では緊縮財政で支出を切り詰めて財政再建をやらなければ財政が破綻して大変なことになるという宗教が流行っていて、政府支出を頼りにする医療、教育、福祉分野等はこれの犠牲になっている。
で、そういう緊縮財政は間違いでなんの役にも立たないという実証研究をまとめたのが、医師と公衆衛生学者によって書かれた『経済政策で人は死ぬか?(http://www.amazon.co.jp/dp/4794220863)』なので読んでみるといいと思う。