・和田毅(草上仁)「生まれくる者、死にゆく者」
・高野史緒「G線上のアリア」
・山本弘「怪奇フラクタル男」
・田中哲弥「大阪ヌル計画」
・岡崎弘明「ぎゅうぎゅう」
・森岡浩之「A Boy Meets A Girl」
の6篇。
ここで、伴名練からは京大SF研の先輩(たぶん)にあたる曽根卓が出した『架空アンソロジー 年間日本SF傑作選91~99を編む』という同人誌がある。
タイトル通り、対応する書籍がない90年代の年間SFベストを選出する企画だが、上に挙げたうち「G線上のアリア」以外の5篇がこっちでも名前が挙がっている。(高野史緒は代わりに同年の「未来ニ愛ノ楽園」が選ばれている)
曽根卓は年十数篇ずつの名前を挙げているから、この年代の名作を選べばかぶるのは当然、という考え方もあるかもしれない。
しかし、ここに挙がっているのは先行アンソロジーとのかぶりを避けた、「定番」とはほど遠いセレクトばかりだ。
また各作家は当時のSF分野を支えていた存在で、どれも該当期間に相当数の作品を発表している。そこからのセレクトが共通するのはまったくの偶然だとは考えにくい。
ほかの年代については、2010年に京大SF研の会誌『WORKBOOK』に載ったという「年間日本SF傑作選を編む00~06」が入手できないので検証不可能。
でも、曽根卓のブログ記事(https://sonesuguru.hatenablog.com/entry/2019/04/04/211833)で藤田雅矢「奇跡の石」扇智史「アトラクタの奏でる音楽」が、
ツイートで中島らも「DECO-CHIN」(https://twitter.com/sonesuguru/status/780075409459118081)、
中井紀夫「死んだ恋人からの手紙」(https://twitter.com/sonesuguru/status/866997074612465670)、
中原涼「笑う宇宙」(https://twitter.com/sonesuguru/status/635871919695265792)が、
同じく曽根卓が編集した同人誌『新・旧ハヤカワSFコンテスト総解説』内の文章("城内首夫"なる書き手の詳細不明)で谷口裕貴「貂の女伯爵、万年城を攻略す」が、言及されているのを見ても
(しかも口ぶりからすると、SFファンならだれもが知っているというわけではなさそうだ)、伴名練とはかなり知識と評価軸が共有されているのが予想できる。
そう、知識と評価軸の共有だ。埋もれたSF作品に対する伴名練の知識量と熱意はもはや広く知られているが、それは孤独な読書で培われたのではなく、導き、導かれ、ともに歩く仲間があってこそだったらしい。
ちょっと調べたら、当時の京大SF研が猛者揃いで、伴名練がそこで揉まれたのは周知の事実だったようだが、自分はこれまでいまいちピンと来てなかったのでここに書いておく。
]]>十文字青なら「ぷりるん」か「いつも心に剣を」かな。
「ぷりるん」を始めとする一連の「第九シリーズ」は、第九高校を舞台にしてるだけの繋がりしかなくて、作品ごとにかなり毛色が違うので注意。
「絶望同盟」とか、タイトルだけ見るといかにも絶望してそうだけど、中身はけっこう感動系の青春物。
「いつも心に剣を」は、こちらは本当に絶望的な展開なのでオススメ。
扇智史は「アルテミス・スコードロン」か「塔の町、あたしたちの街」がオススメ。
]]>「俺妹」が読めるなら「はがない」も十分に楽しめると思う。特に最新刊。
「空パン」読んだあとは「丘ルトロジック」を。
そのあと十文字青と扇智史を読むべき。
アサウラの「バニラ」が良かったなら木ノ歌詠(瑞智士記)の「幽霊列車とこんぺい糖」を読むべき。
秋山瑞人はたぶん読んでるだろうけど、読んでなかったら「イリヤ」を。
あとは中村恵里加とか。
ああ、浅井ラボを忘れてた。
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