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2023-01-26

[]YCC運用含め金融緩和継続適当、丁寧な説明を-日銀

日本銀行が1月17、18日に開いた金融政策決定会合で、現行のイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策運用も含め、現在金融緩和継続することが適当との意見が出た。その必要性について丁寧な説明を行うことが重要との指摘もあった。「主な意見」を26日に公表した。

  日銀が昨年12月長期金利の許容変動幅を拡大するYCC運用見直しを決めたことで、市場には一段の政策修正に対する思惑が広がっていた。政策委員は、運用見直しについて「あくまでも金融市場機能改善を通じて金融緩和をより持続可能とするための措置だ」と説明効果を「いましばらく時間をかけて見極める必要がある」との指摘もあった。

  会合では、現行の大規模な金融緩和策の継続を決め、金融調節の円滑化を図るため、国債などを担保金融機関に低利で資金を貸し出す「共通担保資金供給オペ」を拡充した。金利入札方式も貸付期間を従来の1年以内から10年以内に長期化するとともに、固定金利方式適用利率について、年限ごとの国債市場実勢相場を踏まえて、貸し付けの都度決定するとした。

  共通担保オペの拡充についてある政策委員は、「現在の大規模な国債買入れに加え、安定的イールドカーブ形成に役立つ仕組み」と指摘。同オペも活用しながら「機動的な市場調節運営を続けることで、市場機能改善していくことを期待している」との意見も出た。前回会合に続いて金融政策検証必要性も指摘された。

消費者物価

  会合後に公表された新たな経済・物価情勢の展望展望リポート)では、消費者物価生鮮食品を除くコアCPI)の前年比上昇率の見通しについて、2022年度を3.0%と従来の2.9%から上方修正した。23年度は1.6%に減速し、24年度に1.8%に伸びが拡大する見通しだが、黒田東彦総裁は2%の物価安定目標を「持続的・安定的に達成できる状況は見通せていない」としている。

  会合では消費者物価について「物価上昇の起点であるコスト・プッシュ圧力は減衰し始めている」などとして23年度にかけてプラス幅が縮小していくとの見方複数あった。先行きについては賃上げ実現の重要性を指摘する声が相次ぎ、「賃上げの機運は高まっており、大企業を中心に相応のベアが実現する可能性があるが、中には賃上げに慎重な声もある」との見方が示された。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-26/ROXL4YDWLU6C01

2023-01-12

[]日銀、大規模緩和の副作用点検へ…年末政策修正後も市場金利にゆがみ

日本銀行は17、18日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策に伴う副作用点検する。昨年末政策修正後も市場金利にゆがみがあるためだ。悪影響を減らして緩和的な金融環境を維持し、物価高の下での投資や消費を支える。

 債券市場における金利形成や、短期金利の状況を確認する。昨年12月会合で、0%程度に操作する長期金利の上限を0・25%から0・5%に拡大した。ただ、1月以降は長期金利が上限で推移するほか、償還期限のさらに短い金利も上昇しやすく、日銀の狙いと異なる金利の動きがみられる。国債の購入量の調整などで市場のゆがみを是正できるかを見極める。必要場合は追加の政策修正を行う。

 会合後に公表する「経済・物価情勢の展望展望リポート)」では、2023、24年度の生鮮食品を除く消費者物価の上昇率を10月時点の1・6%から、いずれも日銀目標値とする2%に近づくか上回る水準とする見通し。幅広い品目で広がる原材料高に伴う値上げを反映する。

 もっとも、物価動向は、政府による電気料金負担軽減策の影響を受けやすい。日銀会合で、金融政策判断は、経済対策の影響を除いた物価動向を重視する方針を共有する見通しだ。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230112-OYT1T50050/

2013-04-27

4月27日 日本経済新聞 朝刊 1面

物価2% 「15年度の早期」

日銀総裁 緩和効果テコに

日銀黒田東彦総裁は26日の金融政策決定会合後の記者会見で、消費者物価の上昇率が「2015年の早いうちか前半に2%程度に達する」との見通しを示した。同日公表した最新の物価経済見通しでは、積極的な金融緩和などをテコにした日本経済の回復で、目標とする2%に2年程度で達する道筋を示した。ただ、実質経済成長率や物価見通しは民間予測よりかなり高めになっており、実現のハードルは高い。

展望リポート 民間予測と隔たり

最新の物価経済見通しを盛り込んだ「展望リポート」によると、今年度の物価上昇率(生鮮食品消費税率引き上げの影響を除く)見通しは0・7%、14年度は1・4%とし、1月時点の見通しと比べ0・3~0・5㌽上方修正した。今回初公表した15年度は1・9%とした。

日銀物価見通しは9人いる決定会合メンバーのうち、最大限と最小限を覗いた7人の見通しの中央値で示す。15年度の1・9%との見通しについて日銀幹部は「2%程度の物価目標に届くとの認識だ」と語った。

2%への道筋を描いたリポートでは、日本経済が0%台半ばの潜在成長率を大幅に上回る成長を続けるとのシナリオを示した。黒田総裁は「需給ギャッププラスになる」と語り、デフレ圧力朱印である需要不足から日本経済が早期に抜け出すとの見通しを強調。金融緩和効果で、市場インフレ期待も高まり2%の物価目標の達成につながると説明した。

ただ、日銀見立て通りに経済が推移するかは不透明さが強い。

海外経済の成長率が次第に高まっていく」。展望リポートは、日本経済の実質成長率は12年度の1%程度から13年度に2・9%まで急加速するとの見通しを盛り込んだが、中国など世界経済を牽引してきた新興国は成長鈍化が目立っており、国際通貨基金世界経済の成長率見通しを下方修正したばかり。

14年度の物価見通しの民間平均は、消費税率上げによる押し上げ効果を除くと0・5%程度。日銀見通しの1・4%を大きく下回る。SMBC日興証券宮前耕谷氏は「2年後に物価2%を達成するには2年連続で4%近い成長が必要。非現実的だ」と指摘する。

こうした市場空気を反映して、15年度の物価見通しは9人の委員の予測が0・8%~2・3%までばらつき、少なくとも2人が1%にすら届かないとの見通しを示した。「(15年度までの見通し期間の後半にかけて、2%に達する可能性が高い」との展望リポート表現にも、佐藤健裕、木内登英の両審議委員が反対した。

足元の物価上昇率マイナス0・5%。政府消費税率を14年4月に現行の5%から8%に、15年10月に10%に上げる。この影響を盛り込んだ物価上昇率について日銀は14年度は3・4%、15年度は2・6%と見込んだ。マイナス圏の物価が3%前後まで上昇することで日本経済にどの程度負荷がかかるか展望リポートは明確には示していない。

日銀は決定会合で、新たな金融緩和策の枠組みを維持することも決めた。

 
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